ゼロの保管庫 別館

8-223

最終更新:

familiar

- view
だれでも歓迎! 編集

223 名前:原作でもこんな展開あったらいいなぁ ◆mitty.ccnw [sage] 投稿日:2006/11/26(日) 01:01:55 ID:7mz+p13f 「ルイズ、ルイズ」 サイトが夢中になって私の名前を呼んでいる。それが、それだけでこんなにも心地よいものだということを、わたしは初めて知った。 サイトだからかしら。…きっとそうね。 「サイト…」 ヒラガサイト。異世界からきた、わたしの使い魔。 わたしの、愛しい人。 「サイト、サイトぉ」 もう絶対に、離してあげないんだから。

鼻にかかった甘えるような声で、俺の名を呼ぶルイズはもうどうしようもなく可愛くて、より強くギュッと抱きしめる。 それでも足りなくて、頬擦りをしたらルイズはくすぐったそうに身動ぎした。

サイトの名を呼んだら、またギュッと抱きしめられた。ルイズって呼ばれるのも気持ちが良かったけれど、これはそれと比べられないくらい気持ちいい。病み付きになっちゃいそうなくらい。 ぼうっとしていたら、今度は頬擦りをされた。ちょっとくすぐったいかも。 もう、サイトったら鼻息荒いんだから。 そのままわたしの髪に顔をうずめて、息を吸い込んでいるみたい。さっきちゃんと体中洗ったから、大丈夫よね…。 サイトは、わたしの髪をどう思ってくれるんだろう。気に入ってくれるんだろうか。 ちいねえさまは綺麗って言ってくれるけれど、サイトもそう思ってくれるかな。 …ちいねえさまのことを思い出したら、む、胸のことまで思い出してしまった。むー、こればっかりはどうにもなんない。 だいたい、サイトの周りには胸がおっきいのばっかり集まりすぎよ! あのテファなんとかとかいうエルフに至ってはー!! …思い出すだけむなしいわ…。

ルイズの髪っていい匂いがするなぁ、なんて思っているとルイズがぷるぷるし始めた。くすぐったかったかな?

224 名前:原作でもこんな展開あったらいいなぁ ◆mitty.ccnw [sage] 投稿日:2006/11/26(日) 01:02:25 ID:7mz+p13f 「サイト」 「ん?」 「えっと…正直に答えてね?」 なんだろう。声の真面目な調子に、体を起こす。ルイズも起き上がってきた。 「えと、その…。サイトは、ややや、やっぱり胸は…大きいほうが好きよね?」 むは。 「お、怒らないから、正直に答えてほしいの」 と、言われましても。そのあの。 だんだん声を小さくしながら、ものすごく答えにくいことを聞いてくるルイズ。ああ、そんなすがるような目をしないでおくれっ。 …やっぱり、ここまで気にするのは俺のせいもあるんだろうなぁ。 でも、どうしてもその。視線が行ってしまうのは仕方ないことなのでして。男の本能であるからして。 …でも、それをルイズに言っても仕方ないわけで。 「サイト?」 「あ、ああ…その…」 ど、どうしよう。 「正直に教えてほしいの。やっぱりその…大きいほうが良いよね?」 「…うん」 ごめんなさいブリミルさま。こんな懇願するようなルイズに、平賀才人はうそなんてつけません。 「やっぱり…。あの時の言葉は嘘だったんだ」 うう、ウエストウッドでのセリフがこんなときに足を引っ張るなんて。 どう言い訳しようかと頭をめぐらしていると、ルイズは両手を胸に当てて、はぁっとため息をついた。 切なそうな顔…うう、見ているこっちの方がもっと切なくなってくるっ。 「どうしたら、大きくなるのかな…」 「ル、ルイズっ」 「な、なによ!」 堪らなくなって、叫んでしまった。 「あ、あのな…」 「…別にもう怒らないわよ。男の子はむ、胸の大きな女の子がすきなんでしょ?そっちのほうが、お、おっぱいたくさん出るもんね?子供が出来たときに」 ル、ルイズってばいつの間にそんな考察を!? ていうか、全然関係ないけどルイズの口から「おっぱい」なんて言葉を聞くとなんだか妙な気分に…。 「だから、きっとサイトもそうなんだろうなぁって思って。それで、どうしたら大きくできるのかなぁって…。わたし、こんなだからきっとサイトは…」 … ああ、なんで俺はこんなにも馬鹿なんだろう。 そして、なんでこいつはこんなにも愛しいんだろう。 「ルイズ」 「なによ」 すねたような表情、そこに見え隠れする不安、そして、目元ににじんだ涙をぬぐう仕草。 その全てが愛しい。 「ごめんな」 「…今更謝ったって、小さいのはしょうがないんだから」 「違うよっ」 「何が違うのよ」 「俺が、はっきりしなくてごめんな」 「そ、そうよ。だいたい使い間の癖に、ご主人様に嘘つくなんて生意気なのよ」 憎まれ口を利くルイズ。今までならきっと、ただ憎たらしいとしか思わなかったんだろうけれど。 「そうじゃないよルイズ。…いや、まぁそれもあるけど、俺が言いたいのはそういうことじゃないよ」 「…言ってみなさいよ、聞くだけ聞いてあげるんだから」 そう言って、ぷいっとそっぽを向いてしまう。でもご主人様、視線がこっちに向いているのが、ばればれですよ? ついくすっとすると、ルイズは頬を膨らませてしまった。

225 名前:原作でもこんな展開あったらいいなぁ ◆mitty.ccnw [sage] 投稿日:2006/11/26(日) 01:04:05 ID:7mz+p13f もう、何を笑ってるのよ! あんたなんかもう知らないって風を装うってはいるけれど、ほんとはなんて言うのか気になって仕方が無い本心を見透かされたような気がして、ついむくれてしまう。 …どうしてわたしってこんなにも可愛げが無いのかしら。いっつもこんな風…。 そう悩んでいると、わたしをそうさせてしまう当のサイトがまたギュッと抱きしめてきた。 ちょちょちょっと、いきなり何なのよっ。 「ルイズ」 もう。何を言ったってごまかされないんだからね。 「確かに、ルイズにもっと胸があればなぁって、思ったことは何度かあるよ」 ほら見なさい。ふんだ、いっつもメイドとか姫様とかあのお化け胸のエルフとかばっかり見て。 「ちいさいほう」なんて言っても、身体が嘘ついてんのよっ。 …でも。分かってはいても、やっぱり悲しいなぁ。 「でもそれは関係ないんだ」 今更関係ないって何よ。 そう問いかけようと、サイトのほうに顔を向ける。息が掛かりそうなほど顔が近い。いつもなら恥ずかしくなって顔を逸らすところだけど、今はきっと見つめてやる。 すると、何故かサイトはふっと微笑みかけてきて、わたしは開きかけていた口を閉じてしまった。 サイト…こんな優しい顔も出来たんだ。 「俺はルイズが好きだから」 なっ! ななな、なによそれ! 「そっ、そんなの知ってるわよっ。それに、り、理由になってないじゃないの」 顔が熱い。たぶん真っ赤だ。そんな真っ赤な自分を見られるのが恥ずかしくて、今度こそうつむいてしまう。 すると、サイトはわたしの頭を抱えて、胸に押し付けた。そのまま耳元にささやいてくる。 「ルイズは怒りっぽくて理不尽で、怒ったときなんか酷くて、しかもいつも小生意気で、」 な、何よ黙ってれば好き放題にっ 「でも、傷つきやすくて照れ屋で、いつも一生懸命で、…そしてほんとはとっても優しい。そんなルイズが、俺は大好きだから」 … 「だから、胸が小さいとか、そんなことは気にしなくて良いよ」 … 「…ルイズ?」 なによ…。ほんとに、勝手なことばかり言って。 「…ルイズ?もしかして泣いてるの?」 「ち、違うわよ馬鹿。な、なんでもないんだから…」 嬉し涙なんて、サイトにはもったいないから見せてあげないんだから。 でも。 うつむいたままのわたしの頭を、サイトは優しくなでてくれた。

fin

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

目安箱バナー