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4人の虚無により聖地のゲートが開かれた。そのゲートは、サイトの世界に通じる扉だった―――

「サイト・・・帰りたくないの?・・・」 「・・・」 ルイズの問いかけにサイトは黙ったままだった。

「ねぇ、サイト、正直に言って。お母さまに会いたいんでしょ・・・ この前、サイト、"ミソシル"ってスープ飲みたいって言ったじゃない・・・ 帰っていいんだよ・・・」 彼女は言葉をつなぐ。

「・・・ルイズ」

サイトが口を開いた。 「おれは、おまえの使い魔(ガンダールヴ)だ。まだ帰れない・・・」 彼女の眉がぴくっと動いた。 「ちぃ姉さまも言ってた・・・サイトは自分の世界に帰らなきゃいけないんだもん・・・」 ルイズは、彼に向け虚無の魔法”ディスペル”を放った。 「うわっ、ルイズ!何するんだっ」 彼は避けるまもなくまともに魔法をくらった。

彼女は、少し潤んだ鳶色の瞳をまっすぐサイトに向け、つぶやいた。 「サイトをこの世界につなぎとめてた”鎖”を消してあげたの―――左手、見て」

彼は、自分の左手の甲を見つめ、絶句した。 使い魔の証であるガンダールヴのルーンが消えていたのだ。

「どうして、ルイズ・・・」 サイトの表情がゆがんだ。 彼の言葉を遮るようにルイズはティファニアに向かって叫んだ。 「テ、テファ・・・お願いがあるの!サイトとわたしの中の――― お互いの記憶をけ、消して欲しいの!」

突然の申し出にティファニアは、戸惑った。 「ル、ルイズさん、そんなことをしたら・・・今までの大切な絆が無くなってしまいます・・・ そんな・・・そんな悲しいこと、私・・・できない」

「いいの―――それでいいの。サイトとの思い出を残したまま、わたし・・・残したままじゃ・・・ きっと普通じゃいられないの。だから思い出が無くなったら―――悲しくない・・・だもん」 鳶色の瞳から真珠の粒のような涙が零れ出した。 「だから、いいの!!テファお願いだから、消してっ!!!」

彼女の叫びにのまれるかのようにテファは記憶消去の詠唱を始めた。 ナルシド・イサ・エイワーズ・・・

「待て、ルイズ!!!、さっきから勝手なことばっか言いやがって、俺はおまえが好きなんだ。 この気持ちも消すって言うのか、バカルイズっ――っん」 サイトは、ルイズの唇で口を塞がれた。

「・・・だれが、バカよ。あんたのほうが・・・バカじゃない。 か帰りたいのヤセ我慢して・・・目の前に出口があるのに・・・ わ私なんか好きになってるからじゃない・・・ さサイトになんてす、好きって言われてもううれしくないんだから・・・ あんたなんかにそばにいてほしいなんておもってないんだもん・・・・・・ ・・・・悲しくなんて・・・ないんだもん・・・」 とめどなく流れる涙をぬぐいもせず、彼女はサイトに言葉をぶつける。

ハガラズ・ユル・ベオグ・・・  テファも大粒の涙を流しながら詠唱をつむぎ続ける。

「ルイズ、おれ、本気でおまえのこと好きなんだ・・・ほんとに消えていいのかよ・・・」 サイトはルイズを強く強く抱きしめながら、彼女に言い諭す。 「いやよ!!!でも、でも、しかたないんだもん・・・わたしの使い魔ということが・・・ わたしを好きって気持ちが・・・サイトをここに留めてのがわかるの・・・ あんたは元の世界に戻らなきゃいけないの・・・しかたないんだもん・・・」 ルイズもサイトの背に手を回して、彼を離すまいというような気持ちを込めてぎゅっと抱きついた。

ニード・イス・アルジーズ・・・ 虚無のルーンは終わりに近づいた。

「おまえこそ、どうなんだよ。俺の気持ちに応えてくれよ。もう思い出せなくなっちまうんだろ!」 「・・・あんたなんか・・・・・・キライ・・・・じゃない・・・もん。 私、サイトのことなんか・・・キ・・・だもん」 「キライじゃない・・・か」 彼は自嘲気味につぶやいた。 「・・・ちがうもん・・・サイトのことなんか大好きなんだもん!!!」 ルイズはありったけの大声で叫んだ。 「・・・やっと。応えてくれたよ。うれしい、ルイズ・・・ありがと・・・」 再び二人の唇が重なりあう――そのとき。

・・・ベルカナ・マン・ラグー・・・・ 忘却の呪文が完成した。

眩い閃光が、唇を重ねあう二人を包み込んだ。

〜Fin〜