ゼロの保管庫 別館

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だれでも歓迎! 編集

680 名前:1/2[sage] 投稿日:2006/11/20(月) 17:38:46 ID:rPTsxrVi 「ねぇデルフー」 「ん。おや、相棒の娘っ子じゃねぇか。どしたい?」 「もー。私にはマリーって名前があるんだから、いい加減覚えてよねっ」 「あーわりーわりー。オイラ物覚えが悪くってねぇ。んで、今度はなんだい」 「いっつもそう言って、全然覚えてくれないんだから…」 悪気があるわけじゃねぇんだが、で、聞きたいことは何だろね。 「父さまって、体じゅうすっごい傷だらけなのどうしてかなーって思って」 ああ、確かアルビオンで七万止めたときのやつだっけ。…まぁ、「躾」の生傷は今でも絶えないみてぇだが。 「何で笑ってるの?」 「ああ、すまんすまん。ってか、いつも思うんだがどうして相棒に直接聞かねぇんだい?」 この子は何かあると決まって俺に聞いてくるからなぁ…。 「聞いたよー。けど、父さまただ笑うだけで話してくれないの。ねー、あれってもしかして…母さまが付けたの?」 ま、まぁあんな夫婦喧嘩をいつも見せられてる身にしてみりゃ、そう思うのも無理ねぇかもな…。いや、さすがに怪我の程度が違うか。 「そう思うのも無理はねぇ気もするが、それはちげぇな。あれは…そうかもう10年も前になるのか」 6000年生きているとはいえ、この10年はほんっと色々あったからなぁ…。 「デルフ?」 「おおすまねぇ。なに、年食っちまうと色々思うところあるんでな」 「じじくさーい」 「そう言うなよ、これでも気にしてんだぜ?」 ほんとは、今更気にするも何もねぇけどな。 「あの傷は、お前さんが生まれるより前に話が遡るんだ」 「へえぇ。じゃぁ、父さまと母さまが出会う前?」 「いや、それよりは後だが。半年とちょっとくらいだっけか?」 最近は思い出すことも少なくなったな。懐かしいもんだ。 「ね、どんなことがあったの?」 「ちっとばかし長くなるかも知れねぇが、いいかい?」 「うん!私デルフのお話聞くのすきー」

「ふぇ…」 「な、泣くなよ」 「そ、それでっ。父さまは死んじゃったの?」 そんなんじゃ俺が泣かせたみたいじゃねぇか。えぐえぐ言ってないで早く涙を拭きな。 「死んじまってたらお前さんも生まれてないだろ?大丈夫だって」 「うん。…それからどうなったの?」 「その時は、もう相棒は動ける状態じゃなかった。もうボロボロだったからな。でな、」

「へえぇ、テファおばちゃんとその時知り合ったんだー」 「そゆこと」 おばちゃん、ね。まぁこの子からみればもうそんな歳かねぇ。 「じゃぁ、今度テファおばちゃんにありがとうって言わなきゃ」

681 名前:2/2[sage] 投稿日:2006/11/20(月) 17:40:23 ID:rPTsxrVi 「と言うわけだ。分かったか?」 「ほえー、父さまって実は強かったんだ…」 「おいおい、なんたってガンダールヴだぜ。地上最強って言えるだろうな」 「がんだーるぶ?」 そういうことは話してないんかな。 「ガンダールヴ、神の盾。最強の使い魔よ」 「ふーん。でも、父さまって母さまと喧嘩したときはいっつも負けてるから、…やっぱり母さまが最強なのかしら」 いたずらして叱られた時のことでも思い出してるんかね。まーた涙目になってら。 「ま、使い魔が主人に勝つ道理はないやね。…そうでなくても勝てそうも無いか」 「デルフまた笑ってるー」 「あの二人いつ見ても面白いからな」 「そう?母さまがいっつも父さまを怒ってるだけな気がするけど。あ、でも母さまがこないだいじめられてた」 「へ?」 どんな状況なんだろ…。なんか嫌な予感がするんだが…。 「この前の夜にね、おトイレ行きたくなって廊下を歩いてたら、父さまと母さまが寝てる部屋から母さまの泣き声がしてて、覗いたら父さまが母さまをいじめてたから私やめてって言ったの。そしたら二人ともすっごい慌てて…。あ、父さまの体の傷はその時知ったの」 それはもしかしてあれか?アレなのか? 「ね、デルフ。父さまが言ってた『ルイズはここ弄られるの好きだよね』って、どういうこと?」 やっぱりー。 「父さま、母さまの弱点でも握ってるのかしら」 ある意味それは正しいが。 「えとなマリー。それは別にいじめてたわけじゃなくてだな…」 実はナニしてたんです、泣き声じゃなくて啼き声なんです。なんて言えねぇしなぁ…。 しっかしあの二人…。 「三人目も時間の問題かねぇ」 「三人目?」 む、声に出しちまってたか。 「三人目ってなぁに?」 「いや、マリーの妹か弟がそのうち生まれるかなー、ってな」 「えー!それほんと!?ね、ねねっ。いつ?いつ生まれるの?」 「さ、さぁいつかまでは…」 「母さまに聞いてくるっ」 「あ、おいマリー。…行っちまった」 ちっと口が滑ったかな。ま、いいか。それにしても、もういい歳だろうにいつまでたっても相変わらずだなあの二人は。 …おお、厨房の方からなにやらどんがらがっしゃんと。こりゃまた虚無の担い手とメイド長の大戦勃発だろうな。 「今度は何なんだ…」 そして、すべての元凶が現れると。 「よお相棒」 「何だよ」 「平和だねぇ」 「どこがだ…」 そんなに落ち込むなよ。俺はこんな日常が、ほんとに気に入ってんだから。 「「サイト(さん)!マリーに一体何話したのよ(んですか)っ」」 「し、知らないよ」 相棒もつくづく苦労人やね。

fin

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