180. 名無しモドキ 2011/05/01(日) 23:55:24
>>173

>>176
の話は、投下してから文章の間違いの多さに気づきへこんでます。それも、前回に引き続き・・。
以下は、以前、間違って別のスレに書き込んでしまいましたSSの改訂版です。再掲という形は歓迎されないと存じて
おります。ただ、時代に間違いがあったことと、内容が伝わり難いようでした。大幅に加筆修正しておりますのでお許
しください。なお、ここに出てくる病原体パンドラが、「憂鬱世界」に実在したとしても「アメリカ病」であったかは
当然不明です。

「パンドラの箱」  −死の翼に触れるべからず− 加筆改訂版

紀元前26,893年秋  現在のアムール川河口付近 当時は、森林と草原が混在する中流流域
  集団のリーダー役であるオクムは、数ヶ月前から考えていたことを実行した。集団を二つに分けたのだ。今年も、秋は
足早に過ぎていくのに、三十人以上の人間を冬の間に養う食糧はまだ得られていない。一緒に暮らすには、集団の人数が
多くなり過ぎたのだ。
  長老格のオクムが若かった頃は(とは言えオクムは三十七歳である)、疫病によって集団は消滅の危機に瀕していた。
幸いに、オクムとその兄弟達の子供たちの多くは生き残り、集団はオクムが知る限り最も繁栄している。ただ、皮肉なこ
とに採集狩猟生活では、一人当たりの、必要面積が広大になり、おのずと集団の人数は制限されてしまうのだ。
  オクムは、弟のセキに集団の半分を託した。春になり、太陽がまた我らを温め、獲物が地に溢れるようになれば、会お
うと約束して。オクムは海岸に沿って北に、セキは、後世、間宮海峡と呼ばれる低地を目指して東に移動した。
  しかし、オクムとセキは生涯、会うことはなかった。ただ、三万年近い時を経て、彼らの血を引く者たちは、それとは
知らずに再会するはずである。ただ、セキの子孫達は、大部分が先祖と姿形は似ていたが、オクムの子孫の中には、金髪
や碧眼、さらに、濃い褐色の肌を持つ者も多くいた。

紀元前17,456年春  べーリンジア平原(後のベーリング海)の疎らに灌木が茂る、とある丘陵
  オクムの遙かな子孫である族長のムサベは、娘ミヌイの顔をのぞき込んで最後の別れをした。そして、ミヌイの亡骸を
セイウチの皮でくるませた。
  オクムの時代と比べて、北洋の豊かな水産資源が利用でるようになったことと、その保存技術を編み出したため、より
多くの人間が、ある程度の期間、定住出来るようになっていた。このことは、生活の余裕を生み、埋葬などの文化にも大
きな影響を与えていた。ところが、今年は、冬が厳しかったため、春の訪れが遅れて、秋に蓄えた乾燥肉や、燻製サケは
大方底をついて一族の者は飢えていた。太陽がもどり、漸く、狩りが出来るようになったが、体の弱かったミヌイは三日
ばかり寝込み、今朝、あっけなく死んでしまった。
  ミヌイがかかった病気は、過去千年以上の間に多くの者が発病した。今でも、何年かおきに一族で流行するが死ぬ者は
希だった。今回も死んだのはミヌイだけだった。「ミヌイは死の翼に触れたのだ。蒼白い顔の精霊は目に見えない死の翼
で我々をなでていく。死の翼に触れたものは、死の病をまき散らす怨霊になる。」ムサベは、そう言うと深い穴を掘らせ
てミヌイを埋めた。
「わしが死ねば、ミヌイの上に埋葬してくれ。わしがミヌイの魂を鎮めて、死の翼を防ごう。」
何年かして、ムサベが死んだときこの指図は忠実に守られた。

1892年−細菌濾過器をタバコモザイク病の病原が通過しても感染性を失わないことをロシア
のディミトリ・イワノフスキーが発見する。しかし、それは、あまりにも小さすぎるため顕微鏡
では観察できなかった。
1932年4月−日本の北里研究所で、タバコモザイク病のウィルスを結晶化。結晶化したのち
も感染力を確認。ウィルスの研究が各地で進む。
1934年−京都帝國大学医学部微生物研究室で電子顕微鏡によるウィルスの写真撮影に成功する。
1936年−1930年代前半、徳田球一や夢幻会有志の援助を受けた日本の鳥居龍蔵アリューシャン
考古学探検隊の数回およぶ発掘がサハリン・アリューシャンで行われ大きな成果をあげる。この成果
に対抗して、ロックフェラー財団による考古学チームがアリューシャン列島アトカ島へ派遣される。
なお、鳥居龍蔵アリューシャン考古学探検隊に始まる北方アジアからアリューシャン・アラスカ、そ
して、日本列島に至る人類の移動を科学的に証明した日本考古学界の業績は、現在、札幌の北海道帝
国大学付属北方文化博物館で見ることができる。
181. 名無しモドキ 2011/05/01(日) 23:58:43
−ロックフェラー・アリューシャン発掘隊クレメント副隊長の日誌−
7月4日−ツンドラ層20フィートで、極めて保存状態のよい埋葬遺体を発見。上部に、後年、埋葬した、比較的保存状態
のよい成人男性の遺体があり、この発見に有頂天になって見逃すところであった。ブリッシュのお手柄だ。何故、あのよう
に深く埋葬したのであろうか。まあ、そのおかげで奇跡ともいえる遺体を得られた。
7月5日−現在、発掘している墓地は約一万四千年以上前のもと推定している。規模が大きく一世代から二世代の間、定住
していたようだ。子孫は、アリューシャンが水没する前に北アメリカへ無事に移動したか、アジアに戻ったであろうか。
7月6日−先日、発見された二つの遺体を保存のため、一度ツンドラ層に掘った穴に安置する。大きな遺体は男性であり体
幹を中心に一部がミイラ化している。小さな遺体は五歳くらいの女子である。この遺体は栄養状態はやや悪いが、外傷もな
いため急病で死亡したと思われる。頭部までセイウチの毛皮によって二重にくるまれていたため、モンゴロイド系とわかる
ほど顔も生前の面影が残っている。隊員達はこの少女をパンドラと名付けた。
7月9日−複数の隊員が体調不良や発熱症状をうったえている。悪性の風邪のようだ。解熱剤などを処方する。
7月11日−ダウザーの具合が酷く悪い。無線で救援を要請する。四日後にダッチハーバーから、薬品と応援の医師が到着
する予定である。
7月12日−ダウザーが亡くなった。他の隊員も極めて調子が悪い。わたしも、現在39度以上の熱がある。ただ、アレウ
ト族のトミーとパットだけは、咳と微熱程度で症状が軽い。アレウト族が耐性を持っているとすれば、このインフルエンザ
のような疫病は、アリューシャンの風土病かもしれない。
7月13日−幻覚と幻聴に悩まされる。重篤な肺炎の症状だ。ペンを持つだけで激痛が走る。もうだめかもしれない。

1937年2月15日、アラスカ準州ジュノー、ロックフェラー財団極地研究所    
  残った頭の薄い髪の毛も白髪になった老年の男が、分厚いガラス越しに隣の部屋に置かれた大小の二つの棺桶のよ
うなものを眺めている。
「ジェイキンズ所長、あれですか。」男が、恰幅の良い中年男性に尋ねる。
「そうです。二週間前に運び込みました。運搬には冷凍設備を持った漁船を使用しましたが、船は万が一を考えて
焼却しました。隣の室内はマイナス10度に保ってありますからご安心ください。」
「もう少し低温の方が望ましいでしょうが、まあ、氷点下ならいいでしょう。」
「申し訳ありません。現在のここの設備では精一杯です。」
「わたしも低温が大事とわかってますから、現地が、マイナス30度になるのを待って運び出しました。苦労しま
したよ。まあ、いざとなれば現在は冬季ですから野外で保管する手段もあります。ペイトン・ラウス
博士」
「三日後に、冷凍船が到着します。それまでは、保管をよろしく。」

1940年2月  ニューヨーク、ダウンタウンの浮浪者収容施設
「ジョー、一日、ベッドに寝て食べさせてくれて十ドルだぜ。」ボロ寸前の古着を着て、垢とアルコールで、どす黒い顔を
した男がジョーと呼んだ、一回り若い同じような風体の男に声をかけた。
「チャーリー、よしときなよ。上手い話には、裏があるぜ。あんただって恐慌までは、上手い話をもちかけては稼いで、良
い暮らしをしていたんだろう。騙される方にまわってどうするんだよ。」
「わかってるさ。そこまで切羽つまったってことよ。まあ、ちょっと、やばい新薬のテストってところだ。死ぬことはある
まい。止めても無駄だぜ。もう契約書にサインしてきたからな。二週間したら戻るから一杯おごってやるぜ。」

1941年9月  アメリカ陸軍防疫部機密報告書概略(担当者のみ閲覧可能)
  アリューシャンのミイラBから分離されたウィルスは生体内で増殖させた後、ロックフェラー研究所で保管中である。この
ウィルスの特性を検査するため、1940年3月から12月までの間に、49名の志願者に対してウィルスを感染させる。
其の結果は以下の・・・。
182. 名無しモドキ 2011/05/02(月) 00:02:52
1941年10月12日  アメリカ陸軍長官室
「わかりにくいことがありましたら口頭でご説明いたしましょう。」
  史実ではノーベル生理学・医学賞受賞者であるペイトン・ラウス博士は、机の反対側のアメリカ陸軍長官スティムソンに
声をかけた。
「では、ラウス博士。端的に言って、この病原体パンドラは兵器としては失格ということかね。」書類を見ながら眉間に皺
を寄せてスティムソンは尋ねた。
「我々がイギリスやドイツに用いれば有益な結果が得られるでしょう。しかし、シベリヤやアラスカの原住民、あるいは白人
に対して復讐戦を企んだインディアンに対しては無意味でしょうな。彼らにはすでに耐性がある。症状が出ても、少し酷い
風邪くらいですかな。」
「それ以外の、人種に対しては?」
「人種、人種。何故に後生大事にそのような空虚なものを言い立てて、物事の本質を見失うのやら。かりに人種的な差異を
認めたとしても、このパンドラは人種による耐性の差があるわけではありません。」
「人種的な差異はないと。」
「そうです。あるのは、現在の人類のなかでパンドラに耐性を持った人々がいるということです。長身、ブロンド、碧眼と
いった今、流行の典型的なアーリア人種というべき外見の人物が耐性を発揮した例もあります。」
「哲学じみてきましたな。」
「哲学ではありません。科学的な見地です。さて、サンプル数が少なく科学的とは言えませんが、パンドラは平常の状態で
80%の人間が重篤な肺炎を起こしてます。近代的な病院で対処治療を施して死亡率は20%から40%です。体が弱っていたり
十分な治療を受けられない場合は、死亡率は80%を越えると推定されます。また、完治しても記憶障害や難聴、あるいは
四肢の麻痺などの、長期間、後遺症が残る例もありました。空気感染で広がり適度な死亡率、後遺症を発症して長く国力を
浪費させる。生物兵器としては優秀です。ですが、現在はパンドラを生物兵器として使用はできません。」

「何故です?」
「パンドラに対する対抗策がないからです。対抗策のない生物兵器を使用することは天に向かって唾を吐く行為です。自分
たちにもそれが降りかかるかもしれない。パンドラは濾過性病原体、現在はウィルスと呼ばれるものの一種です。風邪も
ウィルスが引き起こしますが、風邪に根本的な治療薬がないのと同じ理由です。」
「巨額の費用を費やして得た結論としては残念ですな。」
「現状ではそうでしょう。ただ、もう一つ確認しておいて欲しいことがあります。我々の研究対象は、幼女のミイラB以外
に、成人男性のミイラAがあります。このミイラAからもウィルスを分離しました。これは、エリスと呼んでいます。」
「不和と争いの女神エリスですか。で、どのような?」
「エリスは、パンドラに極めて近い病原体と考えています。ただ、病状が軽い。エリス自体の死亡率は治療下で1%程度です。
適切な治療法が見つかればもって下げられるでしょう。放置しても5%を上回ることはないでしょう。」
「生物兵器都としては、うま味に欠けますな。」
「先ほど、エリスはパンドラに近い病原体といいましたが、少ない症例ながら、エリスに感染すれば、完全とはいきませんが
パンドラに対する耐性も獲得すると考えられます。発症率、死亡率も大幅に低下するでしょう。」
「そうか、人為的にエリスを味方陣営で流行らせれば、敵国に対して躊躇なくパンドラを使用できるということですな。
味方に対抗策があるではありませんか。敵には、パンドラ。自国民にはエリスですな。」
「冷静になってください。パンドラと比べれば、確かに死亡率は低い。しかし、このアメリカで自国民にパンドラに対する
耐性を付けようと、人為的にエリスを流行させた時の死者は100万人を上回るでしょうな。100万の国民を犠牲にして使用
する兵器、またはそのような価値のある戦争が、少なくともこのアメリカにありますかな。もし、あったとしても、その
犠牲者100万人のなかに貴方のお孫さんが含まれていたら。」
「身内を殺すかもしれない兵器を使用するという決断ですか。まさにエリスの名にふさわしい。」スティムソンは口を
とがらせながら喋った。
「決断するとすればフィランドのような小国が、一か八かでロシアに使用するような場合でしょう。」ラウス博士は真面目
な顔で言った。
183. 名無しモドキ 2011/05/02(月) 00:06:52
「でしょうな。まあ、アメリカであれば、ロシアとドイツ、ついでに日本を相手にしても100万を超す死者のでる戦争には
ならないでしょう。万が一にも・・・。」スティムソンは、軽い口調で返した。
「そう、パンドラとエリスを保管する理由は、万が一の、保険としてでしょうな。もちろん、ウィルスの研究が進んでワク
チンが完成すれば状況は変わりますからね。ただ、その万が一、パンドラやエリスを使用すれば、我々の社会がひっくりか
える恐れがあります。」

「そりゃ、人口の何%かを失えば、大変でしょう。」スティムソンは言外に、それ以外の理由を問うた。
「わたし自身は人種のなんだかんだには関心がありません。でも、世間知らずの象牙の塔の住民でもありませんよ。この
アメリカにおいて、人種的な価値観がどんなに根強いか、そして、それが社会の基盤となっていることも知っています。」
「すみません。結論をお願いします。」スティムソンは壁の時計を見ながら言った。
「パンドラやエリスに対する対抗力を得たのは、少なくとも一万年以上前にシベリアにいた人々だと推測しています。

また、この病原体への耐久性は、少ないサンプル数ですが、男系を通じた優性遺伝で子孫に残ると考えられます。」
「それが?」スティムソンはペーパーナイフで書類を叩いて答をラウス博士に促した。

「例えば、ある議員がこのパンドラに抵抗力を持っていたとしたら、先祖に、シベリアから渡ってきたインディアン
の男性がいるということです。その議員の選挙区の住民がそれを知っていたら、その議員が当選出来ましたか?
ヒットラーやイギリス国王に耐性があれば、先祖の誰かは、フン族などのシベリヤや北アジアからきたアジア系蛮族の
男性です。それを知ってドイツ人やイギリス人が、現在と同様に彼らを讃えますかな。
  まあ、長い目でみれば人類に有益な情報かもしれませんが、現在の多くの支配的立場にある国家では、所謂、白人種
の優越が暗黙の了解になって社会を維持しています。女系を通じた遺伝なら、征服した民族の女性を孕ませたともいえ
ますが、反対に男系となると、逆のことが考えられますよね。聡明な貴方なら理解出来ると思いますが、征服したりさ
れたり、それが多分歴史の真実でしょう。真実が明らかになることは常に善でしょうか?」

「いや、それは拙いな。」暫く、考え込んでスティムソンは答えた。
「パンドラやエリスは、長い北米やシベリアの歴史の中に、姿を消してしまいました。そして、この5世紀間、白人種
と自称する人々はアメリカ大陸を支配してきました。しかし、一万年、ひょとしたら二万年以上の時を経て蘇ったこの
病原体は、その支配を覆して、先住民族を復権させる力を持っています。わたしは、人智を越えた企みさえ感じます。」
「サタンの悪だくみですか。」ラウス博士の言に、スティムソンは唸るように応えた。

「いいえ、神の配剤です。」ラウス博士は、そう言うと言葉を続けた。

「・・・最後に、これは科学ではなく、わたしのカンですが、主要国でこの疫病に耐性をもった国があるかもしれません。
インディアンやシベリア原住民は、国を持っていません。例え、彼らと戦争しても、生物兵器を使用する必要はあります
まい。
  しかし、相当の国力があり、国民の大半がパンドラに耐久力を持った国があるとしたらどうでしょう。下手にパンドラ
を使用することで、アメリカにとって不利益な状況を生み、現在の国際情勢や、歴史を大きく転換させるかもしれません。
兎も角、ウィルスの研究が進むまでパンドラと類似種のエリスは厳重に保管すべきです。」ラウス博士は、そう言うと大
きく息を吐き出した。

史実2008年4月  とある日本の高校  日本史の授業
「・・最後に、最近の学説では、原日本人といえる縄文人は、大陸系の人々は異なり、シベリアから、サハリンを経て
渡ってきた一団が大きな要素であると・・。こら、吉崎、最初の授業から寝てるんじゃない。」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−お  わ  り−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
189. 名無しモドキ 2011/05/02(月) 20:04:38
支援SS
>>180
-
>>183
の補足です。補足があるならちゃんと書けとのおしかりもありましょうが、日本側でも「アメリカ病」の
研究が進みそうですのでearth様の本編での話の展開を待ってから(疫病について触れられない場合も含めて)続編を投下した
いと思っていました。しかし、それほどな話を書けそうにありませんので説明させてください。

  お気づきの方も多いと思いますが、ラウス博士の説は、おかしなところがあります。
>>183
で「男系を通じた優性遺伝で子孫
に残る」と言っていますが、男系のみで、伝わるのはY染色体(男性はXY、女性はXX)です。すると、女性は一切、パンドラ
に対して抵抗力がないことになります。実はラウス博士自身が言っているように「少ないサンプル数−49名」での、あまり
科学的ではない推測です。ナチスドイツのようなユダヤ人への大規模な人体実験ではなく、(それでも現代では考えられませ
んが)少数の(何の実験か説明もせずに、後腐れのない金でつった)志願者に対する実験ということと、当時の遺伝に関する
知見から「まったくの的外れではないが、肝心な所で逃した」説を導いたと考えて下さい。
  実は、パンドラに対する抵抗力は、X染色体にある有力な遺伝子と、他の染色体上にある、ある程度の抵抗力を示す、二つ
の遺伝子があります。ですから、パンドラに抵抗力のあるY染色体を持つ男性の場合は、鼻風邪や微熱ですみます。ただし、
もとの母集団が少ないために、このY染色体を持つ男性は、日本においての縄文人でも少数派です。何しろ、この遺伝子を持
つためには、
>>180
のサキなどからずっと男子のみで、現在に至った系統しかありません。(その間、600世代−2万年で
すよ)
  Y染色体に抵抗力を持つ遺伝子のない男性と、女性は抵抗力を持っていても、酷い風邪の症状で寝込む人も出ます。また、
病弱であったり、体調に問題があれば肺炎を起こすこともあるでしょう。(
>>180
に出てくる栄養失調で病弱なミヌイちゃんの
ように)また、常染色体(XY以外の染色体)での因子は劣性遺伝です。すなわち、両親がその因子を伝えていないと、子供
は抵抗力を発揮でできません。ですが、疫病が流行ったある特定の地域では、生存に有利なため長い間にほとんどの人間がこ
の染色体を持つことになります。
  これが、一見して人種による抵抗力の差になりますが、実際は、多くの人が抵抗力を示す地域と、そうでない地域の差です。
東シベリア(南北アメリカの先住民はほとんど抵抗力を示す遺伝子を持っている)を中心にして遠い地域ほど、抵抗力を持つ
人間は少なくなります。ヨーロッパでも、ロシア人などは抵抗力がある人は多いでしょう。「タタールの軛(モンゴル人支配)」
に二世紀も晒されたのですから、この位のメリットはもらわないと割が合いません。(例えば、「走れトロイカ」の原詩の歌詞
は、タタール人に恋人を奪われたロシア人御者の悲しみを歌ったものです)
  最も抵抗力がある遺伝子が少ないのはサハラ以南のアフリカ大陸の住民(結果的に、黒色人種と呼ばれる人々になる)という
ことになります。南アメリカの黒色人種(それに白色人種的な容姿の人も)は混血が進んでいるため、多くの人が抵抗力を持っ
ています。北アメリカの黒色人種は、先住民との混血があり、白色人種と比べて、少しだけ多く抵抗力のあるの遺伝子を持って
います。

                                              以上、駄文、申し訳ありませんでした。
190. 名無しモドキ 2011/05/02(月) 20:06:47
訂正  X染色体にある有力な遺伝子と→Y染色体にある有力な遺伝子と
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最終更新:2012年01月01日 09:53