725: 第三帝国 :2017/03/29(水) 23:13:52


銀河連合日本×神崎島ネタSS――——「異星人と日本人の驚愕Ⅱ」


「おいおいおい、
 手前の違法建造物な艦橋をしているのは扶桑、あるいは山城か?
 後部甲板が飛行甲板になっているという事は、史実で計画された航空戦艦化しているってことか。
 だが、各艦の対空兵装を見てみると秋月型にしか配備されていなかった長10センチ砲が装備されているし、ボフォースの40ミリ機関砲まで標準装備されているなんて一体全体どこのレッド・サン・ブラッククロスだ!?
 しかも奥の方なんてどう見てもドイツのビスマルクだし、クリーン・エリザベス級の戦艦までいるなんて理解不能だ!」

サヴァンな白木が映像の内容を一瞬で理解しすると絶叫する。

「あっちの独特なシェルエットをした空母は龍驤だな。
 しかし甲板に置いてあるのあの逆ギャルのレシプロ機は流星だよなぁ。
 本来の龍驤には大きすぎてとてもじゃないが運用できないはずだが・・・大きいのか?」

オタク知識を動員して論評する柏木。
艦橋がなく、上部構造が見当たらない独特なシェルエットを見間違えるはずがなく、某ブラウザゲーでネタされていたが、本当にまな板のようだと呟く。

「最初に見た大和型戦艦も見てください。
 よく見ましたら3連装砲ではなく、連装砲4基と別物です。
 ですが、目測でもあの大きさだと10万トン以上はありますよ。
 砲塔も相応に大きいし・・・まさか試作だけで終わった51センチ砲・・・?
 しかも見た目よりも足が速い、巡航速力でもあれだと最大速力は29ノットは出ても可笑しくないです」

海将だけあって具体的な数値を導き出す加藤。

「やっぱタイムトリップでもしたのか?
 昔はよくあったなぁ、紺〇の艦隊とか」

三島が冗談を交えて発言する。

白木の絶叫を契機に特定の時代に関して特に詳しい日本側の人間達が議論を始まる。
何も知らないイゼイラ人と日本人はしばらく疑問符を頭に浮かべてているだけであったが、やがて某ブラウザゲームの話に飛び火し俺の嫁論争に入る寸前にフェルが口を開いた。

「マサトさ~ん。
 皆さんに分かる話をして下サ~イ」

ニコニコと笑みを浮かべるフェル。
しかしちょっとばかり機嫌が悪いようである。
フェルの笑顔(怒)に議論を交わしていたオタク共が一斉に口を閉じた。
機嫌を悪くした女性の怖さを身に染みているのだから・・・。

「で、マサトさん。
 日本の皆サンはあの船を知っているのデスカ?」

「ああ、まあ・・・全員じゃないけど、凄く有名な船として知られているんだ。
 今から約半世紀前にあった戦争に参加した日本の軍艦で名前は『大和』」

「ヤマトですか?
 私達が日本の事を「ヤルマルティア」と呼んでいますけど、良く似た響きでスネ」

新たなトリビアを発見したように感心するフェル。

726: 第三帝国 :2017/03/29(水) 23:15:17

「しかしケラー・カシワギの話だと大昔の軍艦で、今調べたら既に沈んでいるようだが・・・?
 後、何故船でヤマトという名で調べると女性の絵ばかりが出て来るんだ?」

そう言って首を傾げるゼルエ。

「あーその通りです。
 だから先ほどまで少し議論をしていました。
 いるはずのない存在が何故か現れたのですから。
 後、その女性の絵はその軍艦を擬人化させて遊ぶゲームの絵です」

「成程。
 過去の軍艦を人間に擬人化させて遊ぶ遊戯か、興味深い。
 そうした発想ができるとは流石発展途上文明だ、後で遊んでみよう」

「え、えぇえ。
 どうぞ・・・」

安全保障委員会の席上でまさかそんな台詞を聞くとは・・・と内心思う柏木。
布教成功と祝うべきか悩むところである。

『こちら神崎島鎮守府。
 未確認機へ告げます。
 当該海域に無断で立ち入ることは・・・』

『ム、ドウヤラ発見サレタミタイダ。
 電波デ警告ヲ受ケテイル。流石ニ近ヅキスギタヨウダナ』

突如第三者の声が入る。
シエが操縦しているデロニカが発見されたのだ。
場に緊張感が走ると同時に衝撃を受ける、何故なら。

「ニ、ニホン語!?」

ポルが皆を代表して声に出す。
いくら日本の船とはいえまさか日本語を聞くとは全員思わなかったからだ。

727: 第三帝国 :2017/03/29(水) 23:15:54

「これであの島は人が住んでいることが確定ですね。
 しかも大規模な軍事組織と一緒に日本の近海に現れたことを念頭に置かなくてはなりません。
 ガーグ勢力があの島に影響力を及ば差ないように安全保障委員会として早急に対処する必要があると具申します」

新見が一気に語りかけ、一拍。

「具体的にはかの島と国交を結ぶ事です。
 孤立した状況が長引けば長引く程ガーグが島に浸食するでしょう。
 そうなる前に日本が島の存在を認め、国交を開くことで防ぐのです。
 幸いというべきか、日本語を解する処からかの島は日本と何らかの縁があるように見受けられます」

「賛成です。
 防衛大臣として、中国の動きを抑えるためにも早急に動くべきと考えます
 あの島を万が一中国が所持することになればわが国の防衛体制は根本的な見直しを迫られます」

「自分もです。
 それと科学者として個人的な話ですが、あの島と周辺海域で非常に不可解な現象が報告されているので、
 その調査も行いたい、なので是非とも国交を開いていただきい」

新見の意見に対し井ノ崎防衛大臣、
内閣官房参与の真壁教授を皮切りに続々と賛成の意見が出ると、安全保障委員会の空気は早期国交樹立に向けて動く方針になった。

「では早期国交樹立で動きましょう。
 ・・・ところで最初に交渉する人間はどうしましょうか?」

二藤部総理がふと疑問を口にする。
何せ事態が事態なだけに下手な人間を送ることなぞできないのだから。

しかし、周囲の人間は一斉にとある人間に注目する。

「まあ、ここに丁度適切な人材がいるよなぁ」

ダニ声でニヤニヤと某突撃馬鹿を見る三島。

「人材は活用してこそ人財ですわ」

意味ありげに旧知の人間を見る麗子。

「頼みました」

それだけで十分、と言わんばかりな春日。

「行ってこい、突撃馬鹿」

そう親友に対して言う白木。

「マサトさん、出番でスヨ!」

なぜか嬉しい気持ちを隠さないフェル。


「え、俺?」


あらゆる人間から注目を浴びて、意味が分からん、と思っていた柏木真人が間抜けな声を出した。




おわり

728: 第三帝国 :2017/03/29(水) 23:24:57
以上です。
楽しんで頂ければ幸いです。
次回は艦娘側の話になる予定です

では

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最終更新:2017年04月02日 14:46