466: 第三帝国 :2019/02/13(水) 00:43:11 HOST:70.244.32.202.bf.2iij.net
銀河連合日本×神崎島ネタSS――——――「20××年宇宙の旅」


さて、宇宙に旅立った突撃馬鹿に艦娘御一行は木星に到着していた。
そこまでたどり着くのに要した時間は地球衛星軌道からワープで1分程度。

ティ連合の宇宙人たちは当たり前な結果に過ぎず、
船内放送で通常業務に関する放送が流れ乗員たちが確認作業をしている。

しかし、地球人類代表者である柏木真人。
艦娘代表の吹雪、さらに駆逐棲姫は初めてのワープ体験と合わさってすっかり驚愕していた。

突撃馬鹿と知人から称される程度に度胸がある柏木はシートからお尻を滑らせて腰を抜かしている。
駆逐棲姫は目を回して床に倒れている上に吹雪に至ってはひっくり返ってスカートの中身が丸見えとなっている・・・パンツ!パンツです!

「・・・何をしているのデスカ?」

そんな醜態さらしまくりな3人に対してフェルがジト目で見る。
フェルからすればディルフィルド航法、ワープはありふれた日常的な出来事で3人の醜態を理解できずにいた。

「マーーサーートーーサーーンーー!!」
「え、あ、あああ・・・」

フェルが柏木の目の前で叫ぶが反応が鈍い。
単にびっくらこいているだけだがフェルはそう思うわなかった。

「むう、反応が鈍いデスネ。
 でしたら外に出て気分転換するのデスヨ」

善は急げとばかりにPVMCGで船長に連絡する。
快諾は即座に得られた。

「さあ、外にでるのデス!」

「え、外?
 宇宙服を着れるの俺?
 マジで!やっべえこれは貴重な・・・」

「そのままの恰好でいいデスヨ」

「はい?」

467: 第三帝国 :2019/02/13(水) 00:45:07 HOST:70.244.32.202.bf.2iij.net
自身が着ているブランド物のスーツを一度見る柏木。
脳内でその姿のまま大宇宙に放り出される光景を想像し青ざめる。

「ごめん!俺ちょっと調子が悪くって・・・」

「さあ、行くデスヨ」

問答無用に旦那と残る2人の襟元を掴む嫁さんことフェル。
ようやく覚醒した吹雪が「わ、私初めてじゃないけど優しく・・・」
などど場違いすぎる上に突っ込みどころしかない言葉を吐いているのを無視して船内転送機に入り船外へと出て・・・。

「ぎぃゃぁぁあああ!だ・・・だめか!
 こ・・・!凍るッ!!く・・・空気が凍ってしまう! 外に出ると凍ってしまうッ!」

某不死身な存在のセリフを言いつつ無様にうろたえる30代の大人。
流石?芸大卒であるだけ死の間際にあってもネタに走ることを忘れないようだ。

「マサトサンは 2度と地球へは戻れなかった・・・。
 鉱物と生物の中間の生命体となり永遠に宇宙をさまようのデス。
 そして死にたいと思っても死ねないので――――そのうちマサトサンは考えるのをやめたのデス」

「お、それそれ。
 よく知ってるじゃないかフェル」

「・・・やっぱり、分かっているじゃ無いデスカ」

フェルがジト目で旦那を見る。

「あ、・・・あはははは。
 まあね、初めは確かに慌てたけど途中から
『天岩戸作戦』でシールドの存在を見つけたのを思い出してな」

対してネタ返しに反応した柏木は頭を掻きながら苦笑する。
なおフェルさん的には旦那とネタを合わせること、夫婦漫才ができて内心ドキドキしていた。

「と、いうわけで。
 ここは空気があるから大丈夫だよ、吹雪ちゃん。
 それに駆逐棲姫・・・じゃなくて黒雨ちゃんも」

柏木の呼び掛けて首やら口やらを押えている少女2人は我に返る。

「あ、あはははは」
「恥ズカシイ・・・」

吹雪と駆逐棲姫は先ほどからの醜態を思い出して気まずい反応をする。

「まあ、何事も初めてデスカラ。
 それよりも――――――顔を見上げてくだサイ」

フェルの言葉に釣られて顔を上げる。
それは大気圏から見上げるよりも遥かに近く、想像以上に巨大であった。
しかもカメラやテレビ超しではなく己の肉眼のみで見ている事実に言葉が出なかった。

茶色を基本色として巨大な渦を浮かべた星の名は――――。

「木星!」

網膜に焼き付いた情報に吹雪は何かを感じ、
地球という泥団子から出て初めて直接木星を目にした人類として叫んだ。
フェルだけでなく吹雪の反応を聞いて集まった宇宙人たちが地球からの客人3人へ笑みを向ける。

例えるならば大事な玩具を見せびらかせた子供のような顔である。

「私たちはこんな風景をいつも見ているのデスヨ―――――我らがクラブへようこそ、地球の皆サン」

フェルがフェルさん語と揶揄されるクセのある日本語で言った。





おわり

468: 第三帝国 :2019/02/13(水) 00:52:49 HOST:70.244.32.202.bf.2iij.net
以上です。
できれば皆さん一人一人にコメントを書き込みたいところですが・・・体力的に無理です。

では

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最終更新:2019年02月16日 00:21