930: 名無しさん :2019/03/26(火) 20:24:24 HOST:opt-101-1-157-89.client.pikara.ne.jp

神崎島のとある飛行場―――

そこに1機の戦闘機がエンジンを今まさに火を入れて発動させようとしていた。
その機体周辺には大勢の人がおり、中には涙ぐみながら作業をしていた。


機体名は四式戦闘機「疾風」



艦これにも実装され、多く量産されている疾風だが
この疾風は特別だった。

なぜなら、この疾風は日本に残された唯一の疾風であったのだ。

知覧にとある妖精さんが、献花にやって来たところ、飾られたその機体を見た時
他の地に展示されている日本機と比べて機体状態がまだ良く
そして、機体が泣いていると分かるや、神崎提督に直訴し、神崎提督は大きく頷くと
柏木や二藤部総理など協議し、神崎島の疾風と非武装の上で交換する事になった。


こうして、疾風が神崎島にやってきて、当時の整備士・工員妖精さんが工廠に運び入れ修理を開始した
腐食したエンジンや機体を直し、盗難にあった部品を再生していったが、後学のために修理を手伝ったイゼイラ人曰く
皆、泣きながら「よく頑張ったな」「我が子よ、辛かったな。辛かっただろうなあ・・・」「ちゃんと飛ばしたるから心配するな」といたわる様に修理してたという


こうして、修理が完了し、初飛行試験となり
多くの艦娘・妖精・人が鈴なりに飛行場に集まっていた。

やがて。イナーシャ回せーーー!!との声と共にクランクが回り
最初はゆっくりだった回転が、やがて惰性が付くと同時に力強く回りだし
頃合いを見てコンターーーク!!と点火スイッチを入れ
バッ!ババババババ!!と勢いよくプロペラが回りだした。

それをみた、観客はどよめき、拍手が出る。
その拍手にも気にせず、整備士妖精さんは注意深くエンジンとペラを見て
ブーストを上げる。

エンジンはより高い轟音と唸りだすが、異常は見られない。
妖精さんはそれを満足そうに見るや、エンジンブーストを下げ
傍らにやって来た加東圭子と交代する。

加東圭子は操縦席に収まり、さっと点検し、異常がないことを確認すると
手を両手に振って、チョーク離れ!!の合図を取る。
その合図を受け取った妖精さんは両脚のタイヤに止められていた。木をサッと取り離れる。


そして、タキシングしながら、移動を開始する。
移動を開始しただけでも、泣き崩れる人や妖精さんが続出するのであった。
やがて、滑走路の端に来て、加東圭子は大きく手を振って合図をすると同時に
エンジンブーストを上げ、勢いよく滑走をしだす。


加東圭子は頃合いを見て、操縦桿を引き出すと、疾風は軽やかに離陸し、脚部を収める
その瞬間、周りは爆発したかのような大歓声を上げたのである。
ある戦艦は大手を振って喜び、ある揚陸艦は泣きながらイゼイラ人と抱き合い
ある初めての正規空母ダストール人と共に敬礼を送る


疾風はこうして再び大空に帰ることが出来たのであった・・・・

931: 名無しさん :2019/03/26(火) 20:25:47 HOST:opt-101-1-157-89.client.pikara.ne.jp
終わり

疾風をなんとなくみていたら、このネタが上がりました。
飛燕は復活はムリでしょうが、国内にある零戦の幾つかは再び飛行出来そうかなあと思ったりしました。

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最終更新:2019年03月27日 14:53