トップ > キャプボカテゴリ概要 > 各キャプチャーボードの詳しい使い方 > BU110の使い方 / 2018年01月15日 (月) 20時52分34秒


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Androidにも対応した超小型のキャプチャーデバイス

  • BU110は、AVerMediaが開発・製造・販売しているHDMIキャプチャーボードです。


BU110(リンク先 : Amazon)

おもにデジタル一眼レフカメラとの接続が想定されている

  • このBU110は、基本的にゲーム実況用の製品ではありません。メーカーとしては、デジタル一眼レフカメラアクションカメラとのHDMI接続を想定しています*1。もちろん、SwitchやPS4とのHDMI接続も可能です。

PC/Android端末に対応

  • PCに接続して使うことはもちろん、Androidデバイスに接続して、同端末だけで録画・配信することもできます。たとえば、Androidスマホにデジタル一眼カメラの映像、またはSwitchのゲーム画面を映して、そのままPCを使わず録画・ライブ配信できます。注意点は後述します。

小さな本体サイズ

  • モバイル対応というだけあって、本体サイズはとてもコンパクトです。スマホよりもさらに一回り小さいため、外に持ち出すさいに最適でしょう。室内で使う場合も場所を取りません。


目次


動作環境・製品仕様


BU110
BU110(Amazonで価格を見る)
BU110
接続方式 USB 3.0(USB 2.0の接続にも対応)
エンコードタイプ ソフトウェアエンコード
ビデオ入力端子 HDMI端子

  • 本製品をPCに接続して使う場合、基本的にはUSB 3.0接続のほうがよいでしょう。USB 2.0接続でも動作しますが、画質が少し落ちます*2。「PCにUSB 3.0端子がない、2.0端子しかない」というような場合はやむを得ませんが、USB 3.0端子があるなら同端子で接続してください。

  • 付属品は、(1)Type-Aオス - Type-CオスのUSB 3.0ケーブルが1本、(2)Type-CのUSB 3.0ケーブルが1本、(3)BU110本体、(4)クイックガイドとなっています。BU110のUSB端子はType-Cなので、裏表がなく簡単に接続できます。なお、HDMIケーブルは付属されていません。


▲(1)はBU110とPCを接続するさいに、(2)はBU110とスマホを接続するさいに使います。スマホによっては、変換アダプターを使って(1)を使う場合もあります(後述)。

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ゲーム実況で使う場合の注意点


  • 冒頭で述べたとおり、本製品はゲーム実況用の製品という位置づけではありません。そのためか、パススルー出力機能が搭載されていません。筆者が計測したかぎりでは、0.06秒程度の遅延があり、おおよそGC550の遅延と同じです。もし遅延対策をしたい場合は、分配器を別途用意して、ゲーム機の映像・音声を別モニターに出力しましょう*3


▲たとえば、 「AstroAI 4K HDMI 分配器 スプリッター 1入力2出力」(リンク先 : Amazon)を使用して遅延対策します。TVに映ったゲーム画面を見ながらプレイすれば、BU110から生じる遅延の影響は受けません。

  • 本製品は、Androidデバイスに接続してスマホ単体で使うことができます。ただし、録画・ライブ配信でゲーム音に加えて自分の声を入れるということはできません*4。現状、スマホ+キャプチャーボード+ゲーム機の組み合わせで行うゲーム実況は、依然としてハードルが高い状況です。ゲーム実況がしたいなら、BU110はPCに接続して使用しましょう。

  • この解説記事は、基本的にはPCでの使用を前提としています。Androidスマホ単体でBU110を使用する方法については、解説の最後にまとめました。スマホ単体での使用は難易度が高いので、注意してください。

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接続可能なゲーム機の例


  • BU110が対応しているゲーム機は、HDMI端子を搭載しているゲーム機です(例 : Switch、PS4)。ただし、BU110はHDCP非対応であるため、PS3とHDMI接続してもゲーム画面を録画できません。対処法は後述します。

  • 下表は、BU110に接続できるゲーム機と、そうでないものをまとめたものです。

HDMI端子による接続
備考
PS4 PS4側の設定でHDCPをOFFにしておく(詳細
PS3 × ただしHDMI分配器を使えば対処可能(後述)
PS2 ×
Switch 問題なし
Wii U 問題なし
Wii ×
Xbox 360 問題なし
Xbox One 問題なし
PSP-3000/2000 ×
PS Vita TV × ただしHDMI分配器を使えば対処可能
iOSデバイス 問題なし

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ソフトをインストールする


Windows 10の場合


  • Windows 10の場合は、RECentral 4をインストールします。ドライバーも同時にインストールされます。両方、または片方がなくても動作しますが(UVC・UAC対応)、念のためインストールしておきましょう。

  1. 公式サイトにアクセスする。
  2. 「ソフトウェア」の「Windows 10(64 ビット版)」と書いてあるところにある「DOWNLOAD」ボタンをクリックし、「RECentral_v4.x.x.xx.exe」をダウンロードする。
  3. ダウンロードしたEXEファイルをダブルクリックし、画面を進めていく。

Windows 8.1/7の場合


  • Windows 8.1/7の場合は、RECentral 3をインストールします。最新バージョンであるRECentral 4は、Windows 8.1/7には対応していません。

  1. 公式サイトにアクセスする。
  2. 「ソフトウェア」の「Windows 10、Windows 8.1、Windows 7」と書いてあるところにある「DOWNLOAD」ボタンをクリックし、「RECentral_v3.x.x.xx.exe」をダウンロードする。
  3. ダウンロードしたEXEファイルをダブルクリックし、画面を進めていく。

  • また、Windows 7の場合は、別途ドライバーのダウンロード・インストールが必要です。

  1. 上記ページにアクセスする。
  2. 「ドライバー」の「Windows 7 (64ビット版専用)」、または「Windows 7 (32ビット版専用)」と書いてあるところにある「DOWNLOAD」ボタンをクリックし、ドライバーをダウンロードする。
  3. ダウンロードしたEXEファイルをダブルクリックし、画面を進めていく。

▲画面の上へ

ゲーム機・カメラを接続する


  • ゲーム機、またはカメラをBU110にHDMI接続します。

Switch、PS4などの場合


  • Switch、PS4などの場合は、そのままHDMIケーブルでBU110と接続します。


PS3の場合




iOSデバイスの場合




        キャプチャーボードを使ってiPhoneの画面をPCに映す方法を参照

デジタル一眼レフカメラなどの場合


  • デジタル一眼レフカメラや、アクションカメラをHDMI接続する場合は、HDMI - ミニHDMIケーブル(リンク先 : Amazon)、またはHDMI - マイクロHDMIケーブル(リンク先 : Amazon)が別途必要です。カメラによって、HDMI出力がミニ(タイプC)なのかマイクロ(タイプD)なのか異なります。カメラのHDMI端子の仕様に合わせて、HDMIケーブルを購入してください。

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RECentralの使い方


  • RECentralを起動することで、ゲーム画面・カメラの映像をPCに映したり、その画面を録画・ライブ配信することができます。

RECentral 4の場合


  • RECentral 4の使い方については、以下の解説記事をご覧ください。

        RECentral 4の使い方を参照する

RECentral 3の場合


  • RECentral 3の使い方については、以下の解説記事をご覧ください。

        GC550を参照する

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Androidスマホ単体での使用について(1)


確認事項


  • ゲーム実況には向きませんが、あえて筆者がゲーム機を接続し、検証して判明したことをまとめておきます。Androidスマホだけでゲーム実況がしたい、というような目的での使用はお薦めしません。

  • 今回使用したアプリは、BU110の公式サイトで対応アプリとして掲載されているものです。無料で使うことができますが、ロゴまたは広告が画面に挿入されます。

各機器の接続


  • 前提として、AndroidスマホがUSB OTGに対応している必要があります。

  • BU110をAndroidスマホのUSB端子に接続します。スマホ側のUSB端子に合わせて、USBケーブルを用意しましょう。もしスマホがUSB Type-Cを搭載しているならば、BU110付属のUSBケーブルを使うことができます。これに対し、Micro USBの場合は変換アダプター(リンク先 : Amazon)が必要になります。


  • ゲーム機とBU110は、通常どおりHDMIケーブルで接続します。ただ、スマホにゲーム画面を映した状態だと、遅延が発生します。また、スマホの小さい画面ではゲーム内の文字が見づらいため、快適にはプレイできません。したがって、分配器を用意してゲーム機の映像・音声を別モニターに分配したほうがよいでしょう。


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Androidスマホ単体での使用について(2)


  • Androidスマホで録画・ライブ配信するためには、サードパーティー製のアプリをインストールする必要があります。

録画


  • ゲーム画面を録画するには、スマホにCameraFiをインストールします。

  • アプリを起動後、歯車アイコンから各種設定ができます。「ビデオサイズの選択」で「1920x1080, MJPEG, 60fps」を選択できますが、Nexus 7 (2013)で録画すると1080p/30fpsの動画が生成されました。アスペクト比(縦横比)がおかしい場合は、「画面のサイズを選択します」で設定を変更してください。


  • 音声についても設定画面で行うことができます。「オーディオソース」で「USBオーディオ」を選択すると、動画にゲーム音が入ります。これに対し、「内臓マイク(原文ママ)」を選択した場合は、動画にゲーム音は入らず、自分の声だけが入る仕様となっています。いずれの場合も、ゲームをプレイ中はスマホからゲーム音は出ません。


ライブ配信


  • ライブ配信をするには、スマホにCameraFi Liveをインストールします。

  • おおよその配信方法は、以下のとおりです。最大720p/30fpsで配信可能です。

  1. アプリを起動する。
  2. 配信サイト(例 : YouTube Live、Twitch)にログインする。
  3. 「START」をタップする。
  4. 歯車アイコンから各種設定を行う。
  5. 配信を開始する。


▲画像は、『アンチャーテッド 古代神の秘宝』(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)より

  • アスペクト比(縦横比)がおかしい場合は、歯車アイコンから「Resolution」を720pにしましょう。

  • 画面左をスワイプするとマイクの音量設定が、画面右をスワイプすると画像やテキストを挿入するための設定が可能です。ただし、画像やテキストの追加は、無料版ではできません。

  • ゲーム音は配信で流せますが、自分の声を流す方法はありません。ゲームをプレイ中、ゲーム音をスマホから出したい場合は、設定画面の「Speaker out icon(Beta)」をONにし、画面右上のスピーカーアイコンでミュートを解除します。

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筆者がBU110を使用した感想



よい点


  • 本体サイズが小さく、アルミのペンケースのような軽さ。外配信に適している。

悪い点


  • ほかのキャプチャーボードでも代替できるので、この製品の小ささに興味を持てるかどうか、またAndroid端末での録画・ライブ配信に興味があるかどうかが重要。どちらにも興味がないなら、別の製品を買ったほうが合理的。
  • 「EOS kiss X5」というデジタル一眼レフカメラを本製品に接続してみたが、ほかのもっと安いキャプチャーデバイス、たとえばGC550でじゅうぶん間に合うと感じた。
  • Elgato Cam Link(リンク先 : Amazon)と比較すると割高。

よくわからなかった点


  • CameraFi使用時、「USB device removed」というエラーが繰り返し表示されて消せないことがあった。
  • CameraFi Live使用時、YouTube Liveで行った配信がリアルタイムで視聴できなかった(Twitchでは問題なし)。

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その他



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最終更新:2018年01月15日 20:52

*1 なぜデジタル一眼レフカメラを使うのかというと、Webカメラではできないような高品質な映像にできるからです。たとえば、手前にある被写体をボカシて奥の被写体にピントを合わせたりというのは、デジタル一眼レフカメラの得意とするところです。

*2 本製品をUSB 2.0でPCと接続すると、ビデオフォーマットでMotion JPEGまたはNV12しか選べず、ゲーム画面にモスキートノイズが多く発生します。USB 3.0でPCと接続した場合はYUY2を選択でき、高画質な映像を楽しめます。

*3 必ずしも分配器が必要というわけではありません。この程度の遅延であれば、ゲームのジャンルによっては問題なくPCに映したゲーム画面を見ながらプレイできます。遅延を我慢できるかどうかは、実際に自分で試してみるのがいちばんです。

*4 自分の声を入れず、たとえばSwitchのゲーム画面+ゲーム音からなる動画を作りたい(録画したい)、ライブ配信でSwitchのゲーム画面+ゲーム音を配信したいというようなことなら、Androidスマホ単体で可能です。