ゼロの保管庫 別館

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だれでも歓迎! 編集

331 名前:君の名は[sage ] 投稿日:2006/09/24(日) 17:32:34 ID:B4kXxnpa その日、才人はトリステイン魔法学院の中庭で素振りをしていた。

「せっかくの休みだってのによくやるねえ相棒」

振られているデルフリンガーが呆れたように言う。

「身体動かさないとなまるしなー」 「だから原型なくなるって…」 「なくなるまではしないよ、さすがに」

でも前ほど回数できなくなってるのはやっぱり…。 夜の回数多すぎるんだよ実際! 叫びたくなる喉を押さえ、才人はデルフリンガーを振り続ける。 すると、中庭から見える門の方で、門衛がなにやらもめているのが見えた。 気になって見に行ってみると、門の前で門衛とフードを目深に被った女性がもめていた。

「だから、私はこの学院の知り合いに会いに来ただけなのです!」 「だから何度も言っているだろう?確固たる身分の証のない者を、通すわけにはいかないんだよ」 「ヒラガサイトさんを呼んでいただければわかると、何度も申し上げているでしょう!」 「だから、個人の名前を出しても証がないことには」 「どーしたの?」

自分の名前が出たことが気になって、才人は門衛に話しかけた。

「ああ、サイト殿。この娘が、あなたを呼べとしつこいのです。証がなければ入る事はできないと言っているのに」

その娘は、才人の顔を見ると、嬉しそうに口元を綻ばせ、被っていたローブを脱ぎ、顔を見せた。 黒い髪を後ろでポニーテールにまとめた、その整った顔立ちの少女は…。 髪の色と髪型こそ違っていたが、その顔は、まぎれもなく…。

「アン!…り、げふげふ」

思わず『アンリエッタ陛下!』と叫びそうになるのを、才人はなんとかこらえた。 また、やんごとない理由でもあるのだろうと、とりあえず黙っている事にした。

「知り合いですか?サイト殿」 「あ、ああ、王都で知り合った子で、名前はアン」 「『魅惑の妖精亭』で働いていた者です。通していただけますか?門衛さん」 「は、はあ。サイト殿の知り合いだというなら…」

しぶしぶ、門衛は彼女を中に通した。

「ちょっと、何考えてんすか!一人でこんなとこ来て!」 「ふふふ、驚いた?」

言ってアンリエッタは口元に指を当てて笑う。それは、普段の女王としての風格のギャップを感じさせ、分かりやすく言うと。 うわ。めっさかわええ。 思わず才人は見入ってしまう。 そんな才人に、今度は小首をかしげて「ん?」と顔を覗き込んでくる。 こ、これが世に言う『萌え死ぬ』ってヤツっすか! じゃなくて!

「あなた女王陛下でしょ!王室の仕事とかどーしたんすか!」 「実は、ルイズを呼び出したのはこのためだったんです」

332 名前:君の名は[sage ] 投稿日:2006/09/24(日) 17:33:18 ID:B4kXxnpa アンリエッタは、ルイズを単独で呼び出した経緯を語り始めた。 アンリエッタは、どうしても王宮から抜け出したかった。そこで、ルイズに相談を持ちかけた。 この2日間、アンリエッタの仕事はといえば、各種会食と書類の押印のみ。そこでアンリエッタは、ルイズに「姿写しの指輪」という、使用者の姿を変化させるマジック・アイテムを使わせ、自分の代役としたのである。 当然ルイズは断ったのだが。

「油断した隙にちょっと魔法で…ね」

言って舌の先をぺろりと出す。 アンリエッタは水魔法でもってルイズに催眠術をかけ、2日間強制的にルイズを「アンリエッタ」としたというのだ。

「ちょ、そりゃいくらなんでも」

それなりの覚悟を持って臨む、と申しましたわ、ルイズ・フランソワーズ。油断するアナタが悪いのようふふふふふふふと心の中だけで笑い、アンリエッタは才人に悲しみに満ちた顔を向けた。

「私とて人の子。神ではありません。たまには自由も欲しいのです。分かっていただけるかしら」

言って、才人の腕を取り、遠慮なくそのやわらかい肉丘を押し付ける。

「い、いやまあわからんわけでもないですけども」

一気に才人の頭の中身はアンリエッタ肯定に傾く。 アンリエッタはその言葉を聞いて、にっこり微笑んだ。

「では、今日一日付き合っていただけますか?サイト殿」

「今日一日は、私を『アン』として扱ってください」

普段の喋り方では人目につくので、喋り方は街娘っぽく。 当然、名前は『アン』で通す。 『魅惑の妖精亭』で給仕として働いていた経験がある、ということにしておく。 以上が、アンリエッタが『アン』に化けるのに必要としたものであった。

「確かに、バレてないみたいだなあ」 「でしょう?これでも一生懸命勉強したのよ」

言って才人の横でにっこり笑う。その笑顔はいつもの儚さを含んだそれとは違い、こぼれるような明るさを宿していた。 服も、当然いつものドレス姿ではなかった。 白い薄手のブラウスに、なんと、足のラインにぴったり合った黒いズボンを履いている。確かに服装だけを見れば平民のようだ…が。 トリステインでズボンを履く女性は珍しいらく、通りすがる学院の主に男子生徒の注目の的になっている。 そんな生徒たちの視線に、アンリエッタはにこやかに手など振っている。 あきらかに数名の男子生徒が、顔を赤らめて視線を逸らす。 確かに、これなら彼女がアンリエッタだと思うものはいないだろう。 『アンリエッタ女王』が持っている、壊れそうな美しさと違い、『アン』のそれは、日向に咲く花のような、健康的な美しさを持っていた。 確かにバレないけど、思いっきり目だってんなあ…。 男子生徒たちは遠巻きに、「誰だ、あの美しい女性は」「平民じゃないのか」と噂しあっている。 このままじゃまずい、そう思った才人は、最も平民の多い場所…厨房へアンリエッタを連れて行った。

333 名前:君の名は[sage ] 投稿日:2006/09/24(日) 17:33:52 ID:B4kXxnpa 当然といえば当然だが。 昼前の厨房は地獄だった。

「はい鳥あがったよー」「サラダ、ニンジンたんないよ!なにやってんの!」「スープストック、出ます!」 「はいどいてどいてー」「茶がない!茶がない!」「塩、まだ足りんというのか!」

「っはー…」

『魅惑の妖精亭』で慣れているとはいえ、この光景は圧倒される。 隣のアンリエッタを見てみると、目を輝かせていた。厨房の活気が珍しいらしい。

「おう!我らの剣!どーした?シエスタはどーして」

やってきた才人に目を留めたマルトー親父の目が点になる。そして、才人に向かって手招きをする。

「おい。ちょっとこいサイト」

目がマジである。 才人がアンリエッタに「ちょっと待ってて」と言ってマルトー親父の所にいくと、マルトー親父はそのごっつい腕で才人の首にヘッドロックをかけた。

「なななななな、なんだよあの綺麗な人!」

アンリエッタに目がいっていたらしい。 才人は説明用の台詞を持ち出す。

「『魅惑の妖精亭』で働いていたときに知り合った人で、名前はアン。今日はこの学院を見学に来たんだって」 「そそそそそそそうか!そうなのか!お前の彼女とかそーいうんじゃないんだな!」 「いやまあ確かに違うけど」

それを聞いたマルトー親父は、才人を思いっきり突き飛ばすと、アンリエッタの前に立った。 顔がユデダコのようである。

「わわわわわわ私、ここの総料理長を勤めさせていただいております、マルトーと申します!  聞けばアンさんは、この学院を見学に来たとのこと!よよよよろしければ僭越ながら、私がご案内を」 「結構ですわ」

にっこり即答。 そして、立ち上がってきた才人の右腕に自分の腕を絡ませる。

「私にはサイトさんがいますので。サイトさんに案内して頂きますわ」

マルトー親父は完全に固まる。

「あ、そこの方、なにかお手伝いできることはありませんか?見ていたら、身体を動かしたくなってきました」

アンリエッタは、固まったマルトー親父を放置して、忙しそうに剥いたジャガイモを運ぶ青年に声をかけた。

「あ、あの、じゃあお皿を並べるのを手伝っていただけますか?」 「じゃあ、お手伝いいたしますわ。ほら、サイトさんも!」 「え?お、オレも?」

アンリエッタは才人の手を取り、皿の満載されたワゴンを引いて食堂に出て行った。 残されたのは、厨房の喧騒と、一人固まるマルトー親父。

「あの、親父さん…」

若い料理人が、棒立ちになっているマルトー親父に声をかけた。 マルトー親父は、立ったまま、漢泣きに泣いていた。 世の中は不公平なものなんである。

334 名前:君の名は[sage ] 投稿日:2006/09/24(日) 17:34:38 ID:B4kXxnpa まだ誰も生徒の来ていない食堂で、才人とアンリエッタは、机に皿を並べていた。

「楽しいですわね」

皿を並べながら、アンリエッタは言う。

「はい?」

才人には、皿を並べるこの仕事のドコが楽しいのか、全く持って分からない。 才人が不思議そうな顔をして皿を眺めていると、

「身体を動かして働くのは楽しい、そう言っているのです」

アンリエッタは言う。

「机の上で書類とにらめっこしたり、謁見室やダンスホールで愛想を振りまくより、ずっと楽しいですわ」

考えてみれば当然のことだ。アンリエッタは王女として生まれ、若くして女王となった。 身体を動かして働くことなど、あるわけがない。 そんなアンリエッタを見て、才人はやっぱりこの人は女王なんだと、改めて認識した。 そして、アンリエッタは不慣れな手つきながらも、皿を一枚一枚並べていく。

「あっ」

不意に、アンリエッタの手がすべり、皿が彼女の手の中からずり落ちた。 その瞬間、隣で皿を並べていた才人が咄嗟に手を差し出し、その皿を空中で受け止めた。

「おっと危ない。はい、気をつけてくださいね」

才人はその皿を、アンリエッタに手渡す。 そんな才人を見て、アンリエッタはため息をつく。

「やっぱりダメね、私」 「?どーしたんですか?」 「一人じゃ、お皿を並べることも出来やしない。これじゃ、働くことなんてできないわね」

そう言って悲しげに笑う。 一回くらいの失敗で何言ってんだか、と才人は思い、フォローを入れる。

「最初から上手くできる人なんていませんよ。それに、アンは一人じゃない。オレがいるじゃないですか」

才人の言葉に、アンリエッタの動きが止まる。 才人は、アンリエッタが手にしたままの皿を、彼女の手に自分の手を重ね、皿を並べさせる。

「ほら、なんだって協力すればうまくいくものなんです」

そう言ってアンリエッタを励ます。 アンリエッタは、そんな才人に、満面の笑顔を返して見せた。

「そうですわね。一緒にやれば、上手くいきますわよね」

そして、彼女は皿を並べ始めた。

335 名前:君の名は[sage ] 投稿日:2006/09/24(日) 17:35:14 ID:B4kXxnpa 仕事が終わると、先ほどジャガイモを運んでいた青年が、「お礼です」と、昼食に出た鳥のシチューを二人に振舞ってくれた。 ちょうどお腹もすいたので、二人は中庭の芝生に腰掛けて、昼食を採ることにした。

「おいしい!」

シチューを飲んだアンリエッタの最初の言葉がそれだった。

「いつもお…、じゃないや、いつももっといいもの食べてるんじゃ?」

思わず『王宮』と言ってしまいそうになり、慌てて才人は言いなおす。 周囲に人影はないが、用心に越したことはない。

「いいえ。家の私財を売り払いましたから、今私にはこのような料理でもご馳走なのですよ」

言ってにっこりと笑う。 そういえば、この間の戦の戦没者の慰問金に、王家は私財を売り払ってお金に換えたんだっけ。

「でも確かに、晩餐会などには頻繁に呼ばれますから、豪勢な料理は目にします。…でも」

アンリエッタは、手にした木の皿の中のシチューを眺め、微笑んだ。

「このシチューは、本当に美味しい。こんな暖かい味の料理は、どこの晩餐会でも味わったことはありません」

そう言って、また一口、シチューを頬張る。

「本当に、おいしい」

学院の案内が一通り済むと、才人たちはルイズの部屋に戻ってきた。

「疲れたーっ!」

才人は、アンリエッタがいることも忘れ、主人のベッドにどう、と倒れる。 確かに、才人にとって今日の一日は疲れるものだった。 アンリエッタの正体はばれなかったものの、『アン』に一目惚れした男子生徒たちに、さんざん追い回されたのだ。 そのほとんどは、私のメイドにならないか、今度王都に観劇にいくのだが案内を頼みたい、などの、貴族らしい平民を見下したものだったが、なんと一部には、身分の違いなどどうでもいい、妻になってくれ、という者までいたのだ。 求婚したものの眼は、まさに慧眼と言えよう。一国の女王に求婚できる機会など、一介の貴族にはないのだから。 その悉くを、『アン』は断り、才人は断られた貴族にガンを飛ばされ、足を踏まれ、決闘を申し込まれ、大変な目にあっていた。

「お疲れですね、サイトさん」

言ってアンリエッタはくすくすと笑い、才人の倒れたベッドに腰掛けた。

「疲れたよホントに…」

言ってはふう、とため息をつくと、肩にアンリエッタの手が触れた。 その手は、弱々しい力でくにくにと動き、才人の肩を揉む。

「お疲れ様でした」

どうやら、マッサージのつもりらしい。しかしアンリエッタの上品な手つきでは、マッサージになっていない。

「あ、ありがとう」 「どういたしまして」

もどかしいマッサージもどきの感触に、才人の身体は硬くなる。

「あらあら。ずいぶんと硬いんですのね」 「つ、疲れてるからね」

336 名前:君の名は[sage ] 投稿日:2006/09/24(日) 17:35:55 ID:B4kXxnpa 力加減が足りないからだよ、と言いそうになる才人を、衝撃が襲った。 むにゅ。 な に か あ た っ て る 。 昼間さんざん肘に当てられた感触が、今度は背中を直撃する。 別の場所が硬くなってまいりましたァーーーーーーーーー!!! 才人の頭脳が、混乱して炭坑節を踊り始める。

「サイトさん」 「はひ」

耳元で囁かれるアンリエッタの声に、才人は思わず返事をしてしまう。 アンリエッタは、そんな才人の状況を知ってか知らずか、語り始めた。

「『アン』には、今日一日で夢が出来ました」 「はい?」 「街道筋の、小さな旅籠。そこで、疲れた旅人たちに暖かい寝床と、おいしいシチューを出してあげる夢です」 「そ、そうなんだ」 「それを手伝うのは子供たち。そうね、3人がいいわ。男の子が二人、女の子が一人。  もちろん、一緒に働くのは愛しい旦那様…」

言って、才人の背中につつつ、と指を這わせる。 旦那様って。旦那様って。もしかしてオレの事っすかーーーーーーー!?

「で、でもアンリエッタ様は」

そう言った才人の唇を、アンリエッタは横から回した指でつっと撫ぜ、言葉を止めさせる。

「今日一日は『アン』として扱ってくださいと、言ったはず」

その言葉はまるで魔法のように才人の言葉を封じた。 その言葉を発している彼女の手には、主人の魔力を受けて輝く、杖が握られていた。 たしかにその言葉は、魔法のそれだったのだ。

「私は『アン』ですわ、サイトさん」 「ああ、アンだ。でもどうして、そんな夢なんか」 「言わなきゃわからない?ホント、鈍感な人…」

言ってアンリエッタ…アンは、才人を仰向けにさせると、その上に馬乗りになり、才人の唇を奪った。

「愛しているから。貴方を。サイトさんを愛しているから」

そして、アンの指が自分のブラウスのボタンにかかり、それを外していく。

全裸になったアンは、同じように才人の服も脱がせ、裸にする。

「アン…綺麗だ」

魔法で暗示に掛けられた才人は、アンを優しく抱きしめる。 彼の中で今や目の前の女性はアンであり、愛すべき人である。 抱きしめられたアンは、そっと才人の背中に手を回し、首筋へと手を伸ばす。 そのままそっと顎を上げ、才人の唇を塞いだ。 才人はそのままアンに体重をかけ、ベッドの上に横たわらせる。 アンの真っ白な肢体が、ベッドの白いシーツの上で尚も白く輝く。

338 名前:君の名は[sage ] 投稿日:2006/09/24(日) 17:36:39 ID:B4kXxnpa 才人は、その膨らんだ右の双丘の、桜色の突起を吸い上げた。

「ふぁ」

アンの唇から吐息が漏れる。 空いたもう一つの丘を、才人の右手が蹂躙する。 形が変わるほどもみしだき、先端を強くつまむ。 逆に唇は優しく肌を吸い、舌で先端を柔らかく舐めあげる。

「ふ、あ、んっ…」

指を噛み、左右それぞれから送られてくる異なる刺激に、アンは必死で声を抑える。 やがて才人の右手が、茂みに覆われた秘所へと伸びる。 くちゅ。 確かな水音とともに、アンの背筋が跳ね上がった。 思わず、足で才人の手を挟み込む。

「あ、サイトさっ…」 「見せて。アンのここ」

そして才人は両手でアンの膝を抱え、軽い抵抗を見せるアンの両膝を割り開いた。 覚悟していた事とはいえ、アンの顔が真っ赤に染まる。

「み、見ないで…」 「綺麗だ」

言って才人はアンの秘所に口付けた。

「ひゃんっ」

羞恥と快感に、再びアンの背筋が踊る。 アンは足を閉じようと力を込めるが、才人の手が膝をしっかり固定しており、抵抗できない。 そうする間にも、才人は遠慮なくその割れ目を舐め上げ、柔肉を食み、蜜を啜る。

「ふあ、あ、サイト、さ…」

才人は十分に柔らかくなったその割れ目に指をかけると、縦に閉じられたそこをこじ開け、その入り口に舌を差し込んだ。

「やあ、あ、ずかしっ…ふぁ…」

とめどなく溢れる蜜を舐め、丹念に唾液とそれの混合物で周囲を汚していく。 流れ出た雌の証が、シーツを汚していく。 そして才人は、顔をあげ、アンに言った。

「もう大丈夫?」

快楽の階段の途中で放り出され、アンの中に種火が燻っていた。 アンは覚悟を決めると、才人に言った。

「下さい。サイトさんを、ください…」

その言葉に、才人は腰を進め、アンの秘裂に己が先端を押し当てる。 濡れそぼったそこを、才人は一気に貫いた。 ぶつっ…。 アンの身体の奥で、何かが裂けた。二人の繋がり目から、鮮血が滲む。 自分の耳にだけ聞こえたその音に、アンの顔が一瞬苦痛に歪む。

339 名前:君の名は[sage ] 投稿日:2006/09/24(日) 17:37:13 ID:B4kXxnpa 「痛くない?アン」

抱きしめてそう言う才人に、アンは涙目で訴えた。

「大丈夫です。貴方の好きなように動いてください。貴方の、好きなように…」

言って、いつの間にか手にしていた杖を振る。 すると才人は、少しずつ腰を動かし始めた。 熱された剣に身体を引き裂かれるような痛みに、アンの目尻から涙が零れ落ちる。 でも、耐える。耐えてみせる。この契りを嘘にしないために…。 快楽に浮かされたように、才人はアンの中を削り取る。 絶叫しそうな痛みのみがアンを襲う。前戯のときのような甘い快感は、もうない。

「…っつ、ひっ、ぁぐっ…」

思わず腰を打ち付けている才人の背中に、爪を立ててしまう。鮮やかな赤い筋が、才人の背中に走る。 一瞬才人は痛みに顔を歪めるが、快楽に操られた身体は動きを止めない。

「ふぐ、ぁぐ、ぃ、ぃあっ…」

快楽などない、ただひたすら削り取られるだけの責め苦に、アンの心が折れそうになったとき。

「あ、アン、出すよっ!」

どくどくどくっ。 解けた鉄のような熱い迸りを膣奥で感じ、アンは契りが終わったことを知った。

「おはようございます」

目を覚ますと全裸のアンリエッタが隣で微笑んでいた。 才人の頭から一瞬で血が引く。オレ姫様と。 ヤっちまったぁああああああああああああああああ!

「あ、あの、オレ、オレっ!」

慌てて立ち上がると、被っていたシーツがめくれ、ベッドの上の惨状を露にした。 こびりついた鮮血。牡と雌の体液によってついた滲み。

「…痛かったですわ」

拗ねたように顎に曲げた指を当て、アンリエッタは言う。 その仕草がこれまたもう、なんていうか。 可愛いぞコンチクショー!!

「なのにサイトさんったら、止まってくれなくて…」 「ていうかアンタ魔法で操ったじゃないですか人のことーーーー!!」 「あらやだバレてた」

言って、ぺろりと舌を出す。 その仕草がこれまたなんだかもう。 ていうか騙されるかーーーーーー!!

340 名前:君の名は[sage ] 投稿日:2006/09/24(日) 17:37:55 ID:B4kXxnpa 「サイトさんは、嫌いですか。こんな私」

突然真剣な目で、アンリエッタは尋ねる。 思わず呑まれる才人。

「今の私はただの女、『アン』です。  愛する人を想い、嫉妬に狂い、見果てぬ夢を追う、ただの女です。  女王でもなんでもない、ただの女です。  女を使うことでしか、貴方を繋ぎとめられない、卑怯者です」

そして今度は、いつもの…儚げな、壊れそうな笑顔で、続ける。

「もしあなたが嫌いというなら、『アン』は死にましょう。  ここに残るのは、『女王アンリエッタ』だけ。  女の身体に、王という黄金を注いだ、ただの器」

そして、もう一度才人に問う。

「サイトさんは、アンが、嫌いですか」

嫌いと言えれば、どれだけ楽か。 彼女は、その言葉で、自分の心を殺そうとしているのだ。 そんなこと、優しい才人にできるわけがなく。

「嫌いじゃないですよ」

そう言って、アンを、抱きしめた。 アンの、瞳から、涙が零れ落ちる。

「お願いがあります」

涙に濡れて、アンは、言った。

「今日という日が終わるまで…抱きしめていて。  アンを…離さないで」

朝靄に煙る門の前で、才人はアンを見送っていた。 門から少し出たあたりで、二人は別れを惜しんでいた。

「なにも、こんなに早く出なくても」

そう言う才人に、アンは応える。

「なるべく早く帰って、ルイズを開放してやりたいのです。また頬を張られてはかないませんもの」

そう言って、才人に手招きをする。 誘われるままに才人はアンリエッタに近寄る。 アンリエッタはその才人の耳元で、こう呟いた。

「もし、『女王アンリエッタ』が必要なくなったとき、貴方の許へ『アン』が夢を叶えにくると思います。  その時は…『アン』の夢を、叶えてやってくださいましね」

そして、才人の頬に軽く口付けした。

「それでは、また会う日まで。サイト殿」

そう言った彼女の顔は…壊れそうな美しさを宿した、アンリエッタ女王に戻っていた。 〜fin

341 名前:あとがえ byせんたいさん[sage ] 投稿日:2006/09/24(日) 17:40:41 ID:B4kXxnpa わーい初1発投稿<ダメ人間 とうわけで白アンお待ち! でも少し黒入ってるからうぐいすア(黙れ すいませんキャラ壊れてるかもですゴメンなさいorz 今回書きたいことを優先したためにかなり実用性が犠牲になってしまいましたorz エロパロ失格でつね お目汚し失礼しやしたノシ

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