491: 名無しさん :2018/05/06(日) 07:29:28
中編以上のネタの書き込み【架空戦記版】 その30 の515の加筆修正です。
小ネタですがどうぞ

492: 名無しさん :2018/05/06(日) 07:30:05
私は・・・・・


私は・・・・・・・・


私は・・・・・・・・・・まだ生きてるのか?



私は戦艦長門。栄光ある大日本帝国海軍で世界で初めて16インチ砲の主砲を搭載した戦艦として生を受けた。
この後に多くの妹が建造される予定だったが軍縮条約で取りやめとなり、16インチ砲戦艦は世界で7隻しかなかったことから
ビッグセブンと国民に親しまれた。



戦間期は様々な事が起きた。
関東大震災では軍機だった最大船速で駆け抜け、大改装であの湾曲煙突が無くなった。
こうして、私は来る戦争において艦隊決戦に勝利を目指して改装と訓練を続けた。




しかし・・・・



始まった戦争は航空兵主義で
序盤は押すことができたものの、空母を喪失し
制空権を失った我らはみじめなものだ。


燃料もなく、航行不能のまま空襲を受け、辛うじて浮いている状態で終戦を迎えた。
生き延びた私に他の者のように復員船の任務を与えられることなく、酒匂と共にビキニ環礁に連れられ
そこで、原爆の実験標的艦に使われた。


一回目の爆発は私は装甲の表面を焼き付いただけだが
爆発の直上にあった酒匂は構造物がなぎ倒され、一日中燃えて沈没していった・・・・


二回目の爆発はより近いところに連れてこられ、機雷をくくり付け、艦首に穴を開けられ
爆発を喰らった。戦艦アーカーソーや空母サラトガがすぐ沈んでいく中
私は意地と誇りだけで海に浮かび続けた。


私の様子を見たアメ公が畏怖と感嘆の表情を見ていると胸が掬うような気持ちだ。


それでも少しずつ入って来た浸水には抗えず
ゆっくりと傾き、ある地点に着いた時、私はいよいよ最後かと悟ったものだ。
私は最後に願いを呟いた。

「どうせなら、戦艦同士の艦隊決戦をやって沈みたかった」

その言葉を待っていたかのように、ガラガラと轟音と共に急速に傾き
上下ひっくり変えるように私は深い、深い、海底に沈みゆく。





こうして、私は生を終えた・・・・・・・・・はずだった。

493: 名無しさん :2018/05/06(日) 07:30:51



気が付いてみれば、私は造船所にいた。
この世界は前回よりも国力と技術は良く、主砲も三連装砲になっていた。


この世界でも航空兵力主義であったが、戦艦もバランスよく戦力としてカウントできるようになっていた。
しかし、時々船員が俺の嫁とかながもんとか言い出してるが頭大丈夫なんだろうか?

遂に始まった戦争だが・・・・前回と違い友であったドイツが敵となり、私は日本で待機していた
遣欧艦隊旗艦伊勢が戦艦を沈めたという知らせが入ってきたときは私も嬉しく思ったものだ


このまま終戦を迎えれるか?と思ったらイギリスが降伏し、アメリカと戦争することになってしまった
やはり、流れは変われないのか。


私は悲壮な覚悟で開戦を待ったが、仰天的なニュースが入った
なんと、大西洋で大津波が発生し、アメリカは壊滅してしまったというのだ。


その後は、フィリピン・ハワイで艦隊決戦を行ったが・・・・弱い者いじめで完全燃焼とは言いがたかった

こうして、私は2回目の生を全うしたのだった。



3回目になれば、2回目ほど慌てることは少なかった。
世界観は1回目と同じで、戦争も同じ流れだった

この世界も私は活躍できずに終わるのか・・・・
と思っていた私だが、ミッドウェーを境に歴史の流れが変わったのを感じた


勿論、その前に大和が別の姿になったことからうすうすと感じてはいたが
こうも別の歴史を歩むとは思わなかったな。


この世界は戦艦を積極的に活用し、ソロモン海では大和すら投入され
念願の艦隊決戦を妹の陸奥と行うことが出来た!


これだ!この硝煙の香りと悲鳴と歓喜、どちらかが倒れるまでのチキンレース!
これほど心躍る艦隊決戦を何度願った事か!!


何度も北と南と走り回り、大和ばかりが有名となったが私だって活躍したぞ。
だが、最後の作戦である、沖縄救援作戦では、機関不調で無念の撤退をしなければいけなかったのが、この世界での数少ない後悔だ
それでも、多くの未来ある若者を連れて帰れたのは慰めになるところだろう
その中には未来の総理になったものがいたのは驚きだったが。


その後、条件付きで降伏したが、私にとっては悔いのない戦争だった。
私を多くの作戦に従事し、多くの船を沈めることができたからだ。

日本のために解体されるか、原爆実験に供与されるか分からないが、私は胸を張ってみんなのところに逝けると思ったんだ!


        • だが、神様はいたずらが好きなようだ
ソ連のやらかしにより、私は戦後も存続し、第二次日本海海戦で再び私の武勲を上げることができた
酒匂に念願の艦隊決戦をやれたのは第一回の最期を知るなだけに感慨深いものである。

しかし、寄る年波には勝てず、船体のあちこちは老朽化で不具合だらけだったので
私は解体も止む無しかと思ったのだが記念艦として残ることになった


今現在、私は毎日後輩達の活躍を見ながら在りし日のことをつらつらと考えていくのだった・・・・

494: 名無しさん :2018/05/06(日) 07:31:30
終わり

wikiには掲載はオケです

500: 名無しさん :2018/05/06(日) 16:03:14
艦娘ルートのを書いてみました。

501: 名無しさん :2018/05/06(日) 16:04:08


しかし、寄る年波には勝てず、船体のあちこちは老朽化で不具合だらけだったので
私の体の一部は戦った証として残し、解体され、三度目の生を終えたのだった・・・・


























                      • 懐かしい夢だ




ふと、目を開ける。
周りは暗い場所だ。

私は三度生を受け、それぞれ喜び、怒り、悲しみ、苦しみを経験した。
そして、三度目の生を終えた時はすぐに別の世界に移動するかと思ったが

ずーっと、ずーっと、長い事眠っていたようだ。
目覚めた場所は分からないが、三度船として生を受けたことがあるから分かる。
今までとは違う感覚だ。


私が戸惑っていると
目の前の暗闇が突然、光が入ってきて
思わず私は目を瞑ってしまった。

目が慣れてきて目を開けると
どこか工廠みたいな場所に、様々な人が立っていた。
一人は白軍服を着た男で、後ろには様々な女性が立っており
彼らは全員私に向けて気を付け敬礼をしていた。


初めてであったはずの人なのに、懐かしい感覚がして
自然と今までになかった手が上がり、答礼をして言う。



「私は、戦艦長門だ。お前たちと再び逢えて嬉しいぞ」

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最終更新:2018年05月11日 13:08