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44 名前:最強の敵 ◆manko/yek. [sage] 投稿日:2006/12/08(金) 12:08:12 ID:KRRYAb7x ルイズが一枚の手紙を見て溜め息をつく。 ベッドに座ってうなだれる姿を才人は放っては置けないと感じた。 「ルイズ、どうした」 「・・・・なんでもないわよ」 才人はルイズの手紙を強引に奪う。 「何すんのよっバカ犬!返しなさい」 才人は手紙をデルフリンガーに見せる。 「デル公、今すぐ読め!!」 才人にルイズの蹴りが炸裂するが、才人は手紙を離さない。 「ラ・ヴァリエール公爵からの手紙だぜ、相棒」 「内容はなんだ?」 「屋敷に帰って来いってのと・・・」 「ボロ剣!!溶かすわよッ」 ルイズが転がる才人を踏んづける。 「・・・しばらく軟禁した後、婚約者を紹介してすぐに結婚させるってよ。相棒、貴族の娘ッ子との甘い生活も終わりだね」 才人が起き上がりルイズの肩を掴む。 「なんで黙ってたんだよ!」 「父さまの言うことは絶対なの!変えられないの!」 ルイズは涙を流していた。 才人は黙ってルイズを抱きしめる。 「・・・・おまえは俺が守る」 ルイズは何も答えない。 二人が抱き合ったまま立っていると、ルイズが絞りだすような声で才人に警告する。「もうすぐ父さまと姉さまがくるの・・・サイトが止めようとしたら殺されるわ」

45 名前:最強の敵 ◆manko/yek. [sage] 投稿日:2006/12/08(金) 12:09:42 ID:KRRYAb7x ルイズは才人を押して離れる。 「サイト・・・戦わないで」 「いやだね、ルイズは俺が守るって決めたんだ」 「父さまは普通のメイジじゃないわ!国境を守るだけの力があるのよ!!戦えば死ぬわ」 「んなこと知るかッ!俺はお前が泣いてるから戦うんだッ!」 「バカ犬!もう知らないんだからっ」 ルイズは走って部屋を出ていってしまった。 部屋に残された才人はデルフリンガーを掴む。 「デル公」 「なんだね、相棒」 「男にはさ、やらなきゃならねぇ時ってあるよな」 「あぁ、その通りだ相棒・・・・・後ろのねぇちゃんもそう思うみたいだぜ?」 才人が驚いて後ろを向いた時、エレオノールが杖を突き付けていた。 「隙だらけね。ルイズは預かったわよ。どこにいるかは土の塔の前で待ってる執事のジェロームに聞いてちょうだい」 エアハンマーで才人が飛ばされる。 起き上がるとエレオノールはいなかった。 才人は塔の前に向かって走り出す。 広場には執事のジェロームが大剣を持って待っていた。 「ルイズはどこだ!」 ジェロームは以前ワルドが着けていたような目を隠すだけの仮面を着けていた。紫の仮面のジェロームは何も語らず大剣を構える。

46 名前:最強の敵 ◆manko/yek. [sage] 投稿日:2006/12/08(金) 12:10:27 ID:KRRYAb7x 「抜け!!相棒」 才人がデルフリンガーを抜く。仮面の男がとんでもない速さで走ってきて才人の前で大剣を振り上げ、飛んだ。 「きぇぇぇぇ」 紫の仮面をつけた男は大剣を袈裟掛けに振り下ろす。ごぅと音がうなり才人の前に穴のあいた地面をつくる。 とっさに後ろに飛び退いた才人の胴をめがけて切り上げがくる。 「相棒、間合いを開けるなよ」 才人が切り上げを横に跳んでかわして反撃に剣を振る。仮面の男は自分から間合いを離した。 「突きがくるぞ!相棒!!」 仮面の男が突きの体勢に入った途端、連続で突きがきた。才人も剣で突きの軌道を逸らしてしのぐ、間合いが近くなると突きの嵐が止み仮面の男が片足を前にして剣を肩の横に構える。 才人の直感が危険だと心臓に伝える。 才人も剣の切っ先を下に向けて中腰になり構え直す。 少し間があき、仮面の男が息をすっと吸うと同時に二人は動いた。 初太刀は横に薙払う剣撃、次に間合いを詰めながらの切り上げ、次に袈裟掛けに大剣が唸る。 才人も同じ剣撃を放ち相殺させる。 「あぶねぇ!!相棒」 仮面の男は袈裟掛けの後に足を切りにきた。

47 名前:最強の敵 ◆manko/yek. [sage] 投稿日:2006/12/08(金) 12:11:16 ID:KRRYAb7x 才人が剣撃を避ける。仮面の男が剣の軌道を才人の足から腰へ狙い直す。 「やべぇ相棒」 デルフリンガーも叫ぶ。 「うぉぉぉぉ」 ガンダールヴのルーンが輝き、才人の体が後ろではなく前に飛ぶ。 「なんと!」 仮面の男は後ろに避ける才人を突きで穿つつもりでいた。しかし才人は真っ直ぐ前に跳んでくる。才人の体が仮面の男を弾き飛ばすと同時に剣は仮面の男の大剣を叩き落とす。 ガランと重い音をたてて大剣が地面を滑る。 才人は剣を向けると仮面の男は後ろに走り出す。 才人もそれを追いかけると風の塔の前で仮面の男は止まった。 仮面の色は紫の仮面のから緑の仮面に変わっていた。 才人の前に弓と矢筒が投げられる。 「相棒、弓勝負みたいだね」 才人は弓を構える。左手のルーンが輝く。「走れ!!相棒!!」 仮面の男の弓から放たれる矢は雨であり槍であり鞭だった。 止まれば集中的に撃たれ、動けば動いた先に矢が飛んでくる。仮面の男の弓の前にはガンダールヴの速さは関係なかった。 才人も走りながら弓を構えて放つ、仮面の男が体を少しずらし矢は外れる。 「当たる気がしねぇよ!」 「走りに緩急つけねぇと串刺しになるぞ相棒!」

48 名前:最強の敵 ◆manko/yek. [sage] 投稿日:2006/12/08(金) 12:12:04 ID:KRRYAb7x 才人は弓を構えて止まってしまった。 「相棒、死ぬ気か?」 「いや、これでいいんだ」 仮面の男から連続で矢が飛んでくる。 「串刺しなる的は俺なんだろ?」 才人も矢を放つ。才人の放つ矢は仮面の男を狙わずに飛んでくる矢を落とす。 「なぬ?」 仮面の男も矢を放ち続ける。 「相棒、弾切れだぜ」 矢はお互いに一本だけになった。 仮面の男が走り出し間合いを詰めながら最後の矢を放つ、才人は構えを解く。 放たれた矢は才人を貫くように見えたが、才人の手が矢を止めていた。 「矢が増えたぜ、仮面野郎」 「くッ」 仮面の男は弓を捨てて走る。 水の塔の前で仮面の男は止まった。 仮面は緑から青に変わっていた。 仮面の男がハルバードを投げる。 「次の得物はあれか、斧の払いより槍の突きの方が厄介だぜ、相棒」 「わかってる」 左手のルーンが輝く、才人は中腰になり、ハルバードの柄を右手、真ん中を左手にして構えてる。 才人の間合いは仮面の男の間合い、同じ得物ならより早く突き、より早く捌いた方が勝つ。 「きぇぇい」 仮面の男の突きが才人の間合いの外から放たれる。

49 名前:最強の敵 ◆manko/yek. [sage] 投稿日:2006/12/08(金) 12:12:48 ID:KRRYAb7x 「うぉ!」 「気を付けろ、相棒。間合いの外から踏み込んでの突きがくるぜ!」 「捌けば斧の払いが来て、避けると更に間合いを詰められて槍が来るってやつか?」「さすが相棒、冴えてるねぇ」 「やかまし」 仮面の男の突きの戻りに突きを重ねて応戦するが仮面の男は槍の軌道をずらしてかわす。 仮面の男と才人は得物の届く範囲から一歩も退かずに打ち合い、そのたびに二人の間に火花が散る。 二十合目あたりまで打ち込み、勝負がつかなくなると仮面の男は構えを変えた。 仮面の男はハルバードの槍と柄の中間あたりを持ち、才人との間合いを詰める。 「長さより手数で押し切るみたいだぜ、相棒」 仮面の男はハルバードの柄で突きを放つ、次に斧の払いがくる。 「るぁぁぁぁ」 仮面の男を中心にして突きと払いの竜巻が才人を襲う。 才人もさがりながら応戦して隙を待つ。 「今だ!」 デルフリンガーの言葉と同時に才人は動いていた。 仮面の男の斧のが才人の首を狙う、ひゅんと高い音をたてて才人の頭の上を通過する。 しゃがむ才人の顔に切れた髪がはらりとかかると同時に才人のハルバードは柄で仮面の男を突き飛ばしいた。

50 名前:最強の敵 ◆manko/yek. [sage] 投稿日:2006/12/08(金) 12:13:37 ID:KRRYAb7x 「ぐッ」 仮面の男は突かれた脇腹を押さえてハルバードを投げ棄てる。 ガチャリと音を立ててハルバードが転がると仮面の男はまた走り出す。 「次はなんだろな」 「素手じゃねぇの?火の塔に行こうぜ」 仮面の男を才人は追う。 仮面は青から赤に変わっていた。 「相棒あいつ、ある意味ガンダールヴだね。どんな武器を持たせても使いこなせてるし、何より状況判断と間合いの取り方が上手い」 「俺も同じこと思った」 ショートソードが二本投げられる。 「二刀流勝負かね」 「みてぇだな」 才人は剣を拾い構えて走る。 仮面の男も走る。 二人の目の前で火花が散る。剣撃は見えないくらいに速かった。 右の剣が才人の肩を狙い、すぐさま左の剣が脇腹を払いにくる。 才人も防ぐ為に剣を振る。火花が二度散り才人は後ろに吹っ飛んでいた。 「いってぇ」 「相棒気ぃつけろ、あいつ足癖わりぃぜ」 「格闘技みたいだな」 才人が構える前に仮面の男の影が動いた。「きぇぇぇぇぇ」 空中から二本の剣が才人を襲う。 「間合いを離せ!相棒」 才人が横に跳び、間合いを離すと回し蹴りが才人の目の前をシュッと通り過ぎ、二本の剣が切り上げにくる。

51 名前:最強の敵 ◆manko/yek. [sage] 投稿日:2006/12/08(金) 12:14:36 ID:KRRYAb7x 才人は避ける事ができずに剣で弾く。 「きぇぇい」 仮面の男の蹴りがくる。 「ぐぁッ」 才人と仮面の男は同時によろける。 「相棒、あいつ足技に足技を合わせても負けるよ」 「だよな」 仮面の男の二本の剣撃は舞いのように連続で斬りつけてきた。剣を止めると蹴りがくる。 「きぇぇぇ!」 「うぉぉぉ!」 二人は同じ剣撃で打ち合う。 ガギンと音がして火花が散り才人が切り上げ仮面の男が横に避ける。 仮面の男は横から才人に斬りつける。 才人は避けて蹴りで応える。 仮面の男が肘で蹴りをずらして蹴りで才人を突く。 「うッ」 才人が少しよろめく。 「勝負ッ!!!」 仮面の男は太陽を背にして空中から斬りかかる。 「うぉぉぉッ」 仮面の男の剣撃が才人を切り刻む寸前、才人の足は仮面の男の右手首を蹴り上げる。 仮面の男の左の剣撃が才人の首を跳ねる直前、才人の剣がそれを止めた。 才人の左の剣が仮面の男の右肩にぞぶりと埋まり、鮮血が散る。 仮面の男は剣を離して転がり倒れた。 「続けるか?」 才人はデルフリンガーを抜いて対峙する。 「・・・まいった」 仮面の男は赤・青・緑・紫の仮面を地面に放り投げて地面に大の字になって倒れた。 「ルイズお嬢様を守る役目・・・・譲る時がきたか・・・ふふふふっ」

52 名前:最強の敵 ◆manko/yek. [sage] 投稿日:2006/12/08(金) 12:17:10 ID:KRRYAb7x 才人が構えを解くと空からラ・ヴァリエール公爵が降りてくる。 「親玉が来なすったぜ、相棒」 「ジェローム、下がっておれ!この平民はわしがやる」 「かしこまりました」 ジェロームは起き上がり、肩を抑えて去る。 「ルイズはどこだ!」 「平民風情に答える必要はない」 ラ・ヴァリエール公爵は黒い仮面をつけて杖を構える。 「今度は黒かよ」 「相棒、魔法がくるぜ!」 公爵が杖を振る。 才人の廻りの地面が自然発火を起こして才人を包む。 才人はデルフリンガーを振り回して炎を吸い込む。 「魔法を吸い込む剣か・・・」 公爵は杖を振り、風の刃を連続で放つ。 才人は刃よりも速く走り、避ける。 「平民なんぞに娘はやらん。我々は貴族だ。お前達とは違う」 公爵は杖を上に掲げる。 学院の城壁がガラガラと音を立てて砕かれ、空中に漂う。 「なんだよ、あれ」 「相棒の負けだね。フライの魔法を使った石つぶてだ。魔法を吸い込むには数が多すぎるし、砕けば数が増えてもっと厄介になるぜ」 公爵は杖を振り降ろす。無数の石つぶてが才人を襲う。 「うぉぉぉぉおおおおおッ」 才人はシュバリエのマントを使い石つぶてを叩き落とす。 「無駄だ」 公爵が杖を軽く振る。 才人の後頭部に、背中に、肘に、足に、顔に、石つぶてが当たる。 「ぐあああああああああ」 「相棒、逃げろ!」 公爵の前でドサリと膝をつき才人は倒れた。

53 名前:最強の敵 ◆manko/yek. [sage] 投稿日:2006/12/08(金) 12:18:48 ID:KRRYAb7x 「これが貴族の力だ。お前のような平民風情がルイズの側に立つなぞ百年早い」 才人は血だらけの手で地面をつかむ。 「惚れた女の側に立つ理由なんてな・・・必要ねぇんだよ!」 足に力を入れてゆらりと立ち上がる。 「まだやるかね、平民。七万の大軍をとめるなんぞ牧場の牛を止めるみたいなもんなんだよ。調子に乗るな!!」 才人の左手が輝く。足が一歩前に動き、構える。顔も腕も背中も足も血だらけの状態で吠える。 「貴族だ平民だうっせぇよ!!魔法を使えるやつを貴族と呼ぶんじゃねぇ!!敵に背中を向けねぇやつを貴族と呼ぶんだ!!」 公爵の声と肩が怒りで震える。 「その言葉はな、小僧・・・・わしがルイズに教えた言葉だッ」 公爵が杖を振り降ろす。 石つぶてが空中で集まって塊を作る。 一つの大きな塊が才人目掛けて落ちてくる。 「相棒、おまえさんは立派に闘ったよ。短い間だったけど楽しかったぜ」 「くそったれぇぇぇぇぇ」 才人は塊目掛けて体ごとデルフリンガーを構えて飛ぶ。 塊と才人がぶつかる。左手のルーンが更に輝きデルフリンガーが塊の中を切り裂き、魔法を吸い込む。 ドズンと大きな地響きがして塊が才人をくっつけたまま地面にめり込む。 しばらくまわりが静かになった。

54 名前:最強の敵 ◆manko/yek. [sage] 投稿日:2006/12/08(金) 12:20:11 ID:KRRYAb7x 「相棒、生きてる?」 「・・・あぁ」 二つに割れた塊の間に才人は倒れていた。才人が立ち上がると目の前に公爵が杖を向けて立っていた。 杖の先が風を纏い、エアニードルの魔法が完成すると公爵は才人の髪をつかんで才人に杖を突き付ける。 「もう逃がさん。終わりだ、小僧」 杖が才人の首に届く寸前、才人の左手が杖を包む。才人の手のひらを杖が貫通して鮮血が手から腕に伝う。 「逃がさねぇのはこっちだ!!」 才人の手が貫通した杖ごと公爵の手を掴む。 「ルイズはなぁおっさんの玩具じゃねぇんだよ!!」 才人の頭突きが公爵の顔にめり込む。 「あの手紙を見てルイズは泣いたんだぞ!!」 頭突きがまためり込み仮面にひびが入る。「わしの娘についた害虫を取り除いて何が悪い!!」 公爵も頭突きを返し、仮面が割れた。 「ずっとずっとわしが大切に育ててきた娘を平民に盗られるわしの気持ちがわかるかッ」 血だらけの公爵の頭突きがまた来た。 「んなこと知るかッ俺を選んだのはおっさんが大切に育てたルイズだッ」 才人の頭突きがめり込み、公爵がよろける。 「ルイズの選んだ相手を否定することはおっさんがルイズを大切に育てた時間を否定することになるんだッ」 また頭突きがめり込み、公爵の膝が地面につく。

55 名前:最強の敵 ◆manko/yek. [sage] 投稿日:2006/12/08(金) 12:21:36 ID:KRRYAb7x 「俺はルイズが好きだ!!ルイズも俺を好きだッおっさんが邪魔するんじゃねぇ!!」 才人の頭突きで二人共地面に仰向けに倒れて荒い息をつく。 しばらく二人は額をに手をあてて目の前の空を見る。 「・・・・ルイズは・・・・風の塔の二階だ」 公爵はよろよろと立ち上がり、才人にそれだけ伝えると立ち去った。 才人も立ち上がり、風の塔にふらふらと歩き出す。 風の塔の螺旋階段が長く感じる。 二階の扉を才人が開けるとルイズがいた。「ルイズ・・・」 ルイズは二人いた。どちらかが後ろの真実の鏡でルイズになったらしい。 才人は手を腰にあててやれやれとため息混じりに呟く。 「待たせたなルイズ、助けに来たよ。早く帰ろうぜ、腹ヘったろ?」 才人は真っ直ぐ右のルイズに向かって歩き、ルイズの手をひいて出口へ行こうとする。 「・・・・どうして、・・・・どうして分かったの?姿は全く同じなのに」 左のルイズが真実の鏡に触れてエレオノールに戻る。 才人は面倒くさそうに答える。 「この状況で?間違えたらご飯抜きだかんね?なんて顔するのは世界中で俺のご主人様くらいだよ」 才人はルイズの手をひいて歩き出す。

56 名前:最強の敵 ◆manko/yek. [sage] 投稿日:2006/12/08(金) 12:23:24 ID:KRRYAb7x エレオノールはルイズが嬉しそうに才人をなじりながら出て行く姿を見て呟く。 「最初から分かってたけど・・・・カトレアの言う通りになっちゃったわね」 風の塔の屋上にラ・ヴァリエール公爵とジェロームがいる。塔の出口からルイズと才人が出てくるのを見おろしている。 「ルイズお嬢様、いきいきしてますな」 「ああ」 「いつの時代も娘を愛すれば愛するほど、娘の選ぶ相手は手ごわくなるようですな」 「ああ」 「旦那様にとって彼は勝てない、いや、勝ってはいけない最強の敵なんでしょうな」 「・・・・・・・」 ラ・ヴァリエール公爵は涙が零れないように少し上を向く。 「父さま・・・」 エレオノールが上がってきてラ・ヴァリエール公爵の後ろに立つ。 「エレオノール、それでもわしは奴を認めない。認めたくない」 「・・・・・」 「だからッ・・・・だからお前がわしの代わりに認める形でルイズと小僧を認めてやれッ」 エレオノールの顔が ぱぁっと明るくなる。 「はいっ父さま」 「ジェローム、ルイズとバーガンディの小僧の縁談は断ることにした。あとで紙とペンの用意しろ」 「かしこまりました」 ジェロームも嬉しそうに答える。 塔の上の三人はルイズと才人が見えなくなるまで見送った。

57 名前:最強の敵 ◆manko/yek. [sage] 投稿日:2006/12/08(金) 12:24:31 ID:KRRYAb7x 次の日、ルイズと才人は教室に向かう為に部屋を出ようとした。 ルイズが先に部屋を出て才人もそれに続こうとした時、才人の背中に杖が突き付けられた。 才人の背後にはラ・ヴァリエール公爵がいた。 「ルイズが一緒だと隙だらけだなぁ小僧」 才人は動けない。冷や汗がどっと出る。 「こんな穴だらけのマント着けてわしのルイズの側に立つなよ、小僧」 ラ・ヴァリエール公爵の手には新しいシュバリエのマントがあった。 「ルイズの側に立つなら身だしなみには気を使え!!」 突き付けられた杖から魔法は放たれず、マントを持った手が才人の頭を叩き、才人は新しいシュバリエのマントを頭から被りもがく。 マントをどけた時、ラ・ヴァリエール公爵の姿はなかった。 「サイト、おいてくわよっ」 「いまいく!」 才人は新しいシュバリエのマントを着けてルイズを追いかける。 「娘を・・ルイズを頼むぞ・・・」 寮の屋上でラ・ヴァリエール公爵は誰にも聞こえないように呟く。 ラ・ヴァリエール公爵の少し寂しく嬉しそうな顔を風がやさしく包み、涙を乾かしていた。

おしまい

58 名前:あとがき ◆manko/yek. [sage] 投稿日:2006/12/08(金) 12:27:18 ID:KRRYAb7x 最強の敵

この物語はこれでおしまい。 次の物語は、またいづれ。