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275 名前:あらしのよるに ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/27(月) 02:42:20 ID:vx1o4CSl それは、嵐の夜だった。 「こんな夜には怖い話をするものよ」と、何故か才人を掴まえてキュルケがタバサの部屋にやってきた。 今日は珍しく、メイドは里帰り、ルイズは家族が来て一緒に出かけたとかで、才人は一人で部屋にいた。 そこをキュルケが無理矢理連れてきたのである。

「でね、次の雨の夜…雨の音かと思って窓の外を見ると、窓を叩いていたのは…。  死んだはずの、その娘だったっていうのよ…!」

蝋燭の明かりに、不気味に照らされたキュルケの話のフィニッシュとともに、稲光が瞬き、雷鳴が轟く。 …え、演出過剰なんじゃねえか…? 才人は軽くビビリが入っていた。 タバサはといえば…ベッドの上で表情も変えずに、ちょこんと座り込んでいる。 ちなみに、タバサだけは寝間着だった。 貫頭衣の薄手の白いワンピースに、三角形の青いナイトキャップをかぶっている。 キュルケの来訪がなかったらとっとと寝るつもりだったのである。

「私の話はおしまい。  どう?怖かった?」

得意げににんまりと笑い、キュルケは言う。 …どこの世界でも、こういう話好きな奴ってのはいるもんだなあ…。 才人はそう思ったが、口には出さない。 そして、キュルケのその質問に応える。

「まーまーだな。俺の知ってる話はもっと怖いけど」

才人のその言葉に、キュルケの眉がぴくん、と跳ね上がる。

「へえ、だったら話して貰おうじゃないの、その怖い話とやら」

キュルケも、けっこうな負けず嫌いであった。

「おうよ。じゃあ始めるぜ。  …それはちょうど、こんな雷雨の夜だった…」

才人の語り出しに、雷鳴が合わせた様に鳴り響いた。 …演出、過剰なんじゃない…?

276 名前:あらしのよるに ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/27(月) 02:43:38 ID:vx1o4CSl 「で、だ。  いくら呼んでも出てこないそいつにしびれを切らした友人は、ドアを開けたんだ…」

そして俺は間を取る。 キュルケの喉がごくりと鳴ったのを聞いてから、俺は最後の締めにかかる。

「そしたらそいつはいなくて、両側の壁に血で出来た爪痕があったんだってさ…」

締めが終わると、それと同時に、風が強くなって窓を揺らし、ガラスに雨粒がたたきつけられる音が響き始めた。 …やっぱ演出過剰だよなあ…。 キュルケはしばらく固まっていたが、しばらくすると一気にため息をつき、体の力を抜いた。

「…こ、怖かったぁ…。  サイト、なかなかやるわねえ…」

情報化社会日本で育った俺を嘗めてもらっては困る! 怖い話の一つや二つ、知っていなくては合コンの時に困るじゃないか! …結局合コンなんか出ないまま異世界に来ちゃったけど…。

「ねえタバサ?あなたはどう?」

キュルケはそうシャルロットに語りかける。 話しかけられた当人は、さっきと変わらない様子でベッドの上にちょこんと座り込んだままだ。 …そうだよな。こういう話とか山ほど知ってそうだしな…。 俺がシャルロットが大して怖がっていないのに軽くショックを受けていると、キュルケが急に立ち上がった。

「さてと。そろそろ夜も遅いし、寝る事にするわ。  それじゃあお休み、二人とも」

言ってキュルケはウインクして、部屋から出て行った。 …ひょっとしてキュルケ、俺たちの関係知ってんのか…? まあいいか。 俺も帰るかなー。 俺は立ち上がり、ベッドの上のシャルロットに言う。

「俺も、部屋に戻るわ。  じゃな、お休み、シャルロット」

277 名前:あらしのよるに ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/27(月) 02:45:30 ID:vx1o4CSl 俺がそう言うと。 シャルロットは小さな声で、言った。

「…立てないの」

…?意味が分からん。

「どういう意味?」

俺が尋ねると、シャルロットはその姿勢のまま、真っ赤になって、顔を背けた。

「…怖くて立てない…」

へ?さっきの怪談がそんなに怖かったってこと? よく見ると、シャルロットは小刻みに震えていた。 …ひょっとして。

「シャルロット、そういう話苦手…?」

シャルロットは涙目で、うんうんと頷く。 …し、知らんかった。 そして、切羽詰った顔で言った。

「お、おしっこ行きたい…」

ちょ、ちょっとまて、おしっこ行きたいけど立てないってことは。

「つ、連れてって…」

言ってシャルロットは両手を広げた。 やっぱりそうなるのかああああああああああああああ!!

いつもなら。 サイトに抱っこされてる時は、物凄く嬉しくて暖かくて、その感覚を楽しむんだけど。 今は違った。 下腹に感じる膨張感。 それに伴う寒気。 …おしっこ、もれちゃう…! 女子寮のトイレは共同で、一階にしかない。私たちはそこへ向かっていた。 私はサイトに抱っこされながら、おしっこを必死にガマンしていた。 もちろん、抱っこの感覚を楽しむ余裕なんてぜんぜんない。 普通だったら、抱っこしてもらわなくても夜のトイレなんか全然平気なんだけど。 今日は違った。 キュルケとサイトに聞かされた怖い話のせいで、腰が抜けていた。 ずっと私はベッドの上に座ってたんだけど、二人とも、気づいてなかったみたい。 キュルケの話の途中から、私の腰は恐怖で抜けていた。 だから、みじろぎ一つできなかったんだけど…。 サイトの話で、完璧に立てなくなった。 …サイトもサイトだ。気づいてくれてもいいのに…。

「ごめんな、シャルロットが怖い話苦手だって知らなくてさ」

…怖い話が苦手なんじゃなくて、おばけがキライなだけなんだけど。 サイトの言葉に反応する様に、稲光が光った。 それと同時に、キュルケの話が思い出される。 私の身体がびくん!と震える。 サイトはそんな私を優しく抱きしめてくれる。 腰の抜けたのは治らないけど、それでも、恐怖を少しは抑える事が出来た。

278 名前:あらしのよるに ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/27(月) 02:46:47 ID:vx1o4CSl しばらくすると、トイレについた。 才人は入り口のドアを開け、個室の前までやってくる。 そして、タバサを下ろそうとする。 しかしタバサは、頭を振った。

「…まさか、まだ腰抜けてる…?」

才人の言葉に、タバサは頷いて肯定を返した。 …あ、あのーーーう?

「じゃあ、どうすれば…」

しかし、才人のその言葉に返ってきたのは、泣きそうなタバサの声だった。

「もれちゃ、う…っ!」

そう言って才人にしがみつき、ふるふると震える。 ヤバイマズイ。 才人は慌てて個室のドアを開け、タバサと一緒に中に入る。 器用にそのまま個室のドアを閉めると、鍵をかけた。 そして便器のフタを開けると。

「ご、ごめんなシャルロット…」

一旦タバサをまっすぐ立たせ、タバサの身体を便器に正対させて、ショーツを一気に抜き取り、膝の裏に手を回す。 そして、そのまま便器に向かって脚を開くように、膝を抱え上げた。

「や、やだぁっ!」

タバサの顔が羞恥に歪み、手で膝をホールドする才人の手をどけようとする。

「で、でも、おしっこしたいんだろ?」

確かに、今のままじゃ漏らしてしまう。 背に腹は換えられない。 それに、もう膀胱の膨張感も限界だ。

279 名前:あらしのよるに ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/27(月) 02:48:05 ID:vx1o4CSl 「大丈夫…見ないようにするから」

才人のその言葉に、タバサの緊張が少し緩んだ。 その瞬間。

ちょろろっ

小さな水音と共に、琥珀色の線が、アーチを描いてタバサから流れ出た。 …や…出ちゃう…。

ちょぼろろろろろろろろろろろろ

その線は次第に太くなり、勢いを増す。 もう、止められなかった。 …やぁ、出てる、出てるぅっ…! サイトの居る前で、おしっこ、出てる……! タバサはその光景から目を逸らすように顔を覆う。 …その背後で、ごくり、と喉の鳴る音がした。 気になって見上げると。 目を見開いた才人が、タバサの放尿に釘付けになっていた。

「や、やだぁっ!」

タバサは必死に、才人に訴える。

「見ないで、見ないでぇぇっ!」

しかし、才人の目は、タバサの迸りが止まるまで、逸らされることはなかった。

280 名前:あらしのよるに ◆mQKcT9WQPM [sage ] 投稿日:2006/11/27(月) 02:49:56 ID:vx1o4CSl 恥ずかしくて死にそう。 私はベッドの中でサイトに背を向けて横になっていた。 …全部、見られた…。 あの後、私はずっと泣いたまま、サイトに運ばれて部屋に戻った。 …おしっこするところなんて、見られた…。 ホントに、恥ずかしくて、死にそう…。 しかもおしっこの後始末まで、サイトがしてくれた。 怒りなんかより、恥ずかしさの方がずっと大きくて、私はサイトの方を見られない。 そんな私に、突然サイトが話しかけてきた。

「…ご、ごめんな」

…怒ってると思ったのかな…。 サイトは背中から、私を優しく抱きしめる。

「怒ってるよな?見ないでって言われたのに見ちゃったし…」

…そうよ。 …見ないでって言ったのに。恥ずかしかったんだから! だんだん、私の中に怒りがこみ上げてくる。

「…ほんとに、ごめん」

サイトのその言葉に、私はくるん、と寝返りを打った。 サイトと正面から見詰め合う。 私は、できるだけ仏頂面で、驚いた顔をしているサイトに言った。

「ほんとにすまないって思ってる?」

私の言葉に、サイトは目を伏せて、「うん」と頷いた。 …じゃあ。

「一個だけ、言う事聞いて」

私はサイトの腕の中で、そう言った。 サイトは、少し考えた後、やっぱり「うん」と頷いた。 私は、彼の胸に頭を預けながら、言った。

「朝まででいい。  優しく、して」

そして、彼の背中に手を回して、そっと彼を見上げた。 彼は、そのまま優しく、私にキスをしてくれた。 …その後? もちろん、サイトは朝まで優しく「して」くれた。〜fin