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銀河連合日本×艦これ神崎島ネタ ある記者の決意


「まったく進歩してないじゃないですか!!」

神崎島の居酒屋の一室で酒を飲んでいた一人の女性が机を叩いていた。
彼女は東京条約調印時に大和に乗り込みその模様の中継の指揮や写真撮影を行った妖精である。
しかし、現在の彼女の周りには大量の酒瓶があり管を巻いている。

「ブン屋さん、飲み過ぎですよ。」
「これが飲まずにいられますか!あいつら、私達報道機関があの戦争でしたことをまるで反省していないんですよ!」

女将が記者を嗜めるが止まる様子はない。
返って火に油を注いでしまったようでさらにヒートアップしている。
女将は溜息を吐きこれは全部聞いて吐き出させた方が良いと感じ女中に飲み物を持ってこさせ席に腰掛けた。

「それで何があったんですか?」


神崎島で報道に携わる妖精の大半はかつて報道に携わり大戦にて命を落とした者が中心である。
これは報道だけでなくほかの仕事も概ねその傾向が強い。

当初はそうした報道妖精に対して一般人妖精の反応は極めて冷淡であった。
戦果の歪曲、戦争を煽る捏造された記事、国民を欺いて来たと言われてしょうがない報道だったのだから。
報道妖精達は絶望した。
一般妖精達からの反応だけではない、
自分達が良かれと思いした事が結果的に祖国を破滅の道へと誘う一助ととなったのだ。
真実を報道するという信念さえ曲げて行った行為が。

彼女達は現実に打ちのめされて変わった。
絶望なんてしている暇はなかった。
そんな暇があれば真実を伝えなけれならない。
それこそが贖罪なのだと信じなければやっていけなかったのだ。
しかし彼女達はなにも出来なかった。
いやしても意味がなかっただ。誰も見向きもしなかったのだから。
贖罪の機会すら与えられないのかと報道妖精達は絶望した。

そんな時だった手を差し伸べられたのは。

神崎島鎮守府神崎博之提督その人だった。

この島に来た当初報道妖精達は提督から距離を置いていた。
かつて自分たちが利用し利用された大本営と被って見えたからだ。
しかし提督は違った。

何処から知識を得たのか知らないが人々に正確な情報を伝えることの重要性、
情報を偏ることなく人々に分かりやすく砕くことの意義、
その情報を人々が活かせる知識を持つことの意味、
それらを全て知っていた。まるでもとから優秀な政治指導者であったかのように。

「正確な情報を皆に伝えてくれないか?」

その一言で報道妖精達は提督の庇護の元精力的に働いた。
かつての愚行を糧に今度は道を間違えまいと。

軍属でありお給金の出る自分達に報道の報酬は必要ない!
媒体やネットワークを使ってもコスト殆どないんだから正確な情報を速くながせ!
主観が混じり情報が歪曲されないよう第三者の監査機関をつけよう!
一般人にも分かりやすくなるよう複数の解説をニュースとは別に作ろう!
一般人のリテラシーを高めるため勉強や講座も行わなければ!

正確な情報を伝えそれを活かす環境を作るため彼らがどれほどの労力と時間を掛けたのかわからない。
しかし彼女達は作り上げたのだ。
まだ未熟かもしれない、足りないところもあるだろうが戦前よりずっと知る権利を守れる場をこの島に。

347: 635 :2018/09/22(土) 06:38:56

そして彼女達は夢見ていた。
日本はもっと良い国になっているだろう。
自分達が作り上げたものなど比較にならないくらい知る権利が守られている国だろうと。
自分達の行った愚行を見てきているのだから。

しかしその思いは無残に踏み躙られた。
真実は報道機関が報道したい検閲されたもののみが報道され、
正負両方を伝えるべき所が正が報道にとり邪魔なら負の部分のみ伝えられ、
挙句の果てには有りもしない真実を生み出すことさえある。
その果で誰かが犠牲になろうとも報道の自由を御旗に第四の権力と呼ばれ我が身を振り返ることもない。

真実を伝えようとする者ほどバカを見る現実。
かつての愚行を反面教師とせず、愚行の全てを国と軍部の責任とする無責任さ、
自分に酔い報道の力を無軌道に振るう現実、
かつての自分達と何も変わらないじゃないか!

悔しかった。自分達の愚行から何も学ばず進まないなんて犠牲になった者達に申し訳が立たない!!


気づけば1時間以上も話をしていた。
女将はずっとそばで聞いていた。
こんな愚痴に付き合わせて申し訳なく感じた。

「ちゃんと考えてくれてたんですね。」
「ふぇ?」
「嬉しいんですよ?私達は。」

女将は話しだした。
生前あんな報道ばかりしていたので記者達を忌々しく感じていたそうだ。
しかし彼女達が自分達のことを考えて報道していく姿を見て認識が変わり
彼女達が変わろうとしているのだ自分達も変わらなければと感じるようになったという。
自分達も鵜呑みにするのではなくちゃんと考えて情報を得ようと女将はリテラシーの講座にも行っているそうだ。

「私達も変われたんです。日本も変われないはずないでしょう?」
「あっ。」
「変えていけばいいんです。」

目から鱗だった。
自分達もいきなり現在の体制を作り上げたわけではない。
時間が掛かるかもしれないが変えることができたのだ。
同様に自分達が日本の報道を変えていけばいいのだ。

「あやや、女将さんに一本取られましたね。」
「悩みは解決しましたか?」
「ええ、もう大丈夫です。」
「それは良かったです。」
「では悩みが解決したお祝いにもう一本!」
「飲み過ぎだと言ったでしょう!」

最初の様子はなんだったのか彼女達は笑っていた。
ふと記者は酔った頭で独裁国家と日本で報道される神崎島の方が報道の自由が謳われる日本より
知る権利が守られているのはなんという皮肉だろうと考えた。

そして決めたのだ。あのバカ共に知る権利を守るということを見せてやろうと。
贖罪かもしれない、自分本位かもしれないけど日本の報道を変えてやる!
ぼんやりとした頭の中で彼女は決意をした。

352: 635 :2018/09/22(土) 06:53:37
以上になります。
神崎島の報道に携わる妖精さん達はかつての自分達の愚行を許せないと感じていると思います。
彼らは軍属だから報道の仕事の給料なんぞいらんと使命感のみで報道をしています。

結果営利目的ではない純粋な報道機関がに日本に帰属しています。
知る権利を守ることの大切さを知り、軍属でお給金が保証されているからこそ出来ることですね。

その結果神崎島の報道が劣化版ティ連広域情報となってしましました(笑)

その後営利目的の報道機関どうなるのかまでは考えていません

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最終更新:2018年10月03日 19:47