221: 第三帝国 :2017/06/22(木) 21:54:11


銀河連合日本×神崎島ネタSS――——「東京訪問Ⅲ」

東京湾にはかつて大海原を駆け抜け、そのことごとくが水浸く屍となった古の軍艦が勢ぞろいした。
この光景を中継しているテレビの視聴率はヤルバーン来訪以来の高視聴率を記録した。

それだけ日本中の関心を集めている行事という事でもあった。
無理からぬ話だ、なぜなら二次元の世界にしか存在しないはずの存在、艦娘が現実に現れて日本に帰属するなんて誰も考えもしなかっただろう。

しかし、今日からそれが【現実】となる。
やがて艦娘も宇宙人にも拘わらず今や日本となじみ深い存在になりつつあるイゼイラ人と同じ存在となるだろう。

とはいえ唯でさえ宇宙人との交流だけでも日本と日本人を良い意味で刺激し、お祭り騒ぎな日々を過ごしている上に、今度は艦娘たちが加わるのだから大変だ。

しかし、この新しい刺激がこれまで抱えて来た見えない閉塞感、倦怠感を打ち砕いた。
そしてイゼイラ人に続いて艦娘との出会いに期待と興奮で日本と日本人は目を輝かせていた・・・。


「立てぇー銃」

士官の号令に従い、戦艦「大和」の水兵達が一斉に直立不動の姿勢で身体の右脇に銃を立てて持つ。

そして大和を訪れた人物に敬意と歓迎を示すために軍楽隊が静かに、かつ威厳を演出するように力強く「巡閲の譜」を演奏を始め、来訪者である二藤部総理はゆっくりとした足並みで大和甲板を歩く。

その隣に海軍正装姿の神崎提督がおり、若い見た目にも拘わらず堂々たる足取りで二藤部総理を案内する。

やがて大和前部甲板。
見上げれば巨大な連装砲2基と日本の城郭を連想させる構造をした艦橋が見える位置に到着する。
そこには漆塗りの長机が設置しており、待機していた秘書艦「吹雪」が2人に対して用意した椅子に着席を促す。

海軍正装を着用しているとはいえ、どう見ても田舎の女子中学にしか見えない艦娘に二藤部総理は一瞬戸惑う。
しかし、直ぐに笑顔で感謝の意味を込めて会釈し、用意された椅子に着席する

そして日本と神崎鎮守府の官僚がそれぞれ条約文章が記載された書類を提出。
受け取った二藤部総理と神崎提督は文章に問題がないか、一読。

問題がないことが確認できたので、先に神崎提督が胸ポケットから愛用の万年筆を取り出そうとした直前。
二藤部総理の方から万年筆が差し出された。

「おお、」

予想外の行動に周囲はどよめく。
神崎側だけでなく日本政府の人員も驚きを隠せないことから総理独自の判断に違いない。
差し出された神崎提督も驚愕を隠せておらず、この様子を見た二藤部総理ようやく一本取れたと笑みを浮かべる。

222: 第三帝国 :2017/06/22(木) 21:55:08
「では、遠慮なく」

流石辻と並ぶ妖怪岸信介の血を受け継ぐ人だ。
と、懐かしき前世を思い出しつつ神崎提督は万年筆を受け取った。
一連の情景を見守っていた周囲の人間は両国の友好を象徴する出来事として万雷の拍手を以て歓迎する。

拍手の中、神崎提督が前世の習慣で一瞬「嶋田」を書きそうになったが間違えずに神崎の名でサインする。
次に二藤部総理側がサインをする番であったが、神崎提督は差し出された万年筆ではなく己のを差し出す。

「このように今後両国が共に気遣える関係となることを希望します、総理」
「それは正にわが国と国民も切に希望している所です、提督」

そうやり取りを交わした後、
二藤部総理は万年筆を受け取った。
この瞬間、テレビ中継で見守っていた人々からも万来の拍手と万歳三唱が上がった。

互いに筆記用具を交換し合う調印式。
この歴史的かつ有効的な出来事に誰もが歓迎して歓喜した。

そして、この喜ばしい空気の中。
二藤部総理が慣れた手つきでサインを行った。
この瞬間、日本は神崎島を「日本国の主権が潜在的に及ぶ地域」
としつつ「神崎島自身の主権を保証する」とする国家間の条約が成立した。


【神崎島 日本国へ帰属する】


と、テレビ中継ではテロップが映し出され、
日本の株式は大きく動きだし、ネット空間では・・・。

名前: 名無しさん@T督たちの憂鬱 投稿日:~
ところで、調印式で出て来たあの子って髪型や雰囲気からして吹雪じゃね?

名前: 名無しさん@T督たちの憂鬱 投稿日:~
もしかして神崎提督の初期艦はブッキーなのか・・・

名前: 名無しさん@T督たちの憂鬱 投稿日:~
で、感想は?

名前: 名無しさん@T督たちの憂鬱 投稿日:~
かなりお芋だよコレ(迫真)!

名前: 名無しさん@T督たちの憂鬱 投稿日:~
お芋の味噌汁にしようぜ!

名前: 名無しさん@T督たちの憂鬱 投稿日:~
おいwwwwww

      • なんというか平常運転であった。

とはいえ、確かに言えることは歓迎ムードに沸いているのは何処も変わっていない事であり、神崎提督と二藤部総理が固い握手を交わす最中、調印式は祝福ムードのまま無事幕を閉じた。




おわり

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最終更新:2017年07月02日 14:32