概要

■チェーンについて
SRXのドライブチェーンはモデル年次によってサイズが異なる。
1型・2型は520サイズ。
3型・4型は428サイズが採用されている。
サイズを落とすことにより静音化と駆動ロス削減、製造コストの圧縮を図ったため。

なお、2型へのモデルチェンジ時にドライブアクスルがインボリュートスプラインに変更されていたり、4型ではラジアルタイヤを履くためチェーンラインがオフセットされていたりするので、チェーンサイズが同じでもスプロケットをモディファイする場合は注意を要する。

■ミッション
ミッションは5速。
初期型のみ5速ギアの減速比が0.807で、2型以降0.791となる。
その他の減速比は1速:2.307 2速:1.588 3速:1.200 4速:0.954
である。
4速がオーバードライブとなっている点が特徴的。

■クラッチ
SRXのクラッチは5本のクラッチボルトで止まったプッシュロッド式湿式多板クラッチ。
8枚のクラッチディスクと7枚のドライブプレート、クラッチ離れを促すウェーブスプリングで構成されている。

4型はクラッチワイヤーがセルモーターを迂回するため非常に引きが重く、4型の数少ない泣き所となっている。


■よくあるトラブル
ミッションのニュートラルが出にくい個体が多いと聞く。
特にギアを入れたままクラッチを切って停車してしまうとシフトレバーがびくともしなくなるものもあり、乗車にあたっては車体が止まる前にニュートラルを出しておくといった知識が必要となる。
(もしもクラッチを切って停車してしまったら、半クラを当ててニュートラルを出すか、セルモデルならエンジンを止めてしまうのも策である)

根本的な対策としてはエンジン組み立て時の入念なシフト周りのすり合わせと、クラッチの状態を良好に保っておく事が有効。
特にクラッチの組み方によってこの現象をかなり抑えることができるようだ。SRXはクラッチの構造上クラッチを切った時に「倒れ」が発生しやすく、プレッシャープレートが傾いた状態で切れる個体が多い。スプリングの入れ替えなどで可能な限りプレッシャープレートがクラッチディスクと並行に浮き上がるよう調整すると改善する場合がある。
また、エンジンをOHせずともエンジンオイルの銘柄を変更するだけでもある程度の改善が見られることがあるので試す価値はある。



チェーンサイズについて


チェーンサイズは通常3桁の数字で表される。
左の1桁はピッチ長を表し、チェーン1コマのローラーピン間の距離を表している。
5なら5/8インチ(15.875mm)
4なら4/8インチ(12.7mm)
である。

また右の2桁の数字はリンクプレート間の内幅を表している。
20なら2.0/8インチ(6.35mm)
28なら2.8/8インチ(7.94mm)
である。

通常ピッチ長は長くなるとリンクプレートが大きく厚くなりチェーンは強くなる。
一方内幅はローラーピンの長さなので短い方がたわみ量が減って強くなる。
一般に428よりも520の方が強度と耐久性に優れるため、エンジンチューニングを進めていくならばチェーンの520化は考慮に入れるべきであろう。

なお、チェーンにおける強度とフリクションは完全にトレードオフの関係にある。
強度を求めればどうしてもチェーンは重くなり、フリクションは増加するのでエンジンの仕様に合ったチェーンサイズの選定を推奨。

(大磯)






(gizmo)

◾️クラッチ切れ改善 シフトイージーに
クラッチのプッシュロッド交換 ヤマハ純正部品 4PT-16356-01 素の状態ではほんの少し太過ぎ ギリギリ入る太さに調整して取り付け クラッチの切れ改善、シフトが簡単に。取り付けて3千キロくらいテスト、今のところ順調。

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最終更新:2023年09月21日 00:16