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銀河連合日本×神崎島 女神よまわりさん


幼い少女が暗い夜道を何かから逃れようと必死に走っているがその歩みは遅い、周辺には外灯などはほとんどなく
人の気配は全く無い。

少女はある街灯の下に人影を見つけ、安心したように話掛けた。

「あの!助けてください!」

少女が話掛けたが全く反応はなく、ただブツブツと呟いている。
訝しげにもう一度話掛けようとしたが少女はある事に気づいた。

足が無い。幽霊だ!!

正確には足の先が透けている。
少女はこの人影もこの世のものでは無い事に気づいた。


ヒタヒタ

聞き覚えのある音が近づいて来た。
自分を散々追い回してきたアイツだ。

何度も見たこの世のものと思えない醜悪な姿が街灯の光に浮かび上がる。
少女がもう走る体力もないのが分かるのか嫌らしい笑みを浮かべている。


「いやぁ。誰か助けてよぉ。」

体力も限界でもう逃げることは出来ない。
少女は絶望していた。
なぜこんなことになったのか分からない。
なぜ自分がこんな目に合うのか。
頭の中がぐちゃぐちゃだった。

ああ、自分はもう死ぬんだ。
痛いのはやだなあ。
そんなことを頭の隅で考えていた。


『慢心トハ頂ケナイワネ。』

少女を衝撃が襲う。
いやお化けの辺りに爆発が起きその衝撃が少女まで届いたのだ。
咄嗟に目を瞑った少女がゆっくりと目を開けると白い姿が目に入った。

「それ」は人間の女性の様に見えた。しかし、少女はその人物が人間でないことが直ぐに分かった。
雪の様にではなく雪そのものといえる白い肌、頭から生えた二本の角らしきもの生え、下顎からは牙のようなものがある。
だが少女は「それ」が恐ろしいものには見えなかった。

お化けの周辺を覆っていた土煙が晴れるとお化けはまだ存在していた。
しかし全身に傷を負い存在を維持するのがやっとのようである。
そして、「それ」がお化けの目に入ると化物は震えだし、逃げようとする。
だが「それ」はお化けが逃げるのを許さなかった。

「それ」の背後に貝のようなものが浮かび上がると同時に牙を持った人魂が周囲に現れる。
「それ」は人魂をお化けに差し向けた。

『モウ、捉エテイルワヨ?』

人魂が化物に襲い掛かると断続的な破裂音と爆発が周囲を満たした。
音が止んで再び土煙が晴れるとお化けはもう存在しなかった。

「それ」がこちらを向いた。
改めてその姿を見ると波打つような白い長髪に童話のお姫様が着るようなロングドレスを身に纏っていた。

お姫様みたい

少女を追い回した化物を簡単に消し去った存在に対してそんな感想を少女は抱いた。
「それ」は少女に近づくと少女の瞳をじっと見つめた。
覗き込んだ赤い瞳が宝石の様に輝いていた。

『堕チル前デヨカッタワネ。』

その言葉に少女はハっとなる。

『待ッテイル人モイルンダカラ早ク帰リナサイ?』

「それ」は早く帰れと言い出した。
でも帰り道が分からない。ここがどこなのか、自分がどこから来たのか分からない。
少女は泣きそうになった。

『帰リヲ待ッテクレテイル人ヲ思イ浮カベナサイ。ソウスレバ帰レルワヨ?』

「それ」は帰る方法を教えてくれた。
そんなので帰れるのかな?
少女は疑問に感じたが、なぜだか「それ」を信じることにした。

家族の姿を思い浮かべた。
パパ…、ママ…、お兄ちゃん…。
遠くで家族が自分を呼ぶ声が聞こえる。

『モウ来チャダメヨ?』

「それ」の言葉と共に意識が遠ざかる。

102: 635 :2018/11/05(月) 23:56:42 HOST:p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp
「おい!起きろ!」
「お願い!目を覚まして!」

うるさいなあ。
そんなことを考えながら少女は目を覚ました。
いつも見ている天井だ。家族の姿も目に入った。
帰って来れたんだ…。
涙を浮かべた母が抱きついてきた。

「何処に行ってたの!?心配したんだから。」
「心配掛けやがって!」

抱きしめられて母の匂いが少女の鼻を突く、それで安心した少女はわんわんと泣き出した。


「何処に行ってたの?」

一頻り泣き終えて落ち着いた少女に母は問いかけた。
少女は鼻水をすすりながら、ぽつぽつと話し始めた。
お化けに追い回されたこと、幽霊を見たこと、もう走れなくて諦め掛けたこと、
そして、白いお姫様に助けて貰ったこと。
少女は一生懸命に話しをした。

「…神様が助けてくれたのかもしれないね。」

父は白いお姫様は神様かもしれないと話をした。
鬼のお母さんやお地蔵様のような子供を守ってくれる神様の一人かもしれないと言う。

神様が守ってくれたんだ。
少女の心はなんだか暖かくなった。
そして父は明日近所の神社へ助けて貰ったお礼をしに行こうという。
近所の神様なの?と少女が問うと
違っても近所の神様が助けてくれた神様にお礼を伝えてくれるよと笑いながら父が言う。

今夜は少女は家族と寝ることにした。
一人で寝るのが怖かったのもあるが母が強硬に一緒に寝るのを主張したからだ。
どんな風にお礼を言おうかな?
そんなことを考えながら少女は眠りに落ちていった。


その後一つの噂が生まれた。
子供が夜お化けに襲われると夜回りをしている神様が助けに来てくれるという話だ。
その神様は雪みたいな白いお姫様の様な姿をしている子供の守り神で
助けて貰ったら近所の神社でお礼をしなくてはならないということだ。

ネット上でこの話が広まると色々な話が上がった。


女神よまわりさんスレ

名前:名無しさん@よまわりさん
 巨乳だ。

名前:名無しさん@よまわりさん
 いやロリだ。

名前:名無しさん@よまわりさん
 ズボンだった。

名前:名無しさん@よまわりさん
 ウチはゴスロリだぞ。

名前:名無しさん@よまわりさん
 リブニットワンピなんだが?

名前:名無しさん@よまわりさん
 弟襲った八尺様を倒してくれた。

名前:名無しさん@よまわりさん
 マジかよ家の妹はスレンダーマンから守って貰ったぞ。


真実は闇の中である。



『提督戻ッタワヨ。』
「ああ、中間棲姫お疲れ様。」
「最近、怪異が多いですから深海棲艦の皆さんも大忙しですね。」
『ソウネ、大淀。艦娘達モ動ケレバイインダケド。』
「すまんが艦娘が動くと目を付けられるからな。」
『仕方ナイワネ。明日ハ一日付キ合ッテ貰ウワヨ?』
「お手柔らかにな?(汗)」

103: 635 :2018/11/06(火) 00:00:41 HOST:p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp
以上になります。
掲載はご自由にどうぞ。
遅くなりましたが陣龍し乙でした。

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最終更新:2018年11月07日 10:10