263: 名無しさん :2019/05/03(金) 20:39:37 HOST:om126034121153.18.openmobile.ne.jp




「史実の日本かよ……」

最初、それに気付いた橋本信太郎(転生者)大佐は頭を抱えた。

「嶋田さんも来てなさそうだし……陸軍にいたかもしれない仲間は飛ばされてるし……」

橋本が憑依で覚醒したのは1939年、橋本が重巡『筑摩』の艦長に着任した頃である。

「とりあえず前世の知識を生かして何とかしないと……ペナン沖で戦死したくないしな」

そして橋本は行動を開始する。橋本が最初に着手したのは対空機銃である25ミリ対空機銃の単装の開発具申である。三連装もメリットはあるがデメリット(二人での操作やペダル操作等々)も多くあるので単装の開発が急務だった。

(単装だと不意を突いてくるのに対処出来るし架設スペースも広く取らないし……まぁどっちもどっちなんだけどな)

艦長職でやれる事は限られてくる。頭を抱えたい橋本だが自身が生き残るためなら何でもやるつもりだった。そのためなのか、橋本の努力が実ったかは不明だが転生仲間と1940年に接触する事が出来た。

「まさか五藤少将に憑依していたとは……」
「俺としてもこの世界に転生するとは……と思うよ。でも艦これ仲間の君がいてくれたし少しは安心かな」

憂鬱世界では艦これ仲間として同志だった二人である。(なお、橋本は加賀と陸奥が嫁艦で五藤は六戦隊が嫁である)

「対空機銃や高角砲の開発具申に関しては俺からも申請してみよう。二水戦司令官をしているから通るかもしれない」
「まぁ開戦時までに単装が量産出来たら御の字ですね……。後は電探ですけども……」
「電探に関しては下手に具申したら飛ばされそうなんだが……」
「でも五藤少将からにしては英断かもしれませんよ」
「そこを言われると凄い悩むんだよな……」

史実ではソロモンで戦死する五藤少将なので本人からしてみたら生存への道が開かれるわけになる。

「……飛ばされる覚悟で具申してみるか」
「頼みます」

しかしながら五藤の覚悟は無駄になる。同年、総力戦研究所の所員である海軍大佐が電探の実用化を強く具申しているからだ。

「松田大佐って……まさか?」
「可能性はあるな」

二人は松田も憑依した転生者であると確信して密かに松田へ接触を図るが案外、松田からも接触をしてきたのだ。
そして三人が合流したのは同年12月である。

「嫁艦」
「まぁそうなるな」
「634空」
「瑞雲!瑞雲!瑞雲!」
「同志だな」

三人は堅く握手をする。松田も転生者である事を確認した瞬間だった。

「松田大佐はいつ気付いたのかね?」
「欧米に出張中にですね」
「成る程。三人揃えば文殊の知恵というが開戦は回避出来そうにないものな……」

五藤の言葉に二人は頷く。それでも三人は史実よりマシな展開に持っていくしかないと思っている。

「嶋田さんがいればなぁ……」
「嶋田さんの存在はかなりの物ですものね……」
「無い物ねだりしても仕方ない。居ないものは居ないんだ」

そして三人は史実通りに昇進を重ねていき……運命の開戦を迎えるのである。

264: 名無しさん :2019/05/03(金) 20:40:23 HOST:om126034121153.18.openmobile.ne.jp
今のところ、嶋田と合流して終わるか沖縄沖までするかは未定です

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最終更新:2019年05月10日 14:49