589 :584:2015/07/04(土) 18:14:15
それではお言葉に甘えて。正直考察不足な部分も多いですが宜しくお願いします。

なお、英国とは友好関係、最低でも同盟関係に有る世界線を想定しています。


「全く…先の見えない愚か者が。ことここに至って"あの"日本に感情論だけで喧嘩を売る気か。」
「黄禍論なぞあのジャガイモどもだけで十分だというのに…」
「あげく、『政府が動かないなら我らが先鞭をつける』だと。ウィットのかけらもない。ジョークにもならんぞ。アカでもあるまいに」
英国政府の中枢を担う場で、そんな会話がなされていた。
「ですが、それで実際に政府関係者が殺され、しかも犯人を捕らえられないどころか…」
「わかっている。『この世ならざる』死に方をしていればな。」
「…この大英帝国が、彼らに頼るしか無いとは、な。不甲斐ないな…。」


とある客船のデッキで、一人の青年が盛大なくしゃみをした。
「何をやっているのですか。本を汚す気ですか。」
「言うなよ…。それより、何を読んでるんだい?」
金髪の青年に声をかけたのは、「異装」の少女であった。
読み終えた何冊もの本を積み上げて、なお新しい本を読む少女が持つものは、ずいぶんと古いものだった。
「『東方見聞録』です。」
「マルコ・ポーロの?…アテになるのかい?それ。」
「是(イエス)。現在のものは詳細ですが、比較的表層の部分しか書いてないものが多いです。それに、あの国は古来から独自の文化を築き、書物についても一家言ある模様。『お伽話』のたぐいも多く、その中には『この世のものとは思えぬ』ものも少なくありません。」
「『在らざるべき知識』も豊富かもしれない、と。そんなところに乗り込むのはぞっとしないな。」
「…風邪など引いてる暇があるなら学べばいいのです。うすのろ。」
「まあ、ね…その割には観光ガイドもある、って『帝都の美味しい菓子屋』?」
「ちょ!みるな!」
観光ガイドを取り戻そうと、躍起になる「錠前」を付けた少女をあしらいながら、青年は苦笑しつつ答えた。
「そういえばあそこには、世界一の蔵書を誇る図書館が有るらしい。すぐに帰れとも言われないだろうし、終わったら行ってみるか、ダリアン。」
「…揚げパンの美味しい店も行くですよ、ヒューイ。」
この世に「在らざるべき」知識の守り手たちののった連絡船は、まもなく日本に到着しようとしていた。


蛇足一
「この国の政府は何を考えているのだ!?幻書の存在を放置する気か!」
「ケケケッ、そりゃ『本の国』で堂々と『焚書官だ』なんて名乗れば軟禁もされるに決まってるだろうよ。」
「黙れ、ガラクタ。」

蛇足二
「教授、あの国は書物の普及も国民の教養も十分で、幻稿を広めるのに適しているのに、行かないの?」
「…宣教師の墓場、という意味を身を持って思い知らされましてね…。」

蛇足三
「まさか『黒の読姫』と『鍵守』が来るとは。」
「まあ、昔から明らかにオカルトな事象の報告や、明らかなオーパーツ、それを纏めた書物がありましたからねえ…しかも大量に。」
「そうだな、しかし。」
「ああ、重要なのは。」
『果たして、原作版かアニメ版か、だ。』
「…漫画版の可能性もあるんじゃあ」
「それなら原作版とまとめて良いんじゃ。」
「表にでろ。」
…夢幻会は平常運転だった。

「いやいやいや!?転生とかモロに関わりそうなんですけど!?もっと危機感をモチましょうよ!」
「…諦めましょうよ。」


続かない



というわけで、初期の方の議論で出来た設定、日本大陸が「書物の国」というところからの連想した『ダンタリアンの書架』とのクロスです。
話のネタにどうぞ。
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最終更新:2016年10月10日 22:49