281 :New ◆QTlJyklQpI:2014/01/04(土) 18:55:01
※作者SK氏には許可を頂いております。
大陸ネタ×島戦争ネタ ~The Continent War~

  • スロリア大陸

「クソ!クソ!畜生が!!」

ローリダ共和国、民族防衛隊の指揮官である”狩人”ルガーは罵り声を上げながら必死で走っていた。
スロリアの地で蛮族を”教化”する崇高なローリダ人の使命感も現地の劣等種族に”礼儀”を教える加虐心も最早なく
只々自分に舞い降りた災厄から逃れようと木々が生い茂る中を必死で走っていた。

「グルルルルルル・・・」
「ヒッ・・・」

前方から聞こえる低い唸り声に思わず情けない声を上げて立ち止まってしまう。
部下たちは既に食われ、彼の銃は既に自らの片腕を共にオサラバしている。
彼に出来たことは助けを求める部下が食われている間に逃走することだったが
どうやら部下を殺した後、さっさとこちらに獲物を変更し先回りしていたようだ。

「く、来るな!来るなああああああ!」
「グオオオオオオオオオ!!」

サーベルをむやみやたらに振り回し最後の抵抗を試みるルガー。彼が最後に見たのは彼に長大な牙を突き立てよう
とする猛獣・・・日本大陸固有種の剣牙虎の姿であった。


そう遠くない場所から人の叫び声と獣の咆哮が聞こえて我に返ったリーゼ‐タナ‐ランは
自分がへたり込んでいることに気づいた。そして目の前に広がるのは死屍累々と血の海。

「あ~・・・ゴメン」
「・・・・!!」

声のする方を向くとこっちに頭を下げている、まだ幼さの残る容貌の異種族の男がいた。

「ウチの猫、強いんだけどね・・・散らかすから」
「ネコ?」
「そう。あ、帰ってきた」

男がそう言うと茂みから出てくる巨大な牙と(血塗れだが)美しい毛並の生物。
それを見たタナは味方に殺されかけた事、猛獣とこの男が助けてくれた事を思い出した。

「あれが猫?」
「うん、猫・・・あの、それとタオルで拭いた方がいいよ?」
「?」

何を、と思い自分の体を見たタナは自分が頭からつま先まで血塗れであることを確認する。

「ネコ?」
「そ、猫」
「ネコ・・・・」

味方に殺されかけ、猛獣の事を猫だという異種族の男に出会い、自身が血塗れになっているという現実に
リーゼ‐タナ‐ランの頭脳は著しい精神的負荷に耐えきれずに強制停止、即ち失神することを選択した。

  • 後日 大日本帝国

「・・・・というわけで高良 俊二は失神したリーゼ‐タナ‐ランを連れ帰ってきたと」
「「「なんつう出会い方だ・・・」」」

あまりに原作と違うスプラッターな状況に遭遇したタナに同情する夢幻会メンバー。

「何でスロリアに剣牙虎連れて行ったんだ?」
「現地では野犬などの害獣も出ますので・・それに最近ローリダ、謎の武装勢力が
出ているということで威嚇や治安維持を兼ねて連れて行っていたようです」
「今、彼女は?」
「病棟に隔離、聞き取り調査中です。貴重なローリダ共和国の情報を聞いたせいで関係者は真っ青ですが」
「俊二君がよく訪ねてるそうです」
「恋人の穂積 美沙子には報告してるのだろうな同志?」
「無論、タナ譲がある程度自由になったら俊二は修羅場に遭遇するだろうクククク・・・」
「「「おお・・・!」」」
「・・・何はともあれ、大まかな流れはほぼ一緒か」

282 :New ◆QTlJyklQpI:2014/01/04(土) 18:55:33
リア充シット団の策謀?を流しつつ、嶋田はこのまま原作通りの大戦になることを予感していた。

西暦20XX年、大日本帝国はその領土ごと異世界に転移した。幸い転移まで時間があり、資源が国内で産出できる
ことから転移後の混乱も比較的少なく、持ち前の引きこもり精神の下に周辺諸国と一定の関係を維持しつつ
発展していた。(再び生まれ変わった某宰相は「また厄介ごとはオレか・・・」とゲンナリしていたが)
しかし、原作通りスロリアの西側を手中に収めたローリダ共和国との衝突が切って落とされようとしていた。

「ローリダ側との交渉は?」
「交渉は無理ですね。こっちが応戦して潜水艦撃沈や航空機を落としてるので早めに講和条件という名の
最後通牒が届いています」
「いきなり侵攻してくる可能性もあったから最後通牒があっただけまだマシだと言えるが・・・」
「国内の方は」
「世論も現状では開戦支持で固まっています」

ローリダの行った数々の蛮行に世論は文字通り激昂。
「無法な侵略者を討つべし!」と怒り狂っており、一部冷静な知識人もローリダ共和国との
講和条件の中身や宗教観を掲げた膨張主義が知られ始めると開戦を支持するようになっていた。

「一部では核ミサイルで焼き払え!という声もありますがどうします?」
「・・・核自体の使用は考慮しても多用は駄目だな。この世界の海流や気象のデータも十分揃ってない。
ローリダを潰しても核汚染がこっちに来たら目も当てられないしな」
「勝ち方も問題だ。ローリダに勝ってもノルラント同盟との衝突じゃ割に合わない」
「やはり最初は通常兵力で敵戦力を撃滅、スロリア西部に侵攻し、彼らが核を使用するようなら核攻撃も辞さずだろうな」
「スロリアでの陸戦は原作通り・・・といってもこちらの戦力が圧倒的な分文字通り蹂躙することになるが」
「海軍も機動部隊を出撃させるのでいざとなればノドコールへの航空攻撃も可能です」
「一応グナドスなどが介入してこないか警戒しておいてくれ」
「準備万端だな・・・では、あの野蛮人たちに本物の”戦争”というものを教えてやろうか」

かくしてローリダ共和国は自分が如何なる相手を怒らせたのかを嫌というほど味わうことになる。


~余談 修羅場~

「・・・俊二、あっちでOHANASHIしようか?」
「ちょっと待て!話せばわかる!」
「シュンジ・・・私もハナシがあるんだ」
「待てえええええええ!!」

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最終更新:2014年05月19日 22:05