330: 635 :2018/11/15(木) 19:20:40 HOST:p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp
銀河連合日本×神崎島if世界線支援ネタ 戦艦大和の伝説
東シナ海海上
「ミサイル命中!」
「被害状況は!?」
ニミッツ級原子力航空母艦9番艦ロナルド・レーガンのCDCに怒号が飛び交っていた。
中華人民共和国にて発生した同時多発核爆発と黄海津波の調査のためにアメリカ海軍第7艦隊を中心とした多国籍連合艦隊が組まれ
その旗艦としてロナルド・レーガンが行動している最中にそれは起きた。
共産党中央の統制を離れ軍閥と化した人民解放軍海軍の一部が暴走し多国籍艦隊へと攻撃を加えたのだ。
流石に攻撃はないと思われたので対処が遅れていた。
「右舷水平線上に2発、飛行甲板に1発命中しましたが誘爆等は確認されていません。」
「弾薬庫や原子炉は?」
「大丈夫との報告です。これがニミッツ級の初期型やエンタープライズだったらまずかったと思われますが。」
「そうか…。」
ロナルド・レーガンはニミッツ級の中でも特に重防御な空母であり、そのためにこの程度の被害ですんだのだ、
艦隊の総指揮官として乗り込んでいたアメリカ海軍将官の提督は艦長の報告に安堵の溜息を吐いた。
「我が海軍の空母がこれだけ攻撃を受けるとは半世紀以上ぶりになりますな。」
「それをなしたのがソ連の血を継ぐ国家とはとんだ皮肉だな。」
「ソ連のドクトリンも強ち外れてはいなかったと?」
「そう考えるしかあるまい。」
多国籍艦隊に対し中国海軍が行った行動は実にシンプルであった。
旧ソビエト連邦海軍の軍事ドクトリン、対艦ミサイルによる防空システムの対処能力を超える飽和攻撃ただそれだけである。
だがその効果は絶大であった。
対処の遅れから迎撃が間に合わなかった艦艇も存在し、艦隊に少なくない被害が発生している。
旧ソ連がなし得なかった米機動部隊への打倒するための軍事ドクトリンの有用性をその弟子が示すこととなった。
「艦隊の被害状況は?」
「イギリスのクイーン・エリザベスは小破、フランスのシャルル・ド・ゴールが飛行甲板で誘爆が発生中です。他の艦は…。」
「中々被害が大きいな…。」
「海自のイズモは破壊したミサイルの破片が命中すれど航行に問題なし、ロシアのアドミラル・クズネツォフは迎撃に成功。」
「神崎島のヤマトには…、7発命中!?」
「なんだと!?ヤマトの被害状況は!?」
今回の作戦にはアメリカ等の強い要望により神崎島鎮守府の戦艦大和が参加していた。
それはこの世界での大和が現実の様に時代遅れの大艦巨砲主義の権化や帝国の無定見に振り回された悲劇的なただの戦艦ではないからである。
日本、神崎島統合の象徴
ティエルクマスカに希望を齎した聖地ヤルマルティアの名を冠した発達過程文明の象徴たる水上戦闘艦
欧米が忘れ去ったファンタジーと共に現世に帰還した奇跡の戦艦
悪しき日帝の象徴たる悪の権化
他にも様々な見方がなされるがこの世界の人々にとって戦艦大和は『特別』なのである。
大和が参加が決定した際には多国籍艦隊へ参加する艦艇の乗組員達の士気が上がり、
艦隊で大和の存在を目にした際には全艦が登舷礼を行ったという噂もネットに流れた程である。
実際に全艦やらかしたのであるが。
そして大和の損傷は艦隊の士気とティ連のご機嫌に関わっているために提督は非常に心配し通信士の報告を待った。
331: 635 :2018/11/15(木) 19:21:40 HOST:p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp
「あ…、え?…。」
「どうした?まさか損傷を!?」
「無傷です…。」
「ファッ!?」
「だから無傷なんです!!」
提督たちは声が出なかった。
他の艦に少なくない被害が出る中での無傷である。
しかも7発の空母殺しの重対艦ミサイルを受けてだ。
「!ヤマトより入電です…。『戦艦が簡単に沈むか!』以上です。」
「「「…。」」」
「ハハッ、あの映画のセリフをヤマトに言われるとはな!」
「本来ならミズーリが言うべきセリフですな。」
「そのミズーリの姉もあっちに嫁に出したからなあ。」
通信を受けた後CDCでは軽口が交わされた。
大和が無傷であった。
ただそれだけでこの場の空気が変わったのだ。
大和という存在の大きさを痛感せざるを得ない。
「流石旧日本海軍最大の戦艦ですな。提督?」
「ああ、それに彼女はナガトの妹分でムサシの姉だぞ。彼女自身も坊ノ岬でのタフさを見ればな。」
「確かに…。」
「それにだ。現在の彼女はヤマト・カイだ。ヤマトタイプの発展型の様なものだぞ?」
「確か対20インチ砲防御がなされているとか?」
二度の原子爆弾に耐えきった長門、
魚雷20本、爆弾17発、至近弾20発以上に数時間に渡り耐え続けた武蔵
大和自身も沈めるためには空母11隻・艦載機386機、述べ1000機に及ぶ航空機という数字が必要だった。
日本の戦艦はとかく堅いのだ。
そして現在では大和・改となったことで施された対51センチ砲防御と現代式のダメージコントロールによりタフさに磨きが掛かっていた。
中国海軍は大和を損傷させる事で艦隊の士気を削ぎ、日帝への大勝利を喧伝しようとしたが大和の防御力の前に敗北し、
逆に自軍の士気を落とすこととなった。
そして大和が無傷であるという事実は艦隊全体へと広がり大和に負けるな!大和が見てるぞ!と士気を高める結果になった。
全く大和様様だと提督は感じた。
砲と装甲で彩られた華やかな戦艦の時代の終わりを告げた艦が現代においてその装甲への信仰が艦隊を鼓舞する大戦艦となる。
運命とは角も不思議な物だ。
不沈戦艦、現実にありもしないその言葉は彼女にこそ相応しい様に感じた。
そしてある言葉を思い出した。
『幾万もの英霊たちが水底をささえているのですよ』
彼女に向けられた言葉でないが、それが本当なら…。
ああ、ならば今尚幾万の英霊と共にある彼女はもう沈むことはないのだろう。
そして決意した。我らが父祖もいるならば…、ならば我々もそれに続こうと。
332: 635 :2018/11/15(木) 19:22:45 HOST:p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp
「提督?」
「通信士…、艦隊全艦艇に通信を。」
「通信内容はどうされますか?」
何かを察した艦長が提督に問う。
「『海の古強者は死せず。我が連合艦隊は未だ健在なり。』以上だ。」
「!了解しました!」
「提督…。」
「皆を言うな。」
「中国海軍に動きあり!再度の攻撃かと思われます!」
「奴等ミサイルがまだあるのか!?」
「カミカゼか!?」
「ヤマト、Z旗掲揚!それにこれはキクスイの旗か!?」
「ヤマトより入電!『我、敵艦隊ニ突入ヲ開始ス』!」
「ナガト、アイオワ、ウォースパイト、ヤマトに続きます!」
「リシュリュー、イタリア、レヴォリューツィヤ以下全戦艦もだ!」
ロナルド・レーガンのCDCも俄に忙しさを増す。
「空母の艦載機を全部出せ!制空権を奪い返すぞ!」
「全防空艦に通達!彼女たちの突入を支援しろ!」
『こちらクイーン・エリザベス、艦載機をヤマトの直掩に回す!』
『ピョートル・ヴェリーキイ、これよりヤマトの支援に入る!』
大和が行動を開始した途端に釣られるように艦隊は行動を開始した。
「全く、ヤマトとは凄い戦艦だな…。」
『我々が散々梃子摺った相手だからな。』
「祖父さん、自分もそう思うよ。」
提督の呟きに応えた居ないはずの祖父の声に疑問も抱かずに提督は動き出した状況を眺めていた。
333: 635 :2018/11/15(木) 19:27:06 HOST:p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp
以上になります。
転載はご自由にどうぞ。
大和が活躍する話を書いてアメリカに連合艦隊は未だ健在なりと言わせたかっただけですwww
後、現実にほぼありえないであろう各国が連合して巨悪(笑)に立ち向かうとか燃える展開が見たかっただけだったり。
335: 635 :2018/11/15(木) 19:44:02 HOST:p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp
334
あっ(汗)
誤字に気かなかったorz
転載の際には
浮沈戦艦、現実にありもしないその言葉は彼女にこそ相応しい様に感じた。
を
不沈戦艦、現実にありもしないその言葉は彼女にこそ相応しい様に感じた。
にお願いします。
最終更新:2018年11月17日 14:54