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790 名前:1/11[sage] 投稿日:2006/10/13(金) 02:05:43 ID:NeFLDT0S 「どうしても……ですか?」 「申し訳ありません、女王陛下、あれは探検船でしてな、そのような用途には使えません」 コルベールはきっぱりと答えた、にこやかに。 「では、設計図も?」 「ゲルマニアの船の設計図を?ですかな、陛下。申し訳ありませんが、私も命が惜しいもので……」 のらりくらりとかわすコルベールを、部屋の隅から射すくめるような目で見るものがいた。 女王直属の銃士隊・隊長アニエスその人だった。 視線で人が殺せるものなら、既にコルベールは何度も死んでいただろう。 回りの銃士達も隊長のその様子に気づき、息を呑んでいた。 女王に対する不敬、それだけで向けるには大きすぎる敵意。 「……わかりました、今日のところはここまでで良いでしょう。」 「お役に立てず、申し訳ありませんな。」 「諦めたわけでは有りませんよ?」 苦笑したコルベールはそのまま一礼をし、立ち去ろうとした。 そんなコルベールの背後に、ずっと控えていた美少女が嬉しそうに寄り添った。 背後に立っているだけで、強烈な魅力を放つ少女が、そこが自分の居場所とばかりにコルベールの腕に絡み付いた。 コルベールも一瞬困った顔をしたが、女王の目の前で女の子を振りほどくわけにも行かなかった。もっとも、それを計算して腕を組んだ節も有ったが。 アンリエッタがその様子を微笑みながら見守る中、一つの声が上がった。 「そこの女、不敬であろう。女王の御前であるぞ!」 職務としては当然の……しかし職務を超えた怒りの発露だった。 が、 「礼儀について、あなたにいわれる筋合いはありませんわね、銃士さん」 コルベールの腕を取ったまま、甘い空気だけを振り捨てキュルケは答えた。 静かに深い怒りを込めて、彼女に似つかわしくない凍った瞳をアニエスに向けた。 「拝謁の間中あたしのジャンを睨んでいたのはどなたかしら?それとも。トリステインの礼儀はゲルマニアより劣るのかしら?」 新興と蔑む国の少女に悪し様に言われて、居合わせた人々がざわめいた。 「ましてや………」 ざわめきを無視して一際大きな声が出す。 視線がすべてキュルケに集まる、口を開くものは最早居なかった。 「あたしはまだ、聞くべき事を聞いてないわ、銃士さん」 視線がそのままアニエスに移る。 「なにをだっ!」 「お礼を。」 あっさり返したキュルケの言葉に、アニエスは怯んだ。 「ジャンにお礼は?シュヴァリエ・アニエス?」 「そんな奴に掛ける礼など無い!!」 「命の恩人に、掛ける礼すらないのがトリステインの礼儀というわけね」 大きく言い放つと、今度はアンリエッタに視線を向ける。 操られたように、皆の視線が女王に集まる……。 キュルケは人に見られるということを、知り抜いていた。 「陛下、ゲルマニアの国民として、礼も知らない騎士がいる国に、あの様なおもちゃは渡せませんわ。」 「……アニエス?」 事態を知らぬまま、アニエスに言葉を促すが……彼女は何も答えられなかった。 十分に間をとった後、 「それでは失礼いたしますわ、陛下。」 ことさらアニエスを無視し、コルベールに絡み付いたキュルケは堂々と広間を去った。

791 名前:2/11[sage] 投稿日:2006/10/13(金) 02:06:15 ID:NeFLDT0S 「どういうことなの?アニエス」 アンリエッタはひそかに苛立っていた。 数少ない親しい友人に、それを悟らせないために、ことさら静かに聞いていた。 「説明してもらえるわね?」 項垂れたアニエスは、ずっと黙ったまま、何も言おうとしなかった。 ……アレはどうしても必要なのに……… コルベールが探査船と言い切ったあの船…… ルイズとサイトからの情報、それを聞いたときどれほど狂喜したことか。 コルベールしか使えないのなどかまわない、10年掛けて教育すれば良い。 膨大な資材が必要なことも、20年掛けて集めればよい。 今アレを手に入れることが、100年後のトリステインを決める。 アンリエッタは確信していた。 何より…… (あれに乗り込む魔法使いは最小限で良い……) コルベール一人で動くということは、 ゲルマニアで建造されたということは、つまりはそういうことだった。 魔法使いの居ない国、アンリエッタの理想のそれに、重要な力。 武装一つ取っても、メイジ殺しとしか言いようも無い炎の矢。 まるで自分の理想を体現したかのような船だった。 それを…… 「答えてくれないのかしら?アニエス」 もう一つの理想の具現、平民からのシュヴァリエ・アニエスに邪魔されているのは… アニエスを気に入っているだけに、許せなかった。 「もうしわけありません、陛下」 力の無い声…… 「謝罪をするつもりも無い?」 事情を聞くのを諦めたとき、妥協案として切り出したものだった。 「もうしわけありません、陛下」 声が段々小さくなる。 「お礼もね?」 「もうし……わけ……あ……りま…せん……」 話が進まない、事情もわからない…… 貴重な時間を割いてのこの時間はずっとこんな調子だった。 「陛下、お時間です。」 マザリーニだった。 女王という職業は、自由も無く忙しかった……それでも自分の理想への一筋の光が見えたときに……腹心に裏切られた…… アンリエッタはそう思っていた。 私室にまで招いての1対1での詰問、最大限の譲歩だった。 それすら意味を成さなかった。 「いいわ、また後で、必ず答えてもらうわよ?アニエス」 アンリエッタは後も見ずに部屋から出て行った。

792 名前:3/11[sage] 投稿日:2006/10/13(金) 02:06:52 ID:NeFLDT0S 一人残されたアニエスは、涙をこらえるので精一杯だった…… (どうして……生きて……目の前に……) 殺したかった……大切な人をすべて奪った……その実行犯。 (死ねばよかった……そうすればっ……) 自分を遣う優しさが、かえって憎悪を煽る。 (この偽善者めっ) 鬱々と、アンリエッタの部屋でコルベールに対する怒りを高めていった。 謝罪も、礼も、決して奴に何一つくれてやるものか、と。

793 名前:4/11[sage] 投稿日:2006/10/13(金) 02:07:24 ID:NeFLDT0S 公務を終えて部屋に戻る…… 一日でやっと少しだけくつろげる、貴重な時間。 (はぁ……変な謁見の多い日だったわ……) 使い道に困る道具を献上されたり、どうしようもない話をしにくる貴族…… そういった者が優先されるため、アンリエッタが真に聞きたい、平民達の願いを聞くのは何時も遅くなる…… (拝謁を途中で打ち切ったら、困るのは貴族ではなくて、平民ですものね…) 部屋まで着いて来たメイドを下がらせ、隠し棚からワインを取りだす。 グラスに注がれたワインをゆっくりと干す。 「ふぅ」 やっと人心地…… 「陛下」 アニエスだった。 「ア、アニエス……ずっとここに?」 「はい、陛下」 女王の部屋だ……ずっと無人な訳ではないが、アニエスだからこそ、部屋に居続けることが出来た。 「お話があります」 ………やっと………あまり良い事のない一日だったけど、最後に…… 「申し訳有りませんが、この件に付きましては、何もお話できません」 え? 赤く腫れた……しかし力の篭った目。 「では、これにて失礼させていただきます」 何かを切り捨てるように、アニエスは部屋から去っていった。 ……光を失った瞳のアンリエッタを部屋に残して。

794 名前:5/11[sage] 投稿日:2006/10/13(金) 02:07:59 ID:NeFLDT0S あれから3日、アンリエッタに呼ばれることもなく過ぎていた。 (流石陛下だ、私の事を解って下さっている……) 使えるべき主を尊敬できること……それはとても幸せだった。 「アニエスです、失礼します」 私室に招かれていた、あの時以来だ。 「あら、アニエス。」 「お呼びにより、参じました。陛下」 「アニエス、これを付けてみてくれないかしら?」 精緻な細工のネックレスだった。 「へ、陛下……これは?」 「先日、言い難い事を聞いてしまったお詫びよ、アニエス」 「し、しかし……」 高価すぎる贈り物……しかも下賜されたとなると、また妬みを買う。 「私の贈り物なんて、お邪魔かしら?」 「いえ、滅相もありません。」 断れないようだ。 「付けてみて、アニエス」 無言で服の上から付けてみる、ずいぶん鎖が短めでチョーカーの様だった。、 鎖を付けた瞬間、カチリと言う小さな音と同時に、パチッという音が聞こえた気がした。 「よく似合っているわ、アニエス。貴方のためにあるようね」 この上なく嬉しそうにアンリエッタが言う。 「これもあげるわね」 大きい砂時計だった。 「?陛下?」 「すぐにわかるわ、すぐにね」 アンリエッタはアニエスを下がらせた。

795 名前:6/11[sage] 投稿日:2006/10/13(金) 02:08:38 ID:NeFLDT0S 不思議に思いながらも銃士の詰め所に帰り、仕事を始める。 武官とはいえ、隊長職ならデスクワークもそれなりにあった。 黙々と書類を片付けていくうちに、不信感も薄れ、仕事に没頭する…… 私には装飾品は似合わんが、砂時計は良いものだな。 さらさらと砂が落ちていった。 実用的だし、何より趣がある……。 最後まで砂が落ちきったら、一区切りにしよう。 そのつもりで仕事のペースを配分する。 ……もうすぐ全てが片付く…… そんな瞬間に、衝撃が走った。 パチンという音と共に、身体に不可視の衝撃が走った。 「きゃっ」 なっ、なん……思わず上げた悲鳴につい辺りを見回す。 誰も聞いていないな……胸をなでおろす。 ……今のはなんだろう…… 不思議に思うアニエスの前で、砂時計の砂が下から上に上っていた。 は? な……んだ?これ? 慌てて砂時計を手に取り、横にする。 それでも、どんな位置にしても砂は止まらなかった。 ……ネックレスも………どうしても外れなかった…… へ、陛下に…… 慌ててアンリエッタの私室に向かったが……… 「陛下は視察に出られてまして、お帰りは3日後です、隊長」 ……知らなかった。 「わ、私は聞いていないっ」 「隊長は3日前から謹慎処分を受けております」 「なっ!」 「『仕事をするもの自由だけど、自由に拝謁する特権は取り上げます』とのことでした」 ……誰も……教えてくれなかったのか? 「その……申し訳有りません、陛下が直々にお命じに成られて……」 ………ありえない方向に流れる砂を見ながら……私はじわじわと絶望していた。

796 名前:7/11[sage] 投稿日:2006/10/13(金) 02:09:11 ID:NeFLDT0S 砂が落ちきるたびに、断続的に訪れる……刺激に、眠ることも出来ない…… うとうとしても1,2時間ほどで必ず起こされた。 砂の落ちる速度は一定ではないらしく、間隔が短くなったり長くなったりした… 「ぐあぁぁぁ」 部屋に閉じこもって、陛下を持つ…… 毎回強さがばらばらな刺激……睡眠不足で物を考えることも辛くなってくる。 一日目は戸惑っていた、二日目は怒っていた…… 今日は……怯えていた。 猛獣用の拘束具と同じ仕組みらしい刺激……いつまで経っても慣れる事は無かった。 (きょ……きょう……へい……かが、もどられる……) ズキズキと痛む頭で、どうやって拝謁するかを考える…… 簡単にはあってはくれないだろう……でも……まずは……会って…… 「アニエス様?」 いきなりメイドが入ってくる 「なんだっ!」 「し、失礼しました、お返事が無いもので……」 ……少しうとうとしていたようだ……… 「す、すまない、で何のようだ?」 「陛下からです」 小さな盆にささげ持った封筒……慌てて奪い取る。 『親愛なるアニエスへ、 私が城に付いたとき、ルイズの使い魔さんが居てくれると嬉しいわ。 来週アルビオンからの使節が来るのだけれど、彼が居るとはったりが利きますからね。 ルイズに言って連れて来て頂戴。 名目は使節が来る前に、色々お勉強、教師役は貴方でね。 おまけつきはダメよ?  アンリエッタ』 あの、ミス・ヴァリエールから……サイトを引き離す…… む、無理だ…… 「アニエス様?」 「いや……いい……魔法学園に向かう……馬を……」 「だ、大丈夫ですか?」 「問題ない……行かない……と」 私はよろよろと部屋を出た。

797 名前:8/11[sage] 投稿日:2006/10/13(金) 02:09:45 ID:NeFLDT0S 身体を動かすと、少し目が覚めて楽になる……が 「ぎゃっ」 魔法が発動する。 声が漏れる……馬が一瞬だけ怯えた…… 無事に付く自信が無かった…… 睡眠不足と涙で目が霞んだ。 学園にはまだ遠かった…… 「あれ?アニエスさん?」 「え?」 夢かと思った……サイトだった。 「お、まえ……サイト?」 「は、はぁ?ちょっと馬の練習中で、アニエスさんこそこんな所で……」 本物だぁぁ歓喜のあまり、思わず抱きついた。 「よ、よかったぁぁぁぁぁ」 「うわっ、ちょ、アニエスさん????」 「よかったぁぁぁ、よかったよぉぉぉぉ」 「ちょ、アニエスさん?えっと、なにごとぉぉぉ」 「お、お願いだ……一緒に来てくれ……」 「え?いや、俺……今から学園に戻って……」 「頼む……私を助けると思って……」 ルイズが居ない今が、唯一のチャンスだった。 「せめて、一回学園に戻ってから……」 「たのむっ、何でもするからっ……」 「……わかりました、とりあえず一緒に来てる連中に、伝言頼むんで、待っててください。」 え? サイトを副隊長とする一団は、いきなり美人のお姉さんに抱き付かれたサイトに、 冷たい目を向けながら、 「よーーーくわかった。ルイズにはしっっっかり報告しとくな」 と温かい言葉を掛けれれていた……

798 名前:9/11[sage] 投稿日:2006/10/13(金) 02:10:16 ID:NeFLDT0S 「ちょっと練習に付き合ってもらえますか?」 ふらつくアニエスが危なっかしいので、サイトは自分の前にアニエスを乗せた。 サイトの乗馬も、そう上手いほうではなかったが、たまにふら付くアニエスよりはましだった。 「風邪かなんかですか?」 「……いや……ちょっとな……」 アニエスはサイトの胸の中で、丸くなっていた。 「その……悪いな」 「いや、調子悪いときはお互い様ですって。」 3日間、魔法に怯えながら人を避けてきたアニエスにはさりげない優しさが嬉しかった。 「……陛下がお呼びなんだ」 「そうなんですか……あールイズが怒るなぁ……」 「す、すまん」 「あ、いや、良いんすけどね」 他愛ない話をしながらサイトに王宮まで運んでもらった。

799 名前:10/11[sage] 投稿日:2006/10/13(金) 02:10:56 ID:NeFLDT0S 「いらっしゃい、使い魔さん」 アンリエッタは登城してきたサイトに最優先で会った。 「来て頂いて嬉しいですわ。」 「あーいや、その、お招きありがとうございます?」 ……疑問系で終わるのってまずかっただろうか? 「アニエスに話は?」 「あーいえ、姫さまが呼んでるってだけです。」 「……そう…」 静かにアンリエッタがアニエスを見ると、怯えたようにアニエスが震えているのが見えた。 「あ、姫さま、アニエスさん体調悪いみたいなんで……その」 「……そうですわね……下がる?アニエス」 にこやかにアンリエッタは訊ねた・ 「今日のところは下がって、また明日にする?」 「いっ、いえっ、ここに、ここに居ます、居させてください……」 必死だった、なんでだ? 「じゃあ、居ても良いけど、ちゃーんと説明くらいしないとだめよ? まぁ、アニエス私にも隠し事するくらいですもの、お話苦手なんでしょうけどね」 あーケンカか、仲がいいのがやると下手すると長引くよな…… 「あー姫さま、俺に用事があるんですか?」 話を逸らしてあげよう…… 「えぇ、貴方にはしばらくお城に居てもらいたいの、アルビオンから人が来るから、貴方が居るだけで、ずいぶん交渉が楽になるの。」 「あ、それくらいなら良いですよ」 「えぇ、それと」 「え?」 「一応、礼儀を少し覚えてほしいの、アニエスが教師よ」 「げ」 「アニエスもどうやら復習が必要みたいなの、よろしくね、使い魔さん」 ……一週間ほど気楽に居るだけで良いって訳じゃないのか…… 世の中そんなに甘くないな…… 「あと……」 まだあるんだ…… 「アニエスの部屋に泊まってくださいね?」 「え?えぇぇぇぇぇぇそりゃヤバイ」 「あら?でしたら私の部屋?」 「ど、どっちもルイズにばれたら殺されますっ」 「まぁ、冗談は置いておいて。」 女王様の冗談はきつかった。 「アニエスの部屋に泊まってもらうのは、勉強時間を自由に取るためです。」 「あーなるほど」 「それに、アニエスなら使い魔さんが襲い掛からない限り、ルイズも安心でしょう?」 「……そーですかね?」 「そうですよ」 ……なにかこじつけっぽい気もするけど……そんなことする理由もないし…… 「わかりました、アニエスさんなら気心も知れてますしね」 「……そぅ……そうなんですか」 一瞬辺りの気温が下がった気がした…… 「い、いや、姫さまの迎えで着た時、しばらく一緒の村に居たんで」 「……そー、あにえす、まっすぐかえってきてなかったのね?」 あれ?体感温度がさらに下がった? あの…… 「アニエスの部屋はそこのメイドに聞いたら良いわ……アニエスにすこーしお話があるの」 俺はメイドと一緒に駆け出した。

800 名前:11/11[sage] 投稿日:2006/10/13(金) 02:11:29 ID:NeFLDT0S ふらつく頭で、サイトと陛下の話を聞いている…… (も、もう……だめだ……) 決して許してもらえない気がする…… 「アニエス?」 「はっ」 崩れ落ちそうな身体に渇を入れ直立不動の姿勢をとる。 「色々、秘密があるのね?アニエス」 ……もうだめだ……… 頭がまわらない所為もあって、同じ言葉がぐるぐる頭をよぎる。 「でも」 え? 「私はアニエスに隠し事をしないであげるわね。」 「ほ、本当ですかっ」 目の前が開ける…… 「えぇ、外す方法じゃないけれど、すぐに実行できる止める方法があるのソレ」 私の首筋にそっと触れながら言った。 「はっ」 陛下の私に触れる手が心地よい…… 「いいこと……よーく聞きなさい、アニエス」 焦らすように、陛下が言った。 「貴方の身体に男性の精液が注がれると、一定時間機能停止するのよ、ソレ」 え? 「折角、使い魔さんと同室なんですから、ごゆっくりね、アニエス」 くすくすと喉の奥で笑いながら陛下は立ち去った…… 「がんばって、誘惑なさいね、アニエス」 耳の奥にその言葉だけが残った。

883 名前:261のひと[sage] 投稿日:2006/10/14(土) 16:31:28 ID:U74lzrm0

790-800の続き 行きます。 昨日は熟睡してたので、投下もWikiも触ってない……しかも投下終わったらちょっと出かける…… なんかごめんなさいだ。

884 名前:1/14[sage] 投稿日:2006/10/14(土) 16:32:06 ID:U74lzrm0 頭が痛い……視界が揺れている…… 辛かった、陛下をあそこまで怒らせた事が、。 そして……忠誠を誓った主に、一瞬とはいえ怒りを向けた自分が何より許せなかった。 どれくらい時間が経っただろう…… 「部屋に……かえろう……」 サイトが待ってるはずだ…… 「任務は……こなさないと…」 たとえ、もはや陛下の信が私の上にはなくとも…… 重い足取りで、不規則に訪れる衝撃に怯えながら部屋に戻る…… 「あ、お帰りなさーい」 部屋を間違えた、本気でそう思った。 「結構時間掛かりましたね、アニエスさん」 サイトがまめまめしく働いていた。 「なっ、おまえっ、なにをしてるっっ」 「いや、部屋の片付けですけど?」 「だから、何でっ、お前は客だろうっ」 「……いや、もう生活の一部で……」 ……そういえば……こいつ使い魔だっけ? 「ま、それは冗談で、こんなに空気の篭った部屋だと治る物も治りませんよ。」 そうか……こいつは、私の体調が悪いと……あ、 慌てて部屋を見回す、3日も閉じ篭もっていたため、荒れ放題だった部屋は見違えるようだった。が、 「お、おま、おまえぇぇぇぇ、」 「え?なんすか?」 「アレはなんだぁぁぁぁぁ」 「あ、洗濯物ですけど?」 羞恥で顔に血が上る、 「な、ん、で、そ、こ、ま、で、す、る、かっ。」 サイトの頭を片手の握力で締め上げながら、照れ隠しに大声を出す。 「お前はっ、私をっ、なんだとっ」 「いたたたたたた、ちょっと、アニエスさん潰れる……頭が馬鹿になるっ」 「それ以上は無理だっ、潰し切ればましになるかも知れんっ、死ねっ、このまま死ねっ」 サイトが笑っていた…… 「それだけ元気なら大丈夫ですよね?」 「なにがだっ」 「早めに姫様と仲直りしたほうがいいっすよ」 腕の力が抜けた…… 「気づいてたのか?」 「二人とも、いつもとなんか違ってましたから」 「……許してもらえないと思う」 「そんな事無いですって」 ……気楽に……その瞬間に衝撃が走った。 「くっっっ」 身体が勝手に跳ねる。 その場に崩れ落ちた。 「ア、アニエスさんっ」 サイトが慌てて私を抱き起こす……楽しくて……すっかり忘れていた…… 今の私の現実を突きつけられる。 「いや、すぐ良くなる、すまんなサイト」 「いや、俺がふざけ過ぎました、すいません、寝ててください」 サイトが肩を貸してくれる……ベットまで運んで…… 「あ、これに着替えてください」 ………… 「なんで下着の場所まで把握ずみだぁぁぁぁ」 サイトを部屋から蹴り出して、私は寝巻きに着替え始めた。

885 名前:2/14[sage] 投稿日:2006/10/14(土) 16:32:37 ID:U74lzrm0 「もーいいですかー」 廊下でアニエスさんが着替え終わるのを待ってる。 「別にいつ入ってきても良いぞ」 「……さっき入ったら、着替え中だったじゃないですかっ」 「気にするな」 「するに決まってるでしょうっ」 ……だめだ、この人には一生勝てない気がする……… 「まぁ着替えは終わってるから、入りたくなったら入れよ」 ……多分勝てない 「……入りますよー」 見つけたときにチェックしたが、アニエスさんはハジャマ派だった。 切るとどうなるか想像しながら、部屋に入る。 「うわっ……」 「どうした?」 予想外だった。よく似合っているのは、予想通りだったが…… (うぁ……色っぽい) ぐったりと疲れた様子と、パジャマのコンボ、しかも女の人の部屋。 (いつもキリッとしてる人が、疲れてるのって……くるなぁ……) サイトはマニアックな趣味の高校生だった…… 「あ、そうだ」 いそいそと、先ほどメイドに用意だけして貰っていたシチューを取り出した。 「んーちょっとさめたな。」 「あぁ……あんまり食欲は……」 「無理でもちょっとは食べないとだめですよ」 「……わかったよ」 不貞腐れてる様子が……可愛い、この人にこんな感想を持つのが割れながら意外だった。 ちょっと悪戯を思いついた。 「はい、アニエスさん、あーーーん」 「なぁっ、ちょっとまてっ、サイト病人といっても」 「あーーーーーん」 とりあえず、引っ張れるところまで引っ張ろう。 「……だからっ………」 あれ?赤くなって押し黙る、目を瞑って、口を小さく開けた。 「え?」 「あーーん、てしたいんじゃないのか?」 げ、 「お前が食べさせてくれるまで、食べてやらん」 うわ、変な意地張ってるしっ 「ちなみに後日、ルイズに自慢する」 ぐおっ 「シエスタにも」 ぎゃー 「機会があれば、ティファニアにも」 ……い、苛めてる? 「陛下には……」 ……えっと……だまっててほしーなぁ 「必ず報告する」 ……しくしくしくしく。 結局、アニエスさんの食事は俺の手で行われた…… ルイズコワイ。

887 名前:3/14[sage] 投稿日:2006/10/14(土) 16:33:09 ID:U74lzrm0 全身に走る衝撃で目が覚めた……まただ…… この3日、一日も熟睡していない、頭の芯は痺れる様に重い。 隣でサイトが眠っていた…… (こいつの………) 知らず知らずのうちに、下半身に目が行く。 (これ……で) 初めてという訳でもない…… この地位を得るために、 陛下との繋ぎを取るために、 必要な時は身体くらい幾らでもくれてやった。 (ひょっとしたら、起きないうちに……) いくつも年下のこの弟のような少年を、眠らせたまま…… 背徳的な考えに、思考能力の低下している頭が反応する。 起こさない様に、そっと上に乗る。 体重を掛けないようにサイトの上で四つん這いになる。 良く……寝ている……これなら……きっと…… (大……丈夫?) 静かに寝息を立てる口に顔を寄せる。 深い静かな吐息…… 剣の練習の時に知った、細い割には力の有るサイト。 一本とって無邪気に喜ぶサイト。 それに、今からまた新しいことを教える……。 興奮で痛かったはずの頭の奥が、チリチリ焦げるようだ。 (すまん………) 始める前に……と、唇を合わせるだけの軽いキス。 「ルイズ?」 サイトの一言に全身を硬直させる…… …………それっきり何も言わない…… ねご……と? 安心のあまり体中の力が抜ける…… そして思い出す、こいつには命を掛けて好きな相手が居るのを。 サイトの隣に横になる…… 私の所為でめくれてしまった布団を、肩まで掛けなおす。 少しでも長く眠れるように、もう眠ろう…… サイトの体温を感じる距離まで近寄る。 ……これくらいは……いいよな? 何処かで桃色の髪が怒っている気はしたけれど。

888 名前:4/14[sage] 投稿日:2006/10/14(土) 16:33:42 ID:U74lzrm0 朝起きると、アニエスさんの胸の中だった…… よっぽど疲れているみたいで、死んだように……って いきなり跳ね起きた。 「っっあ」 涙を浮かべて何かに耐えていた、 「ア、アニエスさん」 慌てて近寄ろうとした俺を、片手で止めて、 「あ、……あぁ……おはよう、サイト……さて……」 いきなり動き出そうとするアニエスさんを慌てて押しとどめる。 「だ、だめですよ、調子悪い時は寝てないと」 「いや……任務だ、今からお前の教育に当たる」 「でもっ」 「心配してくれているのは感謝するが、それならば少しでも多くのことを覚えろ」 課題をこなせば休んでくれるのか? 「……わかりました。」 頑固なこの人を納得させるために、俺はいつかの様にまたスパルタ教育を受けた。 たまにふら付くアニエスさんを心配しながら、昼過ぎまでみっちりと授業。 そんなアニエスさんが、姫さまに呼ばれたので休憩中。 「き、きついなー」 「あら?そんなに大変ですか?」 「いや、もう容赦なくって」 「でしょうね、アニエスですもの」 ……あれ? 「姫さま?」 「アンでよろしいですよ、使い魔さん」 「………さっき……アニエスさんが……」 「アニエスは部屋で待ってますわね、今頃。あなたにお話があったので」 「……なんです?」 「実は今……アニエスは邪悪な魔法の影響下にあります」 「え?」 「アニエスに悪意があるものが掛けた魔法で、解除方はアニエスにはわかりません。」 「だ、だからっ、あんなに辛そうに……相談もしてくれれば……何も出来ないけど…」 「いいえ、使い魔さん。」 「?」 「あなたには出来ることがあるようですよ。」 「本当ですかっ?」 「えぇ、アニエスに魔法を掛けた相手は、男になら止められるように掛けたらしいのです」 「じゃ、じゃあ」 「アニエスを、私のお友達をよろしくお願いしますね。使い魔さん」 「はいっ」 良かった……俺にも何か出来るんだ。 「あと、私がこの話をしたのは内緒にしてくださいね?」 「……ケンカ中ですか?」 「そんなところですわ。」 「……早く仲直りしたほうが良いですよ?」 「アニエス次第です」 姫さまはそれだけ言うと、微笑んで、 習い始めた礼儀に則った完璧な作法で部屋から出て行った。

889 名前:5/14[sage] 投稿日:2006/10/14(土) 16:34:16 ID:U74lzrm0 少し遅れてきた陛下に、サイトの近況を聞かれる。 使節団が来るまでには仕上げると確約。 実際、物覚えは良いし、集中している……問題があるのは私だ。 ……一週間後まで持つはずも無かった。 陛下との会話中ですら、何度か意識が遠くなった。 極端に体力が落ちている……部屋に戻るのすら辛かった。 「サイト、続きを始めるぞ」 部屋に戻ると、サイトは思いつめたように私を見つめていた。 「?どうした」 「あの……アニエスさん」 「なんだ?」 「アニエスさんに魔法が掛けられているって……俺に協力できることがあるって本当ですか?」 「ど、どこからそれをっ」 「本当なんですね?」 しまった…… 「俺、何でもしますから、何でも言って下さい。」 まっすぐ私を見つめるサイトに、私の中で何かが切れた。 ……既に限界近かった理性が、もう歯止めにならない。 「……じゃあ……動くな……」 「え?」 「楽な格好になって、ベットに腰掛けろ。後は目を閉じて一切動くな」 「はあ?」 言うとおりにしたサイトに近寄って、ズボンに手を掛ける。 「えっ、ちょっとアニエスさん」 「良いから動くな、私が勝手にすることだ。お前には何の責任もない」 まだ何かを言っているサイトを無視して、下半身を剥く。 何かを期待するように、ソコはもう硬くなり始めていた。 「なにを期待している?」 「えっえっと……そのっ……ごめんなしゃい」 落ち込むサイトを無視して、ソレを咥え込む。 「なぁっ、ちょっと、アニエスさんっ」 これが私を楽にしてくれる……そう思うと愛しさが止まらなかった。 サイトの悲鳴すら心地よい……すまんな……サイト。 先だけ咥えて、口の中で舌を絡ませる。 既に限界に近づいているサイトを見て悪戯がしたくなる。 「サイト?いったらおしまいだぞ?もったいなくないか?」 私は一刻も早くいかせたほうが良い。でもそう言いたかった。 ……私がそうしたかった訳ではない……多分。 「そっ、そんな……こんなの……もたないっ」 根元まで咥えて吸い上げた、片手で玉を柔らかく握る。 「うあっ、うそっ、アニエスさんっ、だめっそんなっ、あちこちぃぃぃ」 サイトに見えないところで、もう片方の手は私を慰める…… 熱くなっている……身体が限界に近いと、性欲は却って増すと聞いたことらあるのを思い出す、きっとその所為だ……。 口の中の空気を空にしたまま、頭を動かしてサイトを吸い上げる。 「うあぁぁぁぁぁ、だめっ、アニエスさんっ、だめだってぇぇぇ」 何かを請うように、私を見つめるサイト……今は私を見つめているサイト。 私がさらに熱くなった……うそ……私の限界も近い……こんなに早いのはじめてっっ… 自分が先にいかないように堪えながら、サイトに刺激を与える。 「だめっだめだっ、アニエスさんっ、俺っおれぇぇぇぇ」 サイトが私の喉の奥に放たれる……零さない様に、丁寧に飲む。 「ア、アニエスさんっ、そんなっ、だめっ……のんじゃ……」 無視。 中に残ったのも残さず吸い上げる……サイトがまだ暴れてる…… ソレも飲み下す、指をすばやく動かして私も十分に満足させる。 びくびくと跳ねた身体を、サイトが不安そうに撫でてくれる…… 視界の端では砂時計が薄く光っていた……良かった…… 暖かい泥に飲まれるように、私の意識は沈んでいった。

890 名前:6/14[sage] 投稿日:2006/10/14(土) 16:34:51 ID:U74lzrm0 どれくらい眠っていただろう…… 身体を起こすと、サイトが居た。 「あ、そのっ……オハヨウゴザイマス」 赤くなって目を逸らされる…… 眠り込む直前の自分を思い出した…… 「すっすまん、サイト……その、ちょっとおかしくなってて……」 今更……だ。 「いえっ、そのっ……役に立てたなら嬉しいし……そのっ……」 サイトの言葉を待つ……避けられるのも仕方がない。 「き、気持ちよかったし……」 ……ほめられた……… 「そのっ、あれで良いんなら……そのっ、いつでも……」 もじもじと語るサイトが可愛い、話してる間に思い出したのか、目の前で大きくなってくる。 指で苛めながら、 「これは、思い出した結果か?」 「う……そのっ……はい……」 これ以上無い位赤くなってる…… 「もっとしたいのか?」 「……はい」 サイトの股間で眠り込んでいたらしい私の肩には、毛布が掛けてあった。 「ありがとう、サイト」 「あ、それ、部屋に夜食運んできたメイドの子が」 え? 「その……アニエスさん離してくれなくて……俺、動けなくて……」 ……あ、後で……口止めしないと……手遅れかもしれんが。 「あの……あと、」 まだ有るのか? 「アニエスさんの部下の人も来て……最近隊長の様子がおかしいのは、お前のせいかって……」 ぶ、部下にまで見られた……… 「メイドと一緒に、『浮いた噂が無かったのは、こういう趣味だったのねー』って」 …………死にたい。 「散々からかわれました……」 あ、明日は私のばんだ……… 少し気は重いが、頭痛はずいぶん軽くなった…… 「明日からは……もう少し授業を進めるぞ……」 「はい」 「……その……ちゃんと、覚えたら……夜に……」 「はいっ!」 明日からの授業は、ずいぶん進行が早そうだ。

891 名前:7/14[sage] 投稿日:2006/10/14(土) 16:35:23 ID:U74lzrm0 あれから毎日が楽しい。 昼はアニエスさんとぴったり一緒で、色々なことを教わって…… しかも時々見せる女らしい仕草が、夜のことを思い出されて刺激的だった。 夜になると、別人のように俺を感じさせる。 いったらおしまい、そう決めているらしく、絶対に2回目はしてくれない。 必然的に俺がどれだけ我慢できるか。 そういう勝負じみた展開になる。 必死で我慢していると、 いきなりまだ暖かいアニエスさんの下着渡されたり、 見せ付けるように、シャツを脱いだり…… 濡れた指先を見せ付けられたり…… 思い出すだけで硬くなってくる。 今日はなにが起きるんだろう。

892 名前:8/14[sage] 投稿日:2006/10/14(土) 16:35:55 ID:U74lzrm0 サイトは順調に学習を続けている。 ……昼も夜も。 とても優秀だ。 ……2回はしない。 私に触らせない。 自分で決めたルールだ……歯止めが利かなくなりそうだから。 サイトを感じさせるたびに、私の奥が熱くなる。 サイトのを飲み込むたびに、胸が熱くなる…… 陛下は何も言って来ない…… 私の体調が回復しているのは、見ればわかるはずなのに…… それが見えない棘の様に、私の心に刺さっている。 ……いや、もう一つ… ……… …… サイトは……同情しているんだろうか?

893 名前:9/14[sage] 投稿日:2006/10/14(土) 16:36:27 ID:U74lzrm0 謁見の間でアルビオンからの使節団を待つ。 急な来訪を申し入れた理由は一つ。 格から言えば最下級のシヴァリエ……使い魔さんが入り口のそばに立っている。 彼の功績を知るものは少ない……わが国内には。 それどころか、大多数が疑っている。 嘆かわしい…… 先触れが私の前に平伏し、いよいよ相手の将軍が広間に現れ……… 思ったとおり、使い魔さんの前で足を止める。 私を待たせる礼儀をわきまえない行動に、貴族達がざわめくが…… 彼の口から語られる使い魔さんの武勲に、今度は貴族が静まり返る。 彼をシュヴァリエに任じたのは私の独断。 それを知る貴族達が私を見ている……… さて、これで国内は少し動かしやすくなるだろう…… さた、もう一つの策は…… 教師役をしていたアニエスが、うれしそうに使い魔さんを見つめている。 まずはそつなくこなせたのを、自分のことのように喜んでいるのがわかった。 ……順調ね。

894 名前:10/14[sage] 投稿日:2006/10/14(土) 16:36:59 ID:U74lzrm0 まず問題なくサイトは使節団との挨拶を交わす。 あいつの武勲をもみ消そうとしていた、一部の武官達は青くなっていたが…… 当然だ。 歓待の宴が始まっている…… 完璧には程遠いが、何とか食事も取って…… 周りにあふれる、貴族の令嬢の相手をしていた…… 陛下の望みがわかった……今日からサイトを馬鹿にするものは居ないだろう。 少なくとも、表向きは。 その人事を強行した陛下の采配も、高く評価されただろう。 その余禄で……サイトの周りでは、色とりどりのドレスが鈴なりだった。 美しい、細いからだが、サイトの周りで彼の関心を引こうと、 挨拶し、話し掛け、際どいドレスを見せ付けていた…… サイトはその一つ一つに反応し…… 赤くなり…… …… 「外を見てくる」 「隊長?」 ここの警備は銃士隊の管轄でもあったが…… 「ここは、お前達だけでも大丈夫だろう、不振なものが居ないか見回ってくる」 「はっ」 ……ここに居るのはなぜか辛かった………… 人のこないところを探して、声を殺して一人で泣いた…… 理由も解らず出てくる涙が止まらなかった。

895 名前:11/14[sage] 投稿日:2006/10/14(土) 16:37:37 ID:U74lzrm0 夜も更けて、宴も終わろうとしていた…… サイトは……何人もの令嬢から随分あからさまな誘いを受けていた… (無理はないか……鈍いんだ、そいつ) 助けを求めるように、こちらを見るサイトを無視する。 (今日は帰ってこないだろうな……) 女の子に引っ張られるように連れ去られるサイトを見ながら、そう思っていた。

896 名前:12/14[sage] 投稿日:2006/10/14(土) 16:38:10 ID:U74lzrm0 参列者がすべて帰ったのは、随分遅くなってからだった。 多分誰も居ない部屋に帰る。 「あ、お帰りなさーい」 「お、おまえっ、何でここにいる?」 「えっ、俺いちゃ駄目でした?」 ……サイトがいた。 「いや、おまえ、いろんな貴族に誘われてたろうが」 「いや……なんか、ガツガツしてて怖くて……」 ……… 「俺、アニエスさんのほうが良いな」 ……ズルイ 「え?ちょっと、アニエスさん?」 涙がこぼれる、止まらない、不意打ちは卑怯だ。 「何で居るんだ、お前、他の子いくらでも居るだろう」 「え?だから?居ちゃだめでした?」 嬉しい………… 「と、とりあえず落ち着いて、あ着替えましょう?ね?」 サイトが私を脱がしてくれる。 泣きじゃくる私をあやしながら。 「何か辛いことでも有ったんですか?」 「ほら、着替え終わりましたよ?」 泣いているだけで、サイトが細々と動いてくれる…… 幸せだった…… 「ほら、しんどいなら、今日はとりあえず寝ましょう」 サイトがベットまで連れて行ってくれる…… 「やだ」 「え?」 戸惑うサイトの唇を奪う。 サイトの服を剥がして行く、ここしばらくで随分慣れた。 半裸のサイトをベットに組み敷いた。 「このまま寝れない。」 返事を聞かないまま、サイトの唇をもう一度奪う。 舌を絡める、いや、正確には舌を使ってサイトの口を犯す。 もがいても離さず、サイトが脱力するまで舌を使い続ける。 サイトの視点が合わなくなってから、サイトをベットに横たえる。 サイトが着せてくれた服を脱ぐ。 力の抜けた手を胸に導く。 ゾクゾクと今まで感じたことのない快感が私を襲う。 貴族達に無理やりされるのではない、 サイトに……触ってもらう感触に、私は狂った。 サイトの胸を吸う、サイトが喘ぐ。 右手でサイトを握り締めながら、左手で自分を慰める。 「ア、ニ……エス……さん?」 サイトの意識がはっきりし始める。 「ごめんな……サイト」 「?」 「こんなに無骨で、胸もあんまりないけど……がんばるから」 「え?」 「気持ちよくなって……」 私を抱く貴族達は、皆私を嘲りながら抱いた。 平民風情、貴族の替わり、筋肉ばかりで美しくないと。 それでも言い寄ってくるじゃないか……そう思ってたが…… サイトがどう思うのかが怖かった。 何か言おうとするサイトをまた無理やり黙らせる。 ……一度だけ、毎日そう決めいていた。 でも……結果私は随分焦らされていたようだ……もう十分濡れていた。 キスしただけなのに……でも……がんばるって言ったから…… 我慢して、サイトを感じさせるためにわたしは全身をくねらせる。

897 名前:13/14[sage] 投稿日:2006/10/14(土) 16:38:41 ID:U74lzrm0 潤んだ瞳のアニエスさんが、俺の上で暴れていた…… 俺の理性は途切れ途切れで、なにがなんだか分からなかった。 でも……… 「アニエスさんっ」 怯えたようにアニエスさんの動きが止まる。 「おれっ、アニエスさんがこういう事してくれるの、嬉しいし……」 驚いたように俺を見つめるアニエスさんの目が…… 「アニエスさんは、綺麗だし、その……胸だって十分」 ポロポロ泣いているアニエスさんが、俺の胸にもたれかかる…… 「ありがとう、サイト」 小さく呟いてから……手を腰に……俺の……を握って…… ご褒美とばかりに、アニエスさんに飲み込まれていく。 熱かった、うねっていた、それより何より気持ちよかった。 何かに耐えるように、唇を噛むアニエスさんを見ると、腰が勝手に動いた。 「…っっっ…だめっ………」 アニエスさんが声を漏らす…… でも……動いた腰が流し込む大量の快感に腰が引く動きすら、次の快感に変わった。 必死で俺にしがみ付くアニエスさん…… 俺の上半身まで、アニエスさんの柔らかい身体に包み込まれる…… 上から圧し掛かられているので……動くは腰だけ。 出来ることをがんばる。 「いやっ、うそっ、だめっ」 アニエスさんは何かに耐えるように、自分の身体を押し付けてくる。 「ちがうちがうちがうっ、こんなのしらないっ、しらないよぉぉぉっ」 何か間違ってるんだろうか? 「なんで……こんなに気持ち良いの?うそだうそだうそだうそだっ」 また泣いているアニエスさんが落ち着くように下から抱きしめる…… 「あ………」 動きたい……ウゴキタイウゴキタイウゴキタイウゴキタイ 本能が叫んでる……でも……アニエスさんのほうが大事。 落ち着くように背中を軽くたたく。 しばらくじっとしていると、アニエスさんの声が聞こえた。 「…………て」 ? 「動いて……サイト……焦らさないで」 ……アニエスさんが真っ赤だった……そんなつもりはなかったけど…… 思う存分動くことにした。

898 名前:14/14[sage] 投稿日:2006/10/14(土) 16:39:16 ID:U74lzrm0 まだ身体のあちこちが暖かい気がした。 サイトが喜んでくれるのが嬉しくて……色々なことをした。 (あぁぁぁぁ、あそこまで出来るなんて……変態か私はっ) 基本的に年上の貴族ばかりだったアニエスにとって、何度も出来るサイトは新鮮で…… (あんなに、何度も喜ぶからっ、あんな事とか、あんな事とかっ……私のせいじゃないぞっ) 思い出すだけで体の奥が熱くなった。 部屋を出た時に、隣室の同僚に目を逸らされた……聞かれてた様だった。 (こ、声を抑える余裕なんてなかったしっ、サイトが悪いっ) うきうきと仕事に向かうアニエスは、女王が呼んでいると聞かされた…… (なんだろう?) 「お呼びでしょうか、陛下」 「えぇ、こちらに、アニエス」 アンリエッタが手招く、そばに立つと、あっさり魔法の道具を外してくれた。 「苦しかった?平気だったわよね?少なくとも後半は」 「はっ」 顔が赤く染まってるのが自覚できた。 「これで、言い訳は出来ない」 ? 「ねぇ、アニエス」 「はっ」 「使い魔さん、今日で学園に返すわね」 え? 「用事は済んだもの、もうルイズがうるさくってぇ」 あ……… 「かまわないわよね?あなたに引き止める理由なんてないし」 あ……………回りの音が遠くなる感じがした。 「もう十分仲良くなったものね」 陛下の声は、まるで何もかも思い通りに成った……そういってるように聞こえた。

50 名前:1/10[sage] 投稿日:2006/10/16(月) 01:55:15 ID:FABDVs/7 『使い魔さんに伝えておいてね』 陛下はそう仰った。 ………つらい……どうしてだろう、あれだけ苦しかった1週間前に戻りたいとすら思ってしまう。 思い足取りで部屋に戻る。 サイトはまだ寝ていた……幸せそうに…… そう……幸せかもしれない、私の側よりも、サイトの好きなミス・ヴァリエールの側の方がサイトも……… 起こさないように、サイトにそっと近づく。 顔に掛かった前髪を優しくどけて、サイトを見つめる。 それだけで、辛かったことが遠くなる。 サイトに触れている指先から、幸せが溢れて来る。 胸が締め付けられる、幸せな痛み。 胸の痛みがどんどん強くなって、涙が溢れてくる。 (どうしよう……返したく……ない……) ずっとここに居れば良いのに。 ……側に居てくれたら………良いのに。 でも……サイトにはミス・ヴァリエールが居る。 今は救国の英雄と、大公家の令嬢……似合いの一対。 涙を拭こう……せめて笑って別れよう。 私に残された、ほんの小さなプライド。 (最後に……もう一度……) 未練だ……振り捨てるように深呼吸する。 「サイトっ、いつまで寝ている?起きろっ」 わざと荒々しく布団をめくる。 「うわぁぁぁぁ、ア、アニエスさん?」 驚いたように私を見たサイトが、顔を赤らめる…… 昨日の痴態を思い出したようだ……恥ずかしいのはお互い様。 「なっ、なにを思い出している?」 「いやっ……そのっ……」 「ほぅ……私はてっきり、『アニエスさんっ、俺もうっ……』とかかと思ったが?」 私の大切な大切な記憶。 「ア、アニエスさんだって『サイトが良くなってくれるなら……何でも』とかっ」 うっ、分が悪い気がする。昨日は色々喋りすぎた。 「そのっ、『こういうのって……変かなっ』って、あの時のっ……」 うぁ、言うなっ、それ以上言うなっ。 サイトの口を無理やり塞ぐ……手で……唇とかって……ガラじゃないし。 「わ、分かったから、黙れ、な?」 コクコクとサイトが頷いていたが、私は手を離さないまま話を続けた。 「サイト、今日で学園に戻れ。」 サイトの目が大きく見開かれる。 「アルビオンの使節に対しての示威行動は終わりだ……お前は……帰れ。」 サイトが暴れていた………でもまだ離さない。 「もうここに、お前の居る理由は無い、そうだろ?」 「ちがうっ」 サイトが私の手を振り解きながら叫んだ…… 「アニエスさんが居る。」 ……うれしいよ、サイト。 「ここに居る理由にはならない」 「……っ、じゃあ、掛かってる魔法どうすんだよ」 睨みながら………(本当は………もう掛かってないんだ) 「男はお前だけじゃない」 うそだ……多分もう、他の男に抱かれたいなんて思わない。 「……じゃあ、来た時なんであんな状態だったんだよっ、誰でもいいわけじゃないんだろっ」 …………… 「昨日たっぷりしてもらったから、当分大丈夫だ……」 ……どうしてだろう……もう大丈夫って……いえない…… 「……じゃあ……もっとしとく……」 サイトが私の手を引き、ベットに倒す……あぁ……私期待してたんだ…… 私は……心配してくれるサイトに嘘をつきながら……サイトの身体に溺れ始めた。

51 名前:2/10[sage] 投稿日:2006/10/16(月) 01:55:46 ID:FABDVs/7 「隊長?たーいーちょーうー、隊長!!」 「ん……あぁ、すまん」 サイトが帰ってから……まだ3日……もう3日。 会えないのが辛い、部屋に戻ってもサイトが居ないのが……寂しい。 「しっかりして下さい、隊長」 「……すまん、ちょっと考え事をしていてな」 …………隊員たちがいっせいに押し黙る。あれ? 「隠さなくても良いですよ、隊長」 ? 「みーーんな、知ってますから、あの可愛い男の子、あの子が居なくて悲しいんですよねー」 「なっ、違うっ違うぞっ」 「えーでもぉ、(ズボン穿いて無い)あの子の膝枕で寝てたとかー」 うっ、なにか小声で、まずい事までばれてるしっ 「あの子が帰る前日の夜……もう、すっっっごっかったとかぁー」 うえぇぇぇぇ 「もう、皆知ってますよ?」 「イヤー、そういう趣味だったんですね」 「選り取りみどりなのに、誰も居ないから二人きりにはならない方がいいかもーとかって皆で言ってたんですけどー、これで一安心ですよねー」 「今度貸してーどんな具合ですかー?」 次々に掛けられる言葉に、頭がパニックになる。 「今度来たら、皆で誘惑しちゃおっかー」 「そっ、それはだめだぁぁぁぁ」 皆私より若くて、可愛くて、女らしくって……つい叫んでしまう。 ………ニヤニヤと顔を見合わせた皆が、 「いいなー、あたしも男ほしー」 「えー私じゃだめ?」 「男がいー、あの子みたいな年下の」 「この部屋がこんなに熱いなんて初めてだな」 皆笑顔で私を見てる…… 「隊長はいつも仕事ばっかりなんですから、たまには息抜いてください。」 「そーそーもうちょっと、素直になって焦りましょうね、隊長」 「逃げられてからだと遅いですよー」 「………経験者は語る?」 「ダマレ!」 皆……… 「会いたいんなら、会いに行っちゃいましょうよ、隊長、サイトくんでしたっけ?」 「……なんで、お前ら名前まで…?」 黙り込んだ全員が、一斉に机に座る。 ? 練習したかのように、同時に切ない溜息をつく。 「………サイト………」 え? 「って、毎日きーてりゃー、そりゃ分かりますって。」 ……あまりのことに部屋から逃げ出した…… ……………… でも……皆ありがとう。

52 名前:3/10[sage] 投稿日:2006/10/16(月) 01:56:17 ID:FABDVs/7 皆のおかげで、休暇が取れたら会いに行こう。 そう決めた。 ……そう決めるだけで、毎日が楽しくなった。 休暇までの日数を数えるのが幸せで、 一日一日が過ぎていくのが、凄く良いことに思えてくる。 「アニエス、少しお願いがあるのだけれど?」 陛下だ……アレ以来いつも通りの陛下に戻った。 私もまた、いつでも謁見できるようになった。 「はっ」 もとより、私は陛下に忠誠を誓った身……思うところなど…無い。 「様子を見てきてほしいの、あなたが直に」 「どちらにでしょうか?」 とろけるように、優しく笑った陛下は 「水精霊騎士隊の訓練の進捗の調査よ、こっそりね?」 ……えっ…… 「どの程度進んでいるか見て分かる人間で、魔法学院に顔が利くあなたが適任でしょう?」 サイトに……あえ……る……の? 「嫌なら、他の人に頼むけれど?」 「いえっ、私が行きます、行かせて下さい」 「そう、よろしくね……そうね、3日に1回くらいで良いかしら?」 ………そ、そんなに会いにいける……嬉しい嬉しい嬉しい 「じゃ、いつ始めてもいいから、報告だけよろしくね」 仕事をすべて急ぎで片付けて、次の日の朝には私は馬上の人だった。

53 名前:4/10[sage] 投稿日:2006/10/16(月) 01:56:49 ID:FABDVs/7 学園に着いたとき、馬がちょっと可哀想な事になってた…… すまん…… 学園の人間に、世話を頼む。 丁度学園は昼休み。一応抜き打ちの視察だから、見つからないように隠れる。 でも、もし見つかったら……仕方ないな、うん。 はやる気持ちを抑えて、学院長に借りた鍵で、学園が見渡せる屋上に居た。 同じく学園長に借りた、魔法の道具でサイトを探す。 妙に周到な学園長だ。 学園をざっと調べる……居た……あ…… シエスタと食事をしていた……笑ってる…… サイトは……おいしそうに食事をして…… シエスタが嬉しそうに配膳して…… サイトは幸せそうなのに、おかしいな……胸が痛い…… その後もサイトは廊下を歩くだけで、女の子に囲まれる…… ミス・ヴァリエールと何かを話して……… 放課後に訓練が始まる……ミス・ヴァリエールはずっと広場の隅に居て、 サイトを見て……サイトも……時々、そちらを気にして…… ……風景が滲む………おかしい……な。 私は……冷静に、騎士隊の評価を……下して…… 訓練が終わって、ミス・ヴァリエールがサイトに話しかける…… サイトも笑って答えて……一緒に……帰っていく…… 私はずっと屋上で……それを見つめていた。

54 名前:5/10[sage] 投稿日:2006/10/16(月) 01:57:22 ID:FABDVs/7 行きの倍の時間を掛けて城に戻る。 陛下に報告する。 「ご苦労様アニエス、またよろしくね。」 ……また……見に行くの……か。 「使い魔さんに会うの嫌かしら?」 「いえ、ではまた、行ってまいります。」 会いたいけど………見たくない…… 陛下にはお見通しなのだろうか…… 重い足取りで、部屋に帰る。 今日はもう眠ろう。

55 名前:6/10[sage] 投稿日:2006/10/16(月) 01:57:55 ID:FABDVs/7 それから、何度か視察に行く。 行く度に心が折れそうになる。 諦めよう。 そう思った。 手近な男を引っ張り込んで、サイトを忘れようともした。 でも、無理だ…… だって、サイトじゃない。 サイトに愛された部屋で、サイト以外に触られることに耐えられなくなって、部屋から放り出す。 毎日泣いた。 でも……数日すると姿だけでも見たくなって……学園に向かう。 そして、また帰ってきて泣いた。 陛下はいつもにこやかに、 『またお願いね?アニエス』 そう仰った。 仕事だから……サイトの顔を見に行く。 自分で見に行くつもりだった、昔の馬鹿な私を止めたかった。 ミス・ヴァリエールもシエスタもサイトに似合いだ。 歳も近くて、可愛くて、女の子らしい。 自分の馬鹿な望み……サイト……お前の側に居たい。 諦めるしかないのに。 ……この部屋に今サイトが居ないのが辛かった。 仕事だってぼろぼろだった。 小さなミスはいくつもやった。 隊の皆は何も言わずにカバーしてくれた…… 優しさが辛い。 大きなミスは陛下が……庇ってくれる。 『アニエスには今重要なことをお願いしているの、そちらは大丈夫よね?』 視察はもう断れない。

56 名前:7/10[sage] 投稿日:2006/10/16(月) 01:58:26 ID:FABDVs/7 馬鹿なことを考えていたせいだろう……馬鹿なミスをしてしまった。 学園から帰ろうという時に、馬小屋にサイトが居た…… 「こんにちは、アニエスさん」 ………サイトの声。 「来てるんなら、行ってくれれば良いのに」 ……サイトの目が……私を見てる。 嬉しい……でも、だめだ。 私は振り向いて走り出す、 「え?アニエスさ〜ん?」 サイトの声が段々小さくなる……心が……サイトのほうに行きたがっている。 でも……一生懸命逃げる。 もし、今サイトに会ったら……私…… 「何でいきなり逃げるんですか?」 サイトがあっさり追いついてくる、その手は背中に回されて……剣を握っている。 私とは比較にならないスピードで追いかけてくる。 急いで辺りを見回す…… あった。 何でも良いから、入り口を探していると、側に逃げ込めそうな建物があった。 駆け込んで中から鍵を掛ける。 「アニエスさーーん」 外でサイトの声がする…… 辺りを見回す………始祖に祈るための礼拝所の様だった。 厳粛な空気が澄み渡っているような雰囲気に身が引き締まる。 建物の奥から足音が響いてきた。 「し、失礼、少し休ませてもらってもよろしいですか?」 建物の主だと思った。 「裏口開いてましたよ?」 ……サイトだった。 慌てて外に出ようとする。鍵が掛かっていた。 誰だっ?鍵掛けたのっ。 急いで外そうとしている間に、サイトに捕まる。 「アニエスさん、様子変ですよ」 ………お前のせいだ…… 「ひょっとして………」 サイトが期待するような瞳で私を見る。 私は……何も答えない……体が……期待で小さく震える。 サイトが黙ったまま私を脱がせ始める……抵抗は……しない。

57 名前:8/10[sage] 投稿日:2006/10/16(月) 01:58:59 ID:FABDVs/7 私は信心深いほうではないけれど……こんな所で肌を晒すのは初めてだった。 しかも……相手は年下の少年。 背徳的な快感が……身体を駆け上る。 私が何も言わないのを良い事に、サイトは私の服を全て脱がせた。 「久しぶり……」 どこに挨拶しているんだ……胸を吸いながらサイトが呟いていた。 そのまま私を机に寝かせる……まだ外は明るい…… 多分……サイトからは…… 「……綺麗……だ」 ……全部見えているはず。 「うそつけ」 目を逸らしながら答える。 サイトは何も言わずに、舌を這わせる。 その時……がちゃがちゃと鍵が鳴る。 っっ誰か……来たっ。 息を詰める。 「閉まってるな。」 「ああ、裏に回るか?」 「掃除だろ?このままさぼらねー?」 男子生徒が……数人…… 「っっっっく」 サイトがまた舌を動かし始めた。 サイトのほうを見て、一生懸命首を振る。 (ダメ、サイト、人が居るっ、そとっ) でも……サイトは気にせずに、私の一番敏感なところを吸い上げた。 「……あっ……っっっっ」 少し声が漏れる。 「何か聞こえた?」 「いや、別に?」 サイトを見つめるけど……止めてくれない…… (ダメ、サイト、止めて……お前以外に見られるのやだぁぁぁ) 楽しそうに、サイトが私で遊んでいる…… まるで楽器のように……音を出すためにあちこちを触る。 (イヤァァァァァ) 両手で胸とアソコを撫でられる。 声が……漏れる……必死で私はサイトの唇を貪る。 せめて……口が塞がるように。 白く染まっていく意識の外で、外の声を聞く。 「裏口も閉まってたよ」 「んじゃ誰か居るのか?」 「いや、先生が間違えて鍵掛けっぱなしだったんじゃないか?」 「呼んでくるか?」 怖くなった私はサイトに抱きつく。少し笑ったサイトが……手に込める力を強くする。 (だめぇぇぇぇぇ、声……でるっっっ) 限界はすぐそこだった、サイトに触られている……それだけで高ぶった。 「いいよ、もう帰ろう、掃除できる範囲は全て終了しましたってさ」 「なにそれ、詐欺くせー」 「うそじゃねーし」 声が段々遠くなる…… 十分声が離れた時、サイトが……優しく撫でていた私を軽く抓り上げて…… 私は大きな声を上げていた。

58 名前:9/10[sage] 投稿日:2006/10/16(月) 01:59:31 ID:FABDVs/7 息を切らしたままの私の入り口にサイトが自分のものをこすり付ける。 「だ、だめだっ、サイトすぐにはっ」 そのままサイトが腰を進める。 「やぁぁぁぁぁぁ」 いった直後の敏感な身体が悲鳴を上げる…… サイトが私の口を塞ぐ……私と違って唇で。 おかしいくらい感じすぎている私の湿った音が、礼拝堂に響く。 声が良く通る作りだから………私のいやらしい音が…… (いやぁ、聞きたくない……聞きたくないよぉ) 快感に焼かれる身体が、耳まで犯されている錯覚を覚える。 「何か響いてますね、アニエスさん」 サイトが嬉しそうに……耳元で囁く、サイトの声が……息が…… 私をさらに高めていく。 「いやらしいですね」 ……サイトに……キラワレル? 「やだぁ、やだやだやだやだぁぁぁ、いわないでぇぇぇ」 力の入らない手で、サイトを止めようとする…… 「俺で感じてるんですよね?」 (うん、そう……サイトで……弟みたいな子で……感じてるの) 口に出せない思い…… 「大好きですよ」 サイトの腰が強く動き始める。 「あぁぁぁぁっぁぁああああああ」 もう何も考えることも出来なくて…… サイトが満足するまで、私は何度もいかされた。

59 名前:10/10[sage] 投稿日:2006/10/16(月) 02:00:03 ID:FABDVs/7 力尽きて私の上で眠るサイトに、マントを掛ける。 もうとっくに日は暮れて……辺りは真っ暗だった。 足元には恥ずかしい水溜りで……跡が残ったらどうしよう。 満足した笑顔のサイトを見て、小さな決心をする。 翌日 「あら、アニエス、昨日は学園でお泊り?」 ……何もかもばれている気がするけど。 「水精霊騎士隊の訓練の一部を定期的に城行うことを具申いたします。」 「そうね、賛成よ。彼らもわが国の騎士ですものね、あなたに任せるわ、アニエス」 ………これで……定期的にサイトに会える……ミス・ヴァリエールもシエスタも抜きで。 道は長いけれど……出来ることをがんばろう……… ひょっとしたら……何かの間違いで……… ほんの少しの可能性で…… サイトが……私を選んでくれるかも……しれない……し。 陛下の許しを得て、少し前向きに成った私は、これからの戦略を練る…… 凄く楽しくて……幸せだ。 アニエスが立ち去った部屋で、うっそりと話しかけるものがあった。 「少し迂遠ではありませんか?」 「そうかしら?マザリーニ」 「私ならもう少し他の手を考えます」 「これが楽しかったのよ、それに……ね」 「はい」 「使い魔さんでは王にはなれませんもの、誰か……身近な者の夫が最適なの」 「……それで、銃士隊隊長の?」 「えぇ、それに……」 「?」 「アニエスは大切なお友達ですもの、幸せになってほしいわ」 「……えー次にあの船の件ですが」 「使い魔さんを使えば、いくらでもやりようは有るでしょう?」 「承知いたしました」 ……王宮は魔窟だった。