予選その7 vs 四間飛車

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*kureの24名人戦奮闘記 予選その7 ***予選その7 予選折り返し地点となる7局目の相手はnoah9707氏(現R652、最高R933)。振り飛車党で四間飛車他を指しこなす相手。ひさびさの対抗型になりそうだ。 【名人戦6級リーグb 予選07局目(2010/01/10)】  先手▲ noah9707 後手△ kure90 初手からの指し手 ▲7六歩 △8四歩 ▲7八銀 △3四歩 ▲6六歩 △6二銀 ▲6八飛 △4二玉 ▲3八銀 △3二玉 ▲1六歩 △1四歩 ▲4八玉 △5二金右 ▲3九玉 △5四歩 ▲6七銀 △3三角(第1図) 第7局目にして初の後手番となった。今まで6連続先手というのがまぁそもそもおかしかったのだが、対振り飛車戦では先手が欲しかった所。基本的にkureは振り飛車に対して急戦で挑むのが好きなのである。後手番での一手の差は急戦で結構影響がある。先手は想定どおり四間飛車! さてどうするか・・・。 後手番でも「阿久津流△7二飛亜急戦(将棋世界付録より)」という裏芸があるのだが、実戦経験が不足していてイマイチ自信がない。飯島流引き角もあったが、しばらく指していなかったのであまり考えなかった。ここは普通に持久戦狙いで△3三角としてみた。穴熊に組めればラッキー程度で。 #ref(yosen07-01.jpg) ▲7七角 △5三銀 ▲5八金左 △2二玉 ▲4六歩 △4四歩 ▲3六歩 △4三金 ▲3七桂 △3二金 ▲4七金 △1二玉(第2図) 後手は着々と穴熊風な駒組みにしていくが、当然先手も警戒している。▲3六歩~▲3七桂といつでも仕掛ける気満々の様子。kureはあまり居飛穴をやらないのでこの対抗型はどうも先手のが経験値がありそうで危険そう。そこで△1二玉! 世間では米長玉といわれる形だ。これなら先手の角筋から自玉を外していざ急戦を仕掛けられてもある程度強気に迎え撃てる。 #ref(yosen07-02.jpg) 第2図以下の指し手 ▲2八玉 △2四歩 ▲5六歩 △2二銀 ▲7五歩 △7四歩 ▲同 歩 △7二飛 ▲7六銀(第3図) それを見てか先手も▲2八玉と美濃におさまる。これで藤井システムっぽい急戦はなさそうかと安心。後手は△2四歩と突き、狙いは銀冠への組み換えなのである。「矢内流端玉銀冠」だ。居飛穴よりも銀冠のが好きで、さらにこの矢内型に一時凝っていたことがあるのでこれでいってみることにした。 だが△2二銀とした時点で▲7五歩と先手が動いてきた。△2三銀と銀冠を完成させたい処だったが、▲7六銀と出られると自信がなかった。先手に一方的に主導権を握られそうだ。そこで後手も△7四歩の反発。▲同歩△7二飛と7筋での一歩交換を狙う。それでも先手は▲7六銀と出てきた。しかしこれはいささか疑問手だったようだ。▲7八飛と飛車筋には飛車で対抗し、△7四飛なら▲6八角などとぶつける手がありそうだ。 #ref(yosen07-03.jpg) 第3図以下の指し手 △7四飛 ▲7五歩 △7二飛 ▲6五歩 △2三銀 ▲5五歩 △同 歩 ▲同 角 △7三歩 ▲7四歩 △5四歩 ▲7三歩成 △同 桂 ▲7七角 △8五桂(第4図) せっかく交換した歩を▲7五歩と打たされては先手不満だろう。後手は一歩手持ちにして銀冠を完成させる。先手も6筋5筋からさらに動いてくる。この時点で先手角に比べ後手角が働きにくくつらい。△4五歩とついても▲同桂と両取りに跳ねられてダメと思っていたが、△7七角成が飛車取りの先手にもなって成立していたが気付かなかった。 先手は▲5五角と勢いよく飛び出したが△7三歩で問題ない。▲7四歩は指しすぎだった。△5四歩と角取りの先手で▲7三歩成には△同桂と後手右桂を活用させてしまった。角の引き場所▲7七角が悪手。△8五桂と右桂を完全にさばかれてしまった。 #ref(yosen07-04.jpg) 第4図以下の指し手 ▲同 銀 △同 歩 ▲6四歩 △同 歩 ▲6三歩 △8六歩 ▲6二歩成 △同 飛 ▲8六歩 △7二飛 ▲6五歩 △8八歩 ▲6四歩 △6七歩(第5図) こうなると先の△7四歩がいかにも指しすぎだったのがはっきりする。▲7七角ではなく▲8八角なら△4五歩▲同桂△8八角成▲同飛で形成互角だった。銀桂交換で後手飛車先も軽くなりハッキリ後手優勢になった。先手は桂をはねた高美濃なので横の耐久力があまりない。飛車を成り込むことができれば勝てそうだ。 先手も▲6四歩~▲6三歩と軽い勝負手を放ってくる。これは▲6二歩成に△同銀なら▲6四飛~▲8四飛と飛車のさばきを狙った手だ。しかし後手は8筋を突き捨てて▲6二歩成には△同飛でなんでもない。先手は8六歩は角で取ったほうがよかったようだ。以下、 △7二飛▲7三歩△同飛(▲9五角の狙い)▲7七歩でどうか。先手は▲6五歩からなんとか飛車をさばこうとするが、△8八歩がこの形でよくある軽い手筋。放っておいて△8九歩成だと▲7七角も浮いてしまうし、▲同角も△7九銀がある。正着は▲同飛だったが本譜は▲6四歩の攻め合い。これは果たして通るのか? 後手は一本△6七歩と叩く。▲6三歩成の攻め合いは△7七飛成▲同桂△6八歩成で後手勝ちだ。 #ref(yosen07-05.jpg) 第5図以下の指し手 ▲8八飛 △6四銀 ▲4五歩 △7九銀 ▲8七飛 △4五歩 ▲3三角成 △同 桂 ▲6七飛 △6五歩 ▲7七飛 △7六歩(第6図) だが、△6七歩は疑問手だったようだ。単に△8九歩成でいい。以下▲6三歩成は△7七飛成、▲7八歩は△5五桂▲6三歩成△7七飛成▲同歩△4七桂成と強気にせめて後手よし。先手はここで▲8八飛とはらい、今度は▲4五歩から角をさばきにくる。 △7九銀は疑問手。△6八銀と先の歩を生かすのが自然な流れだった。以下▲同角なら△同歩成▲同飛△6六歩▲7七歩△8八歩で後手よし。△4五歩も疑問。後手から角交換させて手順に桂を跳ねたが、△6八銀不成としつこく大駒をいじめればよかった。桂を跳ねた銀冠はやはり底がスースーして固い気がしない・・・。1段飛車で攻められるととても怖い。よってなんとしても先手飛車をさばかせないようにしなければならない。が、そのそばから▲6七飛~▲7七飛とさばかれる。。。先の△7九銀が負担になってしまった。 飛車交換はマズイとおもい弱気に△7六歩。銀は取られるがもともと先手の銀だから、まぁいいやと軽く見ていたが。。。 #ref(yosen07-06.jpg) 第6図以下の指し手 ▲7九飛 △4六歩 ▲4八金引 △8八角 ▲5九飛 △9九角成 ▲7七歩 △同歩成 ▲4四歩 △5三金 ▲1五歩 △2二玉 ▲7三歩 △同 銀 ▲2六桂 △4四金 ▲4五歩(第7図) △7六歩が弱気な上に大悪手。△同飛成▲同桂△4六歩▲4八金引△6八銀成と強気にいくべきだった。この一手で後手優勢から先手優勢に急転直下・・・。優勢のまま素直に勝ち切れないなぁ・・・。 こうなると後手の構想は初志貫徹、先手飛車を絶対にさばかせない&後手飛車を取られないようにするしかない。△8八角から馬をつくってなんとか踏ん張る。▲7七歩は先手の悪手。この歩を打たなくても次に△7七歩成とするつもりだったので願ったり叶ったりだ。先手は手駒が十分なので▲1五歩から端攻めに出てもいい局面だった。あっさり7七にと金を作られて、またまた優劣逆転だ。 ▲4四歩を効かせて遅ればせながら▲1五歩。角筋の脅威はもうないので後手はジッと△2二玉とよる。▲1四歩には△1二歩でふんばろうという魂胆だ。▲2六桂は緩手。▲3四桂△同銀▲6一角が狙いだが、▲1四歩と強気に行き、△6八と▲1三銀△2一玉▲5七飛△7八飛成▲1五桂で形成互角だった。後手の△4四金も弱気な受けで△6八とと攻め合ってよかった。 #ref(yosen07-07.jpg) 第7図以下の指し手 △6八と ▲5六飛 △5五金 ▲7六飛 △7四香 ▲同 飛 △同 銀 ▲3四桂 △同 銀 ▲6一角 △8二飛(第8図) 第7図の▲4五歩で金を動かして、どうしても▲3四桂を飛びたい狙い。△4三金は▲6一角がうるさいので前に繰り出し、▲5六飛~▲7六飛に△7四香と絶対に飛車をさばかせない気合い。対して▲7五銀△同香▲同飛△7四銀と押さえ込むつもりだったが、勢い良く▲7四同飛!とはさすがに無理筋だろう。飛車を捨てても▲3四桂△同銀▲6一角で勝負になると踏んだようだ。だがそれもはっきり後手よしだった。 ・・・のはずだったが、△8二飛が弱気な悪手。どうしても飛車を渡してはいけないという強迫観念がkureから消えなかった。 #ref(yosen07-08.jpg) 第8図以下の指し手 ▲3四角成 △4二桂 ▲2三香 △同 金 ▲3一銀 △1二玉 ▲1四歩(第9図) が飛車を渡す以上に▲3四角成と急所に馬をつくられるほうが厳しかったのだ。これでまたも先手優勢に逆転。ヤレヤレだぜ・・・。後手は受けにつかうカナ駒がない!△4二桂はいかにも苦しい受け。この時点でもうkureは負けを覚悟している。▲2三香~▲3一銀とからんでくる。どうあっても馬を自陣に入れるわけにはいかない! 苦し紛れの△1二玉の粘り。お互い秒読みだ。 端玉には端歩の手筋で▲1四歩。いかにも自然な手だが、これはまずかった。 #ref(yosen07-09.jpg) 第9図以下の指し手 △3四桂 ▲1三歩成 △同 金 ▲4四歩 △4七歩成 ▲同 金 △1八歩 ▲同 香 △1七歩 ▲同 香 △2五桂 ▲同 桂 △同 歩 ▲2四桂 △2三玉 ▲4三歩成 △1六歩▲同 香 △1五歩 ▲3二桂成 △1六歩 ▲3三と △1四玉 ▲1八歩 △1五香 ▲2二銀不成△1七歩成(第10図) △3四桂と一番の脅威である馬を払う。と、同時に8二飛が受けに効いてきたのだ! これで▲1三銀からの寄せがなくなった。先の▲1四歩では▲2一銀と打てば先手ハッキリ勝ちだったのだ。この数手でまたまたまた優劣逆転、先手勝勢から一気に後手勝勢! あとは先手が必死にせめてくるが、後手もかなり怖い場面だったが、どうやってもきわどく寄らないのだ。 ▲4四歩と緩手に△1八歩から歩を連打して玉頭の脅威も取り去り、完全な安全を目指しながら先手玉にも迫る。△1四玉と上がった形はもう寄らない。端からの逆襲を目指し△1五香から△1七歩成と寄せにかかる。ここからは後手のターンだ!! #ref(yosen07-10.jpg) 第10図以下の指し手 ▲3九玉 △6六馬 ▲5七歩 △2八角 ▲4八玉 △5六桂 ▲同 金(途中図) △同 金 ▲1三銀成 △同 玉 ▲2三と △同 玉(結果図) まで154手で後手の勝ち 後手の手駒は豊富なのでなんとか寄せれるだろうと思った。が、△5六桂▲同金(途中図)で手がとまる。 #ref(yosen07-10b.jpg) ここから△5八飛・・・から寄るんだろうかこれ。寄らなかったらさらに駒をいっぱいわたすから今度はこっちがやばくないか? 玉型から大丈夫そうにも思えるけど・・・。と秒読みでは寄せを読み切れず、△5六同金と一手スキ。するとノータイムで先手が▲1三銀成としてきてびっくりした。げ、まさか詰まされるのか!? やっちまったなぁ、オイ! 男は黙って投了! と考えがよぎったが、よくみれば全然つまない。うっかり△同香なら▲△びびらせおって・・・。なんとか辛勝。圧倒的に優勢だったのにやはりそこからコロコロ優劣入れ替わってなかなかまっすぐ勝ち切れないなぁ。 ちなみに、途中図からは△5八飛から▲同金△同と▲同玉△4六桂▲同金△5七馬▲同玉△4六角成▲6七玉△6六金▲7八玉△8七金▲同玉△8六飛▲同玉△8五香▲9六玉△8六金▲9五玉△7三馬▲8四歩△9四歩で即詰みあり。手順は長いがわりと一直線なので3分くらい余裕があれば読めたかも・・・。 #ref(yosen07-11.jpg) 開始日時:2010/01/10 21:28:32 棋戦:名人戦6級リーグb 予選07 戦型:四間飛車・居飛車銀冠 先手:noah9707 後手:kure90 ▲7六歩 △8四歩 ▲7八銀 △3四歩 ▲6六歩 △6二銀 ▲6八飛 △4二玉 ▲3八銀 △3二玉 ▲1六歩 △1四歩 ▲4八玉 △5二金右 ▲3九玉 △5四歩 ▲6七銀 △3三角 ▲7七角 △5三銀 ▲5八金左 △2二玉 ▲4六歩 △4四歩 ▲3六歩 △4三金 ▲3七桂 △3二金 ▲4七金 △1二玉 ▲2八玉 △2四歩 ▲5六歩 △2二銀 ▲7五歩 △7四歩 ▲同 歩 △7二飛 ▲7六銀 △7四飛 ▲7五歩 △7二飛 ▲6五歩 △2三銀 ▲5五歩 △同 歩 ▲同 角 △7三歩 ▲7四歩 △5四歩 ▲7三歩成 △同 桂 ▲7七角 △8五桂 ▲同 銀 △同 歩 ▲6四歩 △同 歩 ▲6三歩 △8六歩 ▲6二歩成 △同 飛 ▲8六歩 △7二飛 ▲6五歩 △8八歩 ▲6四歩 △6七歩 ▲8八飛 △6四銀 ▲4五歩 △7九銀 ▲8七飛 △4五歩 ▲3三角成 △同 桂 ▲6七飛 △6五歩 ▲7七飛 △7六歩 ▲7九飛 △4六歩 ▲4八金引 △8八角 ▲5九飛 △9九角成 ▲7七歩 △同歩成 ▲4四歩 △5三金 ▲1五歩 △2二玉 ▲7三歩 △同 銀 ▲2六桂 △4四金 ▲4五歩 △6八と ▲5六飛 △5五金 ▲7六飛 △7四香 ▲同 飛 △同 銀 ▲3四桂 △同 銀 ▲6一角 △8二飛 ▲3四角成 △4二桂 ▲2三香 △同 金 ▲3一銀 △1二玉 ▲1四歩 △3四桂 ▲1三歩成 △同 金 ▲4四歩 △4七歩成 ▲同 金 △1八歩 ▲同 香 △1七歩 ▲同 香 △2五桂 ▲同 桂 △同 歩 ▲2四桂 △2三玉 ▲4三歩成 △1六歩 ▲同 香 △1五歩 ▲3二桂成 △1六歩 ▲3三と △1四玉 ▲1八歩 △1五香 ▲2二銀不成△1七歩成 ▲3九玉 △6六馬 ▲5七歩 △2八角 ▲4八玉 △5六桂 ▲同 金 △同 金 ▲1三銀成 △同 玉 ▲2三と △同 玉 まで154手で後手の勝ち -[[kureの24名人戦奮闘記]]
*kureの24名人戦奮闘記 予選その7 ***予選その7 予選折り返し地点となる7局目の相手はnoah9707氏(現R652、最高R933)。振り飛車党で四間飛車他を指しこなす相手。ひさびさの対抗型になりそうだ。 【名人戦6級リーグb 予選07局目(2010/01/10)】  先手▲ noah9707 後手△ kure90 初手からの指し手 ▲7六歩 △8四歩 ▲7八銀 △3四歩 ▲6六歩 △6二銀 ▲6八飛 △4二玉 ▲3八銀 △3二玉 ▲1六歩 △1四歩 ▲4八玉 △5二金右 ▲3九玉 △5四歩 ▲6七銀 △3三角(第1図) 第7局目にして初の後手番となった。今まで6連続先手というのがまぁそもそもおかしかったのだが、対振り飛車戦では先手が欲しかった所。基本的にkureは振り飛車に対して急戦で挑むのが好きなのである。後手番での一手の差は急戦で結構影響がある。先手は想定どおり四間飛車! さてどうするか・・・。 後手番でも「阿久津流△7二飛亜急戦(将棋世界付録より)」という裏芸があるのだが、実戦経験が不足していてイマイチ自信がない。飯島流引き角もあったが、しばらく指していなかったのであまり考えなかった。ここは普通に持久戦狙いで△3三角としてみた。穴熊に組めればラッキー程度で。 #ref(yosen07-01.jpg) ▲7七角 △5三銀 ▲5八金左 △2二玉 ▲4六歩 △4四歩 ▲3六歩 △4三金 ▲3七桂 △3二金 ▲4七金 △1二玉(第2図) 後手は着々と穴熊風な駒組みにしていくが、当然先手も警戒している。▲3六歩~▲3七桂といつでも仕掛ける気満々の様子。kureはあまり居飛穴をやらないのでこの対抗型はどうも先手のが経験値がありそうで危険そう。そこで△1二玉! 世間では米長玉といわれる形だ。これなら先手の角筋から自玉を外していざ急戦を仕掛けられてもある程度強気に迎え撃てる。 #ref(yosen07-02.jpg) 第2図以下の指し手 ▲2八玉 △2四歩 ▲5六歩 △2二銀 ▲7五歩 △7四歩 ▲同 歩 △7二飛 ▲7六銀(第3図) それを見てか先手も▲2八玉と美濃におさまる。これで藤井システムっぽい急戦はなさそうかと安心。後手は△2四歩と突き、狙いは銀冠への組み換えなのである。「矢内流端玉銀冠」だ。居飛穴よりも銀冠のが好きで、さらにこの矢内型に一時凝っていたことがあるのでこれでいってみることにした。 だが△2二銀とした時点で▲7五歩と先手が動いてきた。△2三銀と銀冠を完成させたい処だったが、▲7六銀と出られると自信がなかった。先手に一方的に主導権を握られそうだ。そこで後手も△7四歩の反発。▲同歩△7二飛と7筋での一歩交換を狙う。それでも先手は▲7六銀と出てきた。しかしこれはいささか疑問手だったようだ。▲7八飛と飛車筋には飛車で対抗し、△7四飛なら▲6八角などとぶつける手がありそうだ。 #ref(yosen07-03.jpg) 第3図以下の指し手 △7四飛 ▲7五歩 △7二飛 ▲6五歩 △2三銀 ▲5五歩 △同 歩 ▲同 角 △7三歩 ▲7四歩 △5四歩 ▲7三歩成 △同 桂 ▲7七角 △8五桂(第4図) せっかく交換した歩を▲7五歩と打たされては先手不満だろう。後手は一歩手持ちにして銀冠を完成させる。先手も6筋5筋からさらに動いてくる。この時点で先手角に比べ後手角が働きにくくつらい。△4五歩とついても▲同桂と両取りに跳ねられてダメと思っていたが、△7七角成が飛車取りの先手にもなって成立していたが気付かなかった。 先手は▲5五角と勢いよく飛び出したが△7三歩で問題ない。▲7四歩は指しすぎだった。△5四歩と角取りの先手で▲7三歩成には△同桂と後手右桂を活用させてしまった。角の引き場所▲7七角が悪手。△8五桂と右桂を完全にさばかれてしまった。 #ref(yosen07-04.jpg) 第4図以下の指し手 ▲同 銀 △同 歩 ▲6四歩 △同 歩 ▲6三歩 △8六歩 ▲6二歩成 △同 飛 ▲8六歩 △7二飛 ▲6五歩 △8八歩 ▲6四歩 △6七歩(第5図) こうなると先の△7四歩がいかにも指しすぎだったのがはっきりする。▲7七角ではなく▲8八角なら△4五歩▲同桂△8八角成▲同飛で形成互角だった。銀桂交換で後手飛車先も軽くなりハッキリ後手優勢になった。先手は桂をはねた高美濃なので横の耐久力があまりない。飛車を成り込むことができれば勝てそうだ。 先手も▲6四歩~▲6三歩と軽い勝負手を放ってくる。これは▲6二歩成に△同銀なら▲6四飛~▲8四飛と飛車のさばきを狙った手だ。しかし後手は8筋を突き捨てて▲6二歩成には△同飛でなんでもない。先手は8六歩は角で取ったほうがよかったようだ。以下、 △7二飛▲7三歩△同飛(▲9五角の狙い)▲7七歩でどうか。先手は▲6五歩からなんとか飛車をさばこうとするが、△8八歩がこの形でよくある軽い手筋。放っておいて△8九歩成だと▲7七角も浮いてしまうし、▲同角も△7九銀がある。正着は▲同飛だったが本譜は▲6四歩の攻め合い。これは果たして通るのか? 後手は一本△6七歩と叩く。▲6三歩成の攻め合いは△7七飛成▲同桂△6八歩成で後手勝ちだ。 #ref(yosen07-05.jpg) 第5図以下の指し手 ▲8八飛 △6四銀 ▲4五歩 △7九銀 ▲8七飛 △4五歩 ▲3三角成 △同 桂 ▲6七飛 △6五歩 ▲7七飛 △7六歩(第6図) だが、△6七歩は疑問手だったようだ。単に△8九歩成でいい。以下▲6三歩成は△7七飛成、▲7八歩は△5五桂▲6三歩成△7七飛成▲同歩△4七桂成と強気にせめて後手よし。先手はここで▲8八飛とはらい、今度は▲4五歩から角をさばきにくる。 △7九銀は疑問手。△6八銀と先の歩を生かすのが自然な流れだった。以下▲同角なら△同歩成▲同飛△6六歩▲7七歩△8八歩で後手よし。△4五歩も疑問。後手から角交換させて手順に桂を跳ねたが、△6八銀不成としつこく大駒をいじめればよかった。桂を跳ねた銀冠はやはり底がスースーして固い気がしない・・・。1段飛車で攻められるととても怖い。よってなんとしても先手飛車をさばかせないようにしなければならない。が、そのそばから▲6七飛~▲7七飛とさばかれる。。。先の△7九銀が負担になってしまった。 飛車交換はマズイとおもい弱気に△7六歩。銀は取られるがもともと先手の銀だから、まぁいいやと軽く見ていたが。。。 #ref(yosen07-06.jpg) 第6図以下の指し手 ▲7九飛 △4六歩 ▲4八金引 △8八角 ▲5九飛 △9九角成 ▲7七歩 △同歩成 ▲4四歩 △5三金 ▲1五歩 △2二玉 ▲7三歩 △同 銀 ▲2六桂 △4四金 ▲4五歩(第7図) △7六歩が弱気な上に大悪手。△同飛成▲同桂△4六歩▲4八金引△6八銀成と強気にいくべきだった。この一手で後手優勢から先手優勢に急転直下・・・。優勢のまま素直に勝ち切れないなぁ・・・。 こうなると後手の構想は初志貫徹、先手飛車を絶対にさばかせない&後手飛車を取られないようにするしかない。△8八角から馬をつくってなんとか踏ん張る。▲7七歩は先手の悪手。この歩を打たなくても次に△7七歩成とするつもりだったので願ったり叶ったりだ。先手は手駒が十分なので▲1五歩から端攻めに出てもいい局面だった。あっさり7七にと金を作られて、またまた優劣逆転だ。 ▲4四歩を効かせて遅ればせながら▲1五歩。角筋の脅威はもうないので後手はジッと△2二玉とよる。▲1四歩には△1二歩でふんばろうという魂胆だ。▲2六桂は緩手。▲3四桂△同銀▲6一角が狙いだが、▲1四歩と強気に行き、△6八と▲1三銀△2一玉▲5七飛△7八飛成▲1五桂で形成互角だった。後手の△4四金も弱気な受けで△6八とと攻め合ってよかった。 #ref(yosen07-07.jpg) 第7図以下の指し手 △6八と ▲5六飛 △5五金 ▲7六飛 △7四香 ▲同 飛 △同 銀 ▲3四桂 △同 銀 ▲6一角 △8二飛(第8図) 第7図の▲4五歩で金を動かして、どうしても▲3四桂を飛びたい狙い。△4三金は▲6一角がうるさいので前に繰り出し、▲5六飛~▲7六飛に△7四香と絶対に飛車をさばかせない気合い。対して▲7五銀△同香▲同飛△7四銀と押さえ込むつもりだったが、勢い良く▲7四同飛!とはさすがに無理筋だろう。飛車を捨てても▲3四桂△同銀▲6一角で勝負になると踏んだようだ。だがそれもはっきり後手よしだった。 ・・・のはずだったが、△8二飛が弱気な悪手。どうしても飛車を渡してはいけないという強迫観念がkureから消えなかった。 #ref(yosen07-08.jpg) 第8図以下の指し手 ▲3四角成 △4二桂 ▲2三香 △同 金 ▲3一銀 △1二玉 ▲1四歩(第9図) が飛車を渡す以上に▲3四角成と急所に馬をつくられるほうが厳しかったのだ。これでまたも先手優勢に逆転。ヤレヤレだぜ・・・。後手は受けにつかうカナ駒がない!△4二桂はいかにも苦しい受け。この時点でもうkureは負けを覚悟している。▲2三香~▲3一銀とからんでくる。どうあっても馬を自陣に入れるわけにはいかない! 苦し紛れの△1二玉の粘り。お互い秒読みだ。 端玉には端歩の手筋で▲1四歩。いかにも自然な手だが、これはまずかった。 #ref(yosen07-09.jpg) 第9図以下の指し手 △3四桂 ▲1三歩成 △同 金 ▲4四歩 △4七歩成 ▲同 金 △1八歩 ▲同 香 △1七歩 ▲同 香 △2五桂 ▲同 桂 △同 歩 ▲2四桂 △2三玉 ▲4三歩成 △1六歩▲同 香 △1五歩 ▲3二桂成 △1六歩 ▲3三と △1四玉 ▲1八歩 △1五香 ▲2二銀不成△1七歩成(第10図) △3四桂と一番の脅威である馬を払う。と、同時に8二飛が受けに効いてきたのだ! これで▲1三銀からの寄せがなくなった。先の▲1四歩では▲2一銀と打てば先手ハッキリ勝ちだったのだ。この数手でまたまたまた優劣逆転、先手勝勢から一気に後手勝勢! あとは先手が必死にせめてくるが、後手もかなり怖い場面だったが、どうやってもきわどく寄らないのだ。 ▲4四歩と緩手に△1八歩から歩を連打して玉頭の脅威も取り去り、完全な安全を目指しながら先手玉にも迫る。△1四玉と上がった形はもう寄らない。端からの逆襲を目指し△1五香から△1七歩成と寄せにかかる。ここからは後手のターンだ!! #ref(yosen07-10.jpg) 第10図以下の指し手 ▲3九玉 △6六馬 ▲5七歩 △2八角 ▲4八玉 △5六桂 ▲同 金(途中図) △同 金 ▲1三銀成 △同 玉 ▲2三と △同 玉(結果図) まで154手で後手の勝ち 後手の手駒は豊富なのでなんとか寄せれるだろうと思った。が、△5六桂▲同金(途中図)で手がとまる。 #ref(yosen07-10b.jpg) ここから△5八飛・・・から寄るんだろうかこれ。寄らなかったらさらに駒をいっぱいわたすから今度はこっちがやばくないか? 玉型から大丈夫そうにも思えるけど・・・。と秒読みでは寄せを読み切れず、△5六同金と一手スキ。するとノータイムで先手が▲1三銀成としてきてびっくりした。げ、まさか詰まされるのか!? やっちまったなぁ、オイ! 男は黙って投了! と考えがよぎったが、よくみれば全然つまない。うっかり△同香なら▲2三銀からトン死だったのだが△同玉でなんでもなかった。なんとか辛勝。圧倒的に優勢だったのにやはりそこからコロコロ優劣入れ替わってなかなかまっすぐ勝ち切れないなぁ。 ちなみに、途中図からは△5八飛から▲同金△同と▲同玉△4六桂▲同金△5七馬▲同玉△4六角成▲6七玉△6六金▲7八玉△8七金▲同玉△8六飛▲同玉△8五香▲9六玉△8六金▲9五玉△7三馬▲8四歩△9四歩で即詰みあり。手順は長いがわりと一直線なので3分くらい余裕があれば読めたかも・・・。 #ref(yosen07-11.jpg) 開始日時:2010/01/10 21:28:32 棋戦:名人戦6級リーグb 予選07 戦型:四間飛車・居飛車銀冠 先手:noah9707 後手:kure90 ▲7六歩 △8四歩 ▲7八銀 △3四歩 ▲6六歩 △6二銀 ▲6八飛 △4二玉 ▲3八銀 △3二玉 ▲1六歩 △1四歩 ▲4八玉 △5二金右 ▲3九玉 △5四歩 ▲6七銀 △3三角 ▲7七角 △5三銀 ▲5八金左 △2二玉 ▲4六歩 △4四歩 ▲3六歩 △4三金 ▲3七桂 △3二金 ▲4七金 △1二玉 ▲2八玉 △2四歩 ▲5六歩 △2二銀 ▲7五歩 △7四歩 ▲同 歩 △7二飛 ▲7六銀 △7四飛 ▲7五歩 △7二飛 ▲6五歩 △2三銀 ▲5五歩 △同 歩 ▲同 角 △7三歩 ▲7四歩 △5四歩 ▲7三歩成 △同 桂 ▲7七角 △8五桂 ▲同 銀 △同 歩 ▲6四歩 △同 歩 ▲6三歩 △8六歩 ▲6二歩成 △同 飛 ▲8六歩 △7二飛 ▲6五歩 △8八歩 ▲6四歩 △6七歩 ▲8八飛 △6四銀 ▲4五歩 △7九銀 ▲8七飛 △4五歩 ▲3三角成 △同 桂 ▲6七飛 △6五歩 ▲7七飛 △7六歩 ▲7九飛 △4六歩 ▲4八金引 △8八角 ▲5九飛 △9九角成 ▲7七歩 △同歩成 ▲4四歩 △5三金 ▲1五歩 △2二玉 ▲7三歩 △同 銀 ▲2六桂 △4四金 ▲4五歩 △6八と ▲5六飛 △5五金 ▲7六飛 △7四香 ▲同 飛 △同 銀 ▲3四桂 △同 銀 ▲6一角 △8二飛 ▲3四角成 △4二桂 ▲2三香 △同 金 ▲3一銀 △1二玉 ▲1四歩 △3四桂 ▲1三歩成 △同 金 ▲4四歩 △4七歩成 ▲同 金 △1八歩 ▲同 香 △1七歩 ▲同 香 △2五桂 ▲同 桂 △同 歩 ▲2四桂 △2三玉 ▲4三歩成 △1六歩 ▲同 香 △1五歩 ▲3二桂成 △1六歩 ▲3三と △1四玉 ▲1八歩 △1五香 ▲2二銀不成△1七歩成 ▲3九玉 △6六馬 ▲5七歩 △2八角 ▲4八玉 △5六桂 ▲同 金 △同 金 ▲1三銀成 △同 玉 ▲2三と △同 玉 まで154手で後手の勝ち -[[kureの24名人戦奮闘記]]

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