1 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/06/04(金) 23:46:35 ID:n0YDr4lc0
短歌、俳句、ソネットなどとブーン系との接点を探るスレです
一般からの引用・借用・オリジナルなどは問いません。練習スレの面もあるので、
気軽に書き込んでください。
5 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/06/05(土) 00:17:16 ID:6vI6DF7c0
「マッチする 束の間海に 霧深し 身捨つるほどの 祖国はありや」 寺山修司
('A`)「火、くれるか」
(´<_` )「ほれ」
(´<_` )「しかしひどいもんだったな
なんのための戦いだったのか」
('A`)「この煙みたいなもんだろうよ、祖国なんてもんは」
(´<_` )「この連絡船ももうそろそろで港につく。そうしたら、家族が待ってるはずだ。
これで俺は家業をやっと継げるんだ」
(´<_` )「しかし、長かった。長すぎた」
('A`)「・・・・・・・・・・」
俺は?俺にはこれから一体何が残されていると言うんだ。
俺は、祖国や、イデオロギーや、上官や、戦友に代わるもんを見つけなきゃいけない。
これから、一人で。
少なくともこのタバコを吸い終わるまでには見つからないだろう。
煙をもうひと吐きする。
6 :1/2:2010/06/05(土) 00:37:56 ID:6vI6DF7c0
水銀のごとき光に海見えてレインコートを着る部屋の中 ー近藤芳美
J( 'ー`)し「ドクオ、ご飯よ」
J( 'ー`)し「ねえ、あんたったらいつまでそんなこと続けるつもり?」
.('A`)「うるさいな、構わないでくれよ」
クソ面白くない学校は3ヶ月でやめてしまった。
「高校に入ったら、今までの過去は精算して、夏はみんなで海に行くような
リア充になるんだ」
そう考えていた。
が、今、夏の海は俺の部屋からは遠くへだたったところにある。
それはギラギラときらめいていることだろう。
8 :1/2:2010/06/05(土) 00:43:54 ID:6vI6DF7c0
今俺の部屋でギラギラと煌めいているもの。
それは、買って一回も着た事のないレインコートだけだ。
壁にかけられ、電灯を浴びて不気味に光っている。
J( 'ー`)し「ドクオ、早く降りてき・・
何やってんの、部屋の中でレインコートなんか来て」
('A`)「いや、なんか
海に行きたくて」
12 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/06/05(土) 01:03:40 ID:6vI6DF7c0
「下町の 灯かげ数えて 飽くるなき 妻と我とは いまだ幼し」 吉田隆義
(,,゚Д゚)「また、やってる。 おい、帰ったぞ」
(*゚ー゚) 「あ、お帰り。
ねえ、今日は65個あったよ」
(,,゚Д゚)「嘘つけ、昨日は37個だったぞ」
(*゚ー゚) 「嘘だと思うなら数えてご覧なさいよ」
俺は夕暮れの窓から下町の灯かげを数えようとした。
が、一目瞭然であった。
(,,゚Д゚)「あ・・・ほんとだ、一気に増えたな
しかしこんな下町にまで・・・・・」
(*゚ー゚) 「そのうちここも取り壊されて、あんなマンションなんかになるのかなあ」
13 :1/2:2010/06/05(土) 01:44:27 ID:6vI6DF7c0
「オルガンが 地下の部屋より 湧くときに しみじみ世界とともに老いたし」 斉藤正二
/ ,' 3 「もう、そんなに急かさんでくれよ・・・・
わしはもうただの年寄りだ
君が思ってるような革命家じゃもうないんだ」
(;-@∀@)「で、で、ですが!!
今こそ同士のお力が必要なのです!この古い世界を打ち捨てて、真の共産主義社会を
実現する!それは今なのです!」
/ ,' 3 「古い世界・・・か」
その時、どこからともなくセピア色の音色が響いてきた。
14 :2/2:2010/06/05(土) 01:47:52 ID:6vI6DF7c0
/ ,' 3「ああ、あれはわしの孫が弾いてるんだよ。
地下室にあるオルガンだ。まだこんな曲しか弾けんがね、まあ、うまくなったもんだ」
孫!
かつてその著作の中で、一切の旧来的制度を否定し、この世界の滅亡を企んだ
その人に、 孫!
青年は思った。
この老革命家は、自分がかつて葬り去ろうとした世界とともに老いてゆくのだろう、と
(-@A@)「・・・・同士には失望しました」
/ ,' 3 「君・・・そんなものを・・・穏やかでないね」
17 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/06/05(土) 10:30:26 ID:RlHdrSbA0
「梅干あざやかな飯粒ひかる」 種田山頭火
夜中に玄関の戸をたたく音に目を覚ました。
苛立たしげに立てつけの悪いアパートのドアを開ける。
ドアのチェーン越しに、顔色の悪いかつての親友と目があった。
(;^ω^)「ドクオ……どうしたお、こんな時間に」
チェーンを外して慌てて招き入れる。
そっと背を押すと、初夏と言うべき季節にも関わらず
Tシャツ越しの旧友の皮膚は冷え切っていた。
数年前に同じ大学で学んでいたころよりも、さらに皮が薄くなったように見えた。
('A`)「……」
( ^ω^)「お?」
ぱくぱくと口を動かす男の声は聞きとれない。
耳を寄せてやっと、低く疲れた声をようやく拾う事が出来た。
18 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/06/05(土) 10:31:08 ID:RlHdrSbA0
鍋に残った夕飯の飯を温めて握っただけのものを渡す。
彼は抱え込むようにしてそれを口に運んだ。
ささくれた古い畳の上で膝を抱えて飯を食う男は、どうにも悲しそうな色をしている。
( ^ω^)「ゆっくり食えお」
('A`)「うん……急にきて、ごめん」
ここでようやく、旧友はまともな声を上げた。
( ^ω^)「いいお。ほら、腹減ってたんなら、食っちまえお」
がつがつ、握り飯を食って。
梅干の種を吐いて。
('A`)
(;A;)
(うAと)
( ^ω^)「いいお、隠さなくっても。見えねーからお」
(;A;)「う、あ……おれ……」
19 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/06/05(土) 10:31:53 ID:RlHdrSbA0
友人はとつとつ語った。
彼の母が数年前に亡くなった事。
借金があって大学にはいられなくなった事。
勉強したかったのをこらえて、ずっと働いた事。
職場の上司に、大学中退と嫌味を言われて、つい手をあげそうになった事。
金もなく、どんどんやつれて食欲もなくなってしまった事。
夜道をあてどもなく歩いていたら、大学時代に通った僕の家を見つけた事。
(;A;)「でも、おれ……思い出したんだ……おれ、かーちゃんの」
握り飯が急に食いたくなった事。
20 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/06/05(土) 10:32:36 ID:RlHdrSbA0
(;A;)「ごめんなぁ、内藤。本当に、おれ、変な時間に……」
( ^ω^)「迷惑な奴だお」
(うA;)「ご、ご、ごめ」
うじゃうじゃと謝る男の頭を、僕はべちんと叩いた。
( ^ω^)「なんでその時に言わなかったんだお、馬鹿たれ」
(;A;)「!」
( ^ω^)「知り合いに弁護士やってる奴がいるお。
後で紹介してやるから、借金のこととか、相談しろお」
汚らしく顔を濡らして泣く親友が、大きく開いた目から涙をぼとりと零した。
黄ばんだ畳の上に置かれた皿には、赤く梅干のはみ出した不格好な握り飯が乗っている。
何故だか、ひどく腹の減る光景だった。
おわり
24 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/06/05(土) 12:10:52 ID:6vI6DF7c0
「窓ガラスの一つ一つに歪みあり夕暮れを帰る少女らの群れ」 鈴木千代治
ξ゚⊿゚)ξ「あ、へんなの」
ζ(゚ー゚*ζ「やだ・・・横にビヨーンってなってるし」
(*゚ー゚) 「ねえねえ、こっちのガラスはやたらとスリムに見えるよっ」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、あたしそっちいこ」
ζ(゚ー゚*ζ「ずーるーいーっ」
ξ゚⊿゚)ξ「へへんっ
デーブデーブ、デレのデーブ」
ζ(゚ー゚*ζ「本当に!怒るよ!」
(*゚ー゚) 「怒った・・にげーろー」
25 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/06/05(土) 12:39:05 ID:6vI6DF7c0
「手に持てるノートに西日さしし時にわかに旅の汽車を思ひぬ」 常盤井麿
川 ゚ -゚) 「次は数学の講義・・・・急がねば」
西日射す廊下を早足で歩く。
手に持っているノートの上に、西日が落ちては過ぎていく。
電車の旅、それを思った。
一回もそんな体験はないはずだが、西日射す窓辺の向かい合わせの席に
誰かと座っている。そんな情景が頭に浮かんだ。
でも、その誰かの顔だけ暗くて見えない。
川 ゚ -゚) 「遠くへ行きたい、でも、誰かとなんて?
考えてみたことも無かったな」
気がつくととうに講義室を過ぎていた。
27 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/06/05(土) 20:34:21 ID:6vI6DF7c0
「眠られぬ母のためわが読む童話母が寝入りし後王子死す」 岡井隆
('A`)「カーチャン、眠れないのか」
J( 'ー`)し 「うん。ずっとこうして一日中ベッドにいるとね、疲れないから眠れないのよ」
('A`)「そういや俺、寝る前にカーチャンに絵本読んでもらってそのまま寝てたっけ、小さい頃」
J( 'ー`)し 「小さいも何も、小5までそうだったよ」
('A`)「そうだったか!?
まあそれは置いといて、俺が今度はカーチャンに絵本読んでやる番だと思って、買ってきたんだ。
読んでやるよ」
J( 'ー`)し「うれしいねえ、聞かせておくれ」
28 :2/2:2010/06/05(土) 20:40:49 ID:6vI6DF7c0
('A`)「・・・・・こうして王子様は綺麗なお姫様をもらい、二人は幸せに暮らしました」
J( 'ー`)し「・・・よかった・・・ねえ・・・・」
('A`)「しかし二人の幸せな日々は長く続きませんでした。
王子様は、森を散歩中に毒蛇にかまれてしまったのです」
J( 'ー`)し「・・・・・ドクオ・・・・あんたも・・・・そろそろ・・・およめ さ ん・・」
('A`)「悲しいことに王子様は二日後に亡くなりました
悲しみにくれるお姫様」
('A`)「なんだこりゃ、鬱エンドじゃねえか
こんなん読んだら逆に眠れなくなるわ、なあ、カーチャン」
('A`)「カーチャン?」
J( 'ー`)しz Z Z
29 :1/3:2010/06/05(土) 23:33:16 ID:vJxKN3vo0
「湯煙りの 立つや夏原 狩の犬」 伊丹十三
ζ(゚ー゚*ζ「You ain't nothing but a hound dog....」
母方の故郷へむかう赤列車のなかで、姉は呟くように歌っていた。
食堂車から帰ってきた僕は、窓の向こうの遠ざかる景色を見つめながら、
('A`)「それ、何のうた?」
紅いクロスシートに腰かけたぼくは、目の前の姉を見やる。
姉は「ばかねェ」と言いたげな顔をすると、いたずらっぽく笑って、
ζ(゚ー゚*ζ「知らないの? You ain't nothing but a hound dog...って」
('A`)「知らないよ。ユエン、ナツバラ、ハウンドー?」
ζ(゚ー゚*ζ クス
たとえ繰り返されても知らない歌だ。するとそのうち、列車が停まって
若い男女が乗ってくると、僕らの近くを通り過ぎながら、さっそく車内販売
のカートを物色しはじめた。それだけならまだしも、ときおり
僕たち姉弟のほうにちらちらと視線を送るのが不愉快だった。
30 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/06/05(土) 23:34:27 ID:vJxKN3vo0
('A`)「それ、最近の曲?」
ζ(゚ー゚*ζ「ぜんぜん。私たちが生まれるずっと昔よ」
('A`)「ふぅん」
列車がふたたび動き出した。規則的な振動はすぐに身体になじんだ。
移ろいで行く景色を眺めるうちに、言葉が尽きた。その昔の曲の話題も、宙ぶらりん
のままだった。しかしトンネルが見えだしたあたりになって、姉が思い出したように、
ζ(゚ー゚*ζ「プレスリーのハウンド・ドッグって曲よ」
('A`)「え、ユエーン・ナツバーラ・ハウーンドーが?」
ζ(゚ー゚*ζ「そうそう。……ふふ、でもそんなイントネーションじゃないわ。
ドクオったら、"湯煙 夏原 ハウンドッグ"って言っちゃってるもの」
('A`)「英語なんて分かんないさ」
ζ(゚ー゚*ζ「父さんはれっきとした英国人じゃない」
('A`)「でも英語なんか教えてくれなかったじゃん。おかげで赤点だらけだよ」
31 :3/3:2010/06/05(土) 23:37:42 ID:vJxKN3vo0
('A`)「こんな顔で英語がダメダメって、よくからかわれてさぁ」
ζ(゚ー゚*ζ「でも、私は英語得意だもん。それはドクオの責任よ」
列車は母の故郷まで、滞りなく走っていく。
きっと、その地では夏原がどこまでも広がっていて、湯煙もほのか
に漂っている。ぼくは会話のなかで、そんな想像をした。
列車はじきに母の故郷に到達する。祖父の屋敷にお邪魔するのは、あとすこし先の未来だ。
血が繋がっているからって、日本人離れをした容姿のぼくらを受け入れてくれるだろうか。
♪ You ain't nothing but a hound dog...
♪ 湯煙 夏原 ハウンドドッグ。
こころは日本人なんだけどね。
(終)
36 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/06/07(月) 00:28:22 ID:EJCc2GE20
ひとの不幸をむしろ楽しむミイの音の鳴らぬハモニカ海辺に吹きて 寺山修司
( ^ν^)「へへへ、DQNざまぁ・・・メシウマ」
( ^ν^)「個人情報ダダ漏れ・・・・祭りだ祭りだ!」
ξ゚⊿゚)ξ「あんた、これ吹いてみて」
( ^ν^)「なんだこりゃ・・・ハーモニカじゃねえか
♪ドレファソラシドシラソファレド」
( ^ν^)「なんかならない音があるな・・・なんだ」
ξ゚⊿゚)ξ「あんたが吹く場合だけよ
meを喪失してるのよ」
(゜ν゜)「・・・・・・・・・・・・・・・・」
38 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/06/07(月) 09:36:23 ID:EJCc2GE20
/ ,' 3 「お前は父さんの跡をついで、この病院の院長になるんだ」
从;ー;从 「クー、どうしよう…あたし…万引きしちゃった」
( ´∀`)「おう、先生に代わって修学旅行のアンケート取りまとめといてくれ」
(*゚ー゚)「クー、あたし、B組の内藤くんが好きなんだけど…」
(*‘ω‘ *)「クーが来なきゃ始まんないもんっ、絶対きてよ?」
( ゜ω゜)「クー、好きだお。付き合ってくれお!」
ξ゚⊿゚)ξ「あんたって得な性格よね、悩みなんかなさそう」
lw´‐ _‐ノv 「やだ、こんな班分け」
川 ゚ -゚)「…」
予備校の帰り道 いろいろなことが頭の中を去来する たくさんの方向からバイアスがかかって
引きちぎれそうな気持ち 自分でありたい 誰かのためじゃなく ただの自分 そっけない
塩も砂糖もまぶしてない ただの自分でいたい
川の上には月
そして橋。
人も馬も渡らぬときの橋の景まこと純粋に橋かかり居る 斉藤史
39 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/06/07(月) 09:56:24 ID:EJCc2GE20
======
∥
('A`)
l( l)
| |
======
|| ノ(´
ヽ <
|| ゛ `
|| ドサ !!
Σhg || ∩
⊂('A`⊂_ノ⊃
T
8
|
| ('A`) いまだ首吊らざりし縄束ねられ背後のカビに古びつつあり 寺山修司
/ ̄ノ( ヘヘ ̄ ̄
40 :上記と同題(上 誤記あり):2010/06/07(月) 17:27:42 ID:EJCc2GE20
('A`)カーチャン、ずっと壁にかけてけど、この縄は何に使うんだよ
荷造り用にしちゃ太すぎるし、運搬用にしちゃ短すぎる
J( 'ー`)しいつか必要なときのために、とってあるのさ
('A`)必要なときって、なんだよ
J( 'ー`)し……・
('A`;)なんだよ、教えてくれよ
J( 'ー`)し自分でわかるようになるよ、そのうちにね・・・
いまだ首吊らざりし縄束ねられ背後の壁に古びつつあり 寺山修司
41 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/06/07(月) 17:57:59 ID:EJCc2GE20
/ ,' 3 「成績が下がってるそうじゃないか、どうしたんだ」
从;ー;从 「クー、ねえ、一緒に警察に言ってくれるよね?」
( ´∀`)「そんなこと先生にいわれても困る。お前が一番クラスを把握してるだろ」
(*゚ー゚)「友達裏切って平気なんだ?」
(*‘ω‘ *)「なんかこの前は正直期待はずれだったよ」
( ゜ω゜)「俺のどこが悪いんだお?いい気になるなお?」
ξ゚⊿゚)ξ「優等生さん、ご機嫌斜め?」
lw´‐ _‐ノv 「結局みんなの言いなりなんだ」
川:::::: )「…」
空が心の鏡なら
どす黒い曇天の空に雹を孕め
もしも神なら
間違いなく最後のスイッチを押してる
生臭き生類はみな滅せよと天の怒りのごとく雹の降る 斉藤史
45 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/06/08(火) 22:14:12 ID:jF4bYUc60
シベリア図書館の同胞への歌:
極寒の地にて働く人たちの汗逆さまに映る明日
あたらしき本抱きしめて帰るとき白粉雪が頬にキスせり
46 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/06/08(火) 23:57:51 ID:jF4bYUc60
ζ(゚ー゚*ζ「遅いよっ」
( ・∀・)「ごめんごめん。仕事が長引いちゃってさ」
ζ(゚ー゚*ζ「ねえ、ねえ、ねえ!見て、白鳥!」
( ・∀・)「ほんとだ、すごいな、ここは飛来地なんだな・・・」
ζ(゚ー゚*ζ「すごーい!!ねえ、白鳥って首が真っ白で綺麗だね」
( ・∀・)「・・・君の首筋の方が俺は好きさ・・・・」
ζ(゚ー゚*ζ「・・・ねえ、合図ぐらいしてよ」
( ・∀・)「・・・もう時間なんだ、また夕方な・・」
***
( ・∀・)「さてと、仕事が溜まってるな・・・」
('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)
('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)
('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)('A`)
( ・∀・)「午後もバリバリさばくか・・・・」
ガス室の仕事の合ひ間公園のスワンを見せに行つたであらう 小池光
47 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/06/09(水) 20:37:18 ID:LXHn1wBw0
キャラによるオリジナルの実験:
川 ゚ -゚) 紫の朝の記憶を奪い来る黒き鳥にもやがて恋来ぬ
愛すとき耳たぶ噛みぬ君の癖初夏の午後にリア充皆しね('A`)
48 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/06/09(水) 20:47:56 ID:LXHn1wBw0
( ^ω^)両の手をおっぴろげても空飛べぬ優しき男の空高く青し
(*゚ー゚) 君待つと13本の花を折り報われぬ日の生贄とするべし
42 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/06/07(月) 18:29:32 ID:EJCc2GE20
現行作品よりイメージ三首:
新聞の深き谷にも光射すそれぞれの朝ホテルサイドニア
太陽の位置が少し遠ければ陽光もまた他人の優しさ
しみじみと酔えば恋しきわが故郷汚れ染めたるカード眺めつ
49 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/06/09(水) 21:44:12 ID:LXHn1wBw0
作品によるイメージ:
/ ,' 3 夜の砂手のひらの中まだ熱ければ殺戮の夜はまだ終わるまじζ(゚ー゚*ζ
/ ,' 3 知恵のみが紡げる言葉を絆とし汝と越えんや1001夜ζ(゚ー゚*ζ
53 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/07/05(月) 03:17:17 ID:7EYcFFF60
ガラス戸の中に対照の世界ありそこにも我は憂鬱に立つ 松田さえこ
学校の帰り道。
クラスメートが男女入り乱れて歓談する喫茶店。
いつも眺めては、通り過ぎていた。
lw´‐ _‐ノv「あいつら・・・楽しそう・・・」
lw´‐ _‐ノv「この扉を開けたら?違う世界が拓けるのかな?」
ピカピカに磨かれたガラス戸に、自分の全身がぼんやりと映る。
lw´‐ _‐ノv
無理、だ。
54 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/07/05(月) 03:26:22 ID:7EYcFFF60
(*゚ー゚)「それで・・・母は・・・」
(*゚ー゚)「そうですか・・・
明日が峠・・・・」
病院の廊下。先生から説明を受ける。
覚悟していたことではあったが、具体的に説明されると、
戦慄や気張りが一気になえて鈍く思いもやになっていく。
無音の廊下にたたずんでいると、普段聞こえないものの音まで聞こえてくる。
雪になるらしい。
きざし来る悲しみに似てガラス戸におりおり触るる雪の音する 松田さえこ
56 :以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2010/07/08(木) 22:52:13 ID:1BeI/hes0
プーシキンの詩:
シベリアの鉱山の奥底でも
誇りを持って耐え忍べ
君たちの悲しく終わった努力と
高いこころざしは滅びはしない
不幸な者たちの忠実な姉妹である
「希望」は薄暗い洞穴の中にあっても
陽気さや朗らかさを呼び覚ますだろう
いずれまた良い時が来るのだ
愛と友情は君らのもとへ
陰鬱な鉄格子を突き抜けて届く
君らの苦役の牢獄の中に
私の自由の声が届くように
重い鎖は外れ
牢獄が崩れていく中を自由は
喜びに満ちて戸口で君たちを迎える
そして兄弟たちが再び剣を渡すのだ
最終更新:2011年12月08日 00:12