ゼロの保管庫 別館

7-255

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だれでも歓迎! 編集

255 名前:オーダー!〜アニエスのばあい〜[sage ] 投稿日:2006/11/12(日) 02:35:10 ID:I+Q9NOcH 惚れ薬は案の定、陳列棚には並んでいなかった。 …まあ当然といえば当然か。 惚れ薬など、心を操る類の薬は禁制の品とされている。 この魔法具屋が表の店ではないとはいえ、こんな場所に堂々と置いてあるはずもない…か。 そこに並ぶのは、『相手の気を引く薬』や、『ムードを盛り上げる薬』などなど。 まあ、ギリギリだな。 あったら買うつもりだったのか、と問われれば、銃士隊の隊長として、そんなものを買うわけにはいかない。 まあ取り締まったうえで徴収するぶんには何の問題もないわけだが。 …別に、サイトを惚れさせたいわけじゃないから、いいんだが…。 最近少し、ナマイキなのだ。 剣でも私から一本とることもできるようになってきた。 アッチのほうでも、経験値をつけてきたからか、私のしごきにも耐えるようになってきた。 だからなのか、たまーに、私が責められることがある。 これがまた、なんていうか、ツボを心得ていてキモチい…じゃない。 まあそんなわけで、なんとかして弱みを握っておかないと、師匠としての立場が危ういのである。 そんなことを考えながら棚を眺めていると、ある薬が目に入った。 それを見た瞬間、私の頭脳にある計画が閃いた。 …覚悟しろよサイト。私のほうが上位だと徹底的に教えてやる…!

256 名前:オーダー!〜アニエスのばあい〜[sage ] 投稿日:2006/11/12(日) 02:36:18 ID:I+Q9NOcH その次の非番の日、アニエスは行動に出た。 鏡台から先日買い求めた、無色透明の薬の入った瓶を取り出す。 そして、その傍らに置いてあった、小さな紙包みを開く。 その中には、何本かの、黒い髪の毛が包まれてあった。 トリステインではあまり見ない、漆黒の髪…才人の毛髪であった。 それを、蓋を開けた薬の瓶の中に一本、落とす。 髪は一瞬で解けて消え、瓶の中の液体が、青く染まる。 これこそが、この薬が効能を発揮する、大前提であった。

「さて…と」

決していい匂いとはいえないその薬を、アニエスは鼻をつまんで飲み干した。 何の変化も訪れないので、きょとんとしていたアニエスだったが、妙なしゃっくりが出ると、その身体に変化が訪れた。 アニエスの身体が青い光に包まれると、その体が変化していた。 漆黒の髪、冴えない顔。見た目よりもがっしりとした体躯。 そこには、誰がどう見ても、『平賀才人』がいた。

「よし。完璧だな」

口調と態度こそ違えど、その声は間違いなく才人であり、その姿もまた才人であった。 アニエスの買い求めた薬は、『水鏡の秘薬』。 毛髪を溶かし込むことで、その毛髪の持ち主に化けることの出来る、秘薬であった。 アニエスの化けた才人は、以前町で買っておいた、男物の服に着替えると、部屋から出て行った。 計画を、実行に移すために。

まず最初にしなければならないことは、獲物を探すこと。 …そうだな、なるべく初心そうで、幼めの見た目の娘がいい。 事後のフォローがしやすいように、銃士隊の中から選ぶことにする。 …すると、あの娘か。 私の脳裏に浮かんだのは、長銃隊隊長、フェリス。 長い金髪の娘で、サイトより年は二つ上。 しかし童顔で、どう見てもサイトより二つ三つは年下に見える。 銃の腕は抜群なのだが、剣の腕はイマイチだ。 たぶん男性経験はゼロ。 とりあえず、姿を借りるならこの娘がいいな。 私は宿舎を回って、フェリスを探すことにした。

257 名前:オーダー!〜アニエスのばあい〜[sage ] 投稿日:2006/11/12(日) 02:38:04 ID:I+Q9NOcH 「貴様!シュヴァリエ・サイト!」

…すぐ見つかった。 私の部屋から出て五分としないうちに、銃士隊の制服を着た長い金髪を頭の両側で結わえた童顔の女性に、廊下で突然指を突きつけられた。 彼女がフェリス。銃の腕でもって長銃隊の隊長を務める、優秀な銃士だ。 …まあ、早めに見つかったほうが確かに都合はいいけども。 しかし、なんでこの娘は指なんか突きつけてるんだ?

「や、やあ。いい天気だね?」

とりあえず頭など掻きながら、サイトが言いそうな事を口走ってみる。 …なんだその、意外と難しいな、他人になりきるっていうのは。

「天気などどうでもいいっ!貴様っ、今っ、お姉さまの部屋から出てきただろう!」

全く取り合わずに、指を突きつけ迫ってくるフェリス。 …げ。見られてたのか? …ん?それよりも待て。お姉さま? 私はフェリスと姉妹の契りなど結んだ覚えはないぞ?

「お姉さま?」

私は当然の疑問を口に出す。 それを聞いてフェリスは、はわわわわわ、と口を抑えた。

「お、お姉さまはお姉さまでお姉さまだからお姉さまなんだ!  お、おおおおおお前には関係のないことだ!」

…最近、なんか銃士隊の間で妙な動きがあると思ったら、こういうことか。 私にそんな趣味はないんだが。

「俺がアニエス隊長の部屋から出てくるのがそんなにおかしい?」

実際、私は王都にやってきたサイトをよく宿舎の自室に呼びつける。 もちろん『稽古』をつけてやるためだ。 そのために、わざわざ防音設備のしっかりした部屋を自室にしたんだ。風通しが悪くて困るのが難点だけどな。 私はわざと、意地悪な笑みを作って、フェリスを見下ろす。 …そう、この娘は才人より頭一つ小さい。傍から見ると、サイトが少女をからかっているように見えるのではないだろうか。

「な、な、な、な、な!アニエス隊長のお気に入りだからって!調子に乗って!  けけけけけけけけけ、決闘だ決闘!」

言って腰から抜いた細剣をびしいっ、と突きつけてくる。 …なんだかな。

258 名前:オーダー!〜アニエスのばあい〜[sage ] 投稿日:2006/11/12(日) 02:38:43 ID:I+Q9NOcH 結局、宿舎の中庭で決闘することになった。

「なあ、やめにしない?」

才人に化けたアニエスは、木剣を振って重さを確かめながら、そう言った。 才人に化けたアニエスは、フェリスの剣の腕を知っているので、彼女に万に一つも勝ち目がないことを分かっていた。 よしんば才人自身がフェリスと決闘することになっても、その勝敗は覆らないだろう。 まあフェリスも並の人間からしたらけっこうな使い手なのだが、鍛錬を修めた人間からすれば、まだ未熟なのだ。

「怖気づいたか!それでも男か貴様!」

息をまいて木剣を構えるフェリス。 説得が無駄だと分かると、アニエスは自分も剣を構える。

「じゃあ、恨みっこなしってことで」 「いい度胸だ!負けて後悔するがいい!」

言って、木剣を振りかぶり、気合とともに突っ込んでくるフェリス。 …ボディががらあきなんですが…。 そのまま打つのもアレなので、アニエスは突っ込んでくるフェリスをさっと避け、足をかけてフェリスのバランスを崩す。

「わっ!?はわわわわわわっ!?」

バランスを崩すも、なんとか片足で踏みとどまるフェリス。 …転んでおいて下から反撃、とかは考えないのな。 一生懸命がんばるフェリスの背中を、アニエスは木剣の切っ先でつんと押した。 そのまま顔面からべちゃん、と倒れるフェリス。

「あだっ!」

鼻をこすりながら、涙目で上半身を持ち上げる。 そこに、アニエスの切っ先が突きつけられた。

「勝負有り、だね」

決定的状況にフェリスはあー、とかうー、とか唸っていたが、

「わ、わかったわよっ!好きにしなさいっ!」

言って、ごろん、と仰向けに転がった。 決闘に勝った者は、敗者を好きに出来る。 それが、フェリスの出してきた条件だった。 当然、敗者のフェリスは好きにされる側である。

「じゃあ、人気のない宿舎裏の倉庫にでも行こうか?」 「…ふえ?」

259 名前:オーダー!〜アニエスのばあい〜[sage ] 投稿日:2006/11/12(日) 02:40:47 ID:I+Q9NOcH フェリスは生まれてはじめての『お姫様抱っこ』に赤面して、声も出せずにいた。 ていうか、こんな所他の隊員に見られたら恥ずか死ぬ。 フェリスはアニエスの化けた才人に抱えられ、人気のない宿舎裏の倉庫に向かっていた。 …こ、これからどうなっちゃうんだろう。 その場の勢いで『勝ったら相手を好きにしていい』なんて言ったものの、まさか自分が負けるなんて思わなかった。 一度吐いた言葉を覆すのは、人としてよくない行為なので、フェリスは抵抗らしい抵抗もせず、才人にされるがままになっている。 倉庫に着いた。 才人に化けたアニエスは器用に足先で倉庫の扉を開けると、中に入る。 先日搬入されたシーツの山に目をつけると、そこにフェリスを下ろして、倉庫の扉を中から閉める。 シーツの山の上にいるフェリスの下へ戻ると、フェリスは涙目で才人を睨みつけてきた。

「お、お前が何をするつもりか知らないが、こ、心までは自由にできないんだからな!」

言って、自分の身体を守るように抱きしめる。 それが、フェリスにできる唯一の抵抗らしい抵抗だった。 …まあ、事情を説明するのも面倒だし、ここは一つ。 アニエスはそう考え、威嚇する小動物のような視線を投げかけてくるフェリスの顎を、指で摘んでつい、と持ち上げた。 二人の視線が真正面から絡み合う。 異性とこんなにまっすぐ、しかも間近で見詰め合った経験のないフェリスの頬が、みるみる朱に染まっていく。 …ど、どうしてこんなにどきどきするの…。 それが初めての経験からの不安によるものだとは、フェリスには理解できていなかった。

「隙あり」

アニエスはそう言い放つと、完全に固まっているフェリスの唇を奪った。 フェリスの身体が完全に硬直し、動きが止まる。 アニエスは直ぐに身体を離すと、硬直しているフェリスに覆いかぶさった。 真っ赤になって固まっているフェリスの耳元で、そっと囁く。

「ひょっとして初めて?」

その言葉に、赤いフェリスの顔がさらに赤くなる。

「ああああ、当たり前だっ!」

何が当たり前なのかよく分からないが、とりあえずそういうことなら。 アニエスはフェリスの身体を持ち上げると、シーツとフェリスの間に器用に身体を滑り込ませた。 後ろから抱きしめられ、フェリスはいよいよ緊張で身体を硬くする。

「そんなに硬くならないで」

アニエスの化けた才人は、あくまで優しくフェリスを抱きしめ、耳元で囁いた。 しかし硬くならないでと言われても。

「ど、どうしたらいいのか、よく…」

もうすでに自分が何を口走っているのかもわからなくなっているフェリスだった。

「力を抜いて」

言って、フェリスの胸と太股を、制服の上から撫で回す才人。 その感覚と言葉に、徐々にほぐされていくフェリスの身体。 もうすでに、にっくきお姉さまの腰巾着、なんてことは考えられなくなっていた。

260 名前:オーダー!〜アニエスのばあい〜[sage ] 投稿日:2006/11/12(日) 02:42:23 ID:I+Q9NOcH 「優しくするから」

その言葉がトドメだった。 …なんで、こいつのこと嫌いだって思ってたんだろう…。 優しい言葉と女性のような繊細で、柔らかい行為に、フェリスは陥落した。

「い、痛くしたら許さないからな」 「しないよ」

言って才人は、いよいよ本格的にフェリスの身体を愛撫し始める。

私は、隣で脱力して横たわるフェリスの髪を一本、拝借した。 フェリスは起きない。まあ、私のテクニックでもって何回も逝かされたんだ、しばらく目は覚まさないだろう。 …まー可愛かったな。不覚にも女の子も悪くはないかなー、なんて思ってしまった。 ちなみに最後まではしていない。指と唇だけで感じさせただけだ。 …さすがに偽りの姿相手に乙女を捧げたのでは、フェリスも可哀そうだ。 …目が覚めたらどうなるかはわからないけど。 とりあえず、私は倉庫を出るため立ち上がる。 すると、私の体に変化が訪れた。 体が青い光に包まれ、妙なしゃっくりが出る。 気がつくと、元の姿に、アニエスに戻っていた。 …あ、危ない。時間ギリギリだったんだな。 これがこの薬の欠点。変身していられる制限時間が余り長くないのだ。 私は倉庫を出て、自室に向かう。 いよいよ、計画の第二段階に進む時が来たようだ。

332 名前:オーダー!〜アニエスのばあい〜[sage ] 投稿日:2006/11/14(火) 04:28:34 ID:Y9aJZtLu 俺は今銃士隊の寄宿舎の前にいる。 この中は基本的に男子禁制だ。 銃士隊は女性のみで編成されるアンリエッタ女王直属の組織で、アニエスさんが指揮している。 で、俺はここに何度か来た事がある。 …もちろん、アニエスさんに呼び出されて、『稽古』をつけてもらうためだ。 そのたんびに、他の隊員さんたちの、なんだかイヤーな視線の洗礼を浴びるハメになるんだけど…。 で、今回もアニエスさんから呼び出しがかかった。 …貴族年金の受給日と、アニエスさんの非番が重なった時点で、覚悟は出来てたけど…。 まあいいや。 今回こそひいひい言わせたらあな! 最近アニエスさんのツボわかってきたし!今回も攻めて攻めて攻めまくるぞ! ちなみにアニエスさんの弱点は背中。 とくに、尾てい骨のあたりから背骨に沿って責められるともうヤバいらしい。 前回そこを指で責めたら思いっきり感じてたし。 で、この感じてるアニエスさんが普段からは想像もつかないくらい可愛い…。 って、こんなとこで前かがみになってたら変質者丸出しだぞ俺! 俺は素数なんぞ数えながらムスコを沈静化して、寄宿舎の門へ進んでいく。 俺は寄宿舎の門衛に用件と姓名を伝え、中に入れてもらった。

333 名前:オーダー!〜アニエスのばあい〜[sage ] 投稿日:2006/11/14(火) 04:30:24 ID:Y9aJZtLu アニエスが自室で才人の弱みを握る計画を再確認していると、ドアがノックされ、隊員の一人がシュヴァリエ・サイトの来訪を告げた。 当然アニエスが呼びつけたのである。 才人の来訪を確認すると、アニエスは伝えを持ってきた隊員に才人をここまで通すように言い、下がらせた。 ここからが本番である。 アニエスは鏡台から『水鏡の秘薬』の残りの瓶のうち一本を取り出し、先ほど手に入れたフェリスの細い金髪を溶かす。 髪は一瞬で溶けて消え、今度は液体を赤く染める。どうやら性別で色が変わるらしい。 やはり妙な匂いのするそれを、アニエスは一気に飲み干す。 アニエスの身体が赤い光に包まれて、その体が変化した。 そこには、長い金髪の、童顔の少女がいた。 それは、先ほどアニエスが才人の姿でもって倉庫で弄んだ、フェリスの姿そのものであった。 …よし、準備は万端。 アニエスは姿見を見て少し考える。 そこには、アニエスの普段着に身を包んだ、フェリスが立っていた。フェリスはアニエスより一回り小さいので、少し丈が余っている。 …この格好じゃいまいちインパクトに欠けるな? そう思ったアニエスは、計画にもう一手間加えることにした。

今日はアニエスさんが迎えにこなかった。 いつもは、アニエスさんが迎えにきて、世間話やら最近の学院の様子やらの話をしたりするんだけど、今日は違うらしい。 …なんか嫌な予感がするのは気のせいだろうか。 俺は一抹の不安を抱えながら、アニエスさんの部屋に赴く。 アニエスさんの部屋は一階の一番奥にある、重厚な扉の部屋だった。 俺はその扉をノックする。

「アニエスさん、サイトです」

…へんじがない。ただのしかばねの …じゃない。返事がない。どうしたんだろう? 隊員の人が「アニエス隊長がお部屋でお呼びだ」って言ってたから、いないわけないんだけど…。 扉のノブを回して、押してみる。 扉はすんなりと開いた。 開いてんじゃん…。

「アニエスさーん?いないんですかー?」

開けてみると部屋の中がなんか薄暗い。 カーテン閉めて暗くしてんのか…。 昼間っからヤル気満々デスネ? 俺は、嫌な予感が半分的中した、と思った。

「あーにーえーすーさぁーん?返事しないなら帰っちゃいますよー?」

扉をくぐって、中に2、3歩入り込む。 すると、背後でドアがばたん、と閉まった。 と、同時に、鍵のがちゃり、と閉まる音。 …なんだ、アニエスさんいるんじゃん…。 背後に感じた人の気配に、俺は振り向く。

「いるんならそう言ってくださいよアニ…」

俺が後ろを向くと、知らない人がいた。

334 名前:オーダー!〜アニエスのばあい〜[sage ] 投稿日:2006/11/14(火) 04:30:54 ID:Y9aJZtLu サイトの目が点になっていた。 サイトはフェリスを知らないし、まあ当然だな。 私はできるだけ顔を上げないようにしながら、サイトの様子を伺う。 うん。 いい感じに慌ててるな。

「ななななななななな!?なにやってんですかアナタ!?」

サイトは私を指差しながら大慌てしている。 まあ当然といえば当然だな。

裸の上に薄手の上着一枚だし。

「シュヴァリエ・サイト…ですよね」

とりあえずフェリスっぽい喋り方をしながら間合いを詰める。 サイトは思い切りうろたえながら、後ずさる。

「そそそそそそうだけど!っていうかアンタ誰!」

んー?いいのかなー?そっちはベッドだぞサイトー?

「誰だっていいじゃないですか…」

言って顔を上げて、慌てたサイトの顔を覗き込む。 頬を上気させ、目を潤ませるのも忘れない。 二度目ともなると演技のコツがわかってきた。なかなか面白いものだなこれは。 サイトの足が、どん、とベッドに触れる。 サイトはあわわわわ、と手を振りながらバランスを崩す。 今だ。 私は好機を見逃さず、サイトの胸に飛び込む。 おお、広い!? 身体がフェリスのものになって一回り小さくなっているせいか、普段よりサイトの胸板が広く感じた。 サイトはバランスを崩し、ベッドの上に座り込む。 流石に倒れこみはしないか。鍛えてるだけのことはあるな。 しかし座り込んだ拍子に、私の身体をしっかりと抱きしめる格好になる。

「やだ…サイトさんってば大胆…」

サイトの胸板にののじなんか書きながら、私は上目遣いにサイトを見上げる。 サイトは、くは、と息を吐いて…なんだ?マルトー親父、スカロン店長を思い出せ、だの呟いている。 なるほどアレか。手近な同性を思い出して萎えさせるとか言う荒業だな。 やらせはせん。 私はもともと一個しかけていなかった上着のボタンを外すと、前をはだけてサイトの身体に密着させた。 そのままぎゅうっ、とサイトの身体を抱きしめる。 ちなみにフェリスの胸はそんなにない。私より小さい。しかし、サイトの主人よりは確実にある。 だがしかし、ここまで密着すれば、たとえ服の上からとて膨らみの潰れるのが感じられるはず。 見上げると、サイトは上を向いて水揚げされた魚のように口をぱくぱくさせている。 …な、なんだか楽しくなってきたぞ? 私は笑いを必死に堪え、サイトを陥落させるべく作戦を続行する。

「誰だっていいじゃないですか…私がこうしてる理由、サイトさんだって分かってるでしょ…?」

言って今度は、サイトの下半身に狙いをつけた。 さあ、覚悟してもらおうか、サイト。

335 名前:オーダー!〜アニエスのばあい〜[sage ] 投稿日:2006/11/14(火) 04:32:34 ID:Y9aJZtLu 待て俺の理性! 俺を置いていかないでくれ! っていうか最近薄情だぞお前!なんか俺悪いことしたか? しかし俺の理性は、つれない台詞を残して行ってしまった。

『アンタみたいなバカ犬は、誰とでもすればいいのよ!ふんだ!』

…初めて知ったが、俺の理性はどこかのご主人様みたいな喋り方をするらしい。 ああ。今日も俺は流されるのか…。 俺が理性に見捨てられた原因は、今や俺の股間で、そそり立つ欲望の権現を、口に咥えていた。 っていうかなんでこの娘こんなに上手なのぉぉぉぉ。 ちっさい舌を器用に動かして、俺のツボを丁寧に責めて来る。 裏筋を舐めまわし、返しの裏をなぞり、先端をつつく。 つついた先端を唇の先で吸い上げ、そのまま口に含んで口内で俺を包み込む。 じょ、上手すぎいいいいいいいい。

「ちょっと、ダメだってっ!」

今にも爆発しそうな暴れん坊将軍を、だが俺は必死に抑える。 だって初対面のコに早いって思われたらあんまりジャン。 必死に我慢していると、そのコはようやく俺のモノから口を離してくれた。 た、助かったぁ。 しかし股間の暴れん坊将軍は、「早く出させろ」とビクビクと主張している。 ダメ。今はダメ。おあずけ! 俺が必死にクールダウンしようとしていると、そのコはとんでもないことを言った。

「大きくなくても…こんなこともできるんですよ」

言って、唇の端から大量の唾液を俺のモノの上に零す。 そして…はだけた胸の桃色の先端を、俺のさきっちょにこすりつける。 うわなにこれええええええ。裏に胸のポッチがコリコリ当たるうううううう。 ぴ、ピンポイントの責めがこんなに効くなんてっ。 こ、この子、な、なんて恐ろしい子! なんて脳内でギャグをかましている間に。 俺の息子は爆死した。

大量の精液が、アニエスの化けたフェリスの胸から清楚なその童顔に飛び散り、白く汚す。 その光景は背徳的で、才人の煩悩をこれでもかと刺激する。 そして才人の股間は、その光景に再び隆起しはじめる。

「あは…まだ元気ですね…」

言って、アニエスの化けたフェリスは、才人の腰をまたぐ。 その股間は、溢れ出た粘液で淫靡に光っていた。 才人はその光景をただ見守るだけ。 アニエスは、そんな才人に言葉をかける。

「いいんですか?しちゃいますよ…?」

そして、秘唇で才人の先端に、何度も口付けする。 才人の先端と、アニエスの秘所の間には、粘液の橋が渡された。 才人は必死に突き上げようとする衝動を堪える。 そんな才人に、アニエスはトドメを見舞う。

「いいんですよ、好きにして。誰にも言いませんから…」

そして、アニエスはついに、才人の先端を濡れそぼった秘裂で呑みこんだ。 ブツリと何かの裂ける音が聞こえ、アニエスの股間から鮮血が流れた。 当然の事ながら、フェリスの身体は処女だった。

336 名前:オーダー!〜アニエスのばあい〜[sage ] 投稿日:2006/11/14(火) 04:33:13 ID:Y9aJZtLu 久しぶりの痛みに、私の身体は仰け反った。 そ、そうか、他人に化けるということは、体の状態もそのまま…っ! 私は痛みに引き裂かれそうになりながらも、確かに快感も得ていた。 私の経験と、フェリスの身体。 この二つが重なり合い、快感と痛みを同時に与えてくる。 快楽に意識が飛び、激痛に意識が覚醒する。 …ダメだっ、これっ、おかしくなるぅっ…! いつもと全く違う感覚に、私の意識は攪拌される。 私は目の前のサイトに必死にすがりつき、サイトの名を呼び、痛みと快楽に打ちのめされる。 痛みが快感になり、快感が痛みになる。 絶頂と覚醒をサイトの数合ごとに繰り返し、私の気が狂いそうになったとき…。 私の身体を、赤い光が包んだ。

「サーイートー」

目の前から聞こえる聞き慣れた声に、俺の理性が戻ってきた。 獣のように突き上げていた腰を止めると。 そこには、俺に貫かれたアニエスさんがいた。 …怖いくらいの笑顔で。 アニエスさんは、俺に貫かれたまま、俺の頭を両側からがしいっ、と掴むと、俺の唇を乱暴に奪った。 そして、再び怖いくらいの笑顔で、俺に言った。

「本当に、どうしようもなく、伝説級に、とんでもない節操なしだなお前はー?」

…ってまさか、今の子、アニエスさんが…?

「女なら誰でもいいのかー?本当に節操がないな、お前のココはー?」

ちょ、だったら咥え込んだままぐにぐに中動かさないで下さいっ!

「んんー?お前が悪いんだぞー?わかってるのか、この節操なしめ」

そして今度は、上下にグラインドしはじめた。 なんか、責めてるわりにはすっごい嬉しそうなんですけどアニエスさんっ!

「こんな節操なしの悪い子にはおしおきが必要だな?」

…あのう、そのものすごいイヤらしい笑顔はなんですか…?

「よし決めた。今日は朝まで休まないからなサイト♪」

俺が反論できずにいると、俺の上でアニエスさんは嬉しそうにとんでもない事を言った。 まって!死ぬ!そんなんしたら俺死にますから!

「ちょ、それは流石に!」 「だいじょぉぶ」

そうにっこり笑って、アニエスさんはベッド脇のテーブルの上に並んだ瓶の山を指差した。 …まさか。

「精力剤ならたぁっぷり用意したからな♪まずはそうだな、最近人気の『オーガの血』からイってみようかサイト♪」

アニエスさんのとびっきりの笑顔が、今の俺には死神に見えた。 〜fin

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