115: 陣龍 :2017/03/24(金) 22:07:29


『新米世界帝国の憂鬱』


「……どうしてこうなった」
「久し振りに幼馴染一同集まっての飲み会で何言ってるんだダルコ」
「お前ら俺のボーナス支給日狙って来たんだろうが…」
「まあ堅い事言うなって!俺の割引券使ってお得だぜ!」
「黙れヴィッサリオン。マクシムが無事帰還出来た祝いの席で無ければお前だけはマッハで叩き出してる所だこん畜生」
「ま、まあまあダルコ。俺も従軍手当と勲章による賞与で余裕あるし、金出すから機嫌直してくれって」
「……お前は相変わらずだな、本当に」


 20XX年。ロシア連邦の首都モスクワ。2000年に発生した『極東戦争』による中華人民共和国の満州侵攻を圧倒的勝利で叩き潰し、その後アメリカの愚か極まりない傍観によってロシア陣営へと一斉に日本、東南アジア、インド、中東が転向すると言う驚天動地の事件が起こってよりこの方、閉塞感が強く見られたソ連時代とは打って変わってこの都市は、開放的かつ未来を感じさせる明るい発展を続けていた。街行く人々の多くも、そこかしこで子供連れの両親や恋人同士、そして夢に向かってまっしぐらな青少年達の笑顔があふれていた。


「しかし、何時の間に出来たんだ、この店は」
「何だダルコ知らないのか、ってそういやダルコは役人だったな……。この『桜海』は、つい先月にオープンしたんだ。店主は元日本駐留の兵士で、向こうで…い、イザ、カヤ?とか言う店のやり方を習って来たんだとよ」
「へぇ……。雰囲気も内装も春を思い起こさせる、良い店だな。外が真冬だからこそ、余計に暖かみを感じるぞ」
「へへっ、来てよかっただろ!」
「そうだな。それはそれとしてヴィッサリオン。お前は後で制裁だ、慈悲は無い」
「なんでや!!」


 それぞれ気軽な衣服を身に纏い、ロシア首都モスクワに初めて進出した居酒屋の一室を占拠しながら気を使う必要のない同郷の友人達との久し振りの旧交を温める光景は、注文を取りに来たロシア人女性店員も傍を通った別のお客も自然とほっこりさせる物であった。


「で、話は変わるがダルコ」
「何だ」
「……実際の所どうなのよ。俺達一般市民は今回の『欧州戦争』にも勝利した事を不安半分喜び半分に祝っているが」
「不安半分か」
「ああ……。一応俺達だって頭も有る。今のロシアが抱え込んでいる物が余りにも大きすぎる事くらいは、何となく分かってるさ。タダでさえユーラシア連盟だけでも広いってのに、コレに加えて欧州…それも無駄にプライドが高い奴らも隷下に入れるってのは、な…?」
「……まさか居残り勉強常習犯のヴィッサリオンが、難しい事を考えているとはな」
「……ちゃんと金は払うから、機嫌直してくれって。な?」
「おう、考えておく。後お前の唐揚げレモン掛けとくぞ」
「ちょ、おま…戦争だろ、それをやっちまったら戦争だろう…!」


 そうしてそれぞれに酒やつまみ等が進んでいく中、現在モスクワ市街でトラック運転手をしている、子供の時は勉強嫌いで良く一人教師と共に勉強させられていたヴィッサリオンが、幼い頃より真面目で勉強が出来ると言うヴィッサリオンとは正反対なのに妙に気の合ったダルコに話を切り出す。内容は、今では世界各国で話題に出ない日は無い『欧州戦争』についてである。

116: 陣龍 :2017/03/24(金) 22:10:10

「正直に言えば……皆毎日『どうしてこうなった』と心の奥底で思いつつも書類処理で死にかけているな。最近事務費で購入している栄養ドリンクがワン
ケースから更に増量したしな」
「…どのくらい?」
「一抱え段ボール分の奴が5箱くらいだ」
「前線での戦闘よりもハードじゃ無いのかそれって」
「何、過労死の危険性はあるが近くに病院もあるしマクシムの様にライフルと対戦車ミサイル担いで敵兵や戦車部隊と殴り合うよりかは断然マシだ」
「いやその理屈と感覚はおかしいよダルコ。どう考えてもレオパルド相手に伏撃かますよりも過労死寸前まで働き詰めな方が危ないだろ」
「おかしいのはお前の感覚だマクシム。書類の局地的豪雪地域の雪掻きより前線での戦闘の方が危険だろ」
「どう考えても両方おかしいからと一般市民代表のヴィッサリオンより提言させて頂く」


 『欧州戦争』…別名『リベラル身投げ戦争』とも言われた、前線と後方の戦いに従事した男二人の言い合いに引き攣った笑みで止めに入るヴィッサリオン。
そういう彼も所属会社が軍への補給活動に参加していた為に相当働き詰めだったりするのだが。まあ移動は完全に安全が保障されていた後方地帯限定であったし、給料も会社社長が腰を抜かす程政府よりたんまりと報奨金が出たお陰で貯金に関してだけはホクホク顔状態でも有ったが。


「……最近のテレビはこんなのばっかりだな」
「んあ?…ああ、確かになぁ。偶にはもっと別の奴放送して貰いたいもんだ。まあ確かにあのリベラリスト共の事を細かに検証する必要はあるのは認めるけど」
「実際前線で此奴らのクソふざけた記事やら自由の報道とやらを直接見た俺としては、正直もう見たくないな……。頭が痛くなってきた」


 店主曰く、一週間前に発売されたばかりの液晶薄型テレビにて綺麗に映し出されている、今回の『欧州戦争』勃発の元凶でも有ったリベラリストの言動や報道に対して事実を照らし合わせて行われていた検証番組に、地に足を着けて生きる人間には到底理解し難い論理で生きていたリベラリストからの被害を大なり小なりそれぞれの形で受けていた三人の地方出身者は、それぞれ日本から直輸入した店主自慢の日本酒を呷る。その味は、三人の憂鬱な気持ちを嘲笑うかのように、とても澄んだ美味い物であった。





 西暦2000年に、中華人民共和国の満州侵攻により発生した『極東戦争』により、中華人民共和国は重軽工業を可能とする全ての機械が接収された上に多大な賠償と軍備、輸入制限により人だけ多い発展途上国以下に零落し、朝鮮半島は北朝鮮により統一された末思想改造級の教育制度によって何とか南半島側も安定へと持ち出して、アメリカ軍が追い出された後の極東情勢は順調に安定化に向けて進んでいった一方で、自業自得でアジアに加えて東欧すらも勢力圏より喪失して『欧州連合』も権威もついでに国威も信用も大崩壊した欧州諸国では、低迷するこの欧州を作り出す原因であったリベラルなマスメディアが我が世を謳歌していた。『ダブルスタンダード上等な綺麗ごと』と『バイアスを二重三重にも重ね掛けした適当かつ不正確な報道』をモットーとした彼等はまるで己の所業を反省する事も無く、字面だけは素晴らしいリベラリズムで国家の行き舵を無責任に捻じ曲げ続けていた。丁度アメリカにおいて、東日本大震災の救援活動を行おうとした政府に対して『あのファシスト国家より民主化に立ち上がったアフリカを救え』と言う常識を疑う報道を繰り返して日米の関係を決定的に断絶させ、更には異常なまでの軍備削減すら政府と議会に行わせたのがその代表例である。


 一方同じく夢想的リベラリズムが蔓延する欧州では、過度の肩入れにより崩壊したアフリカ諸国からの難民をまたもや綺麗ごとを書き立ててマスメディアが受け入れさせた結果、各国の治安が極めて悪化して反難民受け入れデモの大規模化や暴動、更には鎮圧等により内戦と殆ど大差無い状態にまでなっていた国家も出て来ていたが、マスメディアが反省する事は欠片も無かった。何か言われたとしても『報道の自由』を旗印に偏向報道やミスリードを厭わない情報操作によってリベラル的言動に反する市民や知識人等は『難民を排除しようとする者は人では無い冷血漢』『報道の自由を侵害する者は社会的地位を剥奪されるべき』『今回の事態の責任は全て非協力的な市民にある』等と、ロシア陣営に日本の手引きで転向したポーランド人をして「ロシア側について本当に良かった」と心底思わせる程に『リベラリスト以外は人に非ず』と言えるだけの一方的な報道と言論弾圧による暴走が続いていた。

117: 陣龍 :2017/03/24(金) 22:13:17

 そんな事が起こっている一方で、ロシアを盟主としたユーラシア連盟は自爆による引火で転げ回っている欧州を他所に順調に技術開発と経済発展を続けていた。元々『極東戦争』以降、世界的にも有望な成長市場であるインドや東南アジア、石油資源の宝庫である中東全てが集結している以上、当たり前では有ったが、盟主であるロシア連邦自身でも広大な国土開発による成長とソ連時代に抑えられていたロシア人の購買意欲がこの好景気で爆発した為でもあった。加えて日本からの投資や技術等の購入と供与と言う援護に加え、中共が事実上無害化した上に満州に撃ち込んだ楔と安定化に進む朝鮮半島によって極東情勢が落ち着いた為にロシア陣営のバスタブ化した日本海や東シナ海、オホーツク海等々…つまりは日付変更線より大よそ西側かつオーストラリア本土近海以外がロシア陣営の勢力圏と同じような物になった事による経済的、軍事的連結の影響も極めて大きく、好景気の影響もあるとは言えロシア海軍の艦艇整備が順調に進められている事からも、ロシアが抱え込んだ物の大きさがうかがえた。ロシア三軍の中の人は増え続ける予算と共に人員確保と教練で転げ回っていたが。


「……まーた過去の振り返り映像かよ。コレ一体何回目だ?」
「そう言うな。確かこの番組は世界に向けて放送されている様だから、ロシア陣営の正義を再度知らしめる為の物なんだろう」
「もうリベラル型のマスメディアが潰れている以上、あんまりしつこくやる必要も無いと思うけどなぁ」


 そうした明暗がクッキリと西はポーランド、東は日付変更線を境に分かれてから約15年以上が経過してから、ある事件が発生した。欧州諸国の受け入れ許容量を軽く超える人数の難民が溢れた結果、マスメディアが『ロシアは人道的観念に基づき難民を直ちに受け入れるべきである』と責任逃れの為かそれとも部数と視聴率の為か煽り出し、保護の輪から漏れた多数の難民が欧州のマスメディアの扇動に乗ってポーランドに移動し、最初から難民受け入れを拒否していたポーランドは軍隊を動員して国境を封鎖。強引な突破を図った者には銃弾で叩き返したこの行動に対して欧州マスメディアは『血も涙もない鬼畜の所業』と痛烈に批判し、ただでさえ悪化していたロシア陣営と旧EU陣営の関係は更に悪化していった。しかも間の悪い事に、当時のドイツの女首相はリベラリストが絶賛するレベルの教条的リベラリストでも有り、難民問題をロシア側に責任転嫁していた事も有って関係が改善される見通し等全然無かった。

 ポーランドに取って見れば『欧州が勝手にエジプト等に手を突っ込み続けた結果の自業自得の被害を、どうしてわざわざ自分たちが受け止めなければならない?お前達の行動の責任はお前らが取れ、尻拭いを他人にさせるな』と言うのが紛れも無い本音であり、ロシア陣営の諸国もポーランドを明確に支持していた。同一陣営である事だからと言うのも有るが、それ以前にポーランドの行動を批判すれば確実に難民保護を支持していると見なされて万単位の難民が襲ってくるのが目に見えていたからだ。自分達の努力で獲得しつつある豊かな生活、取り分け中東では日本と最近はロシア等も含んだロシア陣営各国による支援や民間団体の活動によって順調に緑化が進みつつあった事も有り、経済も治安も悪化させる難民の大規模受け入れは絶対に拒否一択だった。


「何度見ても『先進国ならば人道的に難民を受け入れなければならない』とかふざけんなの一言だよな。プーチン大統領の『大人と言うのは自分の行動に責任を取る物だ』の一言に顔真っ赤にするドイツ人とアメリカ人の姿が何とも痛快」
「ただまあ、俺この頃に召集と待機状態に入ったからなぁ。本当は万一の為、だったんだろうけど」
「お前もそうだったのかマクシム。此方も緊急招集と保存食の大量買い出しから始まったな」
「…俺は、戦争開始まで今まで通りだったな」
「まあ、ヴィッサリオンは民間人だからな」

118: 陣龍 :2017/03/24(金) 22:15:21
 無責任に煽り立てる欧州マスメディアによって退く事が出来ない欧州諸国、と言うよりドイツの動きをみてオフレコでロシア連邦軍が動員準備を整えだす中、共に血を流し続けた同盟国を自身の財布だけを見て見捨てた恥知らず国家として名高いアメリカ合衆国が何故かしゃしゃり出てくる。取り敢えず来てしまった為招き入れはしたものの『何をしに来た』と言わんばかりの日本を筆頭にしたロシア陣営各国からの冷たい視線の中、当のアメリカ人は難民を受け入れている欧州諸国を賞賛した上で、アメリカを含む世界各国が受け入れている以上治安も経済も安定しているロシアや日本も受け入れるべきであると、リベラリズム特有の美辞麗句に彩られた言葉で堂々と発言。日本人がこの発言に対してテレビ画面でも鮮明度が高ければ分かる程度に青筋を立てる中、ロシア連邦の大統領である『ウラジミール・プーチン』は上記の言葉に加え『国家の存在意義は自国民や友人を犠牲にして他人を助ける事では無い。血を流し続けた同盟国よりも赤の他国が持つ目先の市場がよっぽど大事な守銭奴国家には理解出来ないとは思うが』といつも以上の冷厳な表情で皮肉った末に国際会議終了を宣言。この発言に極東の某大陸国家が黒歴史を思い出して一部の人間がのた打ち回っていたのを他所に、無責任な正義と人道主義を掲げる欧州諸国+アメリカ合衆国とロシア陣営の徹底的な決裂が確定した。




「ところで全面戦争に発展する火口になった難民によるロシア軍への攻撃って、アレ難民の武器って誰が渡したんだ?二人とも知らないか?」
「んー……まあ明日には発表されるから良いか。実はアレ、欧州諸国の人権団体とマスメディアが共謀して護衛用だか何だかと言い訳付けて難民に譲渡したんだ。
人権団体は難民のロシア侵入に対する手助け、マスメディアはスクープ確保の為に」
「……いや流石にそれ冗談だろ流石にどう考えてもさ。幾ら何でもそんな事するか?」
「だが実際にそいつらがやらかした事実と証拠は確保されている。それに本当の事実がどうであれ、ロシアに喧嘩を売った事に対する罪は受けて貰わないとならない。まあ誰も安全圏に逃がしていないしな」
「……それってつまり」
「嘘くさいが難民に武器を流したのが人権団体とマスメディアなのは事実だ」
「……でも本当の事実がどうであれって」
「言葉の綾だ、気にするな」
「アッハイ」


 そして『欧州戦争』直前の欧州の情勢を見たロシア陣営ナンバーツーの列島国家の老人方に『国民全体に余り活気が無い事を除けばまるで自分の若い頃の様な状況』だと何とも意味深な言葉を発せさせた中、ドイツとポーランド国境に屯する難民の数は増大する一方で、ドイツに難民排除を要求しても逆にポーランドに対して難民受け入れを強要すると言う波蘭外交官が頭を抱えていた春先。増援として到着したロシア連邦軍の先遣隊と共に国境線を巡回していたポーランド兵が有刺鉄線と壁で作られた国境線を乗り越えた難民を発見。事前のマニュアル通りに制止の為警告射撃をしようとした瞬間に、難民側から多数の銃声が轟き、不運にもポーランド兵とロシア兵の合計三名が被弾し、二人は防弾チョッキの為軽症で済むも内一人が顔面に被弾し重症を負った。当然先んじて発砲した十数名の難民はその他のポーランド、ロシア兵による銃撃で全員が死亡した。
これだけで有れば問題無かったかもしれないが、その死亡した難民の中に二人の子供が混ざって居た事と、回収された難民が装備していた銃器が欧州産であった事が事を面倒にさせた。

 リベラルなマスメディアに取って見れば、ロシア兵やポーランド兵が先に銃撃された事やその内一人が重傷を負った事等よりも、国境侵犯した上に警告される前から銃で攻撃した難民の中の子供二人の方がよっぽど大事らしく、報道の中で『罪なき人々を楽しんで殺戮するロシア兵』『装備が優位であるロシア側の怠慢が産んだ惨劇』『無傷で確保する努力を怠ったロシアの非道』等々、撮影していた映像を全て流す事無くまるでロシア側が国境線を越えた難民に対して、攻撃を受けても居ないのに警告無くすぐさま発砲しているように見せかける拡大や切り取り方をして報道をしていた。ロシア側の諸国マスメディアは公正な報道をしていたと言うのに、その差は余りにも歴然としていた。当然ロシア側から外交ルート含めて猛烈な抗議が各方面に叩き付けられていたが、責任を取る気など更々無い上最終的には小さい訂正記事で終わらせる気満々なリベラルなマスメディアには無しの礫であった。政府に関しても報道の自由を楯にされた為実質的に何か出来る事は無かった。そして最終的には、暴動を起こして襲い掛かって来た難民に対するポーランド・ロシア軍の機銃掃射に対して多国籍軍を名乗る欧州諸国の軍が介入。現地の混乱の中、故意かそれとも過失か、多国籍軍の銃弾がロシア兵を複数殺傷。後は最後通牒からの雪崩であった。

119: 陣龍 :2017/03/24(金) 22:19:17


「…それでマクシム。実際の所、戦争はどんな感じだったんだ?ああいや、話したくなかったら別に良いんだが…」
「お前が気を使えるとはな、知らなかったぞ」
「うるせえわダルコ」
「……別に、そこまで大変って感じはしなかったな。上官殿の指揮が素晴らしかったのも有るけど、一番は連携と通信、それと電子技術の差かな」
「えっと…つまり?」
「俺達はもうこう言ったАндроид(アンドロイド)見たいな小型の通信デバイスがそこら中にあるし軍事利用もされてるけど…向こうさん、2000年頃から殆ど進化していなかったんだよ。テレビはブラウン管主体だし、携帯もストレートタイプだし、タッチパネルとかも全然普及している様子無かったし」
「いやぁ、幾ら何でもそれは無いだろ?仮にそうだとしても第三国経由で民生品とか向こうに渡ってるだろ?それを解析すりゃ幾らでも…」
「お前、教科書で勉強しないでテストで100点取れると思うのか?若しくはテストの答えだけ見て途中の計算式とかを全部書けるのか?」
「…無理です、はい」
「そういえば子供の頃そんな事やっていたな、ヴィッサリオン」
「分かれば良い。ホレ、追加の唐揚げだ塩まぶしといたぞ」
「いやコレ唐揚げの塩まぶしじゃ無くて塩の唐揚げまぶしじゃんかよ……」


 ロシア内部では内政に邁進したいのに喧嘩を吹っ掛けて来たリベラリスト達に対して阿鼻叫喚の絶叫を上げている中勃発した『欧州戦争』に置いて、欧州側は侵攻は不可能でも防衛に関しては問題無いと判断していた。冷戦終結で削減された戦力は独仏を主軸に少なくとも再建されており、欧州側で参戦する事を表明していたアメリカ軍の主力増援が到着するまで耐久可能と、政府首脳陣は考えていた。ロシア側の兵器も、経済発展していたとしても早々更新していないだろうと当たりを着けても居た。数年前に公開されたロシア陸軍の新型戦車『T-1』も従来戦車よりも小型かつ機動力のある戦車で有った為、欧州側の主力戦車であるレオパルドよりも脆弱であると推測していた。つまりは、リベラルな欧州マスメディアによって『極東戦争』の時と同じく願望や適当な取材も無いバイアスのかかった報道や調査不足による情報不足で判断がまた歪んでいたのだ。軍部は未だロシア軍の戦力増強をある程度予測出来ていた方なのだが、頭がこんな物であったら大して意味は無い。核兵器に対する軍部の懸念も、『極東戦争』で日本を見捨てた実績が有るのに『日本人なら兎も角同人種の自分達は見捨てる筈はない』等とアメリカ頼りで有ったり、核を撃ち込まなければ核戦争にはならないと願望染みた予測を立てていた程だった。
後者に関しては結果的にその通りだったが。

 最後通牒に対して欧州側の返答が無い為に武力行使からの戦争状態に移行し、現代のフサリア騎兵とコサック兵が轡を並べてゲルマン民族とフランク騎士の根城であるベルリンとパリに向けて進撃すると言う、冷戦崩壊直後には想像も出来なかった光景に両軍の高官が感慨深い感情を抱く中、先鋒として一番槍を決めたロシア連邦空軍主力の航空部隊は、最新鋭のロールアウトしてそう間の無い電子戦機の支援の元、生産配備が継続中の『T-50(PAK FA)』を先頭に、脇を『Su-27 Журавлик』『Su-35/37』『Mig-29 Ласточка』が固める布陣となり。ドイツ空軍、イタリア空軍等の『Typhoon』やアメリカ空軍の『F-15 Eagle』『F-16 Fighting Falcon』を主力とした多国籍軍の航空部隊と交戦。相互に電子戦機の支援の元放たれた中・長距離対空ミサイルは、多国籍軍側のミサイルはロシアの電子戦機によるジャミングで悉く有らぬ方向へと迷走して回避運動と合わせて命中弾が皆無な一方、ロシア側のミサイルは多国籍軍側のジャミングや回避運動を物ともせずに敵機に向かって突撃し続け、発射弾数の内8割以上が命中する好対照の結果となった。2000年頃を境に電子技術産業が際限無く爆発的かつ恐竜的進化と成長を続けていたロシア陣営とは違い、市場を多数失い不景気で技術者や企業も喪失していた多国籍軍側との差は、歴然としていたのだ。

120: 陣龍 :2017/03/24(金) 22:21:02

 陸上戦闘においても大体同じだった。各兵士一人ひとりに高精度の通信デバイスが供給され、視覚的に自身の居場所や味方部隊、敵兵の状況偵察が即座に把握出来るロシア・ポーランド連合軍とは違い、その様な便利な物など無い多国籍軍側は初めから情報量と通信速度、連携の差で負けていた。加えて不景気で技術開発が停滞していた多国籍軍の戦車は、ロシア陣営の統一戦車を目指して日露満印主体に各国が技術や資金を提供して開発され、結局旧NATO陣営とロシア陣営の規格の差を乗り越えられず基礎設計を同じようにすると言う形でお茶を濁された『T-1』の戦闘力より劣っていた。非公式愛称として礼儀正しさ、魂の清らかさ、節度ある態度を取れば善玉となるが、そうで無ければ恐ろしい魔女へとなる『Ба?ба-Яга?(バーバ・ヤーガ)』の名が授けられたこの『T-1』の戦歴はその愛称の通りであり、戦前の欧州Ласточкаは発砲の反動を吸収しきれずに命中率に悪影響』等の評価を完全に叩き潰す猛威を奮っていた。
勿論ドイツ騎士達も奮闘していたのは事実だが、ロシアの現代コサックの方が上手であった。

 尚余談だが、とある同盟国の国民がこの戦車を愛称と性能から好き勝手に連想して擬人化させたイラストがネットを通じてロシア側にも流入し、色々転がった結果一部戦車部隊のパーソナルマークにその擬人化したイラストが採用されていたりする。勿論非公式かつ各兵員による私的な物であるが。


 戦闘場所から『フランクフルト郊外決戦』と呼ばれた『欧州戦争』の緒戦に置いて、ドイツ軍は伝統の電撃戦でもってロシア・ポーランド連合軍の迂回突破からの後方遮断を目論むも、兵力こそ全盛期より少し劣る程度にまで回復した物の、冷戦終結後の大規模な軍縮による錬度低下のダメージだけは回復し切れず、加えて通信妨害と空爆による効率的なインフラ破壊や進軍妨害により各部隊との連携が潰された為に事実上ただの兵力分散と成り果てた末、露波連合軍に各個撃破される形でドイツ機甲師団は壊滅した。戦略的敗北もそうだが、ロシア戦車部隊のスラローム射撃による猛攻に、錬度不足だったドイツ戦車兵が対処し切れずに撃破されたのも大きかった。加えてロシア側はデータリンクにより死角を可能な限り無くした上で連携しながら走り回って発砲するのに対して、ドイツ側は射撃時には一時停止しなければならない上にロシア側の様な高精度のデータリンク能力を保持していなかった。一息に爆砕されずに反撃に転じ掛けられただけ、ドイツ軍は奮戦した方だろうか。予備兵力に回されていたフランス軍のドイツ軍の敗走に巻き込まれかけながらも自走砲や装甲車、戦車の強襲で味方部隊が撤退するまでの時間を稼いだ姿には劣るが。



「そういやマクシム。勲章授与されたって言ってたが、実際の所どんな戦果挙げたんだ?」
「いや、単に歩兵ヘリでベルリンに突入した時、逃げ出そうとしていたドイツ首相のヘリを偶然見つけたからロケット打ち込んで撃墜、捕縛しただけだが」
「素晴らしい大戦果だな。この刺身を食べるが良い」
「あぁ!?それ俺が注文した刺身だぞダルコォ?!」


 その後撤退する多国籍軍を追撃する傍ら、制空権を優勢に保ちつつ戦争早期終結を目指しヘリ部隊がドイツ連邦共和国首都ベルリンに対して強襲を決行。前線部隊が露波連合軍に叩き潰された事に動揺した独逸首相は、彼女達リベラルが拒絶するWW2のドイツ総統の様にベルリンに残って国民が退避するまで交戦する事も無くヘリで逃亡を図り、運悪くベルリンに強襲を掛けたロシア側のヘリ部隊と鉢合わせとなり、撃墜された末に捕縛される羽目にあう。またそれに合わせて各省庁やマスメディア等もアッサリと制圧され、戦争開幕から僅か一月も経たずにドイツは首都を喪失し、事実上これ以降の舞台から姿を消す事となる。70年以上前の時代であればレジスタンスが蜂起する可能性も無くは無かったが、今は21世紀である。正規軍とレジスタンス組織の保有可能な兵器の差は絶望的にかけ離れていて中東の様な特殊な環境と極めて高い士気と戦術能力でもない限りゲリラ戦等夢物語であり、そもそも殆どのドイツ人がレジスタンス活動を行えるだけの意欲も経済力も無かった。その為ロシア・ポーランド連合軍がベルリンを制圧して治安活動を行った時も特に抵抗する事は無かったし、今までリベラルな報道ばかりしていたマスメディアがロシア軍に制圧された時にはひそかに喝采を上げていたと言う話もある位だった。

121: 陣龍 :2017/03/24(金) 22:24:02

 『ベルリン陥落』と『露波連合軍の快進撃』が全世界に知れ渡り、ただでさえ低空飛行だった欧州諸国の株価が更に底値に向かって叩き落され、外交上は一応宣戦布告上が交わされてい無いとは言え日露安全保障条約等に基づき極東から空母機動部隊が、東南アジア諸国も艦艇や軍を動員して太平洋上のアメリカ軍やオーストラリア軍を牽制してオーストラリアが絶望の絶叫を響かせる中、戦力測定を誤った上に空爆だけでお茶を濁そうとしていたアメリカ合衆国が押っ取り刀で欧州救援軍を編成し、大統領命令で二隻もの原子力空母すら護衛に回した輸送船団がロシア海軍の原子力潜水艦の夜襲によるハラスメント攻撃で神経をすり減らした上にダメージコントロールに失敗した巡洋艦一隻と駆逐艦三隻が轟沈、数隻が損傷を負う大損害を受け、止めにEU崩壊以後ロシア寄りの中立政策を取っている北欧寄りの航路を通過して多国籍軍の警戒網を突破したロシア海軍機動部隊艦載機部隊が潜水艦部隊の対艦ミサイル攻撃と合わせて攻撃を敢行。元々の国力の巨大さから欧州諸国より見た目の予算は合ったアメリカ軍だったのだが、軍縮による予算削減の打撃は元覇権国家の軍隊にとって極めて大きく、加えて2000年以降日系企業が全面撤退して以降続く各企業の倒産と技術肺活の停滞と散逸、そして不景気対策の為に繰り返された軍縮の嵐による兵員予備の減少と錬度の低下。最後に部品納入していた日本企業が唐突に消えた為の代替生産企業が、不景気で技術力のあった企業の大半が潰れており、生き残っていた企業も日本企業より技術が無かった為に性能と耐久性が低い場合が殆どであった。如何に強力な戦力を持つアメリカ海軍と言えども、これだけの悪条件が揃えば、本来の実力を発揮するのは無理であった。


 ロシア海軍の海と空を埋め尽くす飽和攻撃が終結した時、大西洋上に残存していたアメリカ海軍の艦艇は大半が黒煙を噴き上げておるか救助活動に奔走しており、その内大きく傾斜している原子力空母からは多数の人間が救命ボートに乗り込んで脱出しており、もう一隻の空母は既に海上に存在しなかった。陸上部隊が乗り込んでいた輸送船に関しても多数が沈められており、まるで戦史に残るミッドウェイかマリアナ沖の様な惨状であった。ただ、それでも元覇権国家軍隊の意地で、襲撃して来たロシア海軍艦載機部隊の三割以上を叩き落していたので、彼等の能力自体は決して見劣りする者では無かった。惜しくらむは、コンピューターウイルスの浸食とハッキングで衛星からの情報がマトモに入手できずに先手を打たれ、敵艦隊の発見もロシア海軍の対潜哨戒部隊によって欧州諸国側の潜水艦を沈められ続けていた為に遅れてしまい、大統領からの『断固たる侵略者に対する攻撃』と言う緊急の出撃命令の為に現場が混乱してしまった為に、目や耳、片手が潰された状態でロシア海軍と戦闘に突入する羽目になった事であろうか。そして僅か六隻しか存在しない原子力空母の内二隻を一瞬で喪失し、ロシア・ポーランド連合軍の猛攻によりフランス共和国の首都パリどころかピレネー山脈付近まで制圧された多国籍軍の状況に加え、日露を含むユーラシア連盟が共同で『これ以上戦争を望むと言うのなら、よろしい受けて立とうではないか』と言う暗に全面戦争を覚悟している声明を発表されるに及び、アメリカを筆頭とした残存勢力が折れるのにそう時間はかかる事は無かった。



「……俺たちが、もう一度こんな風に会えるのは、一体何時になるんだろうな」
「辛気臭いぞヴィッサリオン。……心配するな、一市民のお前は真面目に働いて税金収めてしっかり政治に向き合ってくれれば、それでいい」
「そう頻繁に会えることはないだろうけど……まあ、きっとまた会えるさ」
「……正直に言うとな」
「うん?何だ?」
「俺さ、二人と再開するのが過労死して教会で葬式する時なんじゃ無いかとか思ってるんだgアイダダダダダダ?!」
「お前は相変わらずだなこの野郎。酒の席でそんな馬鹿な事言うんじゃねえ」
「だなぁ。流石に俺らは軍人と役人だから忙しいのは確かだが、それはないと思うぞヴィッサリオン」
「分かった、分かったからかいほ、頭絞めるの止めてくrぐおえああああ?!鼻、鼻と口にワサビがぁあああ!?」

122: 陣龍 :2017/03/24(金) 22:25:45
 日本の店舗から暖簾分けされたモスクワ初の居酒屋『桜海』に設置されたテレビから、今回の戦争が勃発する根源となった各国のマスメディアやリベラリスト達に対する裁判が開始されるニュースが流れ、被告人は例外無く自己正当化と責任転嫁を繰り返して弁護人すらも匙を月にまで投げ捨てている事が報道されている中、この三人は昔に戻ったかのように大騒ぎしていた。絶大な支持を誇るプーチン大統領とロシア政府の今までの実績からくる未来への期待から。そして2000年頃から技術的に進んでいない欧州までもロシアが勢力圏に抱え込んでしまった事に対する不安を打ち消すかのように。




「全く持って面倒な事だ」
「……はっ」
「我が同盟国からの返答は?」
「可能な限り支援を行うと確約が。少数であれば兵力の派遣も考慮可能と」
「……全く持って、有り難い事だ」


 スウェーデンの首都、ストックホルムにあるとある高級ホテル。今現在このホテルには『欧州戦争』の事後処理の為に、この戦争に関わった多国籍軍並びにユーラシア連盟の大使が集まっていた。その一室で外を眺めながら部下からの報告を受けているのは、リベラリスト達が常々『悪魔』『死神』『魔王』等と口々に叫んでいるウラジミール・プーチン
大統領である。


「……大統領は、今回の会議の落しどころは、どのようにお考えで?」
「落とし前は付けさせる。賠償金も支払わせる。そして尻拭いは奴らに責任をもってさせる。……この位だ」
「はっ。了解しました」


 少々不機嫌な様子のプーチン大統領であったが、あの全てが変わる切っ掛けとなった『極東戦争』勃発以前からの付き合いが長い部下には、自らの上司が不機嫌である理由が言われずとも察せられた。と言うよりも、自分も大統領と同じ理由で不快なのだから、察せられて当然かも知れないが。


「軍部からの報告です。戦果と比べて損害は比較的軽微では有りますが、それでも『T-1』等の新鋭兵器の損傷や撃破による損失は無視できるものでは無いです。但し、空軍に関しては電子戦機による支援が思いの他有効で有った為に損害は少なくあります」
「海軍はどうだ?」
「潜水艦が数隻撃沈されておりますが、取り分け艦載機部隊の損害が相当な物で、機体の損失もですがそれ以上にパイロットの損害が痛いです。教練は進んでおりますがそれでも専門職である艦載機パイロットとなると…」
「……そうか。予算を回す様に手配する。戦死者やその家族に十分な慰撫を行う様に」
「了解しました」


 一つの理由が、今回の『欧州戦争』にて発生したロシア軍の損害。急速な経済成長と技術発展による軍備更新が進んでいたとは言え、それでも最新鋭戦車や貴重な艦載機部隊の損失はそれなり以上の痛手だった。ロシア連邦は間違いなくアメリカに比肩する超大国で有り、時間を掛ければ今回の損失も早期に復活可能とは言え、やりたくも無かった戦争で喪失した事に怒りを覚えない訳が無い。



123: 陣龍 :2017/03/24(金) 22:27:43


「それで、アメリカは?」
「弾劾された大統領に代わって繰り上がりで就任した副大統領はそれなりに話が通じます。ただ、アメリカ国内のマスメディアは変わらずに抵抗を続けています」
「……鬱陶しい事だな」
「同感です」


 もう一つの理由が、リベラル型マスメディアやリベラリスト共である。今回の『欧州戦争』を勃発させた元凶で有りながら、幾度もの責任追及に対して『報道の自由』と『第四の権力』等と言う世迷い事を撒き散らして一切合切反省する様子も無く、それどころか全責任を政府や国民に押し付けようとしている上に自身は助かろうとロシアに対して露骨に擦り寄る気配を見せていた。ハッキリ言おう。プーチン大統領は表面上平静であるがこのリベラリスト共の舐め腐り切った態度に完全にガチギレしている。
と言うかユーラシア連盟の全ても散々侮辱的記事や偏向報道を繰り返し続けたこのリベラリスト共にガチギレしているのだが。


「日本や各国との連携を密に、奴らの落とし前を徹底的に付けさせる。働いてもらうぞ」
「はっ!」


 その後喧々諤々の大論争が巻き起こるも結局ユーラシア連盟の要求通りとなった『ストックホルム停戦条約』に置いて、ヨーロッパ各国に加えアメリカ合衆国は多額の技術拠出を含む賠償金に加えて一定の軍備制限が課せられた上で自国のリベラルの適当さにより発生したエジプトを含むアフリカ諸国に対する治安維持と統治機能再建を義務付けられた。その結果、過去から積み重なった様々なツケに直面しその一身で受け止める羽目になった欧州各国は、二度と浮上出来ない泥沼に完全に埋もれて行き、気付いた時にはユーラシア連盟に対する対抗を考える事等おこがましい程の差が開き切っていた。リベラリズムに逃げようにも、リベラリズムが生み出した地獄が事細かに教科書等で教える様にされている為、欧州諸国の市民は過去の知識人やマスメディアに恨み節をぶつけながら、終わりの見えない自国経済の再建とアフリカ諸国への支援活動を行い続けるしか無かった。ある意味哀れな気もするのだが、それだけロシアを筆頭にユーラシア連盟の怒りとある種の絶望的感情は深かった。



 後世の歴史には『夢想的理性が生み出した結末』と言われたこの『欧州戦争』によって欧州とアメリカに刻まれた傷痕が癒えるまで回復するには、『ストックホルム条約』締結以後世紀単位の時間がかかるのであるが、神ならぬ彼等欧州市民は幸運にも、その未来を知る事は無かった。

124: 陣龍 :2017/03/24(金) 22:30:58
結論:Codか大戦略でやれ

…はい。何と言いますか因果応報と言うか色んな物がぶっ壊れた世界です。老大国のロシアが往年以上の
破壊力を持ち、対する欧州側は20世紀末期の微睡の中に居る、と。そしてマスゴミは死ぬ慈悲は無い

まあ悪夢世界ネタだから別に良いよね、どんだけぶっ飛んでても(震え声の自己弁護)

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最終更新:2017年03月27日 11:05