692 :ひゅうが:2016/06/27(月) 19:02:36   

  艦○れ 神崎島ネタSS――「第32回神崎島安全保障会議議事録抄録」



「それでは、定例の対策会議を開催したいと思います。毎度の事ですが、この会議は提督には内緒で、私たち艦娘の意見としての対帝国政府方針の意見を統一しておくことを目的にしています。
それ以上でもそれ以下でもないことをあらかじめご了承ください。」

「了解した。では当直秘書艦 吹雪。報告を。」

「は、はい。本日1200 自然変針点において電探を用いて距離測定と座標計測を行ったところ、進行不能点を超えることができたことを確認しました。
なので鎮守府中央指揮所に対し『ン連装』を発信。1350時、空中でも境界線が消滅したことを確認しています。」

「つまり、我々を日本本土や比島などと隔てていた見えないクライン空間は消滅したってわけね?」

「専門用語すぎますよ夕張さん。要は壁が消えた。そういうことですよね大淀?」

「それはそれで単純な要約ですけどね。これを受けて任務艦娘権限で鎮守府全体に第3種防衛基準態勢を発令。提督の判断を仰ぐことになりました。」

「演習中だった第1機動艦隊と第1航空艦隊も帰投。おや早いな。」

「ここは、譲れませんから。」

「まったく。ドヤ顔で胸を張るようなことじゃないと思う。」

「瑞鶴。お行儀が悪いですよ。」

「そのときの提督は…その…」

「言わないでいい。どうせ金剛がひっついていて非常招集に少々遅れるのはいつものことだ。先輩もそれくらいの誤差をきちんと計算しているから始末が悪いが…」

「これも甲斐性デース!」

「ええと、それで提督の考えは?私は今きたばかりなので…」

「大和は…ああ、調理中だったか。心配しないでも、きちんと提督は召し上がっている。
…と、そうだな。
『とりあえずは接触。抜け駆けを抑止するために交代で哨戒線を張る』。定石通りだ。」

「あなたは外連味のある方が好み?長門?」

「勘違いするな。私は提督の方針は定石通り手堅く信頼がおける、という意味でいっているのだ。」

「基本のなっていない者が奇策に走るようなことをすると惨いことになるからな。」

「武蔵の言う通り。慢心してはダメですからね。」

「それで、どうなったのですか?」

「二水戦の出番はもう少し先だ。とりあえずは主力艦隊による示威行動のもとで接触する方向で話が進んでいる。」

「で、私たち重巡も出るの?」

「勝利をおさめる必要はないぞ足柄。一応は我々と同じく帝国海軍に属する艦たちだ。」

693 :ひゅうが:2016/06/27(月) 19:03:10

「確か、今は1937年ですよね?まだ私たちは就役前かぁ…飛龍は起工してすぐだし。」

「私たちは…だいたいドックの頃…よね…」

「ね、姉様?!」

「まだ私たち乙型は計画段階ですよね。」

「夕雲型もそろってはいない頃。2年前に第四艦隊事件が起きたはずだから…」

「た、龍田!?その笑いは怖いからやめてくれ!」

「アタシたち5500トン級はそのまんまですけど、阿賀野型も大和型も、雲龍型も大淀型もまだ計画段階ですよね?」

「電気溶接は…やっぱりちょと早かったのでしょうか。腰が…」

「ともあれ、我々が帝国海軍と接触するのは既定次項だ。場所からして我々が無言で居座っていても無視してくれるほど帝国海軍はお人よしではない。」

「問題は、これまで話し合ってきたように、どのように提督と鎮守府をお守りするかです。」

「ソノ通リ。艦娘ノ皆ノヨウニ、我々ハ人間ガ出来テイナイノデナ。
マタ帝国ノタメノ捨テ駒ニナレト言ワレタラ東京湾ニ突入シ帝都ヲ火ノ海ニシテヤリタイ程度ニハアノ海軍ヲ信用シテイナイ。」

「まぁ…そう、そうね。」

「では、先に話し合ったように自治権と不可侵の確保は絶対条件と。そのための情報開示は歴史上の詳細資料、という感じでいいですね?」

「コノ島ハヨイトコロダ。イズレ我々モ鎮マルダロウガ、ソレマデノ安息ノ地ヲ取リ上ゲラレルナラ…全力デ抵抗スルノミ!」

「ソウ気炎ヲ上ゲルモノデモナイデスワー。中枢サン。ドチラニセヨ私タチハ帝国ト関ワル気ハナイノ。
艦娘ニナレナイノデナク、ナラナイノト同ジコト。」

「ソウハイウガナ大佐。」

「すねーく乙。です。」

「鳳翔サン!?」

「ごほん!ともかく、資料のまとめは終わっているのか?秋雲?青葉?」

「うーん、なんだか今一気がすすみませんが…」

「イラストつけていい?」

「ダメだ!刺激が強すぎる!
…帝国を騙すのに気が進まないのはわかるが、今回は我々が独立政権であることを帝国政府に納得させるのが先決だ。
…で、あの方は?」

「あ、はい。記憶力のいい方ですからいずれ真実に気付くでしょう。ですがそれで怒るような方じゃない…と、私は思います。お会いしたことは数えるくらいですが。」

「お召し艦歴の長い比叡がそう思うのだ。私は間違いないと思う。」

「では、打ち合わせ通りに。
提督と共に帝都へ向かうのは?」

「交渉能力に優れた艦娘はお前くらいだろう大淀。あとは…やはり籤引きだな。ここで決めたら暴動が起きる。」

694 :ひゅうが:2016/06/27(月) 19:05:22
【あとがき】――ブッキーを有能気味にしてみた。あと会話文のみだけどだいたい誰かわかる…といいなぁ(汗

696 :ooi:2016/06/27(月) 19:08:58
ひゅうが氏
乙です。
此処における資料は以前に投稿されたあの神崎島歴史資料という事ですね。

697 :ひゅうが:2016/06/27(月) 19:13:16
ありがとうございます。
実は青葉作の記事だったんだ…本人もそれほど気が進まなかったみたいですけど、同人ネタからそっち系の伝説に詳しい秋雲と共同制作したものです。
実は真面目な青葉を気遣う秋雲とか、いいんじゃないかな?と思いまして。

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最終更新:2023年11月05日 16:38