243 :ぽち:2012/09/04(火) 00:24:30
死闘!教室恋模様

「あ・・・あの・・・・よろしいでしょうか一夏さま・・・・・・このお弁当、食べてくださいま

「いくぞラウラ!」「おうけぃシャル」「「クロスボンバー!」」「ぐはぁ」

「ぐううう、親友よ、私の素顔を見て笑ってるヤツはいないか」
「いないわ、この私が笑わせるものか・・・・って別にあなた覆面被ってないじゃない」

「お、いうワケでわれらは完璧超じ・・・・・・もとい織斑一夏親衛騎団!」
「一夏さんに害をなさんとする者と一夏さんに近づこうとする者は全て我等が抹殺するのですわ!
 ちなみに最終目標は千冬先生!なぜなら私たちより一夏さんに近い存在だから!」

「なかなか楽しいコントだな、こんなのを毎日見てるのか?」
「まあ、ね  ところで相原さん、今日は何をしに来たんです?」
「はっはっは、勿論イチを困らせるために来たに決まってるじゃないか」
「あんたは一体何なんだぁ!」


「まあ冗談はともかく今日は普通の理由があるんだ」
「いつもはないんですね」
「あるわけないだろ」
「・・・・・・・・・・・」
「冗談はともかく、入っていいぞ」
相原の教室外への呼びかけ直後疾風が室内を走り、一夏へと突撃する。
その速さは最強を自負する親衛騎団が一歩も動けないほどだった。
「にいさま!」「ヒルデ?」
疾風の正体である、12,3ほどの少女が一夏に抱きつき、しがみついている。
「アイハラどの・・・・・・・あの娘は何者だ?
 返答しだいではあの娘とアイハラどのに『地獄のねじ回し』をかけねばならないのだが

244 :ぽち:2012/09/04(火) 00:26:32
「あの娘は一夏の義父である大統領が引き取った養子で、異星人だよ」
「異星人とな?」
「ああ、かつてガミラスの尖兵として冥王星基地の司令官に着任し地球に攻撃をかけた男の娘だ」
「話に聞いたところによると、冥王星基地司令ということは、地球人数十億を死に至らしめたということですか?
 そのような男の娘御がなぜ?」
「ラウラ!」
そんな彼らの会話に一夏が割り込む。
「君の考えは判らないでもないがヒルデと義父を侮辱しないでくれ、俺は君を憎みたくない
 彼女の父親がした事の責は父親自身が負うべきで彼女には何の関係もない
 それに何より、俺は彼女の父親を憎むことができないんだ」

「彼女の、そしてシュルツどのの母星はガミラスの侵略を受け、勝ち目が無いと早期に降伏した。
 故にシュルツどのは積極的にガミラスに協力し自分達は利用価値がある、だから滅ぼさないでくれと
 ガミラスにアピールする必要があったんだ
 それをしなければ故郷が皆殺しにあう恐れがあった」
「そしてシュルツどのは故郷を守るためガミラスの手下として己の誇りを衣の下に隠して戦わねばならなかった。
 ドメルどのという尊敬に値するガミラス軍人の部下になったのもそんな彼を形作った理由のひとつだろう」
「そしてガミラスが滅びた後、彼女とその家族は故郷から追放されたんだ」
「何故ですの!シュルツとやらは故郷を守るために戦ったというのに」
「だが地球を滅亡寸前まで追い込んだのが不味かった。
 地球はその後ガトランティス、デザリアム、ボラーといった銀河列強を退け(滅ぼし)ているからね。
 新たな銀河列強の一角となった地球からの憎悪を受ける事を恐れ、さりとて殺すのも偲びず、といった葛藤の結果だろう
 案外『慈悲深い』行いかもしれないよ」
全身から『殺意の波動』を撒き散らして微笑む一夏

「まあそんな訳で故郷から追放され、とある星で母親を病気で失った彼女は浮浪者として身売り寸前な状態で大統領閣下に保護されたんだ」
「浮浪者が大統領とどうやって出会ったんだ」
「『味見だの毒見だので冷めたメシなんかイヤじゃ』とホテル抜け出して屋台でラーメン食ってた時らしい」
「ラーメンて」
「松本宇宙じゃラーメンは全銀河に広まった美食だぞ」
「メタんな」

「まあそんなワケでヒルデは義父の養女となり、俺の義妹となったんだ」
「なあ一夏、彼女を貶めるつもりはないがおまえはそれで・・・・いいのか?」
「シュルツどののことなら、全くこだわりがないわけでもないが俺は彼に敬意を払っているぞ。
 戦術的にも戦略的にも完璧といわないまでも過ちは犯していない。
 実に見事だ」
「兄様・・・・・・」
「仇敵であろうとも優れた者には敬意を表する・・・・・・・実にわが嫁に相応しい」
うっとりとした視線とそこに込められた想いに全く気づかない一夏。


「しかしやはり向こうの地球では白眼視、とまでは言わずとも普通ではいられないんだ。
 これまでは閣下とイチが守っていたのだがイチがこっち来たせいで少々・・・・な。
 まあそんなワケでヒルデもこっちに送るから」
「さすがにこの学園に置くわけにもいかないですね」
「ヒルデは兄様と一緒がいいです 一緒のお部屋、一緒のごはん、一緒のお風呂、そして一緒の・・・・・ぐふふふ、じゅるり」
「何を言ってるのかよくわからんが普通の家、普通の学校に留学というのが一番だな。
 なら知り合いの中華料理屋に下宿させてもらえるよう頼んでみるよ」
おそらく断らないだろう
義妹が居るとなれば一夏も頻繁に訪れるだろうしツテで彼の部屋に遊びに行くというのも可能となるだから

台風も中心である目の部分が静かなように、彼をめぐる恋の騒乱も本人だけが気づかぬまま激化していくようです

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最終更新:2012年11月09日 20:55