目次
卵の殻
卵の殻はアルカリ性のため、pHが低くなりすぎた糠床のpHを高めてくれます。
正確には中和する程のアルカリ性は無く、酸性に傾いたpH値を多少高める程度です。
正確には中和する程のアルカリ性は無く、酸性に傾いたpH値を多少高める程度です。
- 参考
- pH値が高い = 塩基性(アルカリ性)
- pH値が低い = 酸性
塩分濃度
糠床に塩分は必須です。
ですが高すぎると乳酸菌の働きが弱くなり、風味と酸味がなくなってしまいます。
逆に、塩分濃度が低すぎると乳酸菌が過剰発酵して、酸っぱい漬け物が出来てしまいます。
一般的には海水を舐めた時くらいの塩辛さと言われています。
ですが高すぎると乳酸菌の働きが弱くなり、風味と酸味がなくなってしまいます。
逆に、塩分濃度が低すぎると乳酸菌が過剰発酵して、酸っぱい漬け物が出来てしまいます。
一般的には海水を舐めた時くらいの塩辛さと言われています。
乳酸菌とは
乳酸菌は糠床の腐敗を防ぐ働きがあります。
酸性を好み、また自身も糠床を酸性へと変化させます。
乳酸菌が過剰に繁殖し過剰発酵をすると、糠床の匂いが酸っぱくなり味も酸っぱくなります。
酸性を好み、また自身も糠床を酸性へと変化させます。
乳酸菌が過剰に繁殖し過剰発酵をすると、糠床の匂いが酸っぱくなり味も酸っぱくなります。
乳酸菌の過剰発酵の原因は温度が高くなることもありますが、塩分濃度の低下も原因の一つです。
乳酸菌は塩分に強いですが、高濃度の塩分では発酵が鈍くなります。
過剰発酵してしまった場合は、塩分を増やして乳酸菌にとって活動しにくいpH値にする必要があります。
また、卵の殻を入れて中和することで過剰発酵を抑える事も可能です。
アルカリ性の殻を入れてpH値を高める事が出来るからです。
乳酸菌は塩分に強いですが、高濃度の塩分では発酵が鈍くなります。
過剰発酵してしまった場合は、塩分を増やして乳酸菌にとって活動しにくいpH値にする必要があります。
また、卵の殻を入れて中和することで過剰発酵を抑える事も可能です。
アルカリ性の殻を入れてpH値を高める事が出来るからです。
しかし、あまりにも高いpH値は糠床の腐敗を招きます。
先に述べたように乳酸菌は腐敗を防ぐ働きをしますが、酸っぱさや酸味が嫌で発酵を抑えすぎると防腐効果が弱まり腐敗の原因になります。
先に述べたように乳酸菌は腐敗を防ぐ働きをしますが、酸っぱさや酸味が嫌で発酵を抑えすぎると防腐効果が弱まり腐敗の原因になります。
また、乳酸菌の働きは防腐効果だけではありません。
発酵する過程で旨味成分であるアミノ酸の生成をしてくれます。
旨味調味料である昆布や椎茸で旨味を足すのもいいですが、乳酸菌を増やして菌による旨味生成を主軸に考えましょう。
発酵する過程で旨味成分であるアミノ酸の生成をしてくれます。
旨味調味料である昆布や椎茸で旨味を足すのもいいですが、乳酸菌を増やして菌による旨味生成を主軸に考えましょう。
乳酸菌の種類
乳酸菌には大きく分けて二種類あります。
一つは動物性乳酸菌、もう一つは植物性乳酸菌。
糠床に住んでいるのは、もちろん植物性の乳酸菌です。
一つは動物性乳酸菌、もう一つは植物性乳酸菌。
糠床に住んでいるのは、もちろん植物性の乳酸菌です。
乳酸菌は嫌気性?
個人サイトや糠の通販サイトなどで、乳酸菌は嫌気性と記述されています。
糠床は毎日混ぜる必要がありますが、混ぜすぎると乳酸菌の働きが弱り腐敗しやすくなる、と。
糠床は毎日混ぜる必要がありますが、混ぜすぎると乳酸菌の働きが弱り腐敗しやすくなる、と。
しかしこれらは誤りです。
乳酸菌は嫌気性ではなく通性嫌気性なのです。
通性嫌気性と聞いて=嫌気性と勘違いしたことによる情報でしょう。
通性嫌気性とは、酸素がある時とない時で代謝を切り替えてどちらでも活動が出来る菌を指します。
乳酸菌は嫌気性ではなく通性嫌気性なのです。
通性嫌気性と聞いて=嫌気性と勘違いしたことによる情報でしょう。
通性嫌気性とは、酸素がある時とない時で代謝を切り替えてどちらでも活動が出来る菌を指します。
通性嫌気性という字を見て、字の印象から嫌気性と勘違いをしないよう注意をして下さい。
ですから、糠床を混ぜすぎて乳酸菌の働きが弱まるという事は起こりえないのです。
安心して混ぜ混ぜして下さい。
ですから、糠床を混ぜすぎて乳酸菌の働きが弱まるという事は起こりえないのです。
安心して混ぜ混ぜして下さい。
※しかし、糠床の腐敗を防ぐ発酵(乳酸を生み出す)は酸素濃度が低いまたは無い状態で起こります。
乳酸菌は酸素がある状態と無い状態で活動が変化します。
乳酸菌は酸素がある状態と無い状態で活動が変化します。
ヨーグルトやチーズを入れる
乳酸菌を手っ取り早く増やす方法として、糠床にヨーグルトなどを入れる方法が多く紹介されています。
しかしこれらは間違いです。
確かに乳酸菌を増やすことはできますが、そもそも糠床内にいる乳酸菌とヨーグルトに含まれる乳酸菌は種類が違います。
ヨーグルトやチーズは動物性乳酸菌、糠は植物性です。
更に、動物性乳酸菌は塩分に非常に弱く、糠床の塩分濃度では生き残れません。
しかしこれらは間違いです。
確かに乳酸菌を増やすことはできますが、そもそも糠床内にいる乳酸菌とヨーグルトに含まれる乳酸菌は種類が違います。
ヨーグルトやチーズは動物性乳酸菌、糠は植物性です。
更に、動物性乳酸菌は塩分に非常に弱く、糠床の塩分濃度では生き残れません。
手っ取り早く糠床の乳酸菌を増やす方法として、乳製品を入れるのは推奨されません。
そればかりか、動物性の要素は糠床を腐敗させる原因の一つになります。
そればかりか、動物性の要素は糠床を腐敗させる原因の一つになります。
糠床を腐りにくくする
旨味成分の要素として、動物性の材料を使わない事も方法の一つです。
その例が、にぼしや鰹節です。
また魚や肉などを漬ける場合は、野菜とは別の糠床を用意して別途漬けましょう。
動物性の材料を旨味要素として入れる場合は、十分に注意しましょう。
その例が、にぼしや鰹節です。
また魚や肉などを漬ける場合は、野菜とは別の糠床を用意して別途漬けましょう。
動物性の材料を旨味要素として入れる場合は、十分に注意しましょう。
アルコール類を入れる
ビールや日本酒などを入れると、発酵が促進されます。
入れすぎると酒臭くなり、さらに過剰発酵してしまいます。
入れる分量は、軽く円を描く程度の少量で十分です。
糠を多めに足した時や、新しい糠床を作った時などに入れると良いでしょう。
入れすぎると酒臭くなり、さらに過剰発酵してしまいます。
入れる分量は、軽く円を描く程度の少量で十分です。
糠を多めに足した時や、新しい糠床を作った時などに入れると良いでしょう。
良い状態の糠床
匂いや塩分濃度に関しては個人の趣向があるのでここでは省きます。
糠自体の手応えや状態に関して言うと、フカフカした状態が良い状態だと言えます。
糠は発酵すると膨張します。
その為に空気が入り、糠がフカフカと軽くなった印象を感じるようになります。
糠自体の手応えや状態に関して言うと、フカフカした状態が良い状態だと言えます。
糠は発酵すると膨張します。
その為に空気が入り、糠がフカフカと軽くなった印象を感じるようになります。
- 追記
- 床分けをして、新たに糠床を作って実験してみました。
- 発酵によって糠床が膨張し、糠床表面が全体的に盛り上がって亀裂が入ります。
- 糠床に手を入れて糠を掻き混ぜる際の手応えが変わります。
- 糠自体が空気を含んだ状態になり、見た目よりは軽く感じます。
- この事から、フワフワという表現が生まれたのかも知れません。
- .
- また、この現象は糠床の水分量が普通から少ない状態で多く見受けられました。
- 水分量が多めの糠床だと膨らんだそばから、その空間に水分が流れ込むため空気を含んだ状態が維持されないからだと思われます。
- 管理人のメイン糠床は水分量が多めで、毎日少量の水分が表面に染み出す糠床です。
- 実験用に作ったサブ糠床は、水分量が少なめ(他の人からしたら普通かも)なので膨らむ状態を再現できました。
- .
- 以上のことから、「糠床がフカフカしている=良い状態、それ以外はまだまだ」
- といった図式が必ずしも成立する訳ではないという結論に至りました。
- 水分量が普通か少なめだと膨らむ状態が確認でき、多めだと確認できないだけ、だと。
野菜についた糠は落とす?
漬けた野菜を糠床から引き上げる時に野菜に付いた糠は、「落とさない」というのが基本とされています。
ですが、これは自由にして問題ありません。
野菜に付いた糠を落とす理由ですが、漬けた野菜の周りの糠は水分を多く含んでいます。
その糠を落とすと糠床が水っぽくなったり、水たまりができる原因になります。
ですが、これは自由にして問題ありません。
野菜に付いた糠を落とす理由ですが、漬けた野菜の周りの糠は水分を多く含んでいます。
その糠を落とすと糠床が水っぽくなったり、水たまりができる原因になります。
ですがその水分を多く含んだ糠は、野菜から染み出た栄養を含んだ水分です。
糠床の菌達に栄養を与えるために、付着した糠を綺麗に落とす事も一つの手です。
糠床の菌達に栄養を与えるために、付着した糠を綺麗に落とす事も一つの手です。
糠床の固さ、栄養分などと相談して調整しましょう。
野菜の変色・色落ちを防ぐ
漬けることで変色してしまったり、周りの糠に色が移ってしまう野菜があります。
- 色落ち
- 野菜に含まれる水溶性の色素が染み出す事で起きます。
- 変色
- 色素成分が酸素に触れて酸化したり、糠床のpH値によって変化します。
- 代表的なのが茄子で、pH値が下がると赤く、高くなると青くなる性質を持ちます。
これらを防ぐ方法は二つあります。
- 塩もみ/板ずりする
- 明礬(みょうばん)を使う
明礬は塩に比べ1/10くらいの分量で十分です。
匂い移りを防ぐ
野菜独特の青臭さや、セロリなど匂いの強い野菜は糠床自体に匂いを残してしまいます。
これらを防ぐ為に糠床の入れ替えも有効ですが、新たに匂い成分を足す事でも解消できます。
これらを防ぐ為に糠床の入れ替えも有効ですが、新たに匂い成分を足す事でも解消できます。
- みかんの皮
- 乾燥させた物を使います。
- 数日で取り出します。
- レモンの皮
- 乾燥させた物を使います。
- 数日で取り出します。
- 青梅
- 一ヶ月ほど持ちます。
- 梅干しでも可能ですが、崩れて糠床に混ざる事があります。
- 山椒の実
- 乾燥したものを入れます。
水たまりは取らない方がいい?
糠床の表面に水たまりが出来ることがあります。
糠床の水分が増えて糠が蓄えきれなくなった分が、表面に染み出して出来た水たまりです。
過剰な水分は糠床を腐敗させる原因の一つになるので、スポイトなどで取り除く必要があります。
糠床の水分が増えて糠が蓄えきれなくなった分が、表面に染み出して出来た水たまりです。
過剰な水分は糠床を腐敗させる原因の一つになるので、スポイトなどで取り除く必要があります。
これらの水分には野菜から染み出た栄養素や菌が作った旨味が溶けています。
糠床が緩くなり過ぎない程度に残して混ぜ込んでしまう方法もあります。
しかし、残留農薬や野菜の灰汁も含まれているので糠床と相談して調整することをお勧めします。
糠床が緩くなり過ぎない程度に残して混ぜ込んでしまう方法もあります。
しかし、残留農薬や野菜の灰汁も含まれているので糠床と相談して調整することをお勧めします。
卵の殻は危険?
卵の殻の表面にはサルモネラ菌が付着している事があります。
基本的に工場で消毒液によるシャワーで殺菌されます。
表面に付着したサルモネラ菌洗浄で落ちますが、内部の菌は洗浄では消えません。
サルモネラに汚染された玉子が流通する確率は、1万個に数個と言われています。(*1)
基本的に工場で消毒液によるシャワーで殺菌されます。
表面に付着したサルモネラ菌洗浄で落ちますが、内部の菌は洗浄では消えません。
サルモネラに汚染された玉子が流通する確率は、1万個に数個と言われています。(*1)
日本国における細菌性食中毒のデータ
サルモネラ菌は弱アルカリ性を好む性質があり、酸性であるpH値4.75以下では生息できないという報告もあります。(*2)
糠漬けにおいては、糠床が酸性のためサルモネラ菌類には住みにくい状態になっています。
しかし、完全に滅菌するには加熱処理が推奨されます。
サルモネラ菌は乾燥に弱いという報告もありますが、完全な殺菌のためにはやはり熱処理が必要です。
糠漬けにおいては、糠床が酸性のためサルモネラ菌類には住みにくい状態になっています。
しかし、完全に滅菌するには加熱処理が推奨されます。
サルモネラ菌は乾燥に弱いという報告もありますが、完全な殺菌のためにはやはり熱処理が必要です。
サルモネラ菌の発育・増殖の最も適した温度(至適温度)は37℃付近で、この温度条件下では20分に1回の割合で2分裂して増殖します。
1個のサルモネラ菌が7時間後には人に食中毒を起こすに十分な約200万個にもなります。
至適温度以外でも8~45℃であれば分裂速度は遅くなりますが増殖可能です
1個のサルモネラ菌が7時間後には人に食中毒を起こすに十分な約200万個にもなります。
至適温度以外でも8~45℃であれば分裂速度は遅くなりますが増殖可能です
70℃以上の温度下では生存できず、62~65℃で30分の加熱で死滅します。
※情報源
- 厚生労働省
- JA全農
- 東京都健康安全研究センター
釘
茄子の変色を防ぐために塩もみや明礬を使う方法がありますが、釘を糠床に入れる方法があります。
錆びた釘ほど効果が高いです。
しかし、釘はもともとこういった用途を前提に作られていません。
メッキが施されていたり重金属が含まれている危険性があるためお勧めしません。(*3)
今は大丈夫でも体内で蓄積されて症状が出る可能性は否定できません。
食品用の鉄器や、糠床用に作られた鉄製品にしましょう。
錆びた釘ほど効果が高いです。
しかし、釘はもともとこういった用途を前提に作られていません。
メッキが施されていたり重金属が含まれている危険性があるためお勧めしません。(*3)
今は大丈夫でも体内で蓄積されて症状が出る可能性は否定できません。
食品用の鉄器や、糠床用に作られた鉄製品にしましょう。
美味しさを足す材料
菌の成長と発酵で旨味が増していく糠床ですが、風味を良くする食材がいくつかあります。
以下の情報は、実体験や家族・友人から得た方法、そして2ちゃんスレからの情報です。
糠床によって合う合わない場合があるため、定番の旨味食材以外を使う時は実験する気持ちで入れてみましょう。
以下の情報は、実体験や家族・友人から得た方法、そして2ちゃんスレからの情報です。
糠床によって合う合わない場合があるため、定番の旨味食材以外を使う時は実験する気持ちで入れてみましょう。
- 定番
- 乾燥昆布
- 旨味は勿論、水分を吸ってくれるので多少の水分調整が可能。
- 2~3日漬けたらよく絞ってから取り出します。
- 粉末や細かく切った状態であれば、入れたままで構わない。
- 干し椎茸
- 旨味は勿論、水分を吸ってくれるので多少の水分調整が可能。
- 2~3日漬けたらよく絞ってから取り出します。
- 大豆
- コクが出ます。
- 水分を吸ってくれるので多少の水分調整が可能。
- 2~3日漬けたらよく絞ってから取り出します。
- きな粉
- 大豆と同じだが、粉末なので糠に混ぜられる。
- 口コミ情報
- 柿の皮
- 風味がよくなる。
- 糠を足した後の熟れが早く、冬期は差がよく分かる。
- 天日干しすればビタミンも増え風味も良くなり保存も利く。
- 熟れた柿
- ぐちゃぐちゃにして糠床に混ぜると、色と風味が良くなる。
熟成を早める/助ける
糠床の熟成には、通常1~3ヶ月ほどかかります。
気温の下がる冬期は熟成速度が緩やかになるため、熟成を促進させる材料を混ぜる事が多いです。
また、糠を多めに足した時などにも使います。
気温の下がる冬期は熟成速度が緩やかになるため、熟成を促進させる材料を混ぜる事が多いです。
また、糠を多めに足した時などにも使います。
- アルコール類
- ビールや日本酒など。
- アルコールと酵母が発酵を手助けします。
- 入れすぎに注意。
- サプリメント系
- 植物性乳酸菌が入った飲料や錠剤。
- 飲料はそのまま、錠剤の物は潰して粉にして混ぜる。
- 種床を入れる
- 熟成した糠床を持っている友人などから、糠床を少し分けて貰う。
- 既に熟した糠のため、豊富な菌がいる。
大豆の煎り方
大豆を糠床に入れると水分調整ができますが、同時に味にコクを加える事も出来ます。
何も処理をしていない乾燥させただけの大豆では、青臭さが強くお勧めできません。
何も処理をしていない乾燥させただけの大豆では、青臭さが強くお勧めできません。
- 準備
- フライパン
- 乾燥大豆
- 方法
- 弱火または中火でフライパンを熱し、そこに大豆を入れる。
- 焦げないようにフライパンを適度に振りながら、全体に熱を入れる。
- 香ばしい香りがしてきたら一粒食べて、味が変わっていたら完成。
- この段階では噛むとまだ柔らかいが、冷ますと固くなる。