662 :日本大陸昔話:2013/01/18(金) 22:32:02

ニホンオオカミに救われた少女

「ハァツ!ハァツ」
一人の少女が山の中で、怯えながら走っていました。

後ろを振り向けば、巨大な熊が追いかけてきていました。


少女は山菜を採りに、山の中へと入ったのですが
山菜をもっともっとと、採っていたらいつの間にか山奥に入ってしまった。

更には巨大熊に見つかってしまい、こうして逃げているのです。


「あう!」
少女は、不運な事に木の根に引っかかってしまい。転んでしまう。



起き上がってみれば、巨大熊はもうすぐそこです。


(私食べられちゃうの?)
少女が絶望したその時


草陰から、吠え声と共に巨大な物体が熊に襲いかかりました。
それは、ニホンオオカミでした。

ただし、おじいちゃん達が時々、狩ってくるオオカミよりももっと巨大でした。

663 :日本大陸昔話:2013/01/18(金) 22:32:35
2匹は、吠えながら噛み合ったり、手を斬ったり
ゴロゴロと転がっていました。


少女は、その隙に逃げ出せればよかったのですが
どうしてか逃げ出そうという考えが思いつきませんでした。

やがて、ニホンオオカミが熊の喉笛を噛みひぎることで死闘を終えます。


巨大な熊を倒した、ニホンオオカミは真っ直ぐ少女に向かってきます。

(このオオカミさんも私を食べられちゃうのかな・・・・?)

少女は諦めて目を瞑りました。



そして、ペロッと舐められる感触がありましたが、牙などの痛い感触はありません。
目を開けてみれば、目の前に優しい目をしたオオカミさんがいました。

そして、グルルルと喉を鳴らすと、フイッと首を振りました。

「えっと・・・・あちらに行けっということのなの・・・・?」
そういうと、オオカミさんは首を上下に振りました。


「そ・・・その・・・ありがとうございます!オオカミさん」
少女はお礼を言いながら、首を振った方角に向かいました。




少女はその後、村に無事にたどり着き、熊に襲われたことと
ニホンオオカミが救ってくれた事を話しました、

村の人達は怒りながらも、ニホンオオカミを感謝し、これ以後はニホンオオカミ
を狩ることなく、共生するようになりました。


その地域では、ニホンオオカミを使い魔とする
山・豊穣の神様として「穂呂」として祀られるようになりました。

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最終更新:2013年03月08日 22:17