524 名前: たとえばこんな最終回 [sage] 投稿日: 2007/10/05(金) 00:14:36 ID:3cXO2dHE 聖地のゲートは開いた。それはつまりサイトの元の世界、地球と呼ばれる場所へ 通じるゲートだった。
サイトがこの地、ハルケギニアに気持ちを残していかないように。わたしへの想い に縛られないように。テファにお願いしたの。忘却の呪文をわたしたちにかけるようにって。
わたしもテファに忘却の虚無をかけられたーーーはずなのに。 何一つ忘れていなかった。
目の前にいる使い魔だった愛しい人のこと、大切な思い出も。 虚無には虚無は通じなかった。
わたしには効かなかった。けど、サイトには効いてしまっているだろう。 たぶんサイトはもはやわたしの言葉もわからなくなっているかもしれない。 でも、今を逃せばもう二度とサイトにわたしの気持ちを伝えられないのだ。
「−−−もうわたしの言葉わからないんだよね。」
「あたし、あなたのことが好きだったよ。しってた?」
「ちゃんと言えなかったこと、すごく後悔してたんだよ。しってた?」
「誰にも渡したくないって、今でも思ってるの。しってた?」
「ほんとは行ってほしくないって思ってるの。しってた?」
鳶色の瞳から大粒の涙が流れた。 「−−−じゃぁ、さよなら。ーーーもう逢えないけど。・・・これはしってたでしょ?」
ルイズは何も言わずに見つめ続けるサイトにお別れのキスをした。
(了)