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銀河連合日本×神崎島 神崎島の戦闘糧食


神崎島鎮守府陸戦隊基地

「お!これ美味いな。」

「こっちはフランス料理だな。」

「シチューがレーションか。」

「これってカーシャだっけ?」

「これチョコレートが付いてる!」

「何だこの紅茶の充実ぶりは(汗)」

「カレー料理の戦地用携帯食料がこんなに!!」

「おい!ピザもあるぞ!」

何やら陸自隊員やヤルバーン乗員、海兵隊員が集まって何かを食べている。
実はこれ鎮守府陸戦隊の戦闘糧食の試食を行っているのだ。
そんな中本日の試食会の責任者となっている米田一基陸戦隊中将は陸自の大見に声を掛けた。

「おう、美味いか?」

「はっ!どの糧食も大変美味でバリエーションの多さに驚いております。」

「おいおい、今日は無礼講だぜ。もう少し砕けても良いんじゃないか?」

米田は片手に持ったビール瓶を片手にそう言った。


神崎島の軍事力調査の一環として日米にヤルバーンも参加して行われることになったこの試食会であるが、
その実態は試食会という名を借りた飲み会である。

日本帝国海軍と酒は切っても切れない関係にある存在であるが、その伝統は神崎島でも生きていた。
というか海軍が鎮守府にスライド移動した様なものだから日本帝国海軍=神崎島鎮守府と言っても良いかもしれない。

各艦艇の酒保には酒はあるし、乗艦中の飲酒も勤務中や勤務規定等に反しなければ大きく咎められることはないのである。
この辺の緩さは現在の各国海軍と違う所である。煙草に関しては火気厳禁なのでアウトであるが。

さて話を戻そう。
日米共に神崎島の戦闘糧食と聞いて良くて自衛隊、悪ければ日本陸軍だと判断していたのだが、
良い意味で裏切られた。

主食も米飯、パン、クラッカー、ピザなどバリエーション豊富で、
副食もイタリア、フランス、日本、中華といった美味い料理に加え、
ロシアのカーシャやドイツのソーセージ、日本ではあまり見かけないチーズやミートパテもあり、
充実した紅茶等の飲料類、アメリカの様なアクセサリーパック等各国のいいとこ取りをした様な戦闘糧食であった。
流石にMRE系の味の戦闘糧食は無かった。

そして各員の反応であるが

陸自「バリエーションの多さと付属物が多くて羨ましい。」

海兵隊「MREよりコレを支給して欲しい。ピザもあるとか最高だろ!?」

ヤルバーン「カレーライスにカレーパスタにカレーピザにカレーピラフ、コレさえあればティエルクマスカは10周期は戦えマス!!」

と大評判であった。
それもその筈で味は各国メシウマ艦とメシウマ艦筆頭艦娘間宮と鳳翔が味の監督を行ったのだ。
そして当時の各国軍の食料事情を記憶する妖精達もこの流れに賛同し、こんな戦闘糧食が誕生したのである。
アクセサリーについては各戦線を経験した妖精による監督により必要なものが戦場により選ばれて配給された。


「しかし米田中将。これ程の量の戦闘糧食を飲み会に使って大丈夫なのですか?」

「若い者がそんなこと気にすんじゃねえよ。」

米田から注がれたビールを片手に大見は糧食を飲み会に使って大丈夫なのかと米田に尋ねた。

「しかし…。」

「ああ、分かった、分かった。実はなこいつら規定の保管期限が過ぎたから民間への配給や訓練で消費に回されるんだが、
 残ってしまったやつなんだ。廃棄するのも勿体無いからこうして使おうということになったんだよ。」

「成る程そういうことでしたか。」

「安心したか?じゃあ飲め飲め!」

「ちょっ!まだ飲み終わってませんよ!!」

こうして飲み会は深夜まで続いた。
翌日ナノマシンを切ったヤルバーン乗員を含め全員が二日酔いに悩まされたがそれ以上に飲んでいた米田はケロリとしていた。

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イゼイラ

「サイヴァル、やはりヤルバーンの報告は驚くべきことばかりですね。」

「そうだねマリヘイル。さて今日も昼食はここで食べていくだろう?」

「ふふ、そうしますね。今日もカレーかしら?では食堂へ行きましょうか。」

「いや今日は趣向を変えてここで食べよう。彼も呼んでいるしね。」

ドアを開けて誰かが入ってくる。

「サイヴァル議長何か御用とのことですが?」

「ああ、ヘストル呼び出して申し訳ない。」

「ジェルダー・ヘストルまで呼んで何を?」

「ふふ、今に分かるさ。アレを持ってきてくれ。」

サイヴァルの指示で大量の缶詰やパックされた食品が持ちこまれる。

「何でしょうこの金属の塊は?」

「こちらは中に何か封入されているようですが?」

「ああこれらはカンザキ島で使われている戦地用携帯食料だ。ヤルマルティアやハルマの地域国家でも同様のものが使われているそうだよ。」

「なんと!この様なものが食料と!?」

「見た目は食料に見えないが例えばこのカンヅメは金属の塊の中に食料を封入することで周期単位での保存を可能としたそうだよ。
 我々の様にハイクァーンを持っていないから戦地での食事するための知恵だね。容器が丈夫だから輸送にも適しているそうだよ。」

「流石は発達過程文明…。私達はハイクァーンで造成するか伝統的な保存食料や簡易的な保存方法しかありませんものね。」

マリヘイルもヘストルも関心しっぱなしだ。

「そして何より美味しいのだよ。マリヘイル。」

「まあ、サイヴァルったら先に召し上がってたの?」

「まあまあ。ファーダマリヘイルも落ち着いて。」

ヘストルがマリヘイルを嗜める。

「そういえば二人ともカレーは大丈夫かい?」

「ええ、今日で5分期ぶりです。」

「私も大丈夫ですが。」

「なら大丈夫だね。今日はカンザキ島のカレーの戦地用携帯食料を全種類用意したからね。」

「ちょっと待ってサイヴァル!これが全部カレー!?」

「なんと!カレーの戦地用携帯食料にこれ程の種類が!?」

「ふふ、そうだよ。」

サイヴァルは得意げだ。
そして慣れた手付きで簡易コンロや発熱剤を使ったパックを準備していく。

「議長慣れてますな。」

「いやあ、これがなかなか面白くてね。」

そんな会話をしながら糧食を温めていく。
会話をしながらだと時間も早く過ぎて温め終わった。

「「ごくっ」」

どっから造成データとったのかアルマイトのメスキットやら飯盒に糧食が盛られていく。
これもサイヴァルの趣味であろうか。

「ではヤルマルティア式の食事の挨拶をしよう。イタダキマス!」

「「イタダキマス!!」」

この後の食べた反応は書く必要はないだろう。
中華一番!やミスター味っ子を想像してもらえば良い。

そして神崎島の戦闘糧食はティエルクマスカ防衛総省にて戦地用携帯食料として正式採用され、
ティエルクマスカ各国にて非常時用携帯食料としても採用されていくのであった。

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以上になります。
転載はご自由にどうぞ。
ネタの中心に成るはずだった試食会よりイゼイラの方が書きやすかった。
なぜだろうか?

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最終更新:2019年01月26日 11:46