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銀河連合日本×神崎島  珍兵器展覧会或いは柏木真人の暴走


東京某所

快晴の中、神崎博之提督と二藤部新蔵が並びテープカットを行っていた。

神崎島博覧会

神崎島の帰属を記念して行われた島を紹介する博覧会が開催されたのである。
様々な島の特産品や施設などが紹介されている。

科学者達の目を引く衝突型円型加速器やら大型放射光施設やら核融合実験炉やら、宇宙開発に携わる者が涎を垂らす、ロシアのブランやらサターン現代版やら様々なものが存在したが、その中でも特に目を引くブースがあった。

神崎島鎮守府の兵器を展示しているブースであった。

烈風、橘花、震電といった現実では実現しなかった兵器やヤルバーンの協力により持ち込まれたカール自走臼砲や80cm列車砲にリトル・デーヴィッドなんて巨大兵器もあり親子連れやヤルバーンの調査員、軍オタ、模型会社が詰めかけていた。

しかしそれ以上に人々の目を引きつけるものがあった。
アントノフA-40やミドガルドシュランゲ、ミーネンロイマー、そしてクーゲルパンツァー。
トリープフリューゲル、XFY-1ポゴ。
ついでにまさかのく号兵器にと号電気投擲砲。

所謂珍兵器である。


この珍兵器達をこの世界に解き放ってしまった、いや再び日の目を見るようにしたのは我らが軍オタ突撃バカ柏木真人である。

これらは神崎島に存在したが倉庫や格納庫の隅で放置されていた。
理由は簡単、『使いにくい』からである。
流石の神崎島も運用に難のあるこれらを使う事が出来なかった。

着陸時大破分解確定な空挺戦車を使いたいという妖精さんはおらず、地底戦車はTBMあるし、地雷処理はシャーマンフレイルの方が運用しやすい、例の玉型戦車なんぞいつ使うのか?
そんな感じで放置され半ば忘れ去られていた。
そこへ登場したのが我らが柏木真人である。


神崎島の帰属が決定し島内の視察を行うこととなり柏木は軍事関係の視察を希望した。
最初は情報収集かと訝しんだ鎮守府側であるが柏木がオタであることがフェルさんと大見から暴露されると指示に従うことと機密区画に近づかかないことを条件に苦笑いされながら許可が降りた。

そして視察の最中その嗅覚から何かあると感じた格納庫にフラフラと入って行った。
もちろん許可を得てであるが。
そこで柏木は驚愕した。

クーゲルパンツァー、満州でソ連に鹵獲されたが何故そこにいたのかも何故作られたのかも分からない世界に1両だけ現存する戦車?がそこにあったからだ。
しかも稼働状態にあるというからさらに驚いていた。

さらに柏木に同行していた妖精さんが気を利かせビスマルクを呼んだものだから話がややこしくなった。
ドイツ製装備の情報を網羅しているビスマルクがクーゲルパンツァーについて得意げに説明を始めたのだ。
それにより長年の謎が判明することとなり、柏木は急ぎ造成したタブレット片手に真剣に質問をしていた。

色々聞けて満足した柏木であるが、ふと質問してみた。

「さすがにミドガルドシュランゲとかないですよね。」
「え?あるわよ?」
「マジかよ…。」

そして聞いてみたら、あるわ、あるわの珍兵器の山であった。
中には実用性もあるけど珍兵器になってしまったXF5Uのように神崎島で実戦配備されているものもあるとのこである。
しかし大半の珍兵器はクーゲルパンツァーのように埃を被ったままであった。

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それを柏木は非常に勿体無いと感じる。
世界の珍兵器軍オタどもが涎を垂らさずにいられない宝の山である。
公開して研究や展示もすべきではないかと考えもする。
フェル達の地球の調査の助けにもなるからだ(建前)
そして自分も見たい(本音)

そこから柏木の動きは早かった。
手始めに神崎提督に直談判をして珍兵器の公開を取り付けたのだ。
そして己と知人の持つコネを全て動員して軍事、模型雑誌と模型メーカーを巻き込み始めた。
軍事、模型雑誌や模型メーカーも現実に大和などの艦艇を保有する神崎島との繋がりが欲しかったためにこの話に乗ってきた。
ついでに珍兵器の公開のオマケ付きである。

雑誌では神崎島の珍兵器の特集が組まれ、模型メーカーは珍兵器の模型の製造を始めたのである。
神崎島に関われば色んな物が動く時分であったために飛ぶように売れていった。
勿論、誤った情報などが伝わらないよう神崎島の監修付きであった。


そして柏木のやらかしはそこで終わらなかったのである。
この珍兵器どもを世界に大々的に公開しようと珍兵器展覧会を企画したのである。
無論、即座に却下されたが、しかしそこでめげない所は流石フェルさんの夫である。

柏木は代わりに神崎島の博覧会の開催を企画したのである。
その中の1ブースだけ自分で企画運営させて欲しいと要望付きである。
まあ、珍兵器展覧会やらかすよりはと許可が降りた。

そして柏木はそのブースの中で神崎島の兵器の展示を企画したが珍兵器も展示しようと企んだ。
神崎島へ提出する兵器の貸出申請の中に珍兵器の申請をフェルさん名義で密かに混ぜたのである。
見つからなければラッキー、見つかってもフェルさんの申請なら無下にしないだろうという計算付きである。
そしてなんとか珍兵器の貸出にこぎ着けたのであった。
展示もヤルバーンの人員を借り反対しそうな人間を排除して行うという徹底ぷりであった。


そして博覧会当日、珍兵器の大量展示を見た気が遠くなった神崎提督が倒れかけてそれを二藤部総理が支え、ドヤ顔をしていた柏木が大見にコブラツイストを掛けられるというカオスな光景を生み出すのであった。

なお珍兵器を見たヤルバーン搭乗員の瞳はえらい輝いていた。

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以上になります。
この世界ではクーゲルパンツァーの謎が判明します(笑)
転載はご自由にどうぞ。

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最終更新:2018年12月02日 17:30