63: 昭和玩具の人 :2019/02/08(金) 20:23:59 HOST:p3125028-ipngn20501hodogaya.kanagawa.ocn.ne.jp
耳元で“あそ”が囁いていました。「妹がたくさん欲しい」と———

All Battleship Doctrine

全戦艦主義———直訳するとそう読めるこの言葉は、専守防衛を掲げる海上自衛隊で誕生した思想である。

神崎島の出現により、各国が戦艦の取得に取り組んでいる中、海上自衛隊は二隻の戦艦———打撃護衛艦を就役させた。これがふじ型護衛艦である。
この艦は艦娘が誕生するというハプニングがあったものの、実際に運用すると非常に使い勝手の良い艦だった。

六秒間隔で50km、誘導砲弾なら300km以上遠方へ射撃可能な十四インチ砲を六門備え、イージス艦には劣るも僚艦防空すら可能な対空戦闘能力、従来の汎用護衛艦並みの対潜戦闘能力。唯一不満があるとすればヘリ格納庫を備えていないことだが、それすら防御に不安があったからで、スペース的には余裕がある大柄な船体。機動力だってそう悪くない。

本来ならあり得ないレベルでの万能性を誇るふじ型護衛艦。この艦を見ていた海自上層部の一部では、やがて一つの構想を思いつく。
いずも型、あるいはひゅうが型護衛艦の脇を固める二隻のイージス艦。その周りにはVLSを少々削減し、ヘリが搭載可能になった八隻の改ふじ型護衛艦。イージス艦をサポートして空母(多目的護衛艦)を守ってよし、二隻、あるいは四隻艦隊から分離して突撃し、砲撃戦に持ち込んでよし。正に万能の艦隊が彼らの頭に浮かんでいた。

本来なら、予算と人員はどうするんだ!と政府や財務省から怒鳴られるに違いない。しかし、イゼイラとの交流で貰ったハイクァーンで装備をほぼタダ、あるいは超格安で揃えられる。人員だって保守派の意見を取り入れて多かっただけで、やろうと思えば200名程度で運用できる(もし艦娘が生まれたら無人で動かせるし、実質的な戦力は倍増する)。もはや、ひと昔前なら一笑される妄想が現実に出来るのだ。

現在海自が保有する艦艇の内、汎用護衛艦は32隻。これを全てふじ型、改ふじ型に置き換えるという狂気の構想。流石に他国への影響が大きすぎる、ということで黙殺されたはずのこの主義はなぜか全世界に広まり、各国海軍内で一定の支持を得るのだった。

おわれ

64: 昭和玩具の人 :2019/02/08(金) 20:26:39 HOST:p3125028-ipngn20501hodogaya.kanagawa.ocn.ne.jp
以上です。再掲載はご自由にどうぞ?

おれはしょうきにもどった

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2019年02月10日 17:03