WAQWAQプロジェクト:wikipedia日本語版を充実させる2ヶ月間 @ウィキ

何でこの企画をやろうと思ったのか?

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2009年に行われた事業仕分けをきっかけに、「科学コミュニティが一般社会から離れている」と多くの人が考えているという事実が明確になりました。また、先日の東日本大震災およびそれに続く福島第一原発事故において、科学および技術コミュニティに対する不審がより大きくなったように感じています。

一方、東日本大震災および福島第一原発事故に直面した人たちの中には、ネットを利用して情報収集を行い、自分や家族、知人の健康や財産を守ろうとする人も多くいました。そして、そのときに利用された情報の多くがネットに公開された科学者、技術者の論文、解説などでした。ネットの普及とその利用法の習熟により、科学文書・技術文書を非専門家の方々がダイレクトに利用できるようになり、実際に利用しているわけです。

しかし、非専門家の方々にとって、原著論文や他の専門家向けの解説文書を読むのは難しく、時間のかかることです。このため、仕事に忙しい社会人のみなさま、家事や育児に忙しい親御さんたち、高校までしか進学していない方々がほとんどである高齢者にとってはそのような文書を読むのは簡単なことではありません。

もし、非専門家の方々が最初に専門知識にたどりつくための簡単な解説および良質な資料へのリンクが存在するならば、ネットを利用して専門知識について学びたい方々にとって非常に役に立ちます。一方で、そのような簡単な解説および良質な資料の提供者が、大学院生、大学院修了者および専門家であるならば、科学・技術コミュニティは、専門知識を社会に還元する意図があり、かつ、実際にそれを行っていることを非専門家の方々にアピールできると考えられます。

自分の分野の常識をWebでアクセスできるようにしておくことというエントリーで書きましたが、そのような簡単な専門知識の解説および良質な資料へのリンクを個々人のブログや組織のWebサイトで公開しておいてもよいのですが、そのような情報は一箇所にまとめられていた方がその利便性が高まります。

Wikipedia日本語版は、この用途においてとても有用な候補の一つです。第一に中立的な組織が運営するサイトでありますし、第二に数年から十数年のスパンでそのサイトが存続することがきたいできます。

また、福島第一原発事故が示した事実は、科学や技術だけではこのようなトランス・サイエンスの問題は扱いきれないということでした。われわれには、自然科学およびその応用分野だけでなく人文学の知識も必要です。さらに我々の社会の場においては「伝統」「一般常識」を理由とした不合理に思える発言や振る舞いが多く見られます(たとえばこれ)。これらの「伝統」「一般常識」へのカウンター情報として、人文学の各分野における常識が、Web上で簡単にアクセスできるようになっていることはとても重要です。そして、このような人文学の各分野における常識を記載しておく場としても、Wikipedia日本語版は適切な場であると思われます。



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