「絆の収穫祭5」(2012/10/01 (月) 04:26:53) の最新版変更点
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-シンシア×ンン
シンシア→ンン
【シンシア】
このお祭りは収穫祭だって言ってたよね~。&br()うん! 果物がとってもいい香り~。
【ンン】
まったく。シンシアは食べることが&br()大好きなんですね。
【シンシア】
え? それを言うならンンだって、&br()たくさん食べるでしょ?
【ンン】
いえ、そんなことないのです!&br()私知ってるです。&br()そういうのを、花より団子って言うのです。
【シンシア】
へぇ~そうなんだ!&br()どういう意味なの?
【ンン】
食い意地が張ってるって&br()意味なのです!
【シンシア】
でもそれ言葉通りの意味だよ?&br()あたしもよくわかんないけど、&br()その言葉って、綺麗なものとかよりも、&br()自分に利益があるものを選ぶとか…&br()そういう意味じゃない?
【ンン】
う…&br()そ、そうなのかもです…
【シンシア】
じゃあこんなのは知ってる?&br()お祭りって本当はいろんな事情があってね。&br()昔は楽しいものだけじゃなくて、&br()こわ~いお祭りもあったらしいよ。
【ンン】
…こ、怖いお祭りですか?
【シンシア】
うん、昔話なんだけどね。&br()収穫がたくさんあった時は&br()神様に感謝したんだけど…&br()日照りや干ばつが続いた時は、&br()子供をいけにえに捧げて、&br()来年の豊作を願うらしいんだ~。
【ンン】
子供をいけにえにですか!?&br()こ、怖いのです…
【シンシア】
湖に住む龍神様に子供をいけにえにすれば、&br()次の年は雨が降るんだって。&br()そんなこと勝手に決めつけるなんて、&br()昔の人たちっていい加減だよねぇ…
【ンン】
いけにえ…子供…
【シンシア】
…って、あれ?&br()ンン、どうしたの?
【ンン】
まさか、このお祭りも…&br()このお祭りもいけにえするんですか!?
【シンシア】
えぇー!? まさかー。&br()もう大昔の話だってば。&br()それにほら、こんなに大豊作なんだし、&br()龍神様にお願いする必要もないでしょ?
【ンン】
そ、それはそうなのですが…
ンン→シンシア
【ンン】
シンシア、&br()さっきの話ですが…
【シンシア】
え? 何の話だっけ?
【ンン】
やっぱり、&br()怖くなってきました…&br()このお祭りも本当はいけにえを&br()探しているのではないでしょうか…?
【シンシア】
あぁ、いけにえの話?&br()もしかしてンンは自分がいけにえに&br()されるんじゃないかって思ってるの?
【ンン】
そ、そうです…
【シンシア】
大丈夫だよ。&br()たしかにンンは一番子供に見えるけど、&br()実際の年齢はあたし達と同じくらいだし。
【ンン】
でも…私のことを知らない人なら、&br()やっぱり私を狙うと思うのです。&br()ここにいる屍兵たちも、なんだか私ばかり&br()狙ってくるみたいなのです…!&br()ひょっとして、私をいけにえにすれば、&br()お祭りを荒らさないかもなのです…
【シンシア】
えぇっ!? まさかー!&br()だいたい、屍兵が来年の豊作を&br()願うなんてこと、あるわけないじゃん!
【ンン】
でも村が豊作だったら屍兵も村を襲った時に、&br()たくさん作物が食べられるのです!
【シンシア】
確かに…屍兵、意外なことに&br()作物を食べるもんねー。
【ンン】
意外…?&br()じゃあ何を食べるイメージなのですか?
【シンシア】
ええと…人間?
【ンン】
こ…怖いのです!!!
【シンシア】
あはは!&br()ごめんごめん!&br()それにさぁ~、いけにえの昔話だって、&br()龍神様を捧げるって話だったでしょ?&br()だったらンンってどっちかっていうと、&br()いけにえを食べる側じゃない?
【ンン】
…え?
【シンシア】
だってンン、マムクートでしょ?
【ンン】
…そういえばそうでした。&br()…あれ? …そう考えると&br()怖くなくなったのです。
【シンシア】
ほんとに? 良かった~!&br()ンンも現金だね~。
【ンン】
んも~! もとは怖がらせる&br()シンシアが悪いのです!
-セレナ×ノワール
ノワール→セレナ
【セレナ】
ノワール、ちょっとあの店見て!&br()かわいいアクセサリーがいっぱい!
【ノワール】
お、お店の人が避難している時に、&br()物色するのは良くないと思うわ…
【セレナ】
いいじゃない、ちょっとぐらい!&br()あら、ここはお土産屋さん…じゃないわね。&br()射的屋さんかしら?&br()ほら、この玩具の弓で的に当てると&br()景品がもらえるみたいよ!&br()ていうか、今お店の人がいないんだから、&br()別に射的なんかしなくても…
【ノワール】
セ、セレナ…
【セレナ】
冗談よ!&br()あたしがそんな空き巣みたいな真似、&br()するわけないでしょ。&br()ちゃんと射的をして、&br()合法的に景品をもらうんだから!&br()はい、お金はここに置いとけば、&br()払ったってわかるでしょ。
【ノワール】
ええっ、そんなことしてる&br()場合じゃないのに…
【セレナ】
こんな時だからこそ&br()娯楽は必要なの!&br()いいからちょっと&br()やってみてよノワール。
【ノワール】
わ、私? い、いやよ…&br()どうして私が…
【セレナ】
あんたの得意分野でしょ!&br()たまにはいいとこ見せなさいよね!
【ノワール】
ひいぃ…横暴よぉ~。&br()…で、でも、そうだわ。&br()わざと外して…やっぱり無理でした、&br()ってことにすれば…
【セレナ】
ちなみに、わざと外したりなんかしたら、&br()…わかってるわよね。
【ノワール】
…うう。
【セレナ】
あたしが欲しいのはそこにある首飾りだから。&br()じゃ、よろしく~。
【ノワール】
…………
【セレナ】
ちょ、ちょっとノワール!&br()何構えてるのよ!&br()それ、本物の弓じゃないの!&br()使うのはこっちのおもちゃの――
【ノワール】
うるさい! 首飾りを射止めろと&br()言ったのは貴様ではないか!
【セレナ】
ひ、ひぃ!?
【ノワール】
黙ってそこに鎮座しておれ!&br()こんな玩具では、エモノを&br()打ち抜くことなど到底出来ぬわ!
【セレナ】
は、はい…&br()お願いします…&br()でもお願い!&br()打ち抜くのだけはやめて…!
セレナ→ノワール
【ノワール】
セ、セレナ…&br()さっきはごめんなさい…&br()私、キレちゃった方が&br()弓の腕が上がるみたいなの…
【セレナ】
そ、そうみたいね。&br()あんなに見事に、首飾りの台座だけ&br()木っ端みじんにするなんて…&br()びっくりしたわ…
【ノワール】
うぅ…私ったらまたそんな&br()乱暴な真似を…ぐすっ…
【セレナ】
ちょっ…泣かないでよ!&br()なんていうか…ああやってキレることって、&br()あんたが生き残るために&br()必要なことだったんでしょ?&br()だったら仕方ないじゃない!&br()いえ、むしろ素晴らしいことだわ!
【ノワール】
…そ、そうよね。これは戦争。&br()強いほうがいいに決まってる。&br()や…やっぱり私、これからはキレた状態で&br()戦場に出たほうがいいのかしら…
【セレナ】
う、う~ん…&br()でもそれだと、軍としての統率が…
【ノワール】
そ、そうよね…
【セレナ】
それに、たしかに強いけど、個人的には&br()いつものノワールでいて欲しいかな。&br()あたしはビクビクしてるけど、&br()穏やかで、優しいノワールが好きよ。&br()あ、でも…さっきキレさせたのは&br()あたしか。ご、ごめんね。
【ノワール】
セレナ…
【セレナ】
あ、あのね…&br()お詫びに、これあげる。
【ノワール】
あれ? それ…さっき私がセレナに&br()取ってあげた首飾りと同じ…?&br()あ、でも…色が違うわね。&br()さっき取ったのは黄色だったけど、&br()こっちは綺麗な緑色…
【セレナ】
うん。緑のやつは&br()化け物が来る前に出店で買ったの。&br()ほんとは自分でつけようと&br()思ってたんだけど、&br()射的の景品に&br()色違いを見つけちゃって…&br()あ、あんたとお揃いで着けられたら&br()いいなあって思ったのよ…
【ノワール】
わ、私と?
【セレナ】
な、なんか文句ある?&br()あたし…もっとあんたと&br()仲良くなりたいって思ったから…その…
【ノワール】
だから首飾りを取ってって&br()言ったのね…
【セレナ】
うん…でも、それであんたを怒らせてたら&br()本末転倒よね…
【ノワール】
…ううん。いいの。&br()ありがとう、セレナ。&br()首飾り、大事にするわね。
【セレナ】
ノワール…!&br()うん、あたしもノワールが取ってくれた&br()首飾り、大事にするわ。&br()友情の印なんだから、&br()無くしたりしたら許さないわよ?
-ジェローム×ロラン
ジェローム→ロラン
【ジェローム】
ロラン…ちょっといいか。&br()話がある。
【ロラン】
ジェローム、どうしました?&br()何だか調子が悪そうですが。
【ジェローム】
ああ&br()…考え事をしていたら、頭痛がしてきてな。
【ロラン】
それは良くありませんね。&br()一体、何をそんなに考えていたのですか?
【ジェローム】
私たち、&br()未来から来た者のことだ。&br()私たちは…過去に来て&br()少し浮かれているのではないか?
【ロラン】
え…っ?
【ジェローム】
物見遊山…とまではいかないが、&br()少々旅行気分なのではないだろうか。&br()私達も含めもっと気を引き締めるべきだ…&br()と考えると頭痛が、な。
【ロラン】
ジェローム、あなたもやはり&br()そう思っていましたか。
【ジェローム】
…!&br()ロラン…では、お前も?
【ロラン】
えぇ…特にここ最近、皆さんが&br()浮き足だっているように見えます。
【ジェローム】
人々を守るためとはいえ、&br()こんな祭りの場に喜んで来ているのだから、&br()やはりそうなのだろうな…&br()だが、お前はどうやら違うようだ。&br()賛同者がいて嬉しいぞ。
【ロラン】
はい、それは僕も同じですよ。
【ジェローム】
我々の中で、お前は&br()心許せる者だと思っている。&br()頼りにしているから、&br()これからも協力してくれ。
【ロラン】
もちろんです、&br()ジェローム。&br()あなたにそこまで褒められるなんて、&br()僕は…嬉しいです。
【ジェローム】
そうか、&br()よろしく頼むぞ、ロラン。
【ロラン】
ええ、粉骨砕身のつもりで&br()がんばります…!
【ジェローム】
少々力が入りすぎているようだが、&br()大丈夫か…?
ロラン→ジェローム
【ロラン】
ジェローム!
【ジェローム】
ロランか…どうした?
【ロラン】
これをどうぞ。&br()この辺りで取れた果物だそうです。
【ジェローム】
ほう、美味そうだな。
【ロラン】
先程、ここの異界の住人の方から&br()ゆずってもらったんです。&br()一緒に食べましょう?
【ジェローム】
あぁ…すまない。&br()ではいただくとしよう。
【ロラン】
たくさんあるので、&br()どんどん食べてくださいね。
【ジェローム】
確かに、結構量があるな。&br()今から他の奴らにも配るのか?
【ロラン】
いいえ、これはジェロームだけに&br()差し上げようと思って。
【ジェローム】
ん…?&br()どうして私だけに?
【ロラン】
それは…その、さっき&br()あなたと話していて…僕、&br()こうやってあなたともっと&br()絆を深め合っていければと思いまして。
【ジェローム】
そ、そうか…
【ロラン】
仲間とはいえ常に厳しさを持ち、&br()慣れ合いを良しとしないあなたなら、&br()もっと仲良くなれる気がするんです。
【ジェローム】
…しかし、&br()それはお前らしくないな。
【ロラン】
え、そうでしょうか…?&br()迷惑でしたか?
【ジェローム】
いや、そんなことはないが…&br()他の仲間たちとも&br()話したほうがいいとは思うぞ。&br()戦闘中は仲間の協力が&br()不可欠となる。&br()そのためには、普段からなるべく多くの&br()仲間たちと仲を深めておく必要が…
【ロラン】
…あれっ?
【ジェローム】
ん、何だか違和感が…
【ロラン】
なんだかジェローム、いつもと&br()言っていることが逆ですね…
【ジェローム】
そういえば、そうだな…&br()私も今気づいたぞ…&br()全く…&br()お前がおかしなことを言い出すからだ。
【ロラン】
あはは、すみません。&br()でも確かにジェロームの言う通り&br()他の仲間たちとの絆も大切ですね。&br()この果物はあとで他の皆さんにも&br()召し上がっていただくことにします。
【ジェローム】
あぁ、そうしたほうがいい。&br()だが真っ先に私のところに果物を&br()持ってきてくれたことは嬉しかった。&br()私もこうして色々と話し合える仲に&br()悪い気はしない。&br()これからも頼むぞ、ロラン。
【ロラン】
もちろんです、ジェローム。
-マーク(男)×シャンブレー
マーク(男)→シャンブレー
【マーク】
これがお祭りですか~!&br()あちこち飾り付けられていて、&br()とっても楽しそうですね!
【シャンブレー】
へ? マーク、&br()お祭りは初めてなのか?
【マーク】
どうなんでしょう…昔の記憶がないので、&br()正確にはわからないんですけど、&br()記憶喪失になった後の僕は&br()お祭りを見るのは初めてですよ?
【シャンブレー】
そうか、実は俺もそうなんだ。
【マーク】
なんだか、飾り付けを見ていると&br()ワクワクしてきますよね?
【シャンブレー】
おいおい、&br()一応今は戦闘中だぞ?&br()…って誰かに怒られそうだけど、&br()やっぱり顔は歪んじまうよな~。
【マーク】
はい!&br()闘っている時ですら、&br()鼻歌交じりになっちゃいますよね!
【シャンブレー】
えぇっ…!?&br()いや、さすがにそこまでは…&br()なんかお前って、良い意味で&br()マイペースというか…呑気だよな?&br()…そういうとこ、ちょっと、羨ましいな。&br()憧れるよ。
【マーク】
…へっ?&br()どういうことですか?
【シャンブレー】
お前の、そうやって&br()あっけらかんとしたところが。&br()俺にもあればいいなってさ…
【マーク】
あはは、今の褒め言葉ですよね?&br()ありがとうございます!
【シャンブレー】
もしもさ…お前が絶滅危惧種だったら、&br()そんなにのほほんとしてられるのか?
【マーク】
うーん、そうですねぇ。&br()今まで考えたこともなかったですが…&br()きっと、このままじゃないですかね?
【シャンブレー】
な…! な、なんでそう簡単に&br()言い切れるんだよ!?
【マーク】
理由ですか…う~ん、&br()あるにはあるんですけど…&br()言葉にしにくいと言いますか…
【シャンブレー】
じゃあ思い浮かんだら教えてくれよな。&br()まったく…変わった奴…
シャンブレー→マーク(男)
【シャンブレー】
マーク、&br()さっきの言葉は見つかったか?
【マーク】
あ、シャンブレーさん。&br()そうですね、なんとなくなら&br()説明できそうです。
【シャンブレー】
…本当か?&br()絶滅危惧種だったら、誰でも&br()俺みたいに慎重になると思うけどな。
【マーク】
でも、僕は記憶がないから&br()あんまりこだわりがないんですよ。&br()絶滅危惧種なんて言われても、&br()僕には最初から母さんしか&br()繋がりになるものがないし。
【シャンブレー】
それは…そうかもしれないけどさ。&br()お前、立派な軍師になりたいんだろ?&br()死んだら、その夢だって&br()叶わないんだぞ。
【マーク】
もちろん、母さんを超えるような&br()立派な軍師にはなりたいです。&br()それを考えると、確かに無理は&br()したくないとは思いますけど…&br()でも…それだけなんですよね。
【シャンブレー】
それだけ?
【マーク】
はい。&br()僕には守るものがないですから、&br()死にそうになっても&br()必死にはなれないんじゃないかって。
【シャンブレー】
なっ…そ、そんなこと言うなっ!!
【マーク】
えっ…シャンブレーさん?
【シャンブレー】
そんなこと言うなよ!&br()悲しいだろ!
【マーク】
悲しい…ですか?
【シャンブレー】
ああ、そうだ! 俺たちは仲間だろ?&br()もしマークが死んだら悲しいに決まってる!&br()お前は俺たちと別れることになっても&br()悲しくないって言うのかよ!?
【マーク】
…!&br()い…いえ、悲しいです。
【シャンブレー】
そうだろ? だったら、&br()こだわりがないとか言うなよ…&br()必死になれないなんて、&br()そんなこと言うな。
【マーク】
シャンブレーさん…!&br()ご、ごめんなさい…ありがとうございます。&br()そんな風に思ってくれていたなんて、&br()嬉しいです…僕。
【シャンブレー】
わ、わかってくれたならいいんだ。
【マーク】
…僕、シャンブレーさんたちと別れることの&br()ないよう、がんばって戦いますね!
【シャンブレー】
あぁ!&br()俺達、絶対に生き残るぞ!
-マーク(女)×ノワール
マーク(女)→ノワール
【マーク(女)】
わはははっ! 貴様らなど&br()我の力で一網打尽にしてくれる!&br()命の惜しくない者だけ前に進み出るがいい!&br()豪速の連撃で一挙に貫いてやるわ!
【ノワール】
マ、マーク…?&br()何をしているの?
【マーク(女)】
あ! ノワールさん!&br()これはですね、&br()ノワールさんの物まねです!
【ノワール】
…わ、私の? どうして?
【マーク(女)】
ノワールさんの物まねをすると&br()屍兵が恐れをなして逃げていくんです!&br()これは盲点でした!&br()ノワールさんの威厳と偉業は、&br()屍兵にまで知れ渡っているんですね!
【ノワール】
ええっ?&br()…そ、そんなことないわよ。
【マーク(女)】
やだー! 謙遜しちゃって!&br()たくさんあるじゃないですか!&br()そう…ノワールさんに狙われた者は、&br()それすなわち死を意味する!&br()岩陰に隠れた敵を&br()強弓で岩ごと貫いたとか、&br()ノワールさんの寝込みを襲った輩が&br()寝返りだけで返り討ちにされたとか、&br()運良くその場を逃げのびた者が&br()数年後、謎の刺殺体で見つかったとか…&br()ノワールさんを知る者は語ります…!&br()彼女の矢は、まるで生物のようだと!!
【ノワール】
…そ、そんなの&br()マークの創作でしょう?
【マーク(女)】
よくわかりましたね!&br()知る者って、私のことなんです。
【ノワール】
も、もう…!&br()冗談は止めてよ…!
【マーク(女)】
まあまあ、いいじゃないですか。&br()これもひとつの作戦ですよ。&br()武勇伝を広めておけば、&br()抑止力になると思うんです。&br()闘わずして勝利する!&br()これこそが軍師としての最良の戦法です!
【ノワール】
…な、なんだか複雑な気分だけど、&br()今回だけは役に立ったということなのね…&br()でも…そんなに敵を威嚇して、&br()逆に怒らせたりしないの? 大丈夫?
【マーク(女)】
そんなことありません!&br()ノワールさんの威光を前にしては…&br()どんな敵も腰を抜かし、&br()退却するに決まっています!
【ノワール】
ど、どうしよう…この分だと&br()やめる気はさらさら無さそうね…&br()…あまり威嚇しすぎて、マークが&br()危ない目に遭わないといいんだけど…
ノワール→マーク(女)
【マーク】
はぁ、はぁ…!&br()さっきは危ない所でしたね、ノワールさん。
【ノワール】
…はぁ、はぁ、というかマーク、&br()貴方が蒔いた種じゃない…
【マーク】
ごめんなさい…&br()ノワールさんの真似をしていれば&br()敵が逃げてくれるかと思ったんですが…&br()まさか私の物まねを見た屍兵が、&br()逆ギレして襲いかかってくるだなんて…
【ノワール】
わ、私は…そういう危険もあるって&br()最初から言っていたわよ?
【マーク】
そ、そうでしたね…私としたことが&br()忠告を聞かず、すみませんでした…&br()でも結局ノワールさんが&br()キレてくれたおかげで助かりました!&br()屍兵たち、みんな怯えてたじゃないですか!&br()いや~、やっぱり本家は違いますね!
【ノワール】
でも、私はキレる自分が好きじゃないのよ…&br()わ、私が私でない気がするの…
【マーク】
そうなんですか?&br()でも、キレてるノワールさんも素敵ですよ?
【ノワール】
き、気休めは、止めてよ…&br()あんなの、素敵なわけないじゃない…
【マーク】
そんなことないです!&br()私、すっごく憧れます!
【ノワール】
憧れる…?
【マーク】
はい! 軍師って、常に冷静に状況を&br()判断しないといけないじゃないですか。&br()時には非情な決断も必要です。
【ノワール】
そ、それはそうね…
【マーク】
前に、味方が窮地に追い込まれて、&br()ある程度の犠牲を覚悟したことがあります。&br()そこに駆けつけてくれたのが&br()ノワールさんだったんです。&br()ノワールさんは、そのどう考えても&br()覆せない状況を一転させてくれました!
【ノワール】
…そんなこと、あったかしら?
【マーク】
はい! それはもう見事に!&br()作戦も何もない、豪快な威圧で!&br()おかげで、&br()私は気づくことができたんです!&br()机上の作戦だけを見ていたら…&br()見いだせない活路もあるんだって。&br()時には勢いこそが力なんだって!
【ノワール】
そう…私が誰かの役に立てたのなら、&br()とても喜ばしいことだわ。&br()…この性格で良かったって思えたの、&br()今日が…は、初めてかもしれない…
【マーク】
はいっ! だからこそ&br()さらに伝説を広めまくりましょうね!&br()次は逆ギレさえも許さないような&br()完璧なまでに威圧的な武勇伝を…
【ノワール】
ひいぃ…!&br()それだけは…やめて…!
-シャンブレー×ロラン
ロラン→シャンブレー
【ロラン】
ふぅむ…&br()興味深いですね。
【シャンブレー】
ん? ロラン、一人で&br()何をぶつぶつ言ってるんだ?
【ロラン】
いえ、&br()ふと思い出したのです。&br()お祭りの起源をさかのぼると、&br()その土地の歴史が見えてくるという言葉を。
【シャンブレー】
へぇ…そうなのか。
【ロラン】
このお祭りはどうなのでしょうね?
【シャンブレー】
んー…俺、お祭りの起源には&br()あんまり興味ないな~。
【ロラン】
でも、お祭りによってはタグエルの事を&br()言い伝えているものもあるかもしれませんよ。
【シャンブレー】
えっ、そうなのか?
【ロラン】
可能性として&br()あり得ると思います。
【シャンブレー】
それなら確かに知りたい気もするけど、&br()このお祭りはただの収穫祭じゃないのか?
【ロラン】
今はそうでも、お祭りが始まった頃は&br()違っていたかもしれません。&br()それに、お祭りの装飾や&br()催し物一つ取っても、&br()その町独自の文化を&br()知る事ができるものなのです。
【シャンブレー】
へぇ~。&br()ちょっと興味出てきたな。
【ロラン】
あっ…! シャンブレー。&br()あなたの後ろを見てみて下さい。
【シャンブレー】
な、なに? 後ろ?&br()…あっ! これって…&br()屋台で売られてるこの絵、&br()タグエルが描かれてるじゃないか!
【ロラン】
獅子に鷹…&br()それに、これは白鷺のようですね。
【シャンブレー】
う、ウサギはいないのかな…?
【ロラン】
探してみたら&br()あるかもしれませんね。
【シャンブレー】
なぁ、これはどういう絵なんだ?&br()どうしてタグエルが描かれてる?
【ロラン】
どうやら、これは異大陸の&br()伝承を描いた絵のようですね。&br()もう少し詳しく見てみましょうか。
【シャンブレー】
あぁ! タグエルについて&br()何かわかるかもしれないしな!
シャンブレー→ロラン
【シャンブレー】
すごいな。屋台の売り物だけじゃなくて、&br()壁画にもタグエルが登場してた。
【ロラン】
このタグエルらしき生き物が&br()この町の歴史にどう関わっていたのかは&br()わかりませんが、&br()調べてみるとやはり色々出てきますね。
【シャンブレー】
ロラン、ありがとう。&br()こうしてちゃんとタグエルのことが&br()伝えられているなんて、なんか俺…嬉しいよ!
【ロラン】
そうですか、&br()それは良かったです。
【シャンブレー】
…ここに描かれているタグエル達は、&br()昔はたくさんいたんだろうな。
【ロラン】
はい…&br()でもこの絵のように、もう滅んでしまったかも&br()しれない種だとしても、&br()こうして未来に生きる我々に歴史を伝え、&br()先人として教えてくれることがあるのですよ。
【シャンブレー】
そうだな…&br()なんか…不思議な感じがする。
【ロラン】
シャンブレー…&br()あなたは確かに希少な存在です。&br()ですが、仮にあなたが滅んだとしても、&br()その生きた証はきっとこうして&br()未来へと&br()紡がれていくのでしょう…
【シャンブレー】
そうだな…&br()…って、えええっ!?&br()今、さらっと酷いこと言わなかったか!?
【ロラン】
あ、あはは…す、すみません。&br()もちろん、本気で&br()言ったわけではありませんよ?
【シャンブレー】
あ、当たり前だよ! 驚きすぎて&br()心臓が止まりそうになったじゃないか!
【ロラン】
今のは、あくまで&br()生物学や歴史としての話ですから。
【シャンブレー】
そ、そうだよな。
【ロラン】
はい。大事な仲間のあなたを絶滅に&br()追いやるなんてこと、&br()僕が絶対にさせませんから。&br()だから、&br()安心してください…&br()あなたの仲間である&br()このタグエル達にも誓ってみせますよ。
【シャンブレー】
ロラン…&br()ありがとう、信じてるよ!
【ロラン】
ですから、あなたもこのタグエルたちに&br()誓って、勇敢な戦いを見せてくださいね!
【シャンブレー】
ええっ!?
【ロラン】
タグエルの名に恥じない、立派な&br()戦いをしなければなりませんね!&br()さあ、がんばりましょう!
【シャンブレー】
うぅ…わ、わかったよ。&br()俺はやればできる男だからな!&br()この絵の前で&br()無様な真似は見せられない!
【ロラン】
そうです、&br()その意気ですよ!
-マーク(女)×ンン
ンン→マーク(女)
【マーク】
ンンさん!&br()ちょっといいですか?
【ンン】
あ、はい。&br()何か用ですか?
【マーク】
実はですね、軍師として&br()みんなの年齢を調べているんです。&br()ンンさんは一体&br()何歳なんですか?
【ンン】
ええと、それは…&br()し、調べてどうするですか?
【マーク】
そうですね…強いていえば&br()戦略を立てるため、でしょうか。&br()軍師はそれぞれの体調や体力を考えて、&br()戦略を練らなければならないんです。&br()そのためにはやっぱり個人の年齢も&br()把握しておかないといけませんからね。
【ンン】
そ、そうですか…&br()でも、今まで知らなくても平気だったです。&br()だからこれからも大丈夫だと思うのです!
【マーク】
いえ! 例え百戦百勝だったとしても、&br()百一戦目は分からないですよ!?&br()勝負とは、そういうものです!
【ンン】
それは、そうかもしれませんですが…
【マーク】
で、おいくつなんですか?
【ンン】
私はマークと同じくらいだと思うです…
【マーク】
そうですか…ふむふむ。&br()でもその割には幼く見えますよね?&br()私も決して&br()大人っぽいわけではありませんが。
【ンン】
そ、それは…&br()言いたくないのです~。
【マーク】
どうしてですか?&br()それだと万が一&br()お祭りで迷子になったとき、&br()九歳のンンちゃんという女の子を捜してます!&br()…って言えないじゃないですか。
【ンン】
だから私はマークと同じぐらいです!&br()それだと捜す時にむしろ実年齢が&br()わかりにくくさせるです!!
【マーク】
なるほど…それもそうですね。&br()九歳ぐらいに見える可愛い女の子と&br()言って捜せばいいですかね。
【ンン】
そもそも迷子になんか&br()ならないです~!
【マーク】
あ、すみません。&br()ンンさんって小さいですから、つい。
【ンン】
…もういいです!&br()マークには絶対に教えないです!&br()うわ~ん!
【マーク】
あっ! ンンさん!&br()勝手に走り去ると、迷子になっちゃいますよ!
マーク(女)→ンン
【マーク】
あっ! こんなところに!&br()捜しましたよ!
【ンン】
…マークはしつこいのです。
【マーク】
そんなに嫌がるのには、&br()何か理由でもあるんですか?&br()私、別に他人のプライベートを&br()興味本位で探ってるわけじゃないんです。&br()軍師としてみなさんのために役立てればと、&br()そう思っているだけなんですよ?
【ンン】
…本当ですか?
【マーク】
もちろんです!
【ンン】
…分かったです。&br()でも、他の人には言わないでほしいです。
【マーク】
はい! 約束します!
【ンン】
…わ、私は…ごにょごにょ。&br()――歳、なのです。
【マーク】
おぉ! なるほどなるほど。&br()じゃあほんとに私たちと変わりありませんね!
【ンン】
でも、ンンはマムクートなので&br()成長が遅いのです…&br()普通の人間より何倍も長生きできる分、&br()見た目と年齢がかなり違ってしまうのです…
【マーク】
それはつまり、身体だけでなく、&br()精神もという事ですか?&br()ンンさんは、精神年齢も&br()実年齢より低い…とか。
【ンン】
…うう~。そうなのです。&br()だから言いたくなかったのです。
【マーク】
なぜですか?
【ンン】
子供扱いはされたくないのです~!&br()私の母だって、見た目と中身が&br()いつまでも幼いままだったですから、&br()ずっと子供扱いされてきたと&br()聞いているのです~!
【マーク】
そんなことはしません!&br()ンンさんは、幼いうちから大人と一緒に&br()戦っているんですよね?&br()バカになんてできませんよ!&br()それにンンさん、同年代の中では&br()むしろ大人な感じじゃないですか?
【ンン】
…え?&br()マーク、今なんと言ったですか?
【マーク】
ンンさんは、&br()大人だと言ったんです。&br()だって、ンンさんと同じ精神年齢の人は、&br()まだ畑で土をほじくり返して遊んでますよ!
【ンン】
大人…私が、大人…&br()初めて言われたです…
【マーク】
だから気にしなくていいですよ!&br()むしろンンさんはもっと、&br()年相応に幼くふるまっても&br()問題ないぐらいです。
【ンン】
そうか。そうだったんですね。&br()私は大人だったですか…!
【マーク】
はい!
【ンン】
良かったです。&br()そう考えると楽になったです。&br()…ふぁ。安心したら、&br()なんだか疲れちゃいましたね…
【マーク】
ん? あれ?&br()ンンちゃん、もうおねむの時間ですか?&br()お姉ちゃんが、&br()一緒に添い寝してあげましょうか~?
【ンン】
…マーク! 言ってるそばから&br()思いっきり子供扱いしてるです!!
-ンン×チキ
チキ→ンン
【チキ】
これが、異界の祭りの場…&br()どの世界でも人は変わらない。&br()豊穣を神に祈り、&br()その祈りが叶わないと絶望し、&br()時にその絶望は争いの種となる…&br()祭りなんて、人間が一方的に神を崇めて、&br()一方的に絶望する儀式でしかないのに。
【ンン】
すごいのです…! これがお祭り会場!&br()こんなに広い場所が、人で埋まるですね…&br()早く屍兵をやっつけて、&br()みんなと遊びたいです!&br()でも、一人でうろうろしたら、&br()迷子と間違われるかもなのです…&br()う~ん…&br()あ! チキさん!
【チキ】
…………
【ンン】
屍兵を倒したら、&br()一緒にお祭り見て回らないですか?&br()私はお祭りが初めてなので、&br()すっごく興味があるのです!
【チキ】
…いいわよ。
【ンン】
ありがとうです!&br()おいしいものも食べたいし、&br()たっくさん遊びたいのです!&br()それから、&br()噴水で思いっきり泳ぐのです!
【チキ】
噴水で…?
【ンン】
はい! チキさんと一緒に竜になって、&br()羽をのばしたら、気持ちいいと思うです!
【チキ】
噴水は人が遊ぶものではないわよ?&br()ましてや竜の姿でなんて、壊れてしまうわ。
【ンン】
えっ!? そうなのですか?&br()それは残念です…&br()う~…
【チキ】
…ふふっ。
【ンン】
あ、チキさん、&br()どうして笑ったですか?
【チキ】
いえ、ごめんなさい。&br()あなたがあんまりにも楽しそうだから、つい。
【ンン】
チキさんは楽しくないですか?
【チキ】
そんなことはないわ。&br()今、楽しくなったところよ。
【ンン】
良かったです!&br()それじゃ、今日は屍兵を倒したら、&br()一日中遊び倒すです!
ンン→チキ
【ンン】
チキさん…
【チキ】
…何かしら?
【ンン】
チキさんは…その……お祭り、&br()楽しみじゃないですか?
【チキ】
いいえ…楽しみよ。&br()どうしてそんなことを聞くの?
【ンン】
だってチキさん…さっきから&br()あんまり楽しそうじゃないです。
【チキ】
そう…あなたにはそう見えたのね。&br()心配させて悪かったわ。&br()でも、感情の表現というものは&br()人それぞれ違うのよ。&br()楽しくてもそれを表に出さない人もいる…&br()特に、私みたいに長く生きすぎると、ね。
【ンン】
大人になると笑わなくなるですか?
【チキ】
中にはそういう人もいる、という話よ。&br()私はもう生き過ぎたから、&br()些細なことでは心が動かなくなってるわ…&br()でも、今日は久々に、&br()楽しみたい気分ではあるのよ。
【ンン】
なら良かったのです!&br()一緒に楽しいお祭りにするです!
【チキ】
…………
【ンン】
ど、どうしたですかチキさん。&br()私の顔をじっと見て…
【チキ】
あ、ごめんなさい。
【ンン】
私…やっぱり一人で&br()はしゃぎ過ぎでしょうか…?
【チキ】
違うの。&br()あなたを見ていたら、&br()忘れていたはずの子供時代を&br()思い出した気がして…
【ンン】
チキさんの子供時代?
【チキ】
ええ。私の子供の頃も…&br()お祭りを見た時はきっと、&br()新鮮な気持ちで&br()楽しんでいたと思うわ。&br()新しいものを見た時、全身で喜びを表して…&br()まわりのみんなに声をかけて…&br()そう、今のあなたみたいにね?
【ンン】
…私みたいに、ですか?&br()ちょっと想像できないのです。
【チキ】
ふぅ…色々と&br()考えが浮かぶものね。&br()興味がないのは生きた時間のせいじゃない…&br()そのせいにして思い込んでいるだけなのかも。&br()これ自体も…&br()新たな発見と言えるのかしら?
【ンン】
………?
【チキ】
そう考えると、私のこれからの人生も&br()まだまだ捨てたわけじゃないわ…&br()新しい発見…ンン、あなたといると、&br()色々大切なことが見つかりそうよ?&br()もっと私に色々と教えてくださいね、&br()ンン先生。
【ンン】
ふぇ!?&br()よ、よくわからないですが…&br()そう言われると照れるのです~!
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*コメント
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#comment()
#contents
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-シンシア×ンン
シンシア→ンン
【シンシア】
このお祭りは収穫祭だって言ってたよね~。&br()うん! 果物がとってもいい香り~。
【ンン】
まったく。シンシアは食べることが&br()大好きなんですね。
【シンシア】
え? それを言うならンンだって、&br()たくさん食べるでしょ?
【ンン】
いえ、そんなことないのです!&br()私知ってるです。&br()そういうのを、花より団子って言うのです。
【シンシア】
へぇ~そうなんだ!&br()どういう意味なの?
【ンン】
食い意地が張ってるって&br()意味なのです!
【シンシア】
でもそれ言葉通りの意味だよ?&br()あたしもよくわかんないけど、&br()その言葉って、綺麗なものとかよりも、&br()自分に利益があるものを選ぶとか…&br()そういう意味じゃない?
【ンン】
う…&br()そ、そうなのかもです…
【シンシア】
じゃあこんなのは知ってる?&br()お祭りって本当はいろんな事情があってね。&br()昔は楽しいものだけじゃなくて、&br()こわ~いお祭りもあったらしいよ。
【ンン】
…こ、怖いお祭りですか?
【シンシア】
うん、昔話なんだけどね。&br()収穫がたくさんあった時は&br()神様に感謝したんだけど…&br()日照りや干ばつが続いた時は、&br()子供をいけにえに捧げて、&br()来年の豊作を願うらしいんだ~。
【ンン】
子供をいけにえにですか!?&br()こ、怖いのです…
【シンシア】
湖に住む龍神様に子供をいけにえにすれば、&br()次の年は雨が降るんだって。&br()そんなこと勝手に決めつけるなんて、&br()昔の人たちっていい加減だよねぇ…
【ンン】
いけにえ…子供…
【シンシア】
…って、あれ?&br()ンン、どうしたの?
【ンン】
まさか、このお祭りも…&br()このお祭りもいけにえするんですか!?
【シンシア】
えぇー!? まさかー。&br()もう大昔の話だってば。&br()それにほら、こんなに大豊作なんだし、&br()龍神様にお願いする必要もないでしょ?
【ンン】
そ、それはそうなのですが…
ンン→シンシア
【ンン】
シンシア、&br()さっきの話ですが…
【シンシア】
え? 何の話だっけ?
【ンン】
やっぱり、&br()怖くなってきました…&br()このお祭りも本当はいけにえを&br()探しているのではないでしょうか…?
【シンシア】
あぁ、いけにえの話?&br()もしかしてンンは自分がいけにえに&br()されるんじゃないかって思ってるの?
【ンン】
そ、そうです…
【シンシア】
大丈夫だよ。&br()たしかにンンは一番子供に見えるけど、&br()実際の年齢はあたし達と同じくらいだし。
【ンン】
でも…私のことを知らない人なら、&br()やっぱり私を狙うと思うのです。&br()ここにいる屍兵たちも、なんだか私ばかり&br()狙ってくるみたいなのです…!&br()ひょっとして、私をいけにえにすれば、&br()お祭りを荒らさないかもなのです…
【シンシア】
えぇっ!? まさかー!&br()だいたい、屍兵が来年の豊作を&br()願うなんてこと、あるわけないじゃん!
【ンン】
でも村が豊作だったら屍兵も村を襲った時に、&br()たくさん作物が食べられるのです!
【シンシア】
確かに…屍兵、意外なことに&br()作物を食べるもんねー。
【ンン】
意外…?&br()じゃあ何を食べるイメージなのですか?
【シンシア】
ええと…人間?
【ンン】
こ…怖いのです!!!
【シンシア】
あはは!&br()ごめんごめん!&br()それにさぁ~、いけにえの昔話だって、&br()龍神様を捧げるって話だったでしょ?&br()だったらンンってどっちかっていうと、&br()いけにえを食べる側じゃない?
【ンン】
…え?
【シンシア】
だってンン、マムクートでしょ?
【ンン】
…そういえばそうでした。&br()…あれ? …そう考えると&br()怖くなくなったのです。
【シンシア】
ほんとに? 良かった~!&br()ンンも現金だね~。
【ンン】
んも~! もとは怖がらせる&br()シンシアが悪いのです!
-セレナ×ノワール
ノワール→セレナ
【セレナ】
ノワール、ちょっとあの店見て!&br()かわいいアクセサリーがいっぱい!
【ノワール】
お、お店の人が避難している時に、&br()物色するのは良くないと思うわ…
【セレナ】
いいじゃない、ちょっとぐらい!&br()あら、ここはお土産屋さん…じゃないわね。&br()射的屋さんかしら?&br()ほら、この玩具の弓で的に当てると&br()景品がもらえるみたいよ!&br()ていうか、今お店の人がいないんだから、&br()別に射的なんかしなくても…
【ノワール】
セ、セレナ…
【セレナ】
冗談よ!&br()あたしがそんな空き巣みたいな真似、&br()するわけないでしょ。&br()ちゃんと射的をして、&br()合法的に景品をもらうんだから!&br()はい、お金はここに置いとけば、&br()払ったってわかるでしょ。
【ノワール】
ええっ、そんなことしてる&br()場合じゃないのに…
【セレナ】
こんな時だからこそ&br()娯楽は必要なの!&br()いいからちょっと&br()やってみてよノワール。
【ノワール】
わ、私? い、いやよ…&br()どうして私が…
【セレナ】
あんたの得意分野でしょ!&br()たまにはいいとこ見せなさいよね!
【ノワール】
ひいぃ…横暴よぉ~。&br()…で、でも、そうだわ。&br()わざと外して…やっぱり無理でした、&br()ってことにすれば…
【セレナ】
ちなみに、わざと外したりなんかしたら、&br()…わかってるわよね。
【ノワール】
…うう。
【セレナ】
あたしが欲しいのはそこにある首飾りだから。&br()じゃ、よろしく~。
【ノワール】
…………
【セレナ】
ちょ、ちょっとノワール!&br()何構えてるのよ!&br()それ、本物の弓じゃないの!&br()使うのはこっちのおもちゃの――
【ノワール】
うるさい! 首飾りを射止めろと&br()言ったのは貴様ではないか!
【セレナ】
ひ、ひぃ!?
【ノワール】
黙ってそこに鎮座しておれ!&br()こんな玩具では、エモノを&br()打ち抜くことなど到底出来ぬわ!
【セレナ】
は、はい…&br()お願いします…&br()でもお願い!&br()打ち抜くのだけはやめて…!
セレナ→ノワール
【ノワール】
セ、セレナ…&br()さっきはごめんなさい…&br()私、キレちゃった方が&br()弓の腕が上がるみたいなの…
【セレナ】
そ、そうみたいね。&br()あんなに見事に、首飾りの台座だけ&br()木っ端みじんにするなんて…&br()びっくりしたわ…
【ノワール】
うぅ…私ったらまたそんな&br()乱暴な真似を…ぐすっ…
【セレナ】
ちょっ…泣かないでよ!&br()なんていうか…ああやってキレることって、&br()あんたが生き残るために&br()必要なことだったんでしょ?&br()だったら仕方ないじゃない!&br()いえ、むしろ素晴らしいことだわ!
【ノワール】
…そ、そうよね。これは戦争。&br()強いほうがいいに決まってる。&br()や…やっぱり私、これからはキレた状態で&br()戦場に出たほうがいいのかしら…
【セレナ】
う、う~ん…&br()でもそれだと、軍としての統率が…
【ノワール】
そ、そうよね…
【セレナ】
それに、たしかに強いけど、個人的には&br()いつものノワールでいて欲しいかな。&br()あたしはビクビクしてるけど、&br()穏やかで、優しいノワールが好きよ。&br()あ、でも…さっきキレさせたのは&br()あたしか。ご、ごめんね。
【ノワール】
セレナ…
【セレナ】
あ、あのね…&br()お詫びに、これあげる。
【ノワール】
あれ? それ…さっき私がセレナに&br()取ってあげた首飾りと同じ…?&br()あ、でも…色が違うわね。&br()さっき取ったのは黄色だったけど、&br()こっちは綺麗な緑色…
【セレナ】
うん。緑のやつは&br()化け物が来る前に出店で買ったの。&br()ほんとは自分でつけようと&br()思ってたんだけど、&br()射的の景品に&br()色違いを見つけちゃって…&br()あ、あんたとお揃いで着けられたら&br()いいなあって思ったのよ…
【ノワール】
わ、私と?
【セレナ】
な、なんか文句ある?&br()あたし…もっとあんたと&br()仲良くなりたいって思ったから…その…
【ノワール】
だから首飾りを取ってって&br()言ったのね…
【セレナ】
うん…でも、それであんたを怒らせてたら&br()本末転倒よね…
【ノワール】
…ううん。いいの。&br()ありがとう、セレナ。&br()首飾り、大事にするわね。
【セレナ】
ノワール…!&br()うん、あたしもノワールが取ってくれた&br()首飾り、大事にするわ。&br()友情の印なんだから、&br()無くしたりしたら許さないわよ?
-ジェローム×ロラン
ジェローム→ロラン
【ジェローム】
ロラン…ちょっといいか。&br()話がある。
【ロラン】
ジェローム、どうしました?&br()何だか調子が悪そうですが。
【ジェローム】
ああ&br()…考え事をしていたら、頭痛がしてきてな。
【ロラン】
それは良くありませんね。&br()一体、何をそんなに考えていたのですか?
【ジェローム】
私たち、&br()未来から来た者のことだ。&br()私たちは…過去に来て&br()少し浮かれているのではないか?
【ロラン】
え…っ?
【ジェローム】
物見遊山…とまではいかないが、&br()少々旅行気分なのではないだろうか。&br()私達も含めもっと気を引き締めるべきだ…&br()と考えると頭痛が、な。
【ロラン】
ジェローム、あなたもやはり&br()そう思っていましたか。
【ジェローム】
…!&br()ロラン…では、お前も?
【ロラン】
えぇ…特にここ最近、皆さんが&br()浮き足だっているように見えます。
【ジェローム】
人々を守るためとはいえ、&br()こんな祭りの場に喜んで来ているのだから、&br()やはりそうなのだろうな…&br()だが、お前はどうやら違うようだ。&br()賛同者がいて嬉しいぞ。
【ロラン】
はい、それは僕も同じですよ。
【ジェローム】
我々の中で、お前は&br()心許せる者だと思っている。&br()頼りにしているから、&br()これからも協力してくれ。
【ロラン】
もちろんです、&br()ジェローム。&br()あなたにそこまで褒められるなんて、&br()僕は…嬉しいです。
【ジェローム】
そうか、&br()よろしく頼むぞ、ロラン。
【ロラン】
ええ、粉骨砕身のつもりで&br()がんばります…!
【ジェローム】
少々力が入りすぎているようだが、&br()大丈夫か…?
ロラン→ジェローム
【ロラン】
ジェローム!
【ジェローム】
ロランか…どうした?
【ロラン】
これをどうぞ。&br()この辺りで取れた果物だそうです。
【ジェローム】
ほう、美味そうだな。
【ロラン】
先程、ここの異界の住人の方から&br()ゆずってもらったんです。&br()一緒に食べましょう?
【ジェローム】
あぁ…すまない。&br()ではいただくとしよう。
【ロラン】
たくさんあるので、&br()どんどん食べてくださいね。
【ジェローム】
確かに、結構量があるな。&br()今から他の奴らにも配るのか?
【ロラン】
いいえ、これはジェロームだけに&br()差し上げようと思って。
【ジェローム】
ん…?&br()どうして私だけに?
【ロラン】
それは…その、さっき&br()あなたと話していて…僕、&br()こうやってあなたともっと&br()絆を深め合っていければと思いまして。
【ジェローム】
そ、そうか…
【ロラン】
仲間とはいえ常に厳しさを持ち、&br()慣れ合いを良しとしないあなたなら、&br()もっと仲良くなれる気がするんです。
【ジェローム】
…しかし、&br()それはお前らしくないな。
【ロラン】
え、そうでしょうか…?&br()迷惑でしたか?
【ジェローム】
いや、そんなことはないが…&br()他の仲間たちとも&br()話したほうがいいとは思うぞ。&br()戦闘中は仲間の協力が&br()不可欠となる。&br()そのためには、普段からなるべく多くの&br()仲間たちと仲を深めておく必要が…
【ロラン】
…あれっ?
【ジェローム】
ん、何だか違和感が…
【ロラン】
なんだかジェローム、いつもと&br()言っていることが逆ですね…
【ジェローム】
そういえば、そうだな…&br()私も今気づいたぞ…&br()全く…&br()お前がおかしなことを言い出すからだ。
【ロラン】
あはは、すみません。&br()でも確かにジェロームの言う通り&br()他の仲間たちとの絆も大切ですね。&br()この果物はあとで他の皆さんにも&br()召し上がっていただくことにします。
【ジェローム】
あぁ、そうしたほうがいい。&br()だが真っ先に私のところに果物を&br()持ってきてくれたことは嬉しかった。&br()私もこうして色々と話し合える仲に&br()悪い気はしない。&br()これからも頼むぞ、ロラン。
【ロラン】
もちろんです、ジェローム。
-マーク(男)×シャンブレー
マーク(男)→シャンブレー
【マーク】
これがお祭りですか~!&br()あちこち飾り付けられていて、&br()とっても楽しそうですね!
【シャンブレー】
へ? マーク、&br()お祭りは初めてなのか?
【マーク】
どうなんでしょう…昔の記憶がないので、&br()正確にはわからないんですけど、&br()記憶喪失になった後の僕は&br()お祭りを見るのは初めてですよ?
【シャンブレー】
そうか、実は俺もそうなんだ。
【マーク】
なんだか、飾り付けを見ていると&br()ワクワクしてきますよね?
【シャンブレー】
おいおい、&br()一応今は戦闘中だぞ?&br()…って誰かに怒られそうだけど、&br()やっぱり顔は歪んじまうよな~。
【マーク】
はい!&br()闘っている時ですら、&br()鼻歌交じりになっちゃいますよね!
【シャンブレー】
えぇっ…!?&br()いや、さすがにそこまでは…&br()なんかお前って、良い意味で&br()マイペースというか…呑気だよな?&br()…そういうとこ、ちょっと、羨ましいな。&br()憧れるよ。
【マーク】
…へっ?&br()どういうことですか?
【シャンブレー】
お前の、そうやって&br()あっけらかんとしたところが。&br()俺にもあればいいなってさ…
【マーク】
あはは、今の褒め言葉ですよね?&br()ありがとうございます!
【シャンブレー】
もしもさ…お前が絶滅危惧種だったら、&br()そんなにのほほんとしてられるのか?
【マーク】
うーん、そうですねぇ。&br()今まで考えたこともなかったですが…&br()きっと、このままじゃないですかね?
【シャンブレー】
な…! な、なんでそう簡単に&br()言い切れるんだよ!?
【マーク】
理由ですか…う~ん、&br()あるにはあるんですけど…&br()言葉にしにくいと言いますか…
【シャンブレー】
じゃあ思い浮かんだら教えてくれよな。&br()まったく…変わった奴…
シャンブレー→マーク(男)
【シャンブレー】
マーク、&br()さっきの言葉は見つかったか?
【マーク】
あ、シャンブレーさん。&br()そうですね、なんとなくなら&br()説明できそうです。
【シャンブレー】
…本当か?&br()絶滅危惧種だったら、誰でも&br()俺みたいに慎重になると思うけどな。
【マーク】
でも、僕は記憶がないから&br()あんまりこだわりがないんですよ。&br()絶滅危惧種なんて言われても、&br()僕には最初から母さんしか&br()繋がりになるものがないし。
【シャンブレー】
それは…そうかもしれないけどさ。&br()お前、立派な軍師になりたいんだろ?&br()死んだら、その夢だって&br()叶わないんだぞ。
【マーク】
もちろん、母さんを超えるような&br()立派な軍師にはなりたいです。&br()それを考えると、確かに無理は&br()したくないとは思いますけど…&br()でも…それだけなんですよね。
【シャンブレー】
それだけ?
【マーク】
はい。&br()僕には守るものがないですから、&br()死にそうになっても&br()必死にはなれないんじゃないかって。
【シャンブレー】
なっ…そ、そんなこと言うなっ!!
【マーク】
えっ…シャンブレーさん?
【シャンブレー】
そんなこと言うなよ!&br()悲しいだろ!
【マーク】
悲しい…ですか?
【シャンブレー】
ああ、そうだ! 俺たちは仲間だろ?&br()もしマークが死んだら悲しいに決まってる!&br()お前は俺たちと別れることになっても&br()悲しくないって言うのかよ!?
【マーク】
…!&br()い…いえ、悲しいです。
【シャンブレー】
そうだろ? だったら、&br()こだわりがないとか言うなよ…&br()必死になれないなんて、&br()そんなこと言うな。
【マーク】
シャンブレーさん…!&br()ご、ごめんなさい…ありがとうございます。&br()そんな風に思ってくれていたなんて、&br()嬉しいです…僕。
【シャンブレー】
わ、わかってくれたならいいんだ。
【マーク】
…僕、シャンブレーさんたちと別れることの&br()ないよう、がんばって戦いますね!
【シャンブレー】
あぁ!&br()俺達、絶対に生き残るぞ!
-マーク(女)×ノワール
マーク(女)→ノワール
【マーク】
わはははっ! 貴様らなど&br()我の力で一網打尽にしてくれる!&br()命の惜しくない者だけ前に進み出るがいい!&br()豪速の連撃で一挙に貫いてやるわ!
【ノワール】
マ、マーク…?&br()何をしているの?
【マーク】
あ! ノワールさん!&br()これはですね、&br()ノワールさんの物まねです!
【ノワール】
…わ、私の? どうして?
【マーク】
ノワールさんの物まねをすると&br()屍兵が恐れをなして逃げていくんです!&br()これは盲点でした!&br()ノワールさんの威厳と偉業は、&br()屍兵にまで知れ渡っているんですね!
【ノワール】
ええっ?&br()…そ、そんなことないわよ。
【マーク】
やだー! 謙遜しちゃって!&br()たくさんあるじゃないですか!&br()そう…ノワールさんに狙われた者は、&br()それすなわち死を意味する!&br()岩陰に隠れた敵を&br()強弓で岩ごと貫いたとか、&br()ノワールさんの寝込みを襲った輩が&br()寝返りだけで返り討ちにされたとか、&br()運良くその場を逃げのびた者が&br()数年後、謎の刺殺体で見つかったとか…&br()ノワールさんを知る者は語ります…!&br()彼女の矢は、まるで生物のようだと!!
【ノワール】
…そ、そんなの&br()マークの創作でしょう?
【マーク】
よくわかりましたね!&br()知る者って、私のことなんです。
【ノワール】
も、もう…!&br()冗談は止めてよ…!
【マーク】
まあまあ、いいじゃないですか。&br()これもひとつの作戦ですよ。&br()武勇伝を広めておけば、&br()抑止力になると思うんです。&br()闘わずして勝利する!&br()これこそが軍師としての最良の戦法です!
【ノワール】
…な、なんだか複雑な気分だけど、&br()今回だけは役に立ったということなのね…&br()でも…そんなに敵を威嚇して、&br()逆に怒らせたりしないの? 大丈夫?
【マーク】
そんなことありません!&br()ノワールさんの威光を前にしては…&br()どんな敵も腰を抜かし、&br()退却するに決まっています!
【ノワール】
ど、どうしよう…この分だと&br()やめる気はさらさら無さそうね…&br()…あまり威嚇しすぎて、マークが&br()危ない目に遭わないといいんだけど…
ノワール→マーク(女)
【マーク】
はぁ、はぁ…!&br()さっきは危ない所でしたね、ノワールさん。
【ノワール】
…はぁ、はぁ、というかマーク、&br()貴方が蒔いた種じゃない…
【マーク】
ごめんなさい…&br()ノワールさんの真似をしていれば&br()敵が逃げてくれるかと思ったんですが…&br()まさか私の物まねを見た屍兵が、&br()逆ギレして襲いかかってくるだなんて…
【ノワール】
わ、私は…そういう危険もあるって&br()最初から言っていたわよ?
【マーク】
そ、そうでしたね…私としたことが&br()忠告を聞かず、すみませんでした…&br()でも結局ノワールさんが&br()キレてくれたおかげで助かりました!&br()屍兵たち、みんな怯えてたじゃないですか!&br()いや~、やっぱり本家は違いますね!
【ノワール】
でも、私はキレる自分が好きじゃないのよ…&br()わ、私が私でない気がするの…
【マーク】
そうなんですか?&br()でも、キレてるノワールさんも素敵ですよ?
【ノワール】
き、気休めは、止めてよ…&br()あんなの、素敵なわけないじゃない…
【マーク】
そんなことないです!&br()私、すっごく憧れます!
【ノワール】
憧れる…?
【マーク】
はい! 軍師って、常に冷静に状況を&br()判断しないといけないじゃないですか。&br()時には非情な決断も必要です。
【ノワール】
そ、それはそうね…
【マーク】
前に、味方が窮地に追い込まれて、&br()ある程度の犠牲を覚悟したことがあります。&br()そこに駆けつけてくれたのが&br()ノワールさんだったんです。&br()ノワールさんは、そのどう考えても&br()覆せない状況を一転させてくれました!
【ノワール】
…そんなこと、あったかしら?
【マーク】
はい! それはもう見事に!&br()作戦も何もない、豪快な威圧で!&br()おかげで、&br()私は気づくことができたんです!&br()机上の作戦だけを見ていたら…&br()見いだせない活路もあるんだって。&br()時には勢いこそが力なんだって!
【ノワール】
そう…私が誰かの役に立てたのなら、&br()とても喜ばしいことだわ。&br()…この性格で良かったって思えたの、&br()今日が…は、初めてかもしれない…
【マーク】
はいっ! だからこそ&br()さらに伝説を広めまくりましょうね!&br()次は逆ギレさえも許さないような&br()完璧なまでに威圧的な武勇伝を…
【ノワール】
ひいぃ…!&br()それだけは…やめて…!
-シャンブレー×ロラン
ロラン→シャンブレー
【ロラン】
ふぅむ…&br()興味深いですね。
【シャンブレー】
ん? ロラン、一人で&br()何をぶつぶつ言ってるんだ?
【ロラン】
いえ、&br()ふと思い出したのです。&br()お祭りの起源をさかのぼると、&br()その土地の歴史が見えてくるという言葉を。
【シャンブレー】
へぇ…そうなのか。
【ロラン】
このお祭りはどうなのでしょうね?
【シャンブレー】
んー…俺、お祭りの起源には&br()あんまり興味ないな~。
【ロラン】
でも、お祭りによってはタグエルの事を&br()言い伝えているものもあるかもしれませんよ。
【シャンブレー】
えっ、そうなのか?
【ロラン】
可能性として&br()あり得ると思います。
【シャンブレー】
それなら確かに知りたい気もするけど、&br()このお祭りはただの収穫祭じゃないのか?
【ロラン】
今はそうでも、お祭りが始まった頃は&br()違っていたかもしれません。&br()それに、お祭りの装飾や&br()催し物一つ取っても、&br()その町独自の文化を&br()知る事ができるものなのです。
【シャンブレー】
へぇ~。&br()ちょっと興味出てきたな。
【ロラン】
あっ…! シャンブレー。&br()あなたの後ろを見てみて下さい。
【シャンブレー】
な、なに? 後ろ?&br()…あっ! これって…&br()屋台で売られてるこの絵、&br()タグエルが描かれてるじゃないか!
【ロラン】
獅子に鷹…&br()それに、これは白鷺のようですね。
【シャンブレー】
う、ウサギはいないのかな…?
【ロラン】
探してみたら&br()あるかもしれませんね。
【シャンブレー】
なぁ、これはどういう絵なんだ?&br()どうしてタグエルが描かれてる?
【ロラン】
どうやら、これは異大陸の&br()伝承を描いた絵のようですね。&br()もう少し詳しく見てみましょうか。
【シャンブレー】
あぁ! タグエルについて&br()何かわかるかもしれないしな!
シャンブレー→ロラン
【シャンブレー】
すごいな。屋台の売り物だけじゃなくて、&br()壁画にもタグエルが登場してた。
【ロラン】
このタグエルらしき生き物が&br()この町の歴史にどう関わっていたのかは&br()わかりませんが、&br()調べてみるとやはり色々出てきますね。
【シャンブレー】
ロラン、ありがとう。&br()こうしてちゃんとタグエルのことが&br()伝えられているなんて、なんか俺…嬉しいよ!
【ロラン】
そうですか、&br()それは良かったです。
【シャンブレー】
…ここに描かれているタグエル達は、&br()昔はたくさんいたんだろうな。
【ロラン】
はい…&br()でもこの絵のように、もう滅んでしまったかも&br()しれない種だとしても、&br()こうして未来に生きる我々に歴史を伝え、&br()先人として教えてくれることがあるのですよ。
【シャンブレー】
そうだな…&br()なんか…不思議な感じがする。
【ロラン】
シャンブレー…&br()あなたは確かに希少な存在です。&br()ですが、仮にあなたが滅んだとしても、&br()その生きた証はきっとこうして&br()未来へと&br()紡がれていくのでしょう…
【シャンブレー】
そうだな…&br()…って、えええっ!?&br()今、さらっと酷いこと言わなかったか!?
【ロラン】
あ、あはは…す、すみません。&br()もちろん、本気で&br()言ったわけではありませんよ?
【シャンブレー】
あ、当たり前だよ! 驚きすぎて&br()心臓が止まりそうになったじゃないか!
【ロラン】
今のは、あくまで&br()生物学や歴史としての話ですから。
【シャンブレー】
そ、そうだよな。
【ロラン】
はい。大事な仲間のあなたを絶滅に&br()追いやるなんてこと、&br()僕が絶対にさせませんから。&br()だから、&br()安心してください…&br()あなたの仲間である&br()このタグエル達にも誓ってみせますよ。
【シャンブレー】
ロラン…&br()ありがとう、信じてるよ!
【ロラン】
ですから、あなたもこのタグエルたちに&br()誓って、勇敢な戦いを見せてくださいね!
【シャンブレー】
ええっ!?
【ロラン】
タグエルの名に恥じない、立派な&br()戦いをしなければなりませんね!&br()さあ、がんばりましょう!
【シャンブレー】
うぅ…わ、わかったよ。&br()俺はやればできる男だからな!&br()この絵の前で&br()無様な真似は見せられない!
【ロラン】
そうです、&br()その意気ですよ!
-マーク(女)×ンン
ンン→マーク(女)
【マーク】
ンンさん!&br()ちょっといいですか?
【ンン】
あ、はい。&br()何か用ですか?
【マーク】
実はですね、軍師として&br()みんなの年齢を調べているんです。&br()ンンさんは一体&br()何歳なんですか?
【ンン】
ええと、それは…&br()し、調べてどうするですか?
【マーク】
そうですね…強いていえば&br()戦略を立てるため、でしょうか。&br()軍師はそれぞれの体調や体力を考えて、&br()戦略を練らなければならないんです。&br()そのためにはやっぱり個人の年齢も&br()把握しておかないといけませんからね。
【ンン】
そ、そうですか…&br()でも、今まで知らなくても平気だったです。&br()だからこれからも大丈夫だと思うのです!
【マーク】
いえ! 例え百戦百勝だったとしても、&br()百一戦目は分からないですよ!?&br()勝負とは、そういうものです!
【ンン】
それは、そうかもしれませんですが…
【マーク】
で、おいくつなんですか?
【ンン】
私はマークと同じくらいだと思うです…
【マーク】
そうですか…ふむふむ。&br()でもその割には幼く見えますよね?&br()私も決して&br()大人っぽいわけではありませんが。
【ンン】
そ、それは…&br()言いたくないのです~。
【マーク】
どうしてですか?&br()それだと万が一&br()お祭りで迷子になったとき、&br()九歳のンンちゃんという女の子を捜してます!&br()…って言えないじゃないですか。
【ンン】
だから私はマークと同じぐらいです!&br()それだと捜す時にむしろ実年齢が&br()わかりにくくさせるです!!
【マーク】
なるほど…それもそうですね。&br()九歳ぐらいに見える可愛い女の子と&br()言って捜せばいいですかね。
【ンン】
そもそも迷子になんか&br()ならないです~!
【マーク】
あ、すみません。&br()ンンさんって小さいですから、つい。
【ンン】
…もういいです!&br()マークには絶対に教えないです!&br()うわ~ん!
【マーク】
あっ! ンンさん!&br()勝手に走り去ると、迷子になっちゃいますよ!
マーク(女)→ンン
【マーク】
あっ! こんなところに!&br()捜しましたよ!
【ンン】
…マークはしつこいのです。
【マーク】
そんなに嫌がるのには、&br()何か理由でもあるんですか?&br()私、別に他人のプライベートを&br()興味本位で探ってるわけじゃないんです。&br()軍師としてみなさんのために役立てればと、&br()そう思っているだけなんですよ?
【ンン】
…本当ですか?
【マーク】
もちろんです!
【ンン】
…分かったです。&br()でも、他の人には言わないでほしいです。
【マーク】
はい! 約束します!
【ンン】
…わ、私は…ごにょごにょ。&br()――歳、なのです。
【マーク】
おぉ! なるほどなるほど。&br()じゃあほんとに私たちと変わりありませんね!
【ンン】
でも、ンンはマムクートなので&br()成長が遅いのです…&br()普通の人間より何倍も長生きできる分、&br()見た目と年齢がかなり違ってしまうのです…
【マーク】
それはつまり、身体だけでなく、&br()精神もという事ですか?&br()ンンさんは、精神年齢も&br()実年齢より低い…とか。
【ンン】
…うう~。そうなのです。&br()だから言いたくなかったのです。
【マーク】
なぜですか?
【ンン】
子供扱いはされたくないのです~!&br()私の母だって、見た目と中身が&br()いつまでも幼いままだったですから、&br()ずっと子供扱いされてきたと&br()聞いているのです~!
【マーク】
そんなことはしません!&br()ンンさんは、幼いうちから大人と一緒に&br()戦っているんですよね?&br()バカになんてできませんよ!&br()それにンンさん、同年代の中では&br()むしろ大人な感じじゃないですか?
【ンン】
…え?&br()マーク、今なんと言ったですか?
【マーク】
ンンさんは、&br()大人だと言ったんです。&br()だって、ンンさんと同じ精神年齢の人は、&br()まだ畑で土をほじくり返して遊んでますよ!
【ンン】
大人…私が、大人…&br()初めて言われたです…
【マーク】
だから気にしなくていいですよ!&br()むしろンンさんはもっと、&br()年相応に幼くふるまっても&br()問題ないぐらいです。
【ンン】
そうか。そうだったんですね。&br()私は大人だったですか…!
【マーク】
はい!
【ンン】
良かったです。&br()そう考えると楽になったです。&br()…ふぁ。安心したら、&br()なんだか疲れちゃいましたね…
【マーク】
ん? あれ?&br()ンンちゃん、もうおねむの時間ですか?&br()お姉ちゃんが、&br()一緒に添い寝してあげましょうか~?
【ンン】
…マーク! 言ってるそばから&br()思いっきり子供扱いしてるです!!
-ンン×チキ
チキ→ンン
【チキ】
これが、異界の祭りの場…&br()どの世界でも人は変わらない。&br()豊穣を神に祈り、&br()その祈りが叶わないと絶望し、&br()時にその絶望は争いの種となる…&br()祭りなんて、人間が一方的に神を崇めて、&br()一方的に絶望する儀式でしかないのに。
【ンン】
すごいのです…! これがお祭り会場!&br()こんなに広い場所が、人で埋まるですね…&br()早く屍兵をやっつけて、&br()みんなと遊びたいです!&br()でも、一人でうろうろしたら、&br()迷子と間違われるかもなのです…&br()う~ん…&br()あ! チキさん!
【チキ】
…………
【ンン】
屍兵を倒したら、&br()一緒にお祭り見て回らないですか?&br()私はお祭りが初めてなので、&br()すっごく興味があるのです!
【チキ】
…いいわよ。
【ンン】
ありがとうです!&br()おいしいものも食べたいし、&br()たっくさん遊びたいのです!&br()それから、&br()噴水で思いっきり泳ぐのです!
【チキ】
噴水で…?
【ンン】
はい! チキさんと一緒に竜になって、&br()羽をのばしたら、気持ちいいと思うです!
【チキ】
噴水は人が遊ぶものではないわよ?&br()ましてや竜の姿でなんて、壊れてしまうわ。
【ンン】
えっ!? そうなのですか?&br()それは残念です…&br()う~…
【チキ】
…ふふっ。
【ンン】
あ、チキさん、&br()どうして笑ったですか?
【チキ】
いえ、ごめんなさい。&br()あなたがあんまりにも楽しそうだから、つい。
【ンン】
チキさんは楽しくないですか?
【チキ】
そんなことはないわ。&br()今、楽しくなったところよ。
【ンン】
良かったです!&br()それじゃ、今日は屍兵を倒したら、&br()一日中遊び倒すです!
ンン→チキ
【ンン】
チキさん…
【チキ】
…何かしら?
【ンン】
チキさんは…その……お祭り、&br()楽しみじゃないですか?
【チキ】
いいえ…楽しみよ。&br()どうしてそんなことを聞くの?
【ンン】
だってチキさん…さっきから&br()あんまり楽しそうじゃないです。
【チキ】
そう…あなたにはそう見えたのね。&br()心配させて悪かったわ。&br()でも、感情の表現というものは&br()人それぞれ違うのよ。&br()楽しくてもそれを表に出さない人もいる…&br()特に、私みたいに長く生きすぎると、ね。
【ンン】
大人になると笑わなくなるですか?
【チキ】
中にはそういう人もいる、という話よ。&br()私はもう生き過ぎたから、&br()些細なことでは心が動かなくなってるわ…&br()でも、今日は久々に、&br()楽しみたい気分ではあるのよ。
【ンン】
なら良かったのです!&br()一緒に楽しいお祭りにするです!
【チキ】
…………
【ンン】
ど、どうしたですかチキさん。&br()私の顔をじっと見て…
【チキ】
あ、ごめんなさい。
【ンン】
私…やっぱり一人で&br()はしゃぎ過ぎでしょうか…?
【チキ】
違うの。&br()あなたを見ていたら、&br()忘れていたはずの子供時代を&br()思い出した気がして…
【ンン】
チキさんの子供時代?
【チキ】
ええ。私の子供の頃も…&br()お祭りを見た時はきっと、&br()新鮮な気持ちで&br()楽しんでいたと思うわ。&br()新しいものを見た時、全身で喜びを表して…&br()まわりのみんなに声をかけて…&br()そう、今のあなたみたいにね?
【ンン】
…私みたいに、ですか?&br()ちょっと想像できないのです。
【チキ】
ふぅ…色々と&br()考えが浮かぶものね。&br()興味がないのは生きた時間のせいじゃない…&br()そのせいにして思い込んでいるだけなのかも。&br()これ自体も…&br()新たな発見と言えるのかしら?
【ンン】
………?
【チキ】
そう考えると、私のこれからの人生も&br()まだまだ捨てたわけじゃないわ…&br()新しい発見…ンン、あなたといると、&br()色々大切なことが見つかりそうよ?&br()もっと私に色々と教えてくださいね、&br()ンン先生。
【ンン】
ふぇ!?&br()よ、よくわからないですが…&br()そう言われると照れるのです~!
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