933 :New ◆QTlJyklQpI:2012/04/26(木) 02:23:59
支援SS ~矢は放たれたり~

1943年某日、ドーバー海峡を偵察していたモスキート爆撃機の偵察機型は迎撃を受ける事になった。
それまでも迎撃を受けたが持ち前の逃げ足でBf109やFw190を振り切っていたが今回の相手はともかく早かった。
銃撃を受けながらも何とか帰還した乗員は「機体の前後にプロペラのある機体だった」と証言し、
英国諜報部はドイツ第三帝国の新型機として最優先で情報を集める事になった。

「これが”プファイル(矢)”か・・・・」
「はい、見た目は奇抜ですが彼の日本機と渡り合うことは十分可能です」

数日後ヒトラー総統の前で、その新鋭機はお披露目された。

ドルニエ社製Do335双発戦闘機。
元はエンジンを串型に配置する特許を得ていたドルニエ社が開発していた爆撃機であった。
しかし、日本によってこの機体は全く別の用途に使われることになる。

独ソ戦の最中もドイツは総統の肝いりで日本への諜報活動を行ってきた。
そして日本の主力機である烈風(隼)、飛燕のスペックを知ることによってドイツ空軍に激震が走ることになった。
時速670km/hを超え、飛燕に至っては700km/h近い性能を有するとなれば既存のBf109やFw190では
対抗不可能。第一、独ソ戦の最中であり既存機体の改修より量産が最優先されているため空軍は新型機の開発に舵を切った。
しかし、新型として期待されていたMe309は新機軸を取り入れ過ぎ、予定より低性能も相まって失敗と見なされてしまった。
新型機の開発が絶望視された時にドルニエ社の双発爆撃機案に注目が集まった。
双発機にしてはその形状もあって良好な運動性能に2基のエンジンによる高馬力・・・・戦闘機仕様の開発命令は即座に出された。
こうして史実に比べ小型化されたが良好な性能を持つDo335戦闘機が誕生した。
時速は高オクタン燃料を積めば780km/hを超え、30mmモーターカノンと20mm機関砲4門の攻撃力を備えた当機は
対地攻撃型のD型やターボプロップ化したG型、ジェット化したK型など様々なバリエーションを持ってドイツ空軍の
最強のレシプロ機として君臨し、英国を震撼させることになる。

「ところで・・・コストはもう少しなんとかならんのか?」
「はい・・・唯でさえエンジンを2基積んでおりますから」

最近コスト面での事を気にし始めた総統はコスト面に目をつむってDo335の増産させるか既存の機体でコストを取るかで
大いに悩むことになるのであった。

余談

「こっちの機体は何かね?えらく大きい砲を積んでるが」
「それは高高度迎撃用に50mm機関砲を搭載したものです。装甲も増やしたせいで高高度での飛行に支障が」
「ふむ・・・・これを対戦車攻撃機に出来ないか?」

かくして、ヒトラーの命令により魔王の愛機となるD型が製造されることになった。

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最終更新:2012年04月26日 17:20