ゼロの保管庫 別館

5-843

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だれでも歓迎! 編集

843 名前:ふぁいなるあんさー?[sage ] 投稿日:2006/10/13(金) 20:05:23 ID:2Go8Vq4d 頭が痛い。 体がだるい。 熱っぽい。 咳が出る。 具体的に言うと。

「か、風邪ひいた…」

青い顔でぐったりしながら、ベッドの中で才人はそう呻いた。

「だ、大丈夫サイト?どどどど、どーしよどーしよ」

ルイズは慌ててぐるぐるその場を回る。 対照的なのはシエスタで、落ち着いて水汲み場から水を汲んできて、布を濡らして才人の額に当てた。

「大丈夫ですかサイトさん?何か食べたいものは?して欲しいこととかないですか?」

そう言って、献身的に看護を始める。 そうなると面白くないのはルイズで、二人の間に割って入る。

「ちょっと!使い魔の健康管理は主人の義務なの!メイドは下がってなさい!」 「お言葉ですけど?ミス・ヴァリエールに何ができるんですか?」

言われてルイズはうぐぐ、と言葉に詰まる。 でも、ここで退いたら才人の看病というおいしいイベントを逃してしまう。

「…りょ、料理とか」

必死にひねり出した答えがソレだった。

「…へえ?」

小馬鹿にしたような笑みを浮かべ、シエスタはルイズを見る。

「…何よ、文句あんの?」 「…べぇぇつにぃぃぃぃ?ただ、病人に毒を盛るのはどうかなー、と私は思いますけどぉ?」

んぎぎぎぎぎっ、と二人がいがみ合っていると。

「サイト!」

バタンと扉が開き、青い髪の少女が部屋に飛び込んできた。 キュルケに『サイトが倒れた』と吹き込まれたタバサだった。 キュルケは慌てて水汲み場に現れたシエスタに事情を聞き、その情報をタバサに漏らしたのである。 タバサは何が起こったのか理解できずに固まる二人を完全に無視すると、ベッドに駆け寄り、才人の手を取る。

「…ごめんなさい」

きゅ、っとその手を抱きしめ、涙なんか流しながら、タバサは続ける。

「…治るまで、私が看病するから」

二人の間に流れる、なんだか甘い空気。 すると面白くないのは蚊帳の外に放り出された二人なわけで。

844 名前:ふぁいなるあんさー?[sage ] 投稿日:2006/10/13(金) 20:05:53 ID:2Go8Vq4d 「…待ちなさいよそこのチビっこ」 「…なんなんですかアナタ」

三人の間に、目に見えない雷雲が轟く。 …こええ、逃げてえええええええええええええええ! しかし風邪のせいで身動きの取れない才人は、ベッドの中でうんうん唸るしかできない。 ていうか唸ってたほうが命の危険がないかもしれない。

「…犬?」 「サイトさん?」 「…サイト?」

三人が、全く同時に、才人に向かって振り向く。 …やばい、死ぬ。オレ死ぬ。 故郷の母さん、ごめんなさい。才人は先に逝きます…。 しかし、襲ってきたのは、エクスプロージョンでもフライパンでも雪風でもなく、三人同時の質問だった。

「私に看病されたいわよね!」 「私に看病させてくださいっ!」 「看病させて」

ある意味運命の選択肢であった。

・選択肢を選んでください。

1.「ルイズにお願いします」5-910 2.「シエスタに頼む」6-124 3.「タバサが原因だし」6-173

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