トップ > キャプボカテゴリ概要 > 各キャプチャーボードの詳しい使い方 > DC-HE1U / 2014年11月23日 (日) 23時40分09秒


キャプチャーボードの基本的な知識については、キャプチャーボードをご覧ください。
キャプチャーボードの選び方については、キャプチャーボードの選び方をご覧ください。


ノートPC使用者に!PS3をHDMI接続できるビデオキャプチャー



DC-HE1U(リンク先 : Amazon)

HDCPの制約がない

  • PS3をHDMI接続して、ゲーム画面をPCに表示することが可能です。著作権保護技術であるHDCPの制約がないからです。HDCPの制約がない製品はほかにもありますが、基本的にデスクトップPC用でした(例 : DC-HD1B)。しかし、DC-HE1UはノートPCでも使用できます。

パススルー出力

  • TVに映像・音声を出力する機能パススルー出力)に対応しています。これにより、キャプチャーボードのラグの影響を受けずに大画面TVでゲームをプレイできます。

リモコンが付属

  • リモコンが付属されているので、PCから離れた場所でも録画を開始できます。

目次


動作環境・製品仕様


DC-HE1U
DC-HE1U
製品名 DC-HE1U
接続方式 USB 2.0
エンコードタイプ ハードウェアエンコード
ビデオ入力端子 HDMI端子
対応OS Windows 8.1/8/7(各32/64bit対応)
備考 パススルー出力搭載。1080p対応(最大録画解像度は1080/30p)

TVまたはPCモニターが必要


  • DC-HE1Uはハードウェアエンコード方式です。このタイプは、キャプチャーボードの選び方で書いたとおり遅延対策が重要です。DC-HE1Uはパススルー出力に対応しているので、この機能を使って遅延対策しましょう。用意するものは、HDMI入力を搭載したTVまたはPCモニターです*1


HDCPの対処法


  • DC-HE1UはHDCPに対応していませんが、DC-HE1Uのリング部分をニッパーで切断することで対処可能です。

  1. ふたを開ける(工具の精密ドライバーが必要)。
  2. リングをニッパーで切断する。
  3. ふたを閉める。


接続できるのはHDMIに対応したゲーム機


  • DC-HE1Uと接続できるのは、HDMI端子を搭載したゲーム機のみです。同端子を搭載していないゲーム機は接続できません。

HDMI端子による接続
備考
PS3 DC-HE1Uでは可能
PS4
PS2 ×
スイッチ
Wii U
Wii ×
Xbox One
Xbox 360
PSP-3000/2000 ×
PS Vita TV DC-HE1Uでは可能

最大30fps


  • DC-HE1Uで録画したファイルは、最高でも30fpsになります。理由は不明ですが、解像度やソースに関係なく60fpsでは録画できません。また、プレビュー画面も同様に30fpsで表示されます。パススルー出力先のTVでは60fps表示できます。

ゲーム機の出力解像度は1920x1080に


  • ゲーム機の出力解像度は1920x1080(1080p)に設定しておきましょう。これ以外の解像度だと画面に黒帯が表示されます。たとえば、ゲーム機の出力解像度が1280x720(720p)の場合、画面下に8pxの黒帯が表示されます。ゲーム機の出力解像度を1920x1080に設定しておけば黒帯は表示されません。


  • ゲーム機の出力解像度の設定は、たとえばPS3なら「設定」→「映像出力設定」から、PS4であれば「設定」→「サウンドとスクリーン」→「映像出力設定」からそれぞれ変更できます。そのほかのゲーム機については、ゲーム機の出力設定をご覧ください。

  • なお、ゲーム機の出力解像度が1920x1080の場合であっても、「録画」解像度を1280x720にすることは可能です(後述)。

ライブ配信での使用について


  • ライブ配信での使用は、やめておいたほうが無難かもしれません。「動画作成・ライブ配信のポイント」で後述しますが、設定方法などにつき少し混乱しかねない点があるからです。

付属品


  • DC-HE1Uに付属されているリモコンは、録画ボタンと停止ボタンのみを搭載したシンプルなものです。HDMIケーブルは付属されていないので、別途用意しましょう。

説明
1.本体
2.ACアダプター DC-HE1Uが電源供給を受けるために必要
3.USBケーブル DC-HE1UとPCを接続するためのUSBケーブル
4.リモコン 録画と停止ができる
5.CD-ROM ドライバとキャプチャーソフトが収録されている
6.取扱説明書


▲画面の上へ

準備


ソフトウェアのインストール


  • DC-HE1UをPCに接続するまえに、まずは必要なソフトウェアをインストールしましょう。キャプチャーソフト(「剣 - TURUGI」)とドライバの2種類です。

  1. 付属品のCD-ROMをPCにセットする(DC-HE1Uはまだ接続しない)。
  2. 画面を順に進めていく。
  3. インストールが完了する。

各機器との接続


  • キャプチャーソフトおよびドライバのインストールが完了したら、各機器を接続していきます。

  1. DC-HE1UとPCをUSB接続する。
  2. DC-HE1UとコンセントをACアダプターで接続する。
  3. 接続が完了したらDC-HE1Uの電源ボタンを押す
  4. LEDが8回ほど点滅したあと、LEDが青く点灯する。

  • つぎに、ゲーム機とDC-HE1UをHDMIケーブルで接続します。DC-HE1Uには「HDMI IN」と「HDMI OUT」がありますが、ゲーム機と接続するのは「HDMI IN」の部分です。まちがえないようにしましょう。DC-HE1UとTVもHDMIケーブルで接続します。

imageプラグインエラー : 画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。
▲画面の上へ

ゲーム画面の映し方


  • それでは、付属のキャプチャーソフトを起動してゲーム画面を表示してみましょう。なお、アマレコTVなどのキャプチャーソフトでは正常に動作しません。

DC-HE1UのLEDが青く点灯していることをあらかじめ確認してください。LEDが赤く点灯している場合は、DC-HE1Uの電源ボタンを押します。

デスクトップにあるキャプチャーソフトのショートカットアイコンをダブルクリックして、キャプチャーソフトを起動します。


「画面プレビュー」をクリックします。このボタンをクリックしないとゲーム画面がPCに表示されません。設定は保存されないため、キャプチャーソフトを起動するたびに必要に応じてボタンをクリックしましょう。


ゲーム機の電源を入れます。


DC-HE1Uにゲーム画面が表示され、音が聞こえてきます。ゲーム画面をダブルクリックするとフルスクリーン表示になります


DC-HE1Uの画面を見ながらプレイすると、反応が鈍いことに気づくはずです。これはDC-HE1Uの遅延が原因です。 TVに映っているゲーム画面を見ながらプレイしましょう。

ゲームの音がPCとTVから聞こえて煩わしい場合は、DC-HE1Uのスピーカーアイコンをクリックしてミュートにします。


▲画面の上へ

録画方法


録画


  1. キャプチャーソフトにゲーム画面が表示されていることを確認する*2
  2. カメラのアイコンをクリックして録画を開始・停止する。
  3. 初期設定では、録画を停止すると「録画が完了しました。保存フォルダーを開きますか?」と表示されるので、「はい」をクリックして動画を確認する。


  • 画質の設定は、オプション設定ボタンの「録画設定」タブで行います。高画質をめざすならビットレート(DC-HE1Uでは「エンコードビット数」と表記)を大きな数字にしましょう。アップデートにより最大24Mbpsで録画できます(アップデートまえは最大8Mbps)。公式サイトでアップデートファイルをダウンロードできます。


お薦めの設定 説明
録画解像度 1280x720(720p 16:9) 画面の大きさ、総画素数。ゲーム機は1920x1080に
エンコードモード VBR ビットレートが状況に応じて変動する設定
エンコードビット数 8Mbps以上 ビットレートのこと。数字が大きいほど高画質。24Mbsが最大

マイクの音の入れ方


  • マイクの音(自分の声)を動画に入れるための設定は、DC-HE1Uの場合は少し特殊です。マイクはPCではなく、本製品に接続する点に注意してください。また、設定方法もまちがいやすいため注意が必要です。

  1. マイクDC-HE1Uの「MIC IN」に接続する。
  2. キャプチャーソフトのマイクのアイコンをクリックする。
  3. 「HDMI音源とMIC入力音源を同時使用する」を選択する。
  4. 「MIC入力」が「HDMI音量」より大きくなるように調整し、「ミキサー音量」を大きくする。
  5. 画面右下のを右クリックして、「録音デバイス」を選択する。
  6. 「Drecap Turugi Audio capture」の「マイク」をダブルクリックする。
  7. 「レベル」タブを開き、「マイク」の音量を最大にする。
  8. 「聴く」タブを開き、「このデバイスを聴く」にチェックを入れる
  9. 「OK」をクリックする。

▲画面の上へ

動画作成・ライブ配信のポイント


実況プレイ動画を作成する場合


  • 実況プレイ動画の作成方法は上で述べたとおりです。動画ができたら、つぎは動画編集や動画投稿へと手順を進めていきましょう。動画を投稿するためには、動画共有サイトの仕様に合わせてファイルサイズを小さくする必要があります。

        詳細は、ニコニコでゲーム実況またはYouTubeでゲーム実況を参照

ライブ配信する場合


  • ライブ配信でDC-HE1Uを使用する場合、話が少し複雑になります。やり方が大きく分けてふたつあるのですが、ここではニコニコ生放送を例にNiconico Live Encoder(NLE)を使用する場合の設定について、簡単に見て行きましょう。

方法1


  • まずは、取扱説明書に書いてあるやり方です。この方法の場合の注意点ですが、キャプチャーソフトは必ず終了しておいてください。ゲーム機の映像を配信できなくなるからです。NLEの設定は以下のようにします。

  1. キャプチャーソフトは終了しておく(起動しない)。
  2. 「映像ソース」の「追加」→「WEBカメラ」で「Drecap Turugi Video capture」を選択する。
  3. 「音声設定」にチェックを入れ、「デバイス」で「マイク(Drecap Turugi Audio capture)」を選択する。


  • NLE以外でも音声設定が必要になります。ゲーム音とマイク音を同時に配信するための設定です。

  1. マイクをDC-HE1Uの「MIC IN」に接続する。
  2. を右クリックして、「録音デバイス」を選択する。
  3. 「Drecap Turugi Audio capture」の「マイク」をダブルクリックする。
  4. 「レベル」タブを開き、「マイク」の音量を最大にする。
  5. 「聴く」タブを開き、「このデバイスを聴く」にチェックを入れる
  6. 「OK」をクリックする。
  7. タスクトレイにあるDC-HE1Uのアイコンをクリックする。
  8. 「HDMI音源とMIC入力音源を同時使用する」を選択する。
  9. 「MIC入力」が「HDMI音量」より大きくなるようにし、「ミキサー音量」を大きくする。

方法2


  • このやり方はオーソドックスな方法です。方法1とは異なり、マイクはPCに接続し、またキャプチャーソフトは起動しておく点に留意してください。

        詳細は、Niconico Live Encoderを参照

  1. キャプチャーソフトを起動し、ゲーム画面を表示する。
  2. マイクをPCに接続する。
  3. 「追加」→「画面キャプチャー」でキャプチャーソフトのゲーム画面を取り込む。
  4. 音声設定については上記リンク先の記事を参照のこと。

▲画面の上へ

その他


  • 画面が暗い場合は、「明るさ」「コントラスト」を変更します。この設定は録画ファイルにも反映されます。


  • PCをスリープまたはシャットダウンしたあとでも、TV側に映像・音声はパススルー出力されます。したがって、PCを起動していない状態で、そのままTVでゲームをプレイすることができます。

  • 動画とは別に音声を録音することもできます。オプション設定から「ビデオ情報」タブ→「サウンドを別ファイルに保存」にチェックを入れて録画ボタンをクリックします。

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筆者がDC-HE1Uを使用した感想




よい点


  • パススルー出力があるのでラグ対策が簡単にできる。TV画面での快適なゲームプレイ。
  • PS3をHDMI接続してゲーム画面を表示・録画できる。
  • USB接続なのでノートPCでも使用できる。

悪い点


  • DC-HE1Uの電源ボタンを入れたあと、キャプチャーソフトに画面が表示されるまでに14秒ほどかかる。
  • 映像を60fpsで表示・録画できない。
  • 画面プレビューが毎回OFFの設定になり、保存されない。
  • 取扱説明書やキャプチャーソフトの誤字がひどい。
  • 一般的でない日本語の使い方を含めて取扱説明書がわかりづらい。
  • 映像ビットレートの設定が最大でも8Mbpsにしかできない。→アップデートでできるように。
  • マイクの音が小さい。
  • マイクの音の入れ方がわかりづらい。

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関連ページ










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最終更新:2014年11月23日 23:40

*1 つまり、ノートPCならHDMI入力を搭載するTVまたはPCモニターを用意します。デスクトップPCなら、いま使用しているPCモニターとは別に、HDMI入力を搭載するTVまたはPCモニターを用意します。

*2 キャプチャーソフトの「画面プレビュー」はOFFでも録画できますが、ONにしたときにゲーム画面が表示されることだけは確認しておきましょう。