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銀河連合日本×神崎島 ネタ宇宙開発


地球衛星軌道上・国際宇宙ステーション

国際宇宙ステーション、ISSのクルー達は興奮していた。
今日はこのISSに新しい友人を受け入れるからだ。

「来たぞ!神崎島のオービターだ!」

窓から外を見ていたクルーの一人が叫ぶ。
手の空いているクルー達は我先にと窓に群がり外を見た。

かつてこのISSを建造する際に活躍したスペースシャトルに似たオービターが近づいてくるのが見えた。

オービターからロシア訛りの英語の通信がISSに入る。
アメリカ人のキャプテンは通信機を手に取った。

『こちら神崎島所属オービターヤタガラス、ISS聞こえますかどうぞ。』

「こちらISS、通信は良好だ。ようこそ宇宙へ、新しい友人を歓迎しよう。」

『フフ、それは嬉しい。では後で積んできた食品でパーティでもするとしよう。』

「それは良い考えだ。」

『ではドッキング後会えるのを楽しみにしている。通信終わり。』

「こちらもだ。通信終わり。」

キャプテンは通信機を置く。

「さあみんな新しい友人を迎える準備をしよう!」

「「「了解!」」」



オービターヤタガラス

「シャーロット、計器類はどうだい?」

通信を切ったオービターの船長を務める妖精ユーリイ・ガガーリンは同僚の女性に声を掛けた。

「各部異常なし、問題ないわ。」

金髪の米国系妖精シャーロット・アランはそう応えた。
常に冷静沈着な彼女にガガーリンは信頼を置いていた。
彼女はこのオービターに搭乗しているが本来は神崎島陸戦隊特殊部隊に所属している。
同じく特殊部隊に属している旦那と息子は現在地上でお留守番だ。

どうでもいい話だが息子はシャーロットの弟子で現在特殊部隊司令のジョンの右腕として活躍している。

「マリモ、調子はどうだい?」

ガガーリンは同じくオービターに乗る茶色いウェーブの掛かった長髪の日系妖精神宮寺まりもにも声を掛ける。
彼女はオービターに積み込まれた荷物のオペレーターであり責任者だ体調不良では目も当てられない。

「大丈夫よ。宇宙酔いもないわ。」

「まりもサンがこの程度でどうにかなるとは思えないのデスガ。」

神崎島に土着したクルーのイゼイラ人が疑問を呈する。
それにむっとしたまりもは反論する。

「私だって女性よ!?」

「まりもサン、優秀な軍人ですからこの程度どうということは無いでショウ?」

そんなじゃれあいを見つつガガーリンは二人を嗜める。

「二人共そこらへんで終わりにしてくれ。もうじきドッキングだ。」

「「了解!」」

「全く少しは静かにして欲しいものね。」

シャーロットは肩を竦めた。

666: 635 :2019/02/02(土) 12:26:56 HOST:p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp

ISSドッキングハッチ

オービターがドッキングしたハッチの前ではISSクルー達がハッチが開くのを待っていた。
クルーの一人はカメラを持ち撮影している。
この映像は世界中に生放送されていた。

「ハッチ開きます。」

クルーの声と共にハッチが開く。
そのハッチからオービターのクルー達が出てきた。

「やあ、初めまして!オービターヤタガラス船長のユーリィ・ガガーリンだ。よろしくお願いするよ。」

ハッチから出てきたガガーリンはISSキャプテンとがっちりと握手を交わす。
世界中でこの映像が流れる。
地球世界の宇宙開発中心となっているISSに宇宙時代を切り開いた英雄が来たのだ。
地球中のマスメディアがこのニュースを速報で伝え、街には号外が撒かれた。

「私がISSのキャプテンです!我々宇宙飛行士の偉大な英雄に会えて光栄です!」

ISSキャプテンは興奮しながらガガーリンと話をする。
偉大な先達であり、ヒーローだ興奮するなと言う方が無理だろう。

「よしてくれ。今は同じ宇宙飛行士だ。宇宙には階級はあるけど人として上下はないよ?」

ガガーリンは若干困った顔をした。
そこへイゼイラ人が助け舟を出す。

「船長。この後会見があるのではないデスカ?私は出れませんが急いだ方が良いのデハ?」

「確かにそうだね。じゃあすぐ向かおうか。すまないが後の作業は頼むよ。」

「了解デス。」

イゼイラ人を残しオービタークルーは会見へ向かった。



衛星軌道上・ISS

翌日、会見とその後のパーティも終わりぐっすりと眠ったオービタークルー達は作業を行っていた。
昨晩のパーティではイゼイラ料理や神崎のカレーが持ち込まれ非常に好評だった。
米系クルーに一番人気だったのは神崎島とアメリカ軍が共同開発した各種軍用ピザレーションであったが。

EVAスーツを着たオービタークルー達は貨物室から搭載物の搬出を行っている。
ISSクルー達はその作業を見守っていた。

「あれが例のやつか?」

「ああそうだ。神崎島が独自開発したものだな。」

「あれの性能が本当なら宇宙開発は大いに進むわね。」

「それでもティエルクマスカには届かないがな。」

「自分達で獲得する事に意義があるんじゃないか。」

ISSクルーはそんな会話をしている。


オービターの貨物室から大きな人影が立ち上がる。
背部に搭載された多目的ラッチ、腰部の大型推進機構、人間に近い四肢、顔に当る部分のセンサーを覆うバイザーが太陽光を浴びて煌く。
通称XM-1、正式名称多目的有人機動ユニットXMMU-1がそこにいた。

『ヤタガラス、こちらXM-1。全システム問題なし。』

オペレーターのまりもから通信が入る。

「こちらからも外部視認、内部システム上も異常は見受けられない。起動してくれ。」

『了解。』

スラスターを噴射しオービターからXM-1が離れる。
まるでSFの様な光景であった。

「ヒュー、まるでSF映画だな。」

「というか日本のメックアニメと言った方が正確か?」

ISSクルー達は茶化したように言うが興奮を隠せない。
この機体の運用が可能になれば宇宙空間で単独で行動しマニピュレーターを使った繊細な作業からその巨体とパワーを活かした大規模作業まで可能となるのだ。
興奮しない方が無理だろう。

667: 635 :2019/02/02(土) 12:27:40 HOST:p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp

XM-1に乗ったまりもはほっと息を吐く。

『まりも大丈夫か?』

「ええちょっと一息ついただけ。」

ガガーリンからの通信にそう応える。
人類初めての有人機動ユニットの運用だ緊張しない者はいないだろう。

少し余裕を持ったまりもは動作試験のため機体を動かした。
機体がゆくっりと回転し地球に方を向く。
モニターに青い星が映る。

「綺麗…。」

『ああ、綺麗だろ。』

「あなた達宇宙飛行士はこんな景色を見ていたのね。」

ISSから通信が入る。

『こちらISS、XM-1どうだ初めて地球を衛星軌道から見た感想は?』

「綺麗という言葉以外ないわね。毎日この景色をみているんでしょ?羨ましいわ。」

『はは!これから暫くは飽きるほど見られるさ。さあ試験を続けよう!』

「了解。」


ガガーリンはオービターのコクピットから地球とXM-1を見つめていた。
航空機事故で死んだ自分が未来で再び宇宙へと来たことに因果を感じずにはいられなかった。

この身はすでに人ではなく妖精という種族だ。
神の一柱であるという話や神が創造した種族という話もある。
自分が何者かは分からなくとも一つだけ分かることがある。
自分は宇宙開発こそが使命なのだろう。

「地球は青く、神は確かにいた。」

地球の青はあの日見たように優しく輝いていた。

668: 635 :2019/02/02(土) 12:31:10 HOST:p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp
以上になります。
転載はご自由にどうぞ。
純地球技術の航宙機を出したかっただけですww

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最終更新:2019年02月05日 09:49