技術メモ

このページでは、各メンバーが持っている役に立つかもしれない技術を掲載していきます。

 (メンバーの方はこのページに情報提供をお願いします)


○元絵の準備

ガラスの裏に貼り付ける(人によっては横に置くだけ)為の元絵を用意。
通常はプリンタで印刷しますが、ちょっとした前準備をする人もいます。
■縦横(アスペクト)比の調整
コップに彫る場合、丸みのせいで横長になってしまいます。
コップの種類にもよりますが、横のみ90%程度に縮小するといいでしょう。
■コントラストの調整
白黒の濃さをはっきりと強くする事で、彫る場所がわかりやすくなります。
あまり強くすると微妙な色の変化がわからなくなるので注意しましょう。

細かい事はあまり気にせず、自分に合う方法を徐々に探していけばよいと思います。


○下絵(トレス)について

マジックで下絵を描く前は、溶剤を含ませたティッシュやアルコールを含んだウェットティッシュで綺麗にふき取り、描いたあと1晩かわかすと長持ちします。
描く際は手袋を付けると、手の油がつかず、なお良いでしょう。
注:ルーターで彫る段階になったら手袋は外しましょう。機械に絡まると大変です。

書く時は、視点を常に真上(あるいは一定の角度)に持って行く事を心がけましょう。
ガラスの厚みのせいで、視点を変えると書く位置がズレてしまいます。
特に顔のパーツを書く時は用心し、人によっては片目をつぶります。

トレスの線が消えやすい!などのことがあった場合はトレスしたあと2、3日くらいおくと
線が消えにくくなります




○ルーターで使用するビットについて

■丸(球)
 もっとも一般的で万能なビットで、入手も楽です。
 線も面も彫れますが、本当に細かい箇所は細長いビットを使う人が多いです。
 丸ビットは大きさが色々ありますが、大きい丸は面塗り時しか使わない人が大半。
 小さい丸は万能ですが、見て判るほど歪んだ安物は避けるのが無難です。
■細長い円柱
 直線を彫るのに重宝されているビットです。
 人によっては、小さい丸ビットよりも綺麗な直線が引けるかも。
■細長い円錐
 とんがったビットです。細かい所や細い線を彫る時に使う人が多いようです。
 こだわりのある人が細かい箇所を彫る時によく使われます。
 ただ消耗が早く、安物は不良品(ダイヤ粒が先端についてない等)の確率が高い!
■細くない円錐(横から見ると三角)
 恐らく使う人があまりいません。
■太い円柱(横から見ると長方形)
 使う人があまりいないビットです。直線を彫るには使えます。
 ほとんどの人は、上記の細長い円柱を好むようです。
 また側面は普段全く使わないので、何かしら研磨の道具にしたりする事も。
■その他
 つぼみ(水滴)型、砥石など様々ありますが、好んで使う人は少数です。
 使い方次第では、何かしら面白い彫り方ができるかもしれません。

○基本的な彫り方

 人それぞれの彫り方がありますが、最低限注意する点を書きます。
■力を入れない
 ビットをガラスに強く押し付けると、ビットが暴れて上手く彫れなかったり、
 予想外に深く彫れ過ぎたり、ルーターや手に負担がかかったりします。
■粉をこまめに拭きとる
 よく見えないまま彫ると、取り返しのつかない失敗につながります。
■回転速度を考える
 用途に応じて回転速度を変えましょう。普段は低速が無難です。


○原画のアスペクト比調整に関する考察

<1>原画転写方法による補正

原画をグラスに転写する方法として、一般的に二つの方法がある。

(1)グラス内側に下絵を張って、マーカーでグラス表面をなぞる方法。
この方法は、原画をなぞるとガラスの厚み分だけ、円周方向に伸びる。

以下、証明
円周L=π×直径 なので、
外径(直径)=内径(直径)+ガラス厚×2 とすると、
内径円周L=π×内径
外周円周L’=π×(内径+ガラス厚)
 =π×内径+π×ガラス厚×2
 =内径円周L+π×ガラス厚×2
したがって、
ガラス表面に書き写した下絵は(π×ガラス厚×2)だけ、横長になる。

具体例を挙げると、
外径70mm、厚さ3.5mmのグラスだと、横に10%伸びる。
直径が小さいか、ガラスの厚いグラスの場合は、原画より横長になりやすい。

(2)グラスの表面にカーボン紙を張り付け、その上に原画を張り付けて、カーボンコピーする方法。
当然だが、グラスの直径、ガラスの厚みは一切考慮する必要はなく、原画そのままの下絵がガラス表面に描かれる。

<2>グラスの曲率による横方向の見た目上の圧縮効果

どちらの方法でも問題になるのが、グラスが曲面であること。
グラスを鑑賞するとき、目からグラスまでの距離は、おおよそ300~400mmぐらいとする。
直径70mmのグラスで350mm離れたところから見た場合、グラス全周の168.5度が見える計算になる。ただし、端の方は勾配がついて横方向に圧縮され、実際はほとんど見えないとこになる。ちゃんと、絵に見える範囲としては、せいぜい、90度程度だろう。
このことより、アップなら顔、ウェストアップや全身像なら胴体はグラスの90度の範囲に入れておきたい。
ただ、90度の範囲にしても、若干は横に圧縮される。前述の条件でいうと、見かけ上87%圧縮されることになる。一方、45度の範囲であれば、97%とほとんど圧縮されない。
つまり、全身像などの場合、頭部はよほど頭の大きなキャラクターでない限り45度の範囲に入り、横の圧縮がされないが、身体の方は45度から外に広がるので両サイドは圧縮される形になる。図柄によっては、身体が細く貧弱に見える可能性もある。
逆に、アップの場合は顔はもともと平面的でないので目と目の間が45°以内に収まっていれば、グラスの丸みが立体感を持たせてくれるように作用すると考えられる。ただし、首を傾げたりするように顔が斜めになる場合は絵が歪む可能性が高いので工夫が必要と思われる。
最終更新:2013年12月08日 10:11
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