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8-70オトコノコの役割 より分岐

188 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/25(土) 00:16:54 ID:240vgeWt じゃ、そろそろ投下するよー

>>70からの分岐で才人が修羅の道を歩む話を

189 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/25(土) 00:18:49 ID:240vgeWt 才人は狂っていた。 シエスタとアンリエッタの区別も付かぬまま強姦し己が熱を注ぎ込んでも止まらなかった 「は、はははははッ!!!」 狂った叫び声を上げながら部屋を出て行く 「サイトさん……」 呼びかけるシエスタの声に力はない。 その背中を見ただけで分かってしまったからだ。 心に深い傷を負って狂ったサイトを それを止められない自分を

ルイズの部屋に戻った才人はデルフリンガーに手を掛けた そのまま肩に掛けると部屋を後にした 左手には使い魔のルーン、そして愛剣デルフリンガーだけを手にし才人は学園から姿を消した。

190 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/25(土) 00:19:34 ID:240vgeWt その話は瞬く間に広がった ある者は嘆き、ある者は批難し、才人は時の人となった。 女王との間に子が出来るのは名誉だと謳うものもいれば、非人道的な行いだと言う者もいた そのどれもルイズの耳には届かなかった。 あるのは後悔だけ あの時自分がもっと強ければ、サイトを守れたのではないかと それを見守る学友達も心を痛めた。 あれほどいがみ合っていたキュルケでさえルイズに同情して部屋を訪ねたのだから 「ルイズ、貴女のせいじゃないわ。貴女は…」 声にならない、ルイズの姿を見ると励ましの言葉さえ喉元でつまってしまう 今のルイズは才人がアルビオンで戦死したと思っていた頃よりも酷かった いや、あの時はまだ心の寄る辺があった分幾ばくかマシだったといえよう それでも何とか立ち直れた 心の在り方が以前とは違うようになった 誰よりも力を欲した少女は守れなかった者の為に更なる力を欲しだした ―――必ず才人を連れ戻す 心にそう誓い虚無の魔法を会得すべく日夜祈祷書に向かいだした。

191 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/25(土) 00:20:14 ID:240vgeWt それはルイズだけではなかった 意外なことにタバサも出会った。 父を殺され母を壊された彼女は何か感じ入るモノがあったのか 彼女は才人を連れ戻す事を誓った それが同情からなのか、淡い恋心なのかも分からないまま

才人は学園を出てからほとんど意識がないまま歩き続け、気が付くと森の中にいた 右手にはデルフリンガーが握られている。 抜いた記憶がない、だと言うのに刀身は…… 「あぁ、そうか」 辺りを見回し理解する 刀身は真っ赤に染まっていた 足下には三人の男の死骸。 一人は首を飛ばされ、一人は切り刻まれ、もう一人は心臓を貫かれている。 「仕方がなかったんだ。これは不可抗力だ相棒」 デルフリンガーの声がした デルフリンガーの話では、野盗である三人組が襲いかかってきたため咄嗟に応戦したらしい その結果がこれ。 「………」 人を殺した、初めて人を殺した。 だと言うのに何の感慨も浮かばない 罪悪感も愉悦も何も。 才人はそのまま歩き続けた。 行く当てもなく壊れ狂った心を抱えたまま……

440 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/01(金) 22:33:46 ID:AqlRQL44 半年以上の月日が流れた ルイズの腕は以前とは比べものにならなくなっていた。 ゼロだと罵られ何も出来なかった頃を考えると奇跡に近い 今では部隊を率いて先陣を切れるほどにまで成長していた そんなルイズは躍起になって才人を捜していた ここ最近、ある剣士の話を聞く 時に盗賊狩りをし、時に人々を救い、時に人々を殺していると言う 噂は常に誇張されるもの だが、その中で確固たる情報をルイズは掴んでいた。 ある村での事。 小さかったその村は盗賊団に襲われた。 金品を奪い尽くした後、村に火を放とうとしたらしい 村人に立ち向かう術もなく、村は消えるはずだったのだが そこに謎の剣士が現れたと言う 一瞬のうちに盗賊を倒し、村を救ったという話だ だが、その話は奇妙だった 話で剣士は左手に大剣を持ち、右手には槍を持っていたのだ そして盗賊の持っていたマジックアイテムを奪い村人には何一つ危害を加えずに去っていった 去り際に見せた笑みがとても不気味だったと村人は語る

剣士は黒髪黒眼で異国の顔立ちをしていた これだけで十分だった。 才人の足取りを遂に掴んだルイズはすぐさま最寄りの村へ向かう準備を始めた ―――今の自分は違う そう、あの時とは違う。 例えアンリエッタを敵に回すことになろうと才人を守りきるだけの自信があった だから、迎えに行こう。行って謝ろうと思っていた。

441 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/01(金) 22:34:19 ID:AqlRQL44

それを影から見る者がいる タバサとキュルケである。 二人も才人の事が気がかりでこの半年間絶えず情報を集めていた 才人と思われる剣士の情報は良いものばかりではなかった 先ほどのように村を救ったともあれば、村を滅ぼしたと言うのもある あるメイジが実力試しに才人に挑んだ結果、無惨な結果に終わった話もある。 中でも際だったのが、言い寄ってきた女性を皆殺しにしたという話である。 才人は心に深い傷を負っている。 言い寄る女性などその傷を抉らるようなもの よって、全て殺されている。 「……まさか、トリステインからゲルマニアまで色んな所を渡ってたなんてね」 国境を越え才人はゲルマニアにまで渡っていた それを何を思ったかトリステインに引き返し王都を目指しているのだ。 「復讐なのかな……?」 タバサに問いかける声は半信半疑だった キュルケの中の才人は復讐をするとは思えない だが、今の才人はまるで修羅のようだ 例え国を一つ敵に回すことになろうと女王を殺すかも知れない 「分からない。けど、止める」 そう言った言葉には確かな決意があった。 少女はその想いを秘めたまま、想いの主と対峙する事を選んだ

442 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/01(金) 22:34:51 ID:AqlRQL44 才人は酒場にいた ようやく捜していたマジックアイテムを手に入れた。 自分を弄んだあの女、アンリエッタに復讐する。 だと言うのに例えようもなく虚しかった。 グラスの酒を揺らす。 今まで様々な死線を越えてきた。 始めは武器を求めた。 デルフリンガーも申し分ないがそれでも戦闘のためにと そして槍と、脇差しくらいの短刀を手に入れた それを頼りに今までの死闘を生き抜いてきた。 時折気まぐれに人々を救ったりもしてみた。 歓喜の声を聞いてもかつてのような感情も浮かばない。 あの日から才人の心は壊れ止まっている。 その中で常に戦いの中にに身を置いた ―――狂っていないと正気を保てない     狂わなければ自分を保てない――― 僅かに残った自我を保つためには狂わないと 狂って全てを忘れないと心が消えてしまう。 どこで話を聞きつけてきたのか、そう言う意味では言い寄ってくる女が一番目障りだった 女を見てるとあの日を思い出す 傷が抉られ自分を所詮種馬でしかないのだと突き付けられたような惨めな気持ちにさせ心が本当になくなって ヒラガサイトは消えて無くなってしまいそうになる だから殺した。言い寄ってきた女は一人残らず殺した その中にどこかで見た顔があった気がしたが今となっては思い出せない そうしてトリステインに戻ってきてから、自分の名が一人歩きしている事に気が付いた 七万の軍勢を単騎で止め、更なる力を持って国盗りを企んでいるだの 魔法を修得し更に高き地位を求めるだの 実にくだらなかった。 挑んできた相手の大半は名誉のために戦っていた そして、今いる相手もその一人。 どこで自分の素性を知ったのか顔を見るなり勝負を挑んできた。 「貴様が噂に聞く剣士サイトか。女王陛下に反旗を翻すとは愚か者  ここで私が成敗してくれよう」 杖を構え、男が才人を狙う だが、才人は相手の口上を聞かずに既に間合いを詰めていた 「何!?」 驚きと痛みは同時に 才人はデルフリンガーの峰を片手で支え地を蹴っていた 斬られながらも男は中空の才人に杖を向ける が、それで終わり 才人はそのまま切っ先を男に向け首元から下に向けて背中を貫いた 男は絶命し才人は剣を引き抜いた 「弱かったな…」 周りにいたギャラリーが騒ぎ始めたのを見て才人は剣を納め立ち去ろうとする 「待って!!」 一際高い、どこか懐かしい声に引き留められた

443 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/01(金) 22:35:35 ID:AqlRQL44 人混みに紛れルイズは騒ぎを見守っていた 才人があんな男に負けるとは思えないがそれでもトライアングルクラスである 億が一にといつでも呪文を発動させられるように準備していた だが、勝敗は呆気なく決まった 才人は別人のように強かった 相手に隙があれば徹底してそこを付く 喋っていたらその間に殺されてしまう 目の前の男は無惨にも串刺しにされてしまった 一歩間違えば自分もそうなるかも知れない 恐怖に心が震える。 しかし、才人が立ち去ろうとしたときその震えた心を奮い立たせ 「待って!!」 あらん限りの声で叫んだ