678: 昭和玩具の人 :2019/02/16(土) 20:53:01 HOST:p3125028-ipngn20501hodogaya.kanagawa.ocn.ne.jp
———フリーライターである“私”に、その仕事が舞い込んできたのは偶然だった。

主に軍事系の記事を書いては三流雑誌や個人的に開設しているブログにあげているだけの日々を過ごしていたある日、とある先輩の紹介でその仕事を紹介された。先輩は防衛省に知り合いがいるらしく、良い記事を書ける人はいないかと尋ねられ、“私”を紹介してくれたのだという。

突然降って沸いた大仕事———それも防衛省という国家機関からの依頼だ。“私”は期待に胸を膨らませ、打ち合わせに向かう。 ———その仕事が想定をはるかに超えるものだと、その時は知らないまま。

———その仕事は今話題の渦中にいる、現代に生を受けた八人の艦娘へのインタビューであった。


銀河連合日本×神崎島ネタ とあるライターの艦娘取材


———えーと・・・ それではよろしくお願いします。

ふじ「今日はよろしくお願いします」

エイラ「そんなに肩肘張らなくていいわよ。リラックスして頂戴」

あそ「なんなら、気付けに一杯やる?」

———は、はぁ・・・ あと結構です、一応仕事中です。

ローザ「まあ緊張するのも無理はない。なにせ世界で最も話題になっていると言っても過言ではない我々と対面しているのだからな!」

ペディ「ふじ達やエイラ達日米組だけでなく、遠いイギリスから僕達も来ているからね。全員が揃うことなんてそうないと思うよ」

ジェファー「今回は来日時期が重なったから、実現出来たわけですしね」

クレア「まあ、私達も軍事機密以外は可能な限り答えますので、何でも聞いてください」

クマ「クマー」

———わ、わかりました。それではまず、自己紹介からお願いします。

エイラ「オッケー! じゃあまずは私から。アメリカ合衆国海軍所属、エイブラハム・リンカーン級戦艦一番艦、エイブラハム・リンカーンよ! エイラって呼んでね!」

ジェファー「同じくエイブラハム・リンカーン級二番艦、トーマス・ジェファーソンです。皆さんからはジェファーと呼ばれています」

クマ「三番艦セオドア・ルーズベルト。クマって呼んでほしいクマ」

エイラ「ちなみにこの子、本国ではテディって呼ばれていて、私達もそう呼んでいるから注意してね」

———わかりました。

ローザ「次は私だな! 栄えあるロイヤルネイヴィーに誕生したロイヤル・サブリン級戦艦一番艦、ロイヤル・サブリン、愛称はローザだ! わが祖国を守る盾、または矛として誕生した新鋭戦艦で———」

ペディ「我が姉よ、長すぎるのでそこまでにしてくれ。———さて、我が姉が失礼した、同じくロイヤルネイヴィー所属、ロイヤル・サブリン級二番艦、ロイヤル・オークだ。僕のことはペディと呼んでほしい」

クレア「ロイヤル・サブリン級三番艦、クイーン・ヴィクトリアと申します。皆からはクレアと呼ばれています」

———日本へようこそ。短い間ですが、よろしくお願いします。

ふじ「では最後に私達ですね。日本国海上自衛隊ふじ型護衛艦一番艦、ふじです」

あそ「二番艦、あそだよ、よろしくー」

———よろしくお願いします。では早速質問に入らせて頂きます。まずは皆さんの休日の過ごし方について。まずは・・・エイラさんからお願いします。

エイラ「いいわよ。そうね、私の場合はDIYが好きだから、愛用の斧片手に木製家具を作ったりしているわ」

———この前テレビで、某農業系アイドルグループとコラボしてログハウスを作っていましたね。

エイラ「ええ。あの依頼人は私の艦の乗員なんだけど、そのご両親に家をプレゼントしたいって言ったのが始まりなの。最初は私一人でやろうかと思ったんだけど、中々まとまった時間が取れなくてね。そしたら偶々取材に来てくれたあのグループが手伝ってくれるようになったのよ」

———お披露目の時、依頼人もそのご両親も感激されてましたね。

エイラ「ついでにスタッフやあのグループの皆もね。リーダーなんて大泣きしてたわ」

679: 昭和玩具の人 :2019/02/16(土) 20:54:13 HOST:p3125028-ipngn20501hodogaya.kanagawa.ocn.ne.jp
———確かにそうでした(笑)。では続いてジェファーさん、お願いします。

ジェファー「私の場合は図書館に行ったり、近所の本屋に行くことかしら。世の中には知らないことっていっぱいあるから、少しでも多くのことを知りたいって思っているの」

———あなたの名前の元となったトーマス・ジェファーソン氏もすごく好奇心旺盛な方だったとか?

ジェファー「日本以外の国で艦に人名を付けることは珍しくありません。もしかしたら私の中に彼の魂が宿っているのかもしれませんね」

———実に日本っぽい考えですね。

ジェファー「生まれはアメリカですけど、あの神崎島が建造に関わっていましたから」

———確かに艤装関連はほとんど神崎島製ですからね。ではテディさ「クマでいいクマ」———失礼、クマさん。お願いします。

クマ「クマ。基本的に休日は寝てるクマ。天気が良い日は近くの公園に行って、木陰でお昼寝クマ」

———昼寝ですか。ちなみに昼間に寝て、夜も寝れるんでしょうか?

クマ「寝れるクマ。寝る子は良く育つっていうクマ」

———・・・ああ、そういえばまだ誕生してから一年も経っていませんでしたね。

クマ「クマ。あとはエイラ姉さんのお手伝いとかするクマ」

———というと、工具を持って家具を作ったり?

クマ「そうクマ」

———なるほど、ありがとうございました。では続いてローザさん、お願いします。

ローザ「了解した。私の場合は主に乗馬だな」

———乗馬ですか、珍しい趣味ですね。

ローザ「うむ。現代は車や飛行機といった、便利な交通手段が整っているが、かつては馬が人間の交通手段だったからな。先人がどのように馬と付き合っていたか、少しでも理解しようと思っているのだ」

———昔の人は馬とともに暮らしていたわけですからね。今じゃ都内で馬を見れるのは大井競馬場くらいです。

ローザ「それは馬と接するというより・・・ いや、何でもない」

あそ「”私”さん、競馬見てるの?」

———いえ、私ではなく先輩が詳しいんですよ。あそさんは?

あそ「うちの乗組員に馬好きがいてね。たまについていったりしてるんだー」

ふじ「あそ・・・ まさか賭け事してないでしょうね」

あそ「あー・・・ ノーコメントで」

———(ふじがあそを睨みつけているのを宥めながら)ま、まあ、この話はこれくらいにして、ペディさんお願いします。

ペディ「うむ、了解した。僕の場合はゲームをしているよ。特にアクションゲームやシミュレーションゲームが好きだね」

———ゲームと言えばつい先日、あなた達三姉妹が出演するゲームが発売されましたね。売り上げが凄く伸びているとか。

ペディ「よく聞いてくれた! あれはまさに僕のやりたかったゲームなんだよ! 大地にパンジャンドラムが駆け、大海原には超巨大戦艦が遊弋し、大空に摩訶不思議な形態の飛行機が飛び回る! まさに僕が理想としていた世界が実現したんだよ!」

———は、はぁ・・・

ペディ「実をいうと、今回来日したのは前回とは違う新しいゲームの打ち合わせでもあるんだ。今度はもっとすごいぞ、なんとここにいる艦娘全員が出演予定なのだから!」

———それはすごい。ちなみにストーリーとかはもう?

ペディ「いや、それはまだ未定だ。だけど次回作では鋼〇の咆哮のような海戦ゲームを目指している。超巨大戦艦はもちろん、氷山空母や陸上戦艦、さらには宇宙戦艦まで・・・」

———ペディさん? ペディさーん ・・・あー、ダメですね。私の声が届いていないようです。

クレア「お姉さまがすみません。普段はともかく、暴走すると周りが全く見えなくなってしまうので・・・はぁ」

680: 昭和玩具の人 :2019/02/16(土) 20:55:00 HOST:p3125028-ipngn20501hodogaya.kanagawa.ocn.ne.jp
———いえ、まあでは、彼女は放っておいて、クレアさんお願いします。

クレア「わかりました。あ、ちなみに先ほどの次回作についてのお話はカットしてください。まだ秘密なので」

———わかりました。

クレア「では私の休日の過ごし方ですが、ジェファーさんと同じように本を読んだりしています」

———ちなみに、どのようなジャンルを?

クレア「主に過去の戦史や戦術が書かれたものを。賢者は過去から学び、愚者は経験から学ぶというように、たとえ古くとも今に生かせる事柄がたくさんあると私は思っているのです」

———温故知新というやつですね。

クレア「ええ。それと纏まった休日を頂けたら、実際に過去の戦場となった地を訪れ、思いを馳せたりしています」

———普段は本で学び、時には現地で思いを馳せる、なるほど。ありがとうございました。

クレア「いえ、どういたしまして」

———それでは、続いて海上自衛隊のお二方に———実をいうと、個人的に一番気になっていたお二方なんですよね。

ふじ「えっ、そうなんですか?」

あそ「そんなに変わったことはしてないけどねぇ」

———他の方々はテレビや新聞、あるいはSNSでプライベートの様子がアップされたりするんですが、お二人はそういったことが全くないんです。海上自衛隊は彼女達を24時間365日働かせているんじゃないか、と疑う声も出るくらいに。

ふじ「流石に艦娘とはいえ、それは無理ですよ」

あそ「そうそう。それに、さっきも競馬を見に行ったって・・・あーふじ姉、そんな目で睨まないで」

———ええ、流石にそれはないとは思っていましたが、事実お二人の休日の過ごし方が知られていませんでしたからね。無論あくまで質問ですから、答えなくても構いませんけど。

ふじ「いえいえ、特別なことはしてませんから大丈夫です。私の場合は艦の乗組員である女性隊員達とお出かけしたり、寄港先の銭湯に行ったりしています」

あそ「あたしは暇してる乗組員達と飲みに行ったり、一人で飲みに行ってるねぇ。焼き鳥とビールがあたし的には定番かな」

———あそさんが少々おじさんくさいのは置いておいて・・・ いたって普通ですね。

ふじ「はい、それもショッピングセンターだったり、アミューズメントパークだったり、色んな人が集まるところに行ってます」

あそ「偶々店にいた人と飲んだりしているし、人前には良く出ている方なんだけどなぁ」

———変ですね。それならもっと話題になってもおかしくはないと思うんですが。

あそ「あー、そういえば、あれって公表していなかったかもしれないねぇ」

ふじ「あれ、そうだっけ?」

———あれ? いったいなんのことです?

エイラ「あー、あれね。確かあれは防衛機密じゃなかったかしら?」

ジェファー「いえ、姉さま。あれはふじさんの誕生したときに公表してます。多分忘れられているかもしれません。艦娘が誕生したというだけで大騒ぎになりますし、あの時も補足程度でしたから」

クマ「あれはうらやましいクマ。私にも欲しかったクマ」

ローザ「うむ、目立つことが戦艦の務めとはいえ、たまに辟易することがあるからな。出来れば私も欲しいと思うことがある」

ペディ「彼女達だけの特性なのか、それともステルス性を意識した艦から誕生した艦娘だからなのか、ヤル研や神崎島工廠でも話題になっているからね」

クレア「お二人の場合、駆逐艦「護衛艦です」———失礼しました、従来の護衛艦の延長線上として誕生されましたから、そもそも私達とは少々建造経緯が異なっていますし」

———えーと、すみません。一体何の話でしょうか?

ローザ「彼女達には変わった特質があってな。———この際だから聞こう、貴君は二人を見てどう思う? いや、容姿が整っているとかではない。印象についてだ。正直に答えて欲しい」

681: 昭和玩具の人 :2019/02/16(土) 20:55:39 HOST:p3125028-ipngn20501hodogaya.kanagawa.ocn.ne.jp
———印象・・・ では失礼を承知で言わせていただきますが、他の方々と比べると普通、といいますか。その、あまり目立たないなぁとは思います。

ペディ「なかなかはっきりといったね・・・ まあその通りだろう。可愛らしい容姿をしているけど、私達や神崎島の艦娘達と比べて華がなく、ネット上でも芋っぽいと評価されているくらいだ」

ふじ「・・・それ、褒めてないですよね?」

ペディ「いや、一応吹雪さんとかがそう呼ばれているから、誉め言葉ではあるみたいだよ。でだ、その容姿が関係しているのか、又はふじ級戦艦「護衛艦だよ」———あー、打撃護衛艦はエイブラハム・リンカーン級やロイヤル・サブリン級と異なり、ステルス性を意識して造られているんだ」

———えっと、つまりふじさん達は気付かれにくいと?

ペディ「正確に言うと、そこに人がいることはわかるが、それが彼女だと気づかない。つまりその場に馴染んでしまうんだよ」

———その場に馴染む———ある意味凄い能力ですね。

ふじ「実をいうと、公試で誕生した時にその能力に気付かなくて、数日間ずっと皆さんと過ごしていたんです。そしたら隊員名簿にない人間が乗り込んでいるって騒動になっちゃって・・・」

あそ「その話を聞いたときは笑っちゃったねぇ。あたしの時も、艦娘が誕生する可能性があるって警戒していたにもかかわらず、見つかったのは夜遅くだったんだよ。乗組員とは何度もすれ違ったにも拘らずだよ?」

———は、はあ・・・

ふじ「まあ流石に艤装を展開すれば、私達だと気づかれちゃうんですけどね」

あそ「逆に言えば、艤装さえ展開しなければ一般人としてどこにでも行き放題。今度東京に行ったときはスカイツリーに行こうかと思っているんだよねー」

———この時私は理解した。世間ではエイブラハム・リンカーン級戦艦やロイヤル・サブリン級戦艦の艦娘達ばかりが話題になっているが、この戦艦と名乗らないふじ型護衛艦の艦娘もまた、個性的な娘達なのだということを。

———つづく?

682: 昭和玩具の人 :2019/02/16(土) 20:56:36 HOST:p3125028-ipngn20501hodogaya.kanagawa.ocn.ne.jp
以上、現代に誕生した戦艦(?)の艦娘達へのインタビューでした。私が生み出したということもあり、ふじとあそに関する内容が多かったのはご容赦ください。

ちなみに今回書きやすかったのは(ふじとあそを除いて)ペディさんことロイヤル・オークです。というか ぶっちぎりでした。

Wiki掲載についてはひゅうがさん、陣龍さん、トーゴ―さんの許可も必要かと思いますので、とりあえずなしでお願いします。

688: トーゴー :2019/02/16(土) 22:15:57 HOST:i60-35-73-188.s41.a007.ap.plala.or.jp
乙です!
いやぁ…自分が作ったキャラクターを使ってもらえるというのは嬉しいものですね。
ロイヤル・オークはこんな感じの娘ですんで、使いやすいようでしたらどんどん使ってあげてください。

Wiki掲載については私は許可しますよ。というか、私もロイヤル・サブリン級3人の愛称を使わせていただいてもよろしいでしょうか?

689: ひゅうが :2019/02/16(土) 22:16:07 HOST:sp49-96-5-198.mse.spmode.ne.jp
672
構いませんよ

そして乙です。

690: 陣龍 :2019/02/16(土) 22:23:33 HOST:124-241-072-147.pool.fctv.ne.jp
乙です。セオドア・ルーズベルトの一人称は『セア』だったんだけどなぁ(小声)

掲載は大丈夫です。多分クマクマ言ってる間に変わったんじゃろ(適当)

693: トーゴー :2019/02/16(土) 22:52:15 HOST:i60-35-73-188.s41.a007.ap.plala.or.jp
そういうツッコミが許されるのであれば、ロイヤル・オークの一人称は『ボク』で、クイーン・ヴィクトリアの姉への呼び方は『姉さん』なのですが…
まあ日本人相手に普段と違って日本語喋ってるからですかね、うん。

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最終更新:2019年02月20日 16:29