913 :taka:2015/01/16(金) 14:35:27
戦後、進駐軍であり得そうな事

整理・復興中の下町の一区を除けば、戦前のままの東京の町並み
戦争が終わったことへの安堵と、今後の不安、不況と食糧難についての不安が人々の表情を彩っている
そんな町並みの中で、異彩を誇るジープに乗った米兵達

「しかし、おとなしいもんだぜ。てっきり銃弾か仕掛け爆弾でも来るかと思いきや
 俺たちなんて居ないかの様に生活してやがる」

パットンと昭和天皇が会談している写真が移った新聞を見ながら米兵は呟いた
会談は基本的紳士的に終わったそうだ。あの親父の事だから天皇が変な態度取ったら怒鳴る位やると思ってたが
戦時の凄まじい抵抗から、戦後のあまりにも大人しい態度に米兵たちは拍子抜けしていた

「おい、どこに行くんだ?」
「東京見物してた英兵が住民とトラブル起こしたらしい。ちょいと仲裁に言ってくるぜ」

そう言いながら憲兵の1団が通り過ぎて行く
少なからぬトラブルや衝突は起きていたものの、パットン親父の統括もあり米軍の進駐は比較的順調に行われていた
そうでなかったのは他の軍である。とっくの昔に札付き扱いされて「お前ら出てけ」された民国もそうだが英国も酷かった
日本人からすれば、負けたのは米軍という最強最大の連合国盟主だという事なのだ
おまけで戦勝国面してやってきた連中にまでなぜ頭を下げなきゃならんのか
国土を焼き尽くされて無条件降伏ならいざ知らず、「名誉ある降伏」を米国にした意識なのだ
戦勝国のカテゴリーに入っていても、日本人からすれば「だから何だ」なのだ
特に海軍の復員兵とイギリス軍の進駐兵との啀み合いは多く

「ただの一度も俺達に勝てなかった紅茶野郎が偉そうにするな!」

との暴言を聞いて激怒した英兵が威嚇射撃するなど大騒ぎまで起きている
なので米軍の憲兵は度重なるトラブルに大わらわであり、自国よりも他国の兵士が起こしたトラブルに頭を悩ませていた

「全く、戦争が終わっても大変だぁね」

ラジオからは、りんごの歌が流れていた……

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最終更新:2016年08月16日 11:46