708 :名無しさん:2013/11/14(木) 19:26:33

なんだろう、大陸日本は土建屋の天国に違いないというところから妄想を広げてたらこんなものが……
後半に至ってはどっから出てきたかもわからない。
そんな名状しがたいSSだが投下してみる。

【ネタ】大陸日本1999【捏造】

※このSSは作者があくまでネタとして自由に妄想の翼を広げた作品です。
※このSSには憂鬱本編に関わる捏造設定が含まれます。その点どうかご注意ください。


「新型OS?篠原の?」

「ああ、なんでも“旧来の物と載せ替えるだけで作業効率が三割はアップする優れもの”だとかでな……」

この時点で周りには「おい……お前それはまさかあの」「バカな、奴が本当にいると言うのか」というざわめきが広がる。
そしてそれは、発言者……かつて伏見宮殿下の中の人だったこともある人物の次の言葉で、

「ーーーその名もHOS、ハイパー・オペレーティング・システムとやら言うそうだ。因みに開発者の名前は帆場暎一だと」

「「ぎゃあああああああああ!?やっぱりいいいいいいいいい!?」」

一気に阿鼻叫喚へと転落した。


どうにか大陸となった日本に第二次世界大戦を乗り切らせて息を引き取った夢幻会メンバーは、気づけば今度は「大陸日本における『本来の自分』」に(一部異なるが)再転生していた。
それはいい。それは別にどうでもいい。逆行憑依、転生などという不条理を既に経験している彼等にとって、その程度は些細な問題である。

……問題はこの90年代の日本大陸で幅を利かせる、ある大型機械群にあった。

「なんでレイバーが!?」

そう、いくら開発してもまだまだし足りない広大な日本大陸における工事現場では、ロボットテクノロジーの発達によって登場した汎用多足歩行型作業機械「レイバー」が急速に普及しつつあったのだ!
当然ながら無軌道な普及はレイバーを用いた多種多様な犯罪を生み、結果この世界でも警視庁はそれに対抗して55式装脚車(原作イングラム)を始めとするレイバーを導入、通称“パトレイバー”部隊を編成していた。


「……で、どうなんだ?一般に出回る前に押さえられるか?」

「なんとかギリギリ間に合うかもしらんが、確約は正直……万一を考えて特車二課は一応原作より強化してはあるが、アレの本質はウィルスだからなあ……」

「“カミソリ後藤”とその部下たちをあてにするのは論外だしな。いや、連中の活躍を見てみたいというのは否定しないんだが」

ちなみに現状の警視庁警備部特車二課の編成は3個中隊-6個小隊。原作比で3倍だが、そもそも母数の一般レイバーがそれ以上に増えているので全然安心できない。

「まったくもって難儀な話ですねえ、“嶋田さん”」

横から声を掛けられ、嶋田こと神崎博之はむっつりとそちらを見た。

「本当に笑えない冗談ですよ。……ところで“辻さん”、ちょっといいですか」

「はい、なんでしょうか?」

「……なんであなた、女性になってるんです?」

神崎がおそるおそる今まで避けていた問いを投げかけると、かつて財務省の魔王の中の人だった“彼女”は不思議そうに首を傾げた。

「私は元から女ですが、何か?」

何か?じゃねえよ!と心の中で吠える神崎だったが、必死に平静を装う。

「いやー前世の記憶が戻って『自分が男になってる』と気づいた時にはどうしようかと思いましたけど、慣れればこれはこれで面白い経験でしたね。自分が辻政信だと知った時は軽く絶望しましたが」

あの魔王の正体がこんな美人だったと知っても、全力で動揺していないふりをする。こいつにだけは悟られてたまるか。
そこで、ふと思いついたことを聞いてみる。

「じゃあ、お嬢様学校を推進していたのは」

「あ、あれは純粋に私が女学生を愛でたいがためです」

駄目だこいつ。自分が入れなかったからとか健気な話をちょっと期待していた神崎は軽く目眩を感じるのだった。


なお彼とこの残念美人の腐れ縁はこの騒動の後も長らく続くのだが……それはまた別の話。
 

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最終更新:2014年01月16日 22:02