概要
SRXのエンジンはビッグオフローダーXT400/600のものをロード用にチューニングして転用したものであるため、ドライサンプである。
ドライサンプエンジンはエンジン本体のオイルパンのほかにオイルタンクを有する。
オイル交換にあたっては双方よりオイルを抜き取る必要がある。オイルフィルターカバー上面に空気抜きの小さなボルトがついているのでオイルを抜くときはここを緩めておくとよい。
指定オイルは1~3型がヤマハ4サイクルオイルFX 10W-30
4型はヤマハ4サイクルオイル エフェロG,Z,X
オイル交換のサイクルは通常2,000km~3,000kmを目安にするが、エンジンオイルは加熱されると急速に酸化が進む(厳密には開封されたときからゆっくりと酸化が始まる)ので、たとえ距離が進んでいなくとも半年に1度は交換したい。
また、クラッチカバー右にオイルフィルターがあるので、オイル交換2回に1度の頻度でフィルターを交換する。
オイル量は1~3型の通常交換時2.0L、フィルター交換時2.1L
4型通常交換時2.4L、フィルター交換時2.5L
なお、オイルレベルについては数分間アイドリングさせた後エンジンを止め、2分程度時間を置いてから、車体を垂直に立てた状態で純正のレベルゲージをねじ込まずに口金に当てて計量する。
オイルタンクが比較的下方に設置されている4型については時間によってオイルレベルに誤差が生じる場合があるので留意すること。
また、オイルをできるだけ抜き切ろうとドレンを開けっ放しで放置したりクランキングするのは避けること。
特にクランキングするとポンプがエアを噛んで焼け付きの原因になるので厳禁。
余談だが、純正車載工具(とされている)「オイラー(部品番号:1JK-28194-00)」はクランクケースドレンボルトを開けた際にフレームやマフラーを廃油で汚さないようにする「樋(とい)」なのだが、何故か大多数のオーナー諸氏は見たこともない、画像検索しても写真一枚出てこないというフシギなパーツである。
オイルフィルター交換時の注意
SRXのオイルフィルターはSRと共通(4X7-13440-90 エレメントアセンブリ,オイルクリーナ)のフィルターが用いられており、社外品も入手しやすい。
このフィルターを収めるカバーもまたSRと共通で3本のボルトで締結されている。
この3本のボルトのうち上の2本はクラッチカバーを貫通してクランクケースで止まっているので、舐めるととても面倒くさいことになるため要注意。(下の1本はオイルチェックボルトでクラッチカバーでとまっている)
オーバートルクは厳禁。
ガスケットとなるO-リング(93210-07135 O-リング)は高いものでもないので、できればフィルターカバーを開けたら交換したい。液状ガスケットの併用も有効だが、何度も多用するとガスケットのカスを噛んでかえってオイル漏れの原因にもなるので要注意。
因みに、上の2本を舐めてしまうと初回はクラッチカバーを外してヘリサート加工、ヘリサート加工後に壊してしまったらクランクケース交換である。
オイルクーラーについて
1~3型の600には純正でオイルクーラーが装備される。
通常のオイルクーラーとは違い、クーラーの配置はヘッドへ圧送されるオイルラインの半ばにバイパスする形で設けられており、全オイルがクーラーを循環する構造とはなっていない。
裏技的Tipsだが夏場に油温の上昇に悩まされるときは、オイル量を規制しているボルト(部品番号:91316-06010 .ボルト)を数mm長いものに変更するだけで、オイルクーラーへの流量を簡便に増大させることができる。
4型以降では400、600ともオイルクーラーは標準装備となる。
その配置もオイルタンクへの戻り経路に設置され、全オイルが循環するよう改められている。
Tips
純正指定では10W-30となっているオイルだが、空冷エンジンであるSRXは各部のクリアランス(隙間)も大きく、クラッチなども熱を持ちやすいため10W-40ないし15W-50など固めのオイルの方が相性がよいと思われる。
ただし冬場、4型に15W-50を入れる場合は気温に注意すること。寒くなるとセルが回らなくなる可能性あり。
(大磯)
OIL交換ネタです。
ドレンガスケットは三菱の車が同形状の物を使っているので
カー用品店のOILコーナーで手に入ります。
OILエレメントもSRが同じ物を使っていますので、
バイク屋・用品店でガスケット購入の際には
SR400用で在庫を持っている可能性があります。
(SRのドレンガスケットエンジン側もSRXと同じです。)
(すすむ@大宮)
(gizmo)
最終更新:2022年09月07日 00:59