341: 名無しさん :2019/04/11(木) 21:07:49 HOST:opt-101-1-157-89.client.pikara.ne.jp


神崎島が現世にきて、数年
やることが多々あったが、ここ落ち着いて平穏な時が来た時
明石・夕張が新たな試みをやろうとしていた。

それは、航空機速度記録に挑戦するもので
陸上機は年々、様々な機体が競っていてたが
明石たちが注目したのは、陸上機ではなく水上機部門であった。

水上機は陸上設備が未熟だった時代に速度を記録するうえでは有利だった時代があり
スピットファイアを開発したマーリン社がシュナイダーレースで優勝を導いたのも水上機だった
そんな中、水上レシプロ機最速がマッキ M.C.72であり、最高速度は実に709km/hであった。
しかし、1934年に記録達成して以来、実に80年近く時が過ぎても、水上機の記録が更新されなかったのである。

これを知った明石組はいよっしゃ!この記録更新したらあ!!とやる気満々となり
早速既存機の改造に入ったのである。

神崎島には様々な水上機が運用しているが、機体に選定されたのは瑞雲であった。
なぜ、速度記録に有利な晴嵐が選ばれなかったのは理由は後述する。


まず、瑞雲を選定し、不要な部品を降し、単座に改め、更にエンジンをマーリンとし
これを高高度過給機を降し、低高度で最大出力発揮できるようにカリカリチューニングし
翼を翼面蒸気冷却装置に改造し、ラージエーターなどの不要な空中抵抗を削ったのである。

レーサー機として魔改造された瑞雲を
航空記録に参加すると知った時は世界中から大反響があり
速度記録の様子を一目でもみたいと大勢の人が神崎島に駆け寄ったのである。

速度記録はFAI(国際航空連盟)の規定によると、三キロ直線を二往復、高度100m以下を取ったうえで、平均速度が最大速度であると決められていたのである。


大会本番


神崎島の港に大勢の人が集まり
濃緑の瑞雲を背景に記念撮影したり、トトカルチョが行われたり、屋台が出たりと大繫盛であった。
なお、事前に本番用瑞雲とは別に改造した瑞雲をFAIに提出し
ティ連の技術が用いられてませんとあらかじめ反論を封じ込めたのである。

空模様は悪いことに曇り空であったが、そのまま進行することとなった
なお、パイロットは本人の熱烈な希望と周りの熱望により
神崎日向となり、この日の為に訓練と体重減軽を行ってきた。

瑞雲魂と背中に書かれたパイロットスーツを着た日向が出てくると
一堂はおおーー!!と大歓声が上がり、日向もこれに答えるように笑いながら手を振る
やがて、瑞雲のフロート部分に来て、はしごに乗ってコクピットで点検作業をしていた
明石にお礼を告げて、明石と交代するかのようにコクピットに収まり

一息付けて、イナーシャ回せーーー!!と合図を送る。
その合図に答えるかのようにクランクを回し、惰性がついてきたところで
離せ!!コンターク!!とエンジン始動させる。

マーリン独自の甲高い音を響かせるが日向は気にすることなく合図を送ると
滑走路台からスルスルと海面へと流され、水上を勢いよく滑り出し
速度が乗ってきたとみるや、操縦棹を引き、計測地点として海上に立つポール間近へと移動する

342: 名無しさん :2019/04/11(木) 21:08:26 HOST:opt-101-1-157-89.client.pikara.ne.jp

ポールを見つけ、その距離を測って助走にエンジンを一気にブーストさせ、加速さえる
グングン速度計の針が勢いよく回りだし、日向は体中に襲う強烈なGに必死に耐える
3km先のポールが見つかり、これも勢いよく超える、そして問題はこれからであった。
3km直線を2往復という事は、この後急旋回をする必要があったが

速度を殺さずに急旋回するとなるとどうしても大回りとなってしまうが
瑞雲は必殺の武器があった。それは・・・

「自動空戦フラップ発動!」
操縦桿の上に増設したスィッチを押して、グルリと速度を殺さず、急旋回を行う。

そう、瑞雲は元々空戦フラップを用いて空戦することを想定しており
これを紫電改で使われた自動空戦フラップと交換し、速度に応じた急旋回を行えるようにしたのである
攻撃機な晴嵐では華奢すぎて、この急旋回にかかるGに機体が耐え切れなかったのである。

これを一往復こなし、最後の旋回に入って直進し、最後のブーストをかけた時
不意に、曇り空だった空に、一筋の光が入り、丁度、瑞雲に降りかかった

日向は降りかかった太陽の光に目を細めながら不意に漏れる
「提督・・・私はどのように言われようとも、少しでも屈辱に思わないよ
水上機瑞雲は、もはや不運な機体ではない。この場所で多くの人が祝福し、応援してくれる。
この空に・・・確かに飛んでいる。幸せ者だよ」

速度計がグルグルと回り、エンジン出力と油温度も止まることを知らぬかのようにグングン急上昇しだす
これを遠く記録装置で見た、夕張が危険だと思いマイクに向かって叫ぶ

「日向ーーー!!エンジンカットしろーーーー!!」

しかし、それは遅すぎだ。
瑞雲はそのまま猛高速でポールを超え
ポールを超えたことで使命を果たしたのか、エンジンが爆発し
その勢いのまま海上に向かって突進し

多くの人が事故か!?と戦慄したが、
機体が海面に激突する直前に何者かが空中に持ち上げられたのである。
それは、擬装をかけたヤルバーン仕様瑞雲改二であり、万が一の事故に備えていたものであった。

瑞雲が見事救助されたとき、多くの人が歓声を上げたのである。
やがて、機体が会場に持ってこられ、日向が地上に降りた時
多くの人が詰め寄り、祝福と、叱りと、握手と、おっぱいさわりと、サインをねだったりと
カオスな状況となったが

なんとか日向をその人込みから抜け出して、スクリーンの前に連れてこられたのである。
そこで、FAIが正式な速度記録が発表されるのであった。
やがて、計算が終わり、正式な速度が発表された・・・・・



後日、新聞の一面に記録速度更新達成!!と掲載され、
満面の笑みと多くの賞状とトロフィーを持った日向と瑞雲の写真が全国に
発表したのであった・・・・

343: 名無しさん :2019/04/11(木) 21:09:19 HOST:opt-101-1-157-89.client.pikara.ne.jp
終わり

最終的に速度がどんだけになるか計算してませんが
時速750km以上は出せるんじゃないかなあと思っています。

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最終更新:2019年04月20日 12:45