218 :New ◆QTlJyklQpI:2009/06/12(金) 00:59:28
マダム、大敗は別として大勝ほど怖ろしいものはない。
ウェロントン

憂鬱支援SS ~対抗記 T-39への挑戦 虎とライオン~
1942年、ある陸軍国が陸軍大国に喧嘩を売った。独逸という狂犬とソ連という赤熊との戦いの始まりである。
独逸の戦車隊はソ連が領有する旧波蘭領へ侵攻、各地で陣地突破を試みていたのだが・・・・・・・・・・。
「前方より識別不明の戦車多数!」という報告でIII号戦車の乗組員は即座に37mm砲弾を装填し、敵が来るのを待つが・・・。
「敵戦車、発砲!!」「馬鹿な!!この距離でか!!」そう叫んだ途端、隣のIII号戦車の砲塔が吹き飛んだ。
「前へ出て距離を詰める!」そして次々と味方が打ち取られていく中、ようやく射程内に入った。
「目標正面の赤!」「フォイヤー!!」そして打ち出された37mm砲弾が敵の車体に命中するが・・・・。
「な、なに・・・・・・」ピンシャンしている敵を見たのがそのIII号戦車乗員の最期の視覚だった。
車体に命中した76mm砲弾は装甲を貫通しエンジンに達し、そのエネルギーをガソリンと一緒に解き放ったのだ。
この戦闘はルフトヴァッフェと共同して何とか敵を退けたが最終的にIII号23両、IIIV号14両を失った。
                                • 数時間後 総統官邸
「共産主義者の戦車にしてやられただと?」総統がそう言って陸軍関係者を睨みつける。
「ヤー、総統閣下。敵の戦車の情報はすでに入っております。敵新型中戦車はT-39、KV重戦車を改造した戦車で
装甲はKVより薄いですが正面装甲は60mm以上あり、主砲も長砲身の76mmを使用しており、KVと同等の火力で
、KVを上回る快速で戦車隊を翻弄しております。」
「それで、なぜ今まで気づかなかったのだ?」
「この戦車は冬戦争時の日本の中戦車に対抗するために開発されたらしく、徹底した機密を敷いていた
ようです。」
「また極東の猿どもか・・・・・それで対抗策は?」ヒトラーもスターリンと同様、凄まじい怒りで逆に冷静になってるらしい。
「今現在の我々の戦車では対抗できません。当分は空軍の援護と戦車間の連携で対応し、その間にT-39に対抗しうる
新型戦車を開発します。」
「では、ただちにかかれ。細かい事は言わん、できるだけ早くしろ。少なくともモスクワに着くまでにな!!」
その総統命令により新型中戦車の開発が始まった目標は「T-39に対抗でき、できるだけ早く実戦に投入できる」こと。
そこで、T-39の残骸を分析、結果強力なエンジンによる機動力と装甲の薄さを傾斜で補っていてなにより
KV重戦車の部品を流用できるので低価格で数を揃えることができる点に着目。
これを元に新規開発していたら時間をとるので開発を終了したり開発中の車両を叩き台にする。
だがⅣ号戦車もⅢ号戦車も元が華奢でとても思い切った改造ができないと判断された。
何かないか、何か・・・・・・そう考えている時ある技術者が言った。
「T-39を真似して重戦車で作らないか?」と。
そこで調べていたら丁度後にティーガーと呼ばれる重戦車が作られていたのでこれを叩き台にした。
「装甲は削れ!!傾斜は手間を省くために前面だけでいい!!」
「88mmは諦めろ!!開発を終えた長砲身の75mmがあるからそれを載せろ!!」
「し、しかし打撃力が・・・・・。」
「数も揃わんしコストも高い!!なにより空軍が優先されてるから数が揃わん!!発展性は持たせるから我慢しろ!!
「しゅん・・・・・(泪)」
「砲塔はヘンシェル社で作ってたのを使う!!そうだ、ゲルリッヒ砲載せてたやつだ!!」
「大丈夫か?なんか妥協と寄せ集めの感があるが・・・。」
「大丈夫!!75mm砲でもソ連の76mmより性能は上だし。足回りもトーションバーにしたし!!」

219 :New ◆QTlJyklQpI:2009/06/12(金) 01:00:04
                    • 数ヶ月後 総統が戦車を見に来た。
「・・・・なんだこの戦車は共産主義者の真似ごとではないか!!」と怒ったが技術者たちは目をギラギラさせながら
「総統!!これのどこが真似なのです!!見てください、この数値のどこに真似など!!」
「この機能美の偉大なるドイツ的車体設計のどこにアカの臭いがするんですか!!」
「これは650馬力もあるんですよ!!寿命を削って馬力を出しているアカのエンジンなんぞ真似したなんて・・・・・!!」
「ああ・・・・・・わかった、わかったから」凄まじい捲し立てで総統の意見を封殺、晴れて採用となった。
余談だが総統はその後細かい事に意見を出さなくなった。この結果を知った部下が捲し立てるようになったからだ。
そして、この戦車はⅤ号戦車「レーヴェ」と命名された。
この戦車はⅣ号と共に改良されつつ戦場を駆け巡った。
              • ある戦車兵がマニュアルを見た時
「なんすか?こりゃ?」
「知らん。噂ではソ連戦車のマニュアルを参考にしたそうだが。」
そこには”レーヴェたん”と書かれた女性が見たこともない画法で描かれてた。
T-39のべリアが推したマニュアルがドイツに渡り、ドイツにもオタ化フラグが立った時であった。

Ⅴ号戦車レーヴェ
車体長 6.4 m 全幅 3.3 m 全高 2.7 m 重量 41 t
懸架方式 トーションバー方式
速度 50 km/h
行動距離 200 km
主砲 43口径7.5 cm砲
副武装 7.92 mm MG36機関銃×2
装甲 砲塔前面80 mm 傾斜11°
    側・後面40mm 傾斜25°
車体前面80mm 傾斜55°
側面・後面40mm

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最終更新:2012年02月04日 21:37