ゼロの保管庫 別館

25-268

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だれでも歓迎! 編集

268 名前: 恋人はサンタクロース(1/2) [sage] 投稿日: 2007/12/25(火) 21:59:16 ID:1upB5H7C サイトが向こうへ行ってちょうどひと月が経とうとしていた。 今日は、降臨祭の初日の夜。

ふぅ。 ため息ばかりでちゃうの。早く帰って来るって言ったのに〜。 この部屋がやけに広く感じちゃうわ。 あいつが来る前は狭いくらいだったのに。なぜかしら。 サイトが居ないときに限って、色んな人が来るのよね。 ドアがノックされるたびドキドキするのに、サイトじゃないんだもん。

そりゃ、イライラだってしちゃうわよ。ずーっと、ずーーーっと待ってるんだから。 ギーシュなんかも来ちゃうし。しかもサイトの声色真似るもんだから 思わず抱きついちゃったじゃないのよっ!! 危うくキキキキスしちゃいそーになったわよ。ほんとにふんとにっ。 ギーシュにはお礼に虚無をお見舞いしちゃったわ。 そばにモンモランシーもいたし、治してもらえるからいいわよね。

タバサも来たわ。一緒に待つなんて言い出してベットで本を読み始めちゃったのよ。 出てってもらうのに何時間もかかっちゃったじゃない。 なんなのあの子・・・もしかしてサイトのコト・・・ゆゆゆ許さないんだから。

―――にしても、遅い、遅すぎるわ。

こんな魅力的で可愛いご主人さまを、しかも一大イベントの降臨祭の初日に 独りぽっちにしとくなんてっ!!バカバカバカバカ、サイトのバカ!!! こんなことだったら、あの時に告白しなければよかったわ。 ・・・でも、あいつが他の女の子と付き合うなんてやだわ。絶対やなんだもん。

わたしのイライラゲージがMAXを迎えようとした、その時。 待ち人が帰ってきた。部屋のドアからではなく、光のゲートをくぐって戻ってきてくれた。

サイト・・・こんなに待ったんだもん。なんかお詫びの一つくらいいいなさいよっ。 久々に言っちゃおうかしら・・・犬。なにかわたしにゆーことあるでしょ。 そう、お返事は’わん’。良くできました♪ 今度はお手。おーて。そう。おりこーさ―――え??サイト?

わたしの手には紫色の小さな小箱がのっかっていた。

これ・・・どしたの??

向こうで買ったの!?

ほんのちょっぴりイライラが収まったかも。どうしてかしら。口元が緩んじゃうわ。

開けていい?

わたしは小箱のふたをゆっくり開く。

269 名前: 恋人はサンタクロース(2/2) [sage] 投稿日: 2007/12/25(火) 21:59:48 ID:1upB5H7C

キラッ。 ・・・綺麗。小箱の中には、透明な石が複雑な幾何学模様にカットされたものが白金の台座に載っていた。 ダイヤモンドという宝石らしい。ハルケギニアでは見たことのない、綺麗な輝きを持つ石だ。

もらっていいの。でも、高かったんでしょ。あなたのお給金じゃ相当無理したんじゃ・・・ エン?エキューじゃないの?向こうの通貨の名前なんだ。

わたしにある予感が閃いた。自惚れって思われるかもしれないけど、確かめるんだもん。

もしかして・・・これを買うために遅くなったの?

サイトの首が縦に動いた。やっぱりそうだったんだ。いつしか、わたしのイライラはドキドキに変わっていた。

サイトの右手がわたしの目の前に差し出された。 わたしは彼の手にもらった指輪の入った小箱を載せる。

すると、次に彼はわたしの左手を取って、驚くべき一言を言ったのだった。

(おれと結婚してくれるよな)

わたしの瞳には温かいものがあふれ出していた。 嬉しい。とっても嬉しいの。 胸が一杯になっちゃって、なかなか”はい”って言えないわ。

そんなわたしをサイトは優しい眼差しで待ってくれている。 答えなきゃ、”はい”っていうんだもん。 滂沱として流れる涙と嗚咽が答えさせてくれない。

しばらくして、やっとのことで”はい”って言えた。 そのわたしの答え聞いたからだろうか、心なしか彼の頬が赤くみえる。 彼はわたしの目をじっとみてから指輪はめるよって言った。

サイトがわたしの薬指に指輪をはめてくれた。 わたしは、サイトの首に手を回して抱きついた。

そして、彼の唇にありがとうの印をあげた。

サイト。わたしのサイト。ずっとずっと一緒なんだもん・・・

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