915 :earth:2012/02/24(金) 23:13:10
唐突に思いついたネタSS。
かなり疲れた脳みそで勢いに任せて書くので、多少のことは笑って流してください。




 西暦194×年。世界は曲がりなりにも平穏を取り戻しつつあった。
 大西洋大津波、アメリカ風邪、さらに異常気象と経済の破壊による打撃で世界人口は多いに目減りしたものの、人類は滅ばなかったのだ。
 だがその人類に新たな脅威が現れることになる。

「オーストラリアに化物?!」

 陸軍参謀本部、海軍軍令部、帝国中央情報局本部など大日本帝国中枢に飛び込んだその情報に誰もが耳を疑った。

「エイプリルフールはとっくに終ったぞ?」
「まさか、アメリカ風邪で突然変異が起きて怪物が生まれたとか?」
「放射能で恐竜が突然変異……特撮だったら胸熱だが、現実となるのはお断りだな」

 冗談か誤報と誰もが思う中、続報が入る。
 そして写真とより詳細な情報が入ったとき、逆行者たちは一様に自分の耳と目を疑うことになる。

「「「これってネウロイじゃないか?!」」」

 かつての史実と呼ばれた世界で流された某人気アニメ。そこで出てきた謎の敵。その出現に誰もが衝撃を受けた。

「この世界に魔女は居ない。拙いな。戦艦の艦砲射撃か、それとも核の乱れ撃ちしかまともな手が無い」
「拙いですね……もしも原作どおりの実力をもっていたら豪州大陸の陥落は時間の問題です。東南アジアにも被害が」
「瘴気対策なんて無いぞ……」

 嶋田や辻、東条などの夢幻会上層部は頭を抱える。しかしある程度の吉報も飛び込むことになる。
 そう、現れた化物たちは彼らが知る『原作』と違って弱体化しており通常兵器でも十分な効果があったのだ。

「連中が本格的に出てくる前に叩くしかない」

 こうして日本帝国軍は他国が引くほどの熱意を持ってネウロイを討伐するべく動き出した。

916 :earth:2012/02/24(金) 23:13:49
 そして日本軍は英軍やオーストラリア軍と協力して『全力』でネウロイを撃破していき、彼らが出現する場所、カーペンタリアの
次元回廊にまで攻め込んだ。
 そしてそこで、彼らは信じられないものを見る。

「下着姿の少女が空を飛んでいるだと?」

 回廊の先にあったのは、ネウロイと呼ばれた敵が『本来』の力で暴れまわる世界だった。
 この報告に夢幻会の会合の面々は顔を引きつらせた。下手に手を突っ込めば火傷を負うことは確実なのだ。
 さらに大軍を送り込んだは良いが、いきなり回廊が消滅してしまえば、大損になる。交流するにしてもリスクが高いように見えた。
 自分達という異分子が紛れ込んでトンデモない変化が起きたら面倒なことになる。

「……見なかったことにして、包囲するに留めましょうか」

 この意見に会合の場に居た人間の大半が頷いた。回廊周辺を包囲して自分達の世界の秩序に力を注ぐという選択肢は当然のものだった。
 包囲網を築くだけならまだ安く済む。
 原作キャラは気になるが、そこまでのリスクを背負ってまで会いに行くつもりは彼らには無かった。

「501を見たかった」
「くっ、生バルクホルンを諦めなければならないのか」
「ユリの世界が……」

 夢幻会内部では無念の声が挙がるが、向こうの世界に積極的に介入したいという者はおらず、門は包囲して放置というのが
夢幻会の基本方針となった。
 しかしそれを是としない者もいた。オーストラリアは多大な被害を受けており、何らかの利益を確保したかったし、欧州列強は
向こうの世界の技術に注目していた。帝国国内では新たな市場を欲する声が上がった。
 さらにネウロイに脅かされた世界からすれば、ネウロイが存在せず、仮にネウロイが侵入しても弱体化する世界というのは魅力的だった。
かくして2つの世界は様々な思惑を胸に接触することになる。

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最終更新:2012年02月29日 23:21