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175 名前: ツェルプストーの熱き血 [sage] 投稿日: 2007/11/04(日) 10:38:46 ID:UOrNevyT

「お久しぶりね、みんな!」  馬車から降りてきた友人達を、両手を広げて出迎える。  タバサ、ティファニア、モンモランシーらと代わる代わる抱擁を交わしたルイズだったが、キュルケが下りてくると両腕を下げた。 「あら、わたしとは再会の抱擁を交わしたくないってことかしら」  冗談めかして言うキュルケに、苦笑気味に首を振る。 「違うわよ。そんな格好じゃ、まともに抱擁できやしないでしょ」 「そうね。ジャン、ちょっとこの子をお願い」  今まで両手に抱いていたものをコルベールに預けると、キュルケは改めてルイズと抱擁をかわした。  体を離し、ルイズはおもむろに問いかける。 「今年でおいくつになるんだったかしら」 「2つよ」  夫であるコルベールに抱かれて眠っている自分の娘を、キュルケは柔らかい眼差しで眺めた。 「これがもう、本当に元気な子でね。元気すぎて困るぐらいなのよ。この間も、領地の兵100人を」 「まあまあ、積もる話は中で、ね? さ、皆さんこちらにどうぞ」  ルイズは手でヴァリエール邸を指し示した。

「しかしまあ、本当に早かったね!」 「何が」 「皆が結婚するのが、さ」  前髪を指で弄びながら、ギーシュが苦笑気味に仲間達を見回す。 「東方まで冒険して帰ってきて、一年経つよりも早くくっついていたじゃないか、僕らは」 「未だに誰とも予定のない人がここにいるんだけどね」  マリコルヌがため息混じりに言うと、ヴァリエール邸のダイニングルームにどっと笑いが起きる。 「ルイズとサイトが結婚、ギーシュとモンモランシーが結婚、キュルケとミスタ・コルベールが結婚……と」 「落ち着くところに落ち着いた感じですよねえ」  紅茶を啜りながら、ティファニアが穏やかに微笑む。タバサが周囲を見回した。 「そう言えば、サイトはどこ?」 「この時間帯なら、お父様と訓練してるんじゃないかしら。  もしかしたらヴァリエール公爵家を継ぐことになるかもしれない婿様だから、徹底的に仕込まれてるのよ」  ルイズが澄まして言うと、先程から何やらブツブツ呟いていたマリコルヌが首を傾げた。 「あれ、でもサイトの奴、今は一階の南東角のところで黒髪のメイドと話し込んでるみたいだけど。  ああ、遠見の魔法で見てるんだけどね」 「ごめんなさいね、ちょっと失礼するわ」  少し抑えた口調で言って、ルイズが足早に部屋を出る。  それを見送った一同が、揃って肩をすくめた。 「相変わらずよね、あの子も」 「あんな調子じゃ、二人の子供を見るのはまだまだ先になりそうだね」 「あら、分かんないわよ」  キュルケが悪戯っぽく片目を瞑る。 「わたしだって一年もせずに産んだんだもの。  ジャンったら、結婚前はあんなに固かったのに、結婚後はそれはもう情熱的に」 「こ、これキュルケ」  コルベールが慌ててキュルケを止めに入る。ギーシュが苦笑した。 「やれやれ。当学院最高の頭脳を誇るミスタ・コルベールも、結局は一人の男だったってことですか」 「い、いやあ、面目ない」  赤い顔で頭をかくコルベールに、一同からまたも温かみのある笑いが起きる。

176 名前: ツェルプストーの熱き血 [sage] 投稿日: 2007/11/04(日) 10:40:03 ID:UOrNevyT

 それから少し経って、マリコルヌは小用に行くためにダイニングルームを出た。 (はぁ。皆が結婚ねえ。僕はいつになるんだろうなあ)  学院を卒業してからもからきし恋愛と縁のない自分を顧みて、マリコルヌは歩きながらため息を吐く。  角を曲がったとき、彼は廊下の中央に何か小さな影が座っているのを発見した。 (あれ。あれって、キュルケの子供じゃないのかな)  別室に寝かせてあったはずの赤子が何故こんなところにいるのかと、首を傾げながら近づく。  癖のある赤毛が印象的なその子供は、近づいてきたマリコルヌを見上げて「あー」とか「うー」とか言いながら小さな腕 を伸ばしてくる。 「ははあ、扉が開いていたためにここまで一人で歩いてきてしまったんだな。そういえば、キュルケが元気すぎて困るとか 言ってたっけ」  とりあえず自分が元のところに戻してあげようか、と思って赤子に向かって手を伸ばすと、赤子はその手をすり抜けて、 マリコルヌの足に向かって這い寄ってきた。 「うー」 「あははは、本当に元気な子だなあ……って、ちょ」  マリコルヌが止める間もなく、赤ん坊は彼の足を上り始めた。 「これは本当に元気な……って、え?」  気付くと、ズボンをずり下ろされている。他人の家で下着丸出しである。マリコルヌは焦った。 「え、ちょ、何が」  だが、ズボンをずり上げる暇もなく、今度はパンツを下ろされた。  一体いつの間に下ろされたのか。目にも止まらぬ早業である。 「い、一体この子は……!?」 「あー」 「い、いや、今はいい。それよりも早く大事な部分を隠さないと……!」  慌てて屈み込もうとしたら、赤ん坊が足にしがみついていたせいもあってバランスを崩して転んでしまう。  尻餅をついて「いたたたた」と呻いていると、大事な部分に柔らかい何かが絡み付いている感覚があった。  ぎょっとして見ると、倒れたマリコルヌのむき出しの陰茎を、赤ん坊が「いー」とご満悦な笑みを浮かべながら弄んでいる。 「こ、こらこら、それは玩具じゃ……あふぅ」  赤ん坊は楽しそうに、両手で陰茎を弄り始めた。  無論マリコルヌとて赤子に欲情するほど救いようのない変態ではないが、その手の柔らかさと巧みな技に、陰茎が首をも たげてくるのを抑えられない。 (お、恐ろしい子……!)  たまらず、マリコルヌは嬌声を上げた。

新着レス 2007/11/04(日) 10:41 177 名前: ツェルプストーの熱き血 [sage] 投稿日: 2007/11/04(日) 10:41:29 ID:UOrNevyT

 ダイニングルームで談笑を続けていたキュルケたちは、部屋の外から聞こえてきた長い長い絶叫に、顔を見合わせた。 「なんだろう」 「ルイズの声だったみたい」 「ま、まさか……!」  一瞬コルベールと顔を見合わせたキュルケが、凄い勢いで部屋を出て行く。他の面々もすぐに後を追った。  屋敷の中は、まさに死屍累々と言うべき惨状を呈していた。  そこかしこに下半身を露出させた男たちが倒れており、皆陰茎の先からドロドロした白い液体を垂れ流しにしている。 「あちゃあ、遅かったか」  走りながら、キュルケが頭を抱えている。紅潮した顔で周囲の惨状を見回しながら、モンモランシーが怒鳴った。 「なに、なによ、一体どういうことよ!」 「来てみれば分かるわ」  短く言い置くキュルケについて、一同は屋敷の中を走りぬける。  そして一階の南東の廊下に辿りついたとき、そこに立ち尽くす三人の人影を見つけた。 「ルイズ、サイト、シエスタ!」  キュルケが駆け寄って、呼びかけた。 「大丈夫? 特に、サイト」 「キュ、キュ、キュ、キュルケェェェェェッッ!」  ルイズが物凄い勢いでキュルケにつかみかかる。 「なに、なんなのよあの赤ん坊! わたしたちの目の前で、我が家の召使を昇天させて物凄い速さでハイハイ……!」 「あー、ごめんねぇ、ホント」  キュルケが苦笑気味に頬を掻く。 「なんか、ああいう悪戯が大好きみたいで。ホント、元気すぎて困っちゃうわよねー。この間も我が家の兵を百人ほど……」 「のん気に話してる場合か! と、止めるぞ、すぐに!」  才人が慌てて走り出し、他の皆も後を追う。  一人放心状態でその場に残ったルイズは、 「侵攻よ……ツェルプストー家の侵攻が始まったんだわ……!」  と、虚ろな瞳で呟き続けた。

 以上が、ヴァリエール家がツェルプストー家との交流を完全に閉ざすに至った顛末であると歴史学者ノーヴォル・ヤマグッ ティー氏は語っているが、真相は定かではない。  なお、住人からこの話を聞きだしたとき、同氏は 「一度でいいから赤ん坊とにゃんにゃんしてみてえ」  というコメントを残している。まことに業が深い話である。